JPWO2005029571A1 - 半導体膜形成用塗布剤、半導体膜、光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

半導体膜形成用塗布剤、半導体膜、光電変換素子および太陽電池 Download PDF

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Abstract

金属酸化物半導体として、酸素欠陥構造を有する金属酸化物半導体または/および窒素を不純物として含む金属酸化物半導体を用い、この金属酸化物半導体100質量部に対し、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む分散媒0.1〜2000質量部を配合して半導体膜形成用塗布剤を製造する。この半導体膜形成用塗布剤を用いることにより、色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。

Description

本発明は、金属酸化物半導体膜の形成に用いられる半導体膜形成用塗布剤、半導体膜、光電変換素子および太陽電池に関するものであり、特に色素増感型太陽電池に好適に用いられる半導体膜形成用塗布剤、半導体膜、光電変換素子、および色素増感型太陽電池に関するものである。
多孔質二酸化チタンの表面にRu色素(ルテニウムビピリジン錯体)を吸着させた光電極等から構成されている色素増感型太陽電池が、1991年にグレッツェルらにより発表されて以来、世界的に大きな注目を集めている。二酸化チタンは通常、太陽光のうち主として紫外光のみしか効率的に用いることができないが、この色素増感型太陽電池では、可視光領域の光までの吸収が可能となる。この色素増感型太陽電池は、従来のシリコン太陽電池と比べ、光電変換効率の理論限界値が高いだけでなく、シリコン太陽電池のように製造に多大なエネルギーを使う必要がなく、安価な材料を用いて製造できるという利点がある(例えば、文献1:O’Regan,B.,Graetzel,M.著「Alow−cost,high−efficiency solar cell based on dye−sensitized colloidal TiO2 films」Nature、第353巻、1991年、P737−740参照)。
しかし、これまでに開発された上記色素増感型太陽電池の実際の光電変換効率は未だ理論限界値と比較してかなり低く、実用化するには、光電変換効率の高効率化が必要である。これまでに、高性能増感色素の開発や複合体酸化物半導体電極の探索など、色素増感型太陽電池における光電変換効率の高効率化を目指した研究が多く見られるが、光電変換効率の顕著な向上には結びついていない。
また、太陽電池の光電変換効率を向上させる他の試みとして、金属酸化物半導体を改良する方法も報告されている。例えば、通常のアナターゼ型またはルチル型の二酸化チタンのバンドギャップはそれぞれ3.2eVまたは3.0eVであり、太陽光のうち紫外光しか用いることができない。可視光領域の波長を利用するためには、バナジウム(V)やクロム(Cr)などの金属イオンをドープするなどの方法が用いられている(例えば、文献2:国際公開第WO01/048833号パンフレット(平成13年(2001年)7月5日公開)参照)。このような方法により、バンドギャップを小さくした二酸化チタンを用いた電極を有する太陽電池は、通常の二酸化チタンを用いたものと比べ、光電変換効率は向上する。しかしながら、色素増感型太陽電池との比較では、光電変換効率は非常に低い。
さらに、色素増感型太陽電池に、光電変換効率を向上させるべく改良した多孔質二酸化チタンを用いた方法がある。例えば、フッ素(F)をドープした二酸化チタン電極を用いた色素増感型太陽電池が提案されている(例えば、文献3:特開2002−25637号公報(平成14年(2002年)1月25日公開)参照)。このフッ素をドープした二酸化チタン電極は、二酸化チタン、フッ素原子供与化合物、水又はN,N−ジメチルホルムアミドからなるペーストを用いて製造された二酸化チタン多孔質結晶膜を有する。そして、この電極を用いた太陽電池の光電変換効率は、最大5.29%まで向上することが報告されている。
ところで、太陽電池の電極に形成されている半導体膜は、主に界面活性剤存在下、水溶液中に半導体粒子を分散させた塗布剤を基板上に塗布または印刷して450℃〜500℃近辺で焼成することにより製造されている。
この場合、使用される半導体膜形成用塗布剤の性質は、光電変換効率をはじめとする、太陽電池の性能を向上させるために重要である。特に、粘度は非常に重要であり、粘度が低すぎると膜を作成するとき、たれや流れを生じて製膜が困難になる。また、粘度が高すぎると、生成した半導体膜の表面にクラックが発生し、このクラックを通って増感色素および電解液が直接、透明導電性基板と接触し、光電変換効率の低下をもたらしたり、クラックにより半導体膜が剥離し、太陽電池の寿命が短くなるなどのトラブルの原因になる。
このような問題点を解決するために、これまで塗布剤として半導体粉末と増粘剤とを混練して得られるペースト(例えば、文献4:特開平7−221338号公報(平成7年(1995年)8月18日公開)参照)や、水溶液に酸化物半導体、消泡剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどを添加した印刷用ペースト(例えば、文献5:特開2002−222618号公報(平成14年(2002年)8月9日公開)参照)が提案されている。
しかしながら、上記従来の二酸化チタンなどの金属酸化物半導体を用いた太陽電池では、光電変換効率が未だ十分ではなく、実用化のためには、光電変換効率のさらなる向上が必要である。
例えば、上記フッ素をドープした二酸化チタン電極では、光電変換効率は5.29%であり、電子輸送性の向上が未だ十分ではない。
また、上記従来のペーストでは、各成分を混合又は混練するのが必ずしも容易ではなく、均一に分散したペーストを得るのが困難である。さらに、塗布や印刷の際、ペーストの乾燥速度が速く、分散媒が蒸発するため、適正な粘度を維持することができない。その上、これらのペーストを用いて製造された太陽電池の出力電流密度はあまり高くない。このように、上記従来のペーストでは、実用に際しては解決しなければならない問題が多々存在する。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させる、金属酸化物半導体膜の形成に用いられる半導体膜形成用塗布剤、およびこれを用いた半導体膜、光電変換素子、太陽電池を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、半導体膜形成用塗布剤として、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を全分散媒を100質量%としたときに10質量%以上100質量%以下含む分散媒を、金属酸化物半導体100質量部に対し、0.1〜2000質量部配合することにより、粘度の調整が容易で、より多孔性の半導体膜が得られることを見出した。さらに、上記金属酸化物半導体として、可視光に応答できるように改良した金属酸化物半導体を用いることにより、この半導体膜形成用塗布剤を用いて得られた半導体膜を電極に形成した太陽電池の光電変換効率が飛躍的に向上することを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる半導体膜形成用塗布剤は、金属酸化物半導体100質量部に対し、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を全分散媒を100質量%としたときに10質量%以上100質量%以下含む分散媒0.1〜2000質量部を配合してなり、上記金属酸化物半導体が、可視光に応答できるように改良された金属酸化物半導体であることを特徴としている。これにより、上記半導体膜形成用塗布剤を用いて形成した半導体膜を有する太陽電池の光電変換効率を向上することができる。
また、上記金属酸化物半導体は、酸素欠陥構造を有するものであることを特徴としている。さらに、上記金属酸化物半導体は不純物を含んでいるものであってもよい。
また、本発明者は、光触媒としては知られているが、未だ太陽電池には用いられたことがない、窒素(N)を不純物としてドープした金属酸化物半導体を、初めて太陽電池に用いることにより、太陽電池の光電変換効率が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる半導体膜形成用塗布剤は、金属酸化物半導体100質量部に対し、分散媒0.1〜2000質量部を配合してなり、上記金属酸化物半導体が、不純物として窒素を含んでいることを特徴としている。また、これらの窒素を不純物として含む金属酸化物半導体100質量部に対し、分散媒0.1〜2000質量部を配合してなる上記半導体膜形成用塗布剤では、上記分散媒が、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものであることが好ましい。
さらに、上記半導体膜形成用塗布剤においては、上記金属酸化物半導体が二酸化チタン(TiO)であることが好ましい。
また、本発明にかかる半導体膜は、上記半導体膜形成用塗布剤を用いて形成され、比表面積か40m/g〜500m/gであることを特徴としている。さらに、本発明にかかる光電変換素子は、上記半導体膜を有してなる半導体電極と、対極と、該半導体電極と対極との間に設けられた電荷移動層とからなることを特徴としている。上記半導体膜には、増感色素が吸着されていることが好ましい。さらに、本発明にかかる太陽電池は、上記光電変換素子を備えていることを特徴としている。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
実施例および比較例にて製造された太陽電池の光電流密度−電圧曲線を示す図である。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。
本発明にかかる半導体膜形成用塗布剤は、金属酸化物半導体100質量部に対し、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を全分散媒を100質量%としたときに10質量%以上100質量%以下含む分散媒0.1〜2000質量部を配合してなり、上記金属酸化物半導体が、可視光に応答できるように改良されている。上記分散媒に含まれる水の割合は小さいことが好ましく、全分散媒を100質量%としたときに、40質量%未満であることが好ましく、20質量%未満であることがより好ましく、10質量%未満であることがさらに好ましく、非水系であることが特に好ましい。なお、本明細書において「分散媒」とは、半導体膜形成用塗布剤中、金属酸化物半導体以外の全ての成分をいう。従って、後述する分散助剤も本明細書でいう「分散媒」に含まれる。
上記分散媒を用いることにより、半導体膜を形成するときに、粘度の調整が容易で、たれや流れが生じて製膜が困難になることや、クラックによる光電変換効率の低下や半導体膜の剥離が起こることを防止することができる。従来より主として用いられている水系の半導体膜形成用塗布剤では、増粘剤として平均分子量が20000のポリエチレングリコールがよく少量添加されるが、好ましい粘度を得るための添加量の調整が困難である。また、ポリエチレングリコールの平均分子量が200〜4000ではポリエチレングリコールの添加による粘度の増加が見られず、期待するような増粘効果が得られない。これに対し、本発明では、増粘剤および分散媒を一体化することにより、粘度の調整が容易となる。
また、上記分散媒を用いることにより、従来の水系の分散媒に比べて分散媒が蒸発しにくいため、貯蔵中や、塗布または印刷時に分散媒が蒸発するという問題を克服することができる。すなわち、例えば、水溶液に二酸化チタン粉末、増粘剤、界面活性剤等を混練して得られる、水系の分散媒を用いる二酸化チタンペーストは、貯蔵安定性と製膜性が悪く、焼結する際クラックが生じたり、膜が剥がれやすいなどの欠点がある。これは、貯蔵時や、塗布または印刷時に分散媒が蒸発することによる。特に、塗布または印刷時に分散媒が蒸発すると、塗布または印刷された半導体膜形成用塗布剤の適切な粘度を維持することができない。これにより、焼成時にクラックが生じたり、半導体膜が剥がれ、製膜性が悪くなる。上記分散媒を用いることにより、このような問題が解消され、半導体膜形成用塗布剤の貯蔵安定性や製膜性がよくなる。
また、適切な粘度を維持することが可能となることで、本発明にかかる半導体膜形成用塗布剤はスクリーン印刷に好適に用いることが可能となる。スクリーン印刷は、量産性が高く、また、微細パターンや異形パターンへの適用性に優れていることから、工業化、実用化に適した塗布方法である。
さらに、かかる分散媒を用いることにより、焼成時に分散媒の成分が揮発することで、多孔性が向上した半導体膜が得られる。これにより、単位面積当りの増感色素の担持量が増大し、また、電荷移動層の移動性も向上させるため、該半導体膜を用いた太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。また、焼成後に優れた均一性、接着性、多孔性を有する半導体膜が得られる。
また、可視光に応答できるように改良されている金属酸化物半導体を用いることにより、太陽電池に用いられたときの光電変換効率が向上する。このように、可視光に応答できるように改良された金属酸化物半導体としては、例えば、酸素欠陥構造を有する金属酸化物半導体や、不純物を含む金属酸化物半導体を挙げることができる。
上記金属酸化物半導体としては、従来の光電変換素子に用いられてきた金属酸化物であればとくに限定されるものではない。具体的には、例えば、一例として、二酸化チタン(TiO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)等が挙げられる。中でも、上記金属酸化物半導体は、二酸化チタン(TiO)であることがより好ましい。また、上記金属酸化物半導体は、上記の化合物単独であってもよいし、上記化合物を2種以上組合わせたものであってもよい。
本発明の半導体膜形成用塗布剤においては、分散媒として、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む分散媒が用いられる。すなわち、分散媒には上記化合物のいずれかが単独で含まれていてもよいし、2種類以上の組み合わせとして含まれていてもよい。
上記アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等を挙げることができる。上記ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどがある。上記アルキルエーテルとしては、例えば、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル等が挙げられる。この中でもポリエチレングリコールを用いることがより好ましい。
また、全分散媒を100質量%としたときに、上記化合物の群より選ばれる少なくとも1種の化合物が含まれる割合は、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。これにより半導体膜形成用塗布剤の粘度の調整が容易となる。従って、上記分散媒には上記化合物以外の他の成分が含まれていてもよい。ここで上記他の成分とは、上記分散媒中、上記化合物以外の全ての成分をいい、溶媒や後述する分散助剤を含む。上記溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、酢酸エチル等を挙げることができる。また、該溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を組合わせて用いてもよい。
ポリアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールのアルキルエーテルは、低分子量のものから高分子量のものまで、求める粘度等に応じて種々のものを用いることができる。具体的には、例えば、ポリアルキレングリコールの平均分子量は、106〜400000であることが好ましく、200〜20000であることがさらに好ましい。また、異なる平均分子量のものを組合わせて用いてもよい。さらに、高分子量である粉末状のものと液体のものとを組合わせて用いてもよい。なお、粉末状のものは、適当な溶媒に溶解して用いてもよい。
上記金属酸化物半導体100質量部に対し、上記分散媒は、0.1〜2000質量部、より好ましくは100〜400質量部、さらに好ましくは200〜400質量部の割合で用いられる。この範囲より小さくなると、半導体膜形成用塗布剤は粘稠になりすぎて取り扱いにくくなる。また、この範囲より大きくなると、金属酸化物半導体の量が少なく、また、製膜が困難であるため、十分な光電変換効率が得られない。
さらに、上記半導体膜形成用塗布剤には、キレート剤、粒子凝集防止剤、安定剤、増粘剤、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸、界面活性剤等を分散助剤として用いてもよい。ここで、該分散助剤も、上記分散媒に含まれる。
また、上記分散媒に分散させる前の上記金属酸化物半導体の一次粒子の粒径は4nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、50nm以下であることがより好ましい。また、分散媒中における上記金属酸化物半導体の二次粒子の粒径は、10nm以上、100μm以下であることが好ましく、10nm以上、700nm以下であることがより好ましい。ここで二次粒子とは凝集した一次粒子のことをいう。
上記半導体膜形成用塗布剤を作製する方法としては、上記改良型金属酸化物半導体が均質に分散される方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には一例として、ゾル−ゲル法、乳鉢ですり潰す方法、ミルを用いて粉砕しながら分散する方法、二酸化チタンを合成する際に溶媒中で微粒子として析出させる方法等が挙げられる。また、以上のような方法で作製された半導体膜形成用塗布剤から、作製後、上記他の成分として含まれている上記溶媒を必要により加熱等により除去してもよい。
また、上記金属酸化物半導体は、酸素欠陥構造を有することが好ましい。これにより、該金属酸化物半導体を用いた太陽電池の電子、電荷移動が改善されて、光電変換効率を向上させることが可能となる。
上記酸素欠陥構造を有する二酸化チタンを合成する方法は特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、高減圧下での水素プラズマ処理、高減圧下での希ガス類元素プラズマ処理、希ガス類元素のイオン注入等により得られる。また、真空下で高温加熱により合成してもよいし、高温下で水素還元処理により合成してもよく、アンモニア雰囲気下で加熱処理してもよい。あるいは、四塩化チタン(TiCl)をアンモニア水溶液で処理してもよい。
また、上記金属酸化物半導体は、不純物を含んでいるものであることがより好ましい。これにより、該金属酸化物半導体を用いた太陽電池の電子、電荷移動が改善されて、光電変換効率を向上させることが可能となる。上記不純物としては、例えば、バナジウム、クロム等の金属イオンや、窒素、フッ素、イオウ(S)等が挙げられる。
また、上記金属酸化物半導体は、酸素欠陥構造を有するとともに、不純物を含んでいるものであってもよい。
また、本発明にかかる他の半導体膜形成用塗布剤は、金属酸化物半導体100質量部に対し、分散媒0.1〜2000質量部を配合してなり、上記金属酸化物半導体が、不純物として窒素を含んでいるものである。窒素を不純物としてドープした金属酸化物半導体を用いることにより、これを用いた太陽電池の光電変換効率が向上する。窒素を不純物として含む二酸化チタンは光触媒分野では、可視光が吸収できるため、光触媒活性が改善されると報告されている。一般的には、色素増感型太陽電池では、増感色素によって可視光の吸収が可能となるため、可視光の吸収については、上記のような改良型二酸化チタンを使用する必要がないと考えられてきた。しかし、上述したように、可視光の吸収よりも、結晶構造の変化により、電子、電荷移動が改善されることにより、光電変換効率を向上させることができる。また、上記金属酸化物半導体は、不純物として窒素を含む他に、さらに酸素欠陥構造を有するものであってもよい。
上記分散媒としては、水または半導体膜形成用塗布剤に用いられる従来公知の有機溶媒を含むものであれば特に限定されるものではない。上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等が挙げられる。また、水または上記有機溶媒は単独で含まれていてもよいし、2種以上の組み合わせとして含まれていてもよい。上記分散媒は、さらに、キレート剤、粒子凝集防止剤、安定剤、増粘剤、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸、界面活性剤等を分散助剤として含んでいてもよい。
上記分散媒は、このように水や上記有機溶媒を含む従来公知のものであってもよいが、本発明者が見出した分散媒であることがより好ましい。すなわち、上記分散媒は、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことがより好ましい。これにより、半導体膜形成用塗布剤の粘度の調整が容易となり、貯蔵安定性や製膜性がよくなる。さらに、焼成時のクラックによる光電変換効率の低下や半導体膜の剥離が起こらないことに加えて、焼成後に優れた均一性、接着性、多孔性を有する半導体膜を得ることができる。
なお、窒素を不純物として含む半導体膜形成用塗布剤についても、金属酸化物半導体;アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む分散媒;金属酸化物半導体に対する分散媒の割合;金属酸化物半導体の粒径;半導体膜形成用塗布剤を作製する方法等は、上述した説明と同様である。
また、上記不純物として含まれる窒素(N)は、原子百分率で、0.01%以上、50%以下含まれていることが好ましく、0.1%以上、20%以下含まれていることがより好ましく、0.5%以上、5%以下含まれていることがさらに好ましい。これにより、金属酸化物半導体の電子、電荷移動性が向上する。なお、ここで、原子百分率とは、不純物として窒素を含む金属酸化物半導体の全原子数に対する窒素原子の原子数の割合をいう。すなわち、原子百分率は、金属酸化物半導体の全金属原子の数をnM、全酸素原子の数をnO、不純物として含まれる全窒素原子の数をnNとしたとき、式{nN/(nN+nM+nO)}×100(%)で表される。
上記窒素を不純物として含む金属酸化物半導体を合成する方法としては、具体的には、例えば、二酸化チタンの溶液をアンモニア水溶液中で加水分解する方法、二酸化チタンの溶液または粉末をアンモニアガス中で加熱する方法、窒素と希ガス混合雰囲気中で二酸化チタンターゲットをRFマグネトロンスパッタし、ガラス基板上に窒素を不純物として含む二酸化チタンを合成する方法等が挙げられる。
本発明にかかる半導体膜は、上記半導体膜形成用塗布剤を用いて形成され、比表面積が40m/g〜500m/gとなっている。このように多孔性が向上することにより、増感色素の担持量が増大し、電荷移動層の移動性もより高くなるため、上記半導体膜を用いた太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。上記半導体膜に増感色素を吸着させて、可視光まで増感する場合、増感色素を吸着させる面積の増大により、増感色素の吸着量を好ましくは10%〜50%増加でき、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。また、本発明にかかる半導体膜の細孔分布は、1nm以上、100nm以下であることが好ましい。ここで細孔分布とは、細孔半径に対する細孔容積の分布をいう。
上記半導体膜形成用塗布剤を用いて上記半導体膜を形成する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、上記半導体膜形成用塗布剤を基板に塗布する塗布方法、印刷する印刷方法、ゾル−ゲル法等が挙げられる。中でも、塗布方法、印刷方法を用いることが、好ましい。これにより、光電変換素子の量産化、基板の融通性の点で有利となるからである。
塗布方法としては、例えば、ロール法、浸漬法、エアーナイフ法、ブレード法、ワイヤーバー法、スライドホッパ法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法、ナイフコーター法、ドクターブレード法、シャワー法等の各種塗装方法を挙げることができる。
印刷方法としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、スクリーン印刷法等の各種印刷法を用いることができる。上記印刷方法の中でも、本発明にかかる半導体膜形成用塗布剤は、特に、大量生産に適したスクリーン印刷法に好適に用いることができる。
上記半導体膜形成用塗布剤を塗布すべき基板としては、特に限定されるものではなく、使用目的、用途などに応じて、材質、大きさ、形状等を適宜選択することができる。具体的には、材質としては、一例として、ガラス、高分子フィルム、プラスチック等が挙げられ、形状としては、例えば、板状、球状、円柱状等が挙げられる。
上記基板上に塗布または印刷された半導体膜は焼成されることが好ましい。これにより、分散媒の成分が揮発するので、半導体膜の多孔性が向上する。また、金属酸化物半導体の粒子同士間および基板と金属酸化物半導体の粒子間の接着性、膜強度を向上させることができる。
焼成温度の範囲は、好ましくは、100℃〜700℃であり、より好ましくは、180℃〜550℃であり、さらに好ましくは450℃〜500℃である。これにより、均一性、多孔性、接着性に優れた半導体膜を形成することができる。また、焼成の時間は、好ましくは10分〜10時間であり、より好ましくは30分〜1時間である。
上記半導体膜の膜厚は、0.1μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜25μmであることがより好ましい。この範囲より厚くなると、電子の拡散距離が増すため、電荷再結合によるロスが大きくなる。一方この範囲より薄くなると、増感色素の担持量が低くなる。
また、本発明にかかる光電変換素子は、上記半導体膜を有してなる半導体電極と、対極と、該半導体電極と対極との間に設けられた電荷移動層とからなるものである。例えば、上記半導体膜に増感色素を吸着した上記半導体電極に光を照射すると、光は増感色素を励起し、励起電子は上記半導体膜の伝導帯に注入され、半導体電極内を移動して、外部回路を通って対極に移動する。対極に移動した電子は電荷移動層のイオン、ホール等によって運ばれ、半導体電極内の増感色素に戻る。このようにして、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
上記半導体電極は、透明導電性基板の導電層上に上記半導体膜を形成したものであることが好ましい。透明導電性基板とは、光透過性の材質からなる透明基板の少なくとも一方の面に導電層が形成されたものをいう。上記透明基板は、光透過性の材質からなるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、一例としてガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。上記透明基板は板状であってもよいし、フィルム状であってもよい。また、上記導電層としては、例えば、金属、炭素、導電性金属酸化物層等が挙げられる。上記導電性金属酸化物層としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)、二酸化スズ(SnO)、フッ素をドープした二酸化スズ(SnO)等が挙げられる。中でも、上記透明導電性基板はフッ素をドープした二酸化スズ(SnO)またはITOが導電層として形成された導電性ガラス基板であることが好ましい。
上記対極としては、電極として用いられるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、基板上に導電層を形成した導電性基板上に炭素、白金等の層を蒸着またはスパッタしたもの、または塩化白金酸を塗布した後、加熱分解して白金層としたものが好ましく、白金をスパッタした導電性ガラス基板がより好ましい。
さらに電荷移動層としては、例えば、酸化種および還元種を含む電解液や、酸化種および還元種を含む電解液を高分子マトリックスでゲル化させたもの等の電解質、導電性高分子、p型半導体によるホール輸送層等が挙げられる。
また、上記酸化種および還元種としては、特に限定されるものではないが、ヨウ化リチウムまたはヨウ化カリウムとヨウ素とを用いることがより好ましい。
本発明にかかる上記光電変換素子の上記半導体膜には、増感色素が吸着されていることがより好ましい。増感色素とは、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素をいう。該領域の光を吸収しない金属酸化物半導体に増感色素を吸着させることにより、該領域まで光の吸収を増感させることができる。これにより、光電変換効率を向上させることができる。
上記増感色素としては、例えば金属錯体色素や有機色素を用いることができる。金属錯体色素としては、具体的な一例として、フタロシアニン、ポルフィリン等の金属錯体;クロロフィルまたはその誘導体;ヘミン;ビピリジン構造等を配位子に含むルテニウム錯体、オスミウムや鉄、亜鉛等の錯体が挙げられる。有機色素としては、具体的な一例として、フェニルキサンテン系色素、クマリン、エオシン−Y、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素等が挙げられる。
また、上記増感色素は、分子中に、上記金属酸化物半導体の表面に対する結合基を有していることが好ましい。上記結合基としては、例えば、カルボキシル基;スルホン酸基;シアノ基;−P(O)(OH)基;−OP(O)(OH)基等が挙げられる。中でも、カルボキシル基、−P(O)(OH)基、−OP(O)(OH)基を有していることがより好ましい。
上記半導体膜に上記増感色素を吸着させる方法としては、従来公知の方法を用いることができ、具体的には、例えば、上記半導体膜を増感色素溶液に浸漬する方法、ガス状の増感色素を上記半導体膜上に流す方法等が挙げられる。上記増感色素を溶解する溶媒としては、増感色素を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。増感色素を吸着させた上記半導体膜は、必要に応じて、洗浄、乾燥、加熱してもよい。
本発明にかかる太陽電池は、上記光電変換素子を用いた太陽電池である。上記光電変換素子は、太陽光照射下で、外部回路に起電力と電流とを発生する太陽電池として利用できる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、可視光に応答できるように改良された金属酸化物半導体を用いて半導体膜形成用塗布剤を作製しているが、特にこれに限定するものではなく、改良前の金属酸化物半導体を用いた半導体膜形成用塗布剤で製膜し製膜中に金属酸化物半導体の改良を行うことも可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、各実施例、比較例における測定評価方法は以下のとおりである。
(1)比表面積及び細孔分布
全自動ガス吸着測定装置(オートソープ−1、湯浅アイオニクス製)を用いて、BET法(気体吸着法)により、二酸化チタン半導体膜の比表面積を測定した。比表面積はBET1点法と多点法により、細孔分布はBJH法により算出した。
(2)増感色素の吸着量
増感色素を吸着させた電極をエタノールのアルカリ性溶液に2時間浸漬し、増感色素を脱色させた。上記エタノールのアルカリ性溶液の紫外可視スペクトルを紫外可視分光光度計(U−3310、日立製作所製)を用いて測定した。次に、増感色素の検量線に基づき、吸収強度から吸着量を換算した。
(3)電流・電圧特性
ポテンショスタット(Potentiostat/Galvanostat 2090、東方技研製)を用いて、太陽電池の光電流密度Jsc(mA・cm−2)、開放電圧Voc(mV)を測定し、その曲線から、フィルファクターFF及び光電変換効率(%)を求めた。
市販の二酸化チタン微粒子(P25、Nippon Aerosil社、平均粒子径約25nm、比表面積55m/g、アナターゼ75%、ルチル25%)を出発原料として、水素プラズマ処理により、酸素欠陥構造を有する二酸化チタン粉末を合成した。水素プラズマ処理は、130Paの水素雰囲気中、400℃で10分間、マイクロ波(2450MHz、400W)と、誘導タイプの高周波(13.56MHz、400W)とを印加して行った。酸素欠陥構造の確認は電子スピン共鳴(ESR)を用いて行った。
得られた酸素欠陥構造を有する二酸化チタン粉末(3g)に、平均分子量が600のポリエチレングリコール(5.01g)、エタノール(7.5mL)、二酸化ジルコニウム(30g)を加え、ペイントシェーカーで4時間振り混ぜて分散させた後、エタノールを加熱によって除去して、二酸化チタン半導体膜形成用塗布剤としてのペーストを調製した。
次に、このペーストを用いて、フッ素がドープされたSnOが導電性金属酸化物層として形成されたガラス基板の該導電性金属酸化物層上にスクリーン印刷法により、膜厚12μm、面積0.20cmの塗膜を形成させ、電気炉で段階的に徐々に450℃まで昇温させ、この温度で30分間焼成した。また、細孔分布は42nm(改良後の二酸化チタンを水溶液に分散させた半導体膜形成用塗布剤を用いた場合は20nm)、比表面積は117m/gであり、多孔性の向上した半導体膜が得られた。
次いで、ルテニウムビピリジン錯体(N719、Solaronix社)を3×10−4mol/Lの濃度でメチルアルコールに溶解した溶液に、得られた半導体膜を浸漬し、室温にて12時間放置した。その後、ルテニウムビピリジン錯体が吸着した半導体膜をメチルアルコールで洗浄し、乾燥して、第1パーツを製造した。ルテニウムビピリジン錯体の吸着量は4.81×10−8mol/cmで、改良前の二酸化チタンを用いた場合と比べて、22%増加した。
別の導電性膜を設けるガラス基板上に、スパッタリングにより、白金膜を形成させ、対極として第2パーツを製造した。上記の第1パーツと第2パーツとの間に、0.1MLiIと0.1Mヨウ素とを含むメトキシアセトニトリルからなる電解液を注入し、太陽電池Aを製造した。
製造した太陽電池Aにキセノン光源を用い、強度100mW/cm(AM1.5)の光を照射し、電池性能を評価した。その結果を図1及び表1に示す。
市販の二酸化チタン粒子(P25、Nippon Aerosil社、平均粒子径約25nm、比表面積55m/g、アナターゼ75%、ルチル25%)を出発原料として、これをアンモニアガス中で加熱することにより、窒素をドープした二酸化チタン粉末を合成した。アンモニアガス中での加熱は、アンモニア(NH)(67%)/アルゴンガス(Ar)雰囲気中、600℃で3時間行った。窒素のドープ量をX線光電子分光法(XPS)により定量した。
窒素をドープした酸化チタン粉末(窒素ドープ量:原子百分率で1%、3g)に、平均分子量が600のポリエチレングリコール(5.01g)、エタノール(7.5mL)、二酸化ジルコニウム(30g)を加え、ペイントシェーカーで4時間振り混ぜて分散させた後、エタノールを加熱によって除去して、二酸化チタン半導体膜形成用塗布剤としてのペーストを調製した。次に、このペーストを用いて、実施例1と同様にして太陽電池Bを製造した。
ポアサイズ分布は36nm(改良後の二酸化チタンを水溶液に分散させた半導体膜形成用塗布剤を用いた場合は22nm)、比表面積は92m/gであり、多孔性の向上した半導体膜が得られた。また、ルテニウムビピリジン錯体の吸着量は4.72×10−8mol/cmで、改良前の二酸化チタンを用いた場合と比べて、20%増加した。
製造した太陽電池Bは実施例1と同様にして電池性能を評価した。その結果を図1及び表1に示す。
〔比較例1〕
市販の二酸化チタン粒子(P25、Nippon Aerosil社、平均粒子径約25nm、比表面積55m/g、アナターゼ75%、ルチル25%)(3g)に、平均分子量が600のポリエチレングリコール(5.01g)、エタノール(7.5mL)、二酸化ジルコニウム(30g)を加え、ペイントシェーカーで4時間振り混ぜて分散させた後、エタノールを加熱によって除去して、二酸化チタン半導体膜形成用塗布剤としてのペーストを調製した。次に、このペーストを用いて、実施例1と同様にして太陽電池Cを製造した。
製造した太陽電池Cは実施例1と同様にして電池性能を評価した。その結果を図1及び表1に示す。
〔比較例2〕
市販のアナターゼ型チタンペースト(Solaronix社、Ti−Nanoxide D)を用いて、実施例1と同様にして太陽電池Dを製造した。製造した太陽電池Dは実施例1と同様にして電池性能を評価した。その結果を図1及び表1に示す。
〔比較例3〕
脱イオン蒸留水(7mL)に、上記〔実施例1〕で得られた酸素欠陥構造を有する酸化チタン粉末(3g)と、アセチルアセトン(0.1mL)を加え、ペイントシェーカーで4時間振り混ぜて分散させ、界面活性剤Triton X−100(0.1ml)を添加して、二酸化チタン半導体膜形成用塗布剤としてのペーストを調製した。次に、このペーストを用いて、実施例1と同様にして太陽電池Eを製造した。
製造した太陽電池Eは実施例1と同様にして電池性能を評価した。その結果を図1及び表1に示す。
〔比較例4〕
アルファーテルピネオール(3.65g)とエチルセルロース(0.45g)との混合溶液に、上記〔実施例1〕で得られた酸素欠陥構造を有する酸化チタン粉末(1g)を加え、ペイントシェーカーで4時間振り混ぜて分散させることにより、二酸化チタン半導体膜形成用塗布剤としてのペーストを調製した。次に、このペーストを用いて、実施例1と同様にして太陽電池Fを製造した。
製造した太陽電池Fは実施例1と同様にして電池性能を評価した。その結果を図1及び表1に示す。
Figure 2005029571
図1は、光電流密度−電圧曲線を示すグラフであり、縦軸は光電流密度(mA/cm)、横軸は電圧(mV)を示す。また、表1には、製造された太陽電池の開放電圧Voc(mV)、光電流密度Jsc(mA・cm−2)、フィルファクターFF、光電変換効率(%)を示す。
図1および表1から、酸素欠陥構造を有する二酸化チタンをポリエチレングリコールを分散媒として分散させたペーストを用いて製造した太陽電池Aおよび窒素を不純物として含む二酸化チタンをポリエチレングリコールを分散媒として分散させたペーストを用いて製造した太陽電池Bでは、光電流密度と光電変換効率が向上していることがわかる。市販のアナターゼ型酸化チタンペーストを用いた場合と比較すると、光電変換効率は、酸素欠陥構造を有する二酸化チタンをポリエチレングリコールを分散媒として分散させたペーストを用いた場合は33%、窒素を不純物として含む二酸化チタンをポリエチレングリコールを分散媒として分散させたペーストを用いた場合は26%と飛躍的に向上している。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
本発明の半導体膜形成用塗布剤は、以上のように、金属酸化物半導体100質量部に対し、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いる分散媒0.1〜2000質量部を配合してなり、上記金属酸化物半導体が、可視光に応答できるように改良されている。このような、可視光に応答できるように改良された上記金属酸化物半導体は、酸素欠陥構造を有するものや、不純物として窒素等を含むものであることが好ましい。
上記半導体膜形成用塗布剤は、粘度の調整が容易でたれや流れ、クラックが生じず、焼成により優れた均一性、接着性、多孔性を有する半導体膜の形成を可能とする。それゆえ、上記半導体膜形成用塗布剤を用いて製造された太陽電池は、光電変換効率が向上するという効果を奏する。
また、上記金属酸化物半導体を、例えば色素により増感して、色素増感型太陽電池に用いたときに、該金属酸化物半導体の結晶構造は、開放電圧値、電子注入効率、電子電荷輸送特性に影響を与える。この理由のひとつとしては、例えば、金属酸化物半導体結晶に吸着した増感色素の光励起に伴う励起電子の金属酸化物半導体への注入効率は、半導体と増感色素間の結合様式とその相互作用の強さ、および金属酸化物半導体の伝導帯と増感色素のLUMOの幾何学的な配置に支配されること等が考えられる。すなわち、酸素欠陥構造を有する金属酸化物半導体や、不純物として窒素等を含む金属酸化物半導体は、結晶構造の変化により、金属酸化物半導体内への電子注入や、金属酸化物半導体内における電子輸送特性が改善されると考えられる。したがって、上記金属酸化物半導体を用いた太陽電池の電子、電荷移動が改善されて、光電変換効率を向上させることができるという効果を奏する。
本発明にかかる半導体膜形成用塗布剤は、以上のように、粘度の調整が容易でたれや流れ、クラックが生じず、焼成により優れた均一性、接着性、多孔性を有する半導体膜の形成を可能とする。また、金属酸化物半導体は、可視光に応答できるように改良されている。それゆえ、上記半導体膜形成用塗布剤を用いて製造された太陽電池は、光電変換効率が向上するという効果を奏する。
したがって、上記半導体膜形成用塗布剤を用いて製造される色素増感型太陽電池の光電変換効率は、飛躍的に向上し、実用化に向けての産業上の利用可能性を示している。この色素増感型太陽電池は、室用小型電池をはじめ、窓ガラスや壁用の透明電池、室外発電用電池等として利用できる。また、これらの半導体膜は、光触媒、センサー等としても利用できる。

Claims (10)

  1. 金属酸化物半導体100質量部に対し、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を全分散媒を100質量%としたときに10質量%以上100質量%以下含む分散媒0.1〜2000質量部を配合してなり、上記金属酸化物半導体が、可視光に応答できるように改良された金属酸化物半導体であることを特徴とする半導体膜形成用塗布剤。
  2. 上記金属酸化物半導体が酸素欠陥構造を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の半導体膜形成用塗布剤。
  3. 上記金属酸化物半導体が不純物を含んでいることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の半導体膜形成用塗布剤。
  4. 金属酸化物半導体100質量部に対し、分散媒0.1〜2000質量部を配合してなり、上記金属酸化物半導体が、不純物として窒素を含んでいることを特徴とする半導体膜形成用塗布剤。
  5. 上記分散媒が、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールのアルキルエーテル、および、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の半導体膜形成用塗布剤。
  6. 上記金属酸化物半導体が二酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の半導体膜形成用塗布剤。
  7. 請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の半導体膜形成用塗布剤を用いて製造され、比表面積が40m/g〜500m/gであることを特徴とする半導体膜。
  8. 請求の範囲第7項に記載の半導体膜を有してなる半導体電極と、対極と、該半導体電極と対極との間に設けられた電荷移動層とからなる光電変換素子。
  9. 上記半導体膜には、増感色素が吸着されていることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の光電変換素子。
  10. 請求の範囲第8項または第9項に記載の光電変換素子を備えていることを特徴とする太陽電池。
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