JPWO2004069261A1 - 抗ヘルペスウイルス外用製剤の製造方法 - Google Patents

抗ヘルペスウイルス外用製剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

下記一般式(I)で表される5−[(E)−2−ハロゲノビニル)−アラビノフラノシルウラシルを有効成分とする抗ヘルペスウイルス外用製剤の製造方法であり、該有効成分を基剤に配合するための工程のいずれか1または2以上の工程において減圧下で加温することを含むことを特徴とする前記製造方法が提供される。式中、Xはハロゲン原子を表わす。この製造方法によれば、得られる外用製剤は、強い抗ヘルペスウイルス作用を有しながら、安全性および安定性に優れた抗ヘルペスウイルス製剤である。

Description

本発明は、強い抗ヘルペスウイルス作用を示し、しかも安全性および安定性に優れた抗ヘルペスウイルス外用製剤を製造する方法に関する。
ヘルペスウイルスは、二本鎖のDNAのゲノムと、正20面体のカプシド、宿主細胞核膜由来のエンベロープを持つDNAウイルスである。人に病原性を示す代表的なヘルペスウイルスは6種あり、▲1▼単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)▲2▼単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)▲3▼水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)▲3▼エプスタイン・バールウイルス(EBV)▲4▼サイトメガロウイルス(CMV)▲5▼ヒトヘルペスウイルス6型である。ヘルペスウイルス科のウイルスは、人体に初感染の後、潜伏感染する。宿主である人が免疫不全に陥ると再び活性化して病的状態を来す(回帰発症)。すなわち、初感染はウイルスを持っている宿主・環境からの外因性感染(水平感染・垂直感染)であり、回帰発症は自分自身の中からの内因性感染である。特に水痘−帯状疱疹ウイルスは神経節に潜み、宿主が免疫能を低下させると再び活性化されて神経節に沿って痛みを伴う発疹・疱疹(帯状疱疹)を発症させる。ヘルペス感染症は、高齢化、ストレス、AIDS患者の増加に伴って増加する傾向にあり、社会的に大きな問題となっている。
抗ヘルペスウイルス剤として実用化されているものは少なく、現在、抗ヘルペスウイルス剤としては、アシクロビル、ビダラビン、ガンシクロビルなどが使用されている程度である。
特公昭57−48160号公報には、5−[(E)−2−ハロゲノビニル)アラビノフラノシルウラシルが抗ウイルス活性を有することが記載されており、その中でも1−β−D−アラビノフラノシル−5−[(E)−2−ブロモビニル]ウラシル(一般名:ソリブジン)はとくにHSV−1、EBVおよびVZVに対する抗ウイルス作用が優れている。このソリブジンは、1993年、日本国内でユースビル錠の商品名で発売されたが、経口剤で開発されたため、フルオロウラシル系抗がん剤と併用した患者がその相互作用による副作用のため死亡し、大きな問題となった。その後の研究により、この相互作用の機序として、ソリブジンの代謝物であるブロモビニルウラシル(BVD)が、フルオロウラシル系制癌剤の代謝を阻害するため、フルオロウラシル系制癌剤血中濃度が異常に上昇し、この制癌剤の副作用である白血球減少や血小板減少などの重篤な骨髄抑制が引き起こされることが判明した。
ソリブジンは、in vitro試験では他の抗ヘルペスウイルス剤に比較して、非常に強い抗ヘルペスウイルス作用を示すことが知られている。また、皮膚に塗布してヘルペスウイルスI型の接種による皮膚症状を抑えたことが報告されている(Antiviral Research、21、47−57、1993)。しかしながら、ソリブジンを含む5−[(E)−2−ハロゲノビニル]アラビノフラノシルウラシルは難溶性であるため、外用剤に使用されている慣用の基剤を用いて、常法により軟膏やジェル等の安定した外用製剤を製造することは困難であった。従って、これらの化合物が有効かつ安全な実用的外用製剤として使用できるかどうかについて、また、フルオロウラシル系薬剤との相互作用については何ら検討されていない。
ソリブジンは、in vitro試験では非常に強い抗ヘルペス作用を示すことが知られているが、経口投与では上述のような重篤な副作用を生じるため、現在は使用されていない。本発明の目的は、ソリブジンを含む5−[(E)−2−ハロゲノビニル)アラビノフラノシルウラシルの強い抗ヘルペスウイルス作用を維持しながら、フルオロウラシル系制癌剤との相互作用等の副作用を示さない、安全性の高い抗ヘルペスウイルス外用製剤を製造するための方法を提供することである。
薬剤を経口投与する場合、薬剤の標的部分への到達のためには多量の投与が必要であり、ソリブジンを経口投与する場合も多量に投与する。従って、腸から一旦吸収された薬剤はその大部分が腎臓を経て尿中へ***されるが、一部は肝臓を経て腸内へ***され、そこで腸内細菌によりブロモビニルウラシル(BVD)に代謝され、再吸収される。再吸収されたBVDはフルオロウラシル系薬剤の代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(dihydropyrimidine dehydrogenase,DPD)を阻害するため、フルオロウラシル系薬剤の代謝が抑制され、毒性が増強される。
本発明者は、ソリブジン等を外用製剤として用いるための外用製剤の製造方法を鋭意検討の結果見出し、このようにして得られた外用製剤が、ヘルペスウイルス、特に水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)の増殖を効果的に抑え、しかも腸管でのBVDの産生および再吸収を回避でき、フルオロウラシル系抗がん剤との相互作用を避けうることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記一般式(I)で表される5−[(E)−2−ハロゲノビニル)アラビノフラノシルウラシルを有効成分とする抗ヘルペスウイルス外用製剤の製造方法であり、該有効成分を基剤中に配合するための工程のいずれか1または2以上の工程において減圧下で加温することを含むことを特徴とする前記製造方法、に関する。
Figure 2004069261
上記式中、Xはハロゲン原子を表す。
上記(I)式中、Xは臭素原子または塩素原子であるのが好ましい。
また、本発明は、上記製造方法により得られる5−[(E)−2−ハロゲノビニル)アラビノフラノシルウラシルを有効成分とする抗ヘルペスウイルス外用製剤にも関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の抗ヘルペスウイルス外用製剤の製造方法において使用される、一般式(I)で表される5−[(E)−2−ハロゲノビニル)アラビノフラノシルウラシルは、前記特公昭57−48160号公報(米国特許第4386076号公報)に記載の化合物で、強力な抗ヘルペスウイルス作用、特にVZVに対する選択的阻害作用を有する。そして、ウイルスに感染していない細胞に対しては増殖抑制効果が著しく低い。この化合物は既知の方法、例えば上記公報記載の方法、またはそれに準じて合成することができる。合成方法の一例としては、5−ビニルアラビノフラノシルウラシルにハロゲンを反応させる方法があり、使用する5−ビニルアラビノフラノシルウラシルの合成は、例えば日本薬学会第99年会講演要旨集、213頁、30CIO−2に記載されている。
一般式(I)中のRは塩素、臭素、ヨウ素、フッ素などのハロゲン原子を意味し、Rが臭素原子である場合の化合物、1−β−D−アラビノフラノシル−5−[(E)−2−ブロモビニル)ウラシル(一般名:ソリブジン)、およびRが塩素原子である場合の化合物、1−β−D−アラビノフラノシル−5−[(E)−2−クロロビニル)ウラシル(以下、5−クロロアラUと称する)が好ましく使用される。
次いで、前記一般式(I)の化合物を、薬学的に許容される適宜基剤とともに外用製剤とする。基剤は、外用製剤の製造に通常使用されている基剤を用いることができるが、帯状疱疹などの皮膚の異常な患者に使用するため、刺激や塗布の際の痛みの少ない基剤を選択する。製剤の形態は、軟膏剤、クリーム剤、ジェル剤、パップ剤、プラスター剤、パッチ剤等の任意の形態であってよい。本発明製造方法においては、有効成分である5−[(E)−2−ハロゲノビニル)アラビノフラノシルウラシルを基剤中に配合するための工程のいずれか1または2以上の工程において、減圧下で加温することを特徴とする。
軟膏、クリーム剤、およびジェル剤を製造する場合は、基剤として油脂性基剤や乳剤性基剤を使用すればよい。軟膏の製造は、例えば、上記有効成分または有効成分をプロピレングリコール等の基剤と共に、油脂性基剤に減圧下で加温、攪拌・混合する。クリーム剤の製造の1例としては、上記有効成分をプロピレングリコール等の基剤に減圧下で加温溶解したものを、予め調製しておいた乳剤性基剤に減圧下で加温しながら添加する。またジェル剤は、例えば、ジェル基剤を水に溶解し、親水性有機溶媒を添加し、これを、有効成分をジプロピレングリコール等の基剤に減圧下で加温溶解したものに徐々に添加して製造できる。
プラスター剤、パッチ剤、パップ剤は、上記の方法に準じた方法で得られる有効成分を含有する膏体を、不織布や織布などの支持体に展延し、適宜大きさに裁断して製造できる。
本発明で使用できる油脂性基剤としては、油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、アルコール類、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコン油・フッ素油、多価アルコール類等が挙げられる。
油脂としては、植物性および動物性油脂が幅広く使用できる。植物油としては、オリーブ油、サフラワー油、パーシック油、ククイナッツ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、コメ胚芽油、月見草油ハイオレックヒマワリ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油等が挙げられ、動物油としては、牛脂、硬化油、卵黄脂肪油が挙げられる。
ロウ類は高級脂肪酸と高級アルコールのエステル(ロウエステル)を主成分としている。エステル体を構成する炭素数はC12〜C34と幅広く使用される。動物系としては、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、セラックロウ、液状のオレンジラフィー油が挙げられ、植物系ではカルナウバロウ、キャンデリラロウ、液状のホホバ油が挙げられる。
炭化水素としては、たとえば鎖式炭化水素や、種々の炭化水素の混合物である流動パラフィン、分岐状パラフィン、固形パラフィン、ワセリン等が挙げられる。
脂肪酸には、天然及び合成脂肪酸があり、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシル酸等が例示できる。
アルコール類としては、例えばC8〜C32程度の高級アルコール、すなわちカプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘイルアルコール、セリルアルコール、ラクセリルアルコール等が挙げられる。また、動植物性のステロール類も使用できる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステルは、脂肪酸とアルコールの脱水反応によって得られる化合物である。直鎖の脂肪酸と低級アルコールとのエステルとしては、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等が挙げられ、直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステルはパルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル等が挙げられる。直鎖脂肪酸と分鎖高級アルコールのエステルは、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル等が挙げられ、直鎖脂肪酸と多価アルコールのエステルは、中鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられる。分岐脂肪酸と低級アルコールのエステルとしては、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル等が挙げられ、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステルとしては、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ステアリルが挙げられる。分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステルや、分岐脂肪酸と分岐高級アルコールのエステルとしては、イソステアリン酸イソセチル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル等が挙げられる。その他、ヒドロキシカルボン酸とアルコールのエステルとしては、乳酸ミリスチル、クエン酸トリオクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル等が例示される。
シリコン油としては、ジメチルシリコン油、メチルフェニルシリコン油、環状ジメチルシリコン油、メチルハイドロジェンシリコン油や変性シリコン油が挙げられ、フッ素油としては、パーフルオロポリエーテルが挙げられる。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
本発明で使用できる乳剤性基剤としては、O/W基剤、W/O基剤及び懸濁性基剤がある。O/W基剤としては、界面活性剤の存在下または非存在下で、ラノリン、プロピレングリコール、ステアリルアルコール、ワセリン、シリコン油、流動パラフィン、グリセリルモノステアレート等の成分を水相中に乳化分散させたものが挙げられ、W/O基剤としては、ワセリン、高級脂肪酸アルコール、流動パラフィン等の成分に非イオン性界面活性剤の存在下で水を加えて乳化分散させたものが挙げられる。上記の製剤には界面活性剤として、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖やポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル系や脂肪族アルコールのポリオキシエチレン誘導体、脂肪酸のポリオキシエチレン誘導体等のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤等が使用できる。懸濁性基剤としては、グリセリン、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシビニルポリマー、水などを加えてゲル状にした水性基剤が挙げられる。
プラスター剤、パッチ剤の製造には、不織布等の支持体、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル酸エステル・アクリル酸共重合体、ポリイソブチレンゴム等の弾性体、ポリテルペン樹脂、ロジンまたはそのエステル等の粘着付与剤等を使用すればよく、さらに各種充填剤、剥離処理剤、軟化剤等を配合することもできる。
パップ剤の製造には、不織布等の支持体、ペクチン、ポリアクリル酸またはその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸塩、キサンタンガム、トラガントガムまたはメチルビニルエーテル、無水マレイン酸共重合体等の基剤を用いることができる。また、粘着剤として、カルボキシビニルポリマー等の合成高分子化合物またはアラビアゴム、キサンタンゴム等の天然高分子化合物等を、界面活性剤としては、ポリソリベート80、セスキオレイン酸ソルビタン等を、pH調整剤として、クエン酸、酒石酸等を、硬化剤として、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム等の多価金属化合物を使用できる。
また、製剤中の安定性を高めるため、各種の抗酸化剤を使用することもできる。具体的には、ビタミンE、ノルジヒドログアヤレン酸、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル等が挙げられる。さらに、パラオキシ安息香酸、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等の防腐剤や、香料を添加してもよい。
本剤は単純ヘルペスや帯状−疱疹ウイルス等に感染した患者に使用するため、特に保湿剤を配合して、皮膚の乾燥を防ぐことができる。保湿剤には多価アルコール、糖類、生体高分子等が使用できる。多価アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、イソプレングリコール、POEメチルグルコシド等が挙げられる。糖類としてはトレハロース、プルラン、マルトースが挙げられ、生体高分子としては、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン等が挙げられ、その他、アミノ酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素等が挙げられる。また、抗炎症剤として、アミノカルボン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、ヒドロコーチゾン等を配合してもよい。
本発明の製造方法により、in vitroでも証明されている強い抗ヘルペスウイルス作用を有する前記一般式(I)の化合物を有効成分とし、以下の実施例で実証されるように、in vivoの動物実験においても抗ヘルペスウイルス作用を発揮しうる抗ヘルペスウイルス外用製剤を得ることができる。この外用製剤は、ソリブジンの経口剤において問題となったフルオロウラシル系薬剤との相互作用を回避することができ、しかも、皮膚毒性もない。従って、安全でかつ有効なヘルペスウイルス感染症治療剤として使用することができ、特に水痘−帯状疱疹ウイルスに対するその強い選択阻害作用により、帯状疱疹を効果的に治療することが可能である。
本発明により得られる外用製剤の投与量は、年齢、病態、性別、発症後日数等により異なるが、有効成分である前記一般式(I)の化合物として、好ましくは1日当たり1〜100mg/kg体重である。投与方法としては、前記一般式(I)の化合物を0.1〜10%、特に0.5〜5%含有する組成物を患者の皮膚の病変部に、1日1回〜数回塗布するのが好ましい。
図1は、本発明で得られる外用製剤の抗ウイルス効果をマウス皮膚感染モデルを用いて試験した結果を示す図である。
以下、本発明につき実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
モノステアリン酸POE(5)グリセル500g、メチルポリシロキサン30g、セタノール150g、パラフィン500g、ワセリン900g、モノステアリン酸グリセル50g、BHT5gを加え、減圧条件下で75℃に加温、攪拌して均一な溶液とした。これに精製水5.565L及びプロピレングリコール300gを混合溶解した溶液を加えて、減圧下、加温、攪拌して乳化する。これに、ソリブジン500g、300g、100gとプロピレングリコールをそれぞれ、1.5kg、1.7kg、1.9kgを減圧下、75℃で加温しながら溶解した溶液を徐々に加える。この溶液を攪拌しながら室温まで冷却し、ソリブジン5%(製剤NO.1)、3%(製剤NO.2)、及び1%(製剤NO.3)のクリーム製剤を各々10kg得た。
また、主成分であるソリブジンに代えて、上記のようにして予め作製した乳液に、5−クロロビニルアラU300gとプロピレングリコール1.7kgとを減圧下、75℃で加温しながら溶解した溶液を上記と同様にして徐々に加えて、5−クロロビニルアラU3%クリーム製剤(製剤NO.4)を10kg得た。
白色ワセリン2kg、流動パラフィン6kgを75℃下で攪拌しながら溶解した。この溶液にソリブジン300gとプロピレングリコール1.7kgを減圧下で75℃に加温して攪拌・混合してソリブジン3%軟膏製剤(製剤NO.5)10kgを得た。
精製水にカルボキシビニルポリマー200g、メチルセルロース20gを均一に溶解する。さらに、PEG1500 4kg、二酸化チタン25g、EDTA 25gを添加する。ソリブジン300gにジプロピレングリコール3.5kg、POEオレイルアルコールエーテル500gを減圧下で加え50〜55℃で加熱溶解し、これに防腐剤パラベン250gを加える。先に調製した水相を攪拌しながらこれを徐々に添加する。最後に、中和するために水酸化カリウム水溶液を10ml添加し、充分攪拌して、ソリブジン3%ジェル(製剤NO.6)10kgを得た。
プロピレングリコール1kgにソリブジン100g、ポリソルベート80 50gを均一になるように減圧下で攪拌して混和する。別にグリセリン1.5kg、二酸化チタン500g、ポリアクリル酸ナトリウム500gを混和し、この溶液に精製水6.15kgとクエン酸200gを加え、減圧下、50〜55℃で加熱溶解し、均一な溶液とする。この溶液に、先に調製した液を徐々に加えて、減圧下、50〜55℃で加熱溶解し、pH5のソリブジン含有膏体を得る。次にこれを布片上に展延し、膏体表面を保存フィルムで被覆し一定の大きさに裁断して、ソリブジン1%含有パップ剤(製剤NO.7)を得た。
[試験例1]
実施例1で得られたクリーム剤をHSV−1のマウス皮膚感染モデル(Ijichiら、Antiviral Research,21,47,1993)を用いて、以下のようにして、本製剤の適正薬効濃度を観察した。
6週令、雄性Balb/cマウスを供試し、右半身をネンブタール麻酔下で剃毛し、肩甲骨のやや後方背骨に近い部分をおよそ5×5mmの範囲で注射針を用いて縦横数回擦過した。擦過部分にHSV−1 WT−51株を塗布した。薬剤はウイルス接種16時間後から、ウイルス接種部位を含め、帯状の病変が現れる可能性のある範囲に綿棒を用いて1日4回、7日間塗布した。マウスの生死及び症状を20日間観察した。陽性対照としてはゾビラックス(アシクロビルの商品名)5%軟膏を用いた(NO.8)。また、プラセボは実施例1の処方でソリブジンを除いた製剤(NO.9)を作成した。試験の結果、ソリブジン3%以上の製剤に、汎用されているゾビラックス5%軟膏と同等またはそれ以上の効果が認められた(図1及び表1)。また、いずれの製剤にも皮膚毒性は認められず、安全な製剤であることが判明した。
Figure 2004069261
[試験例2]
実施例1で得られたソリブジン3%クリーム製剤(NO.2)及び5−クロロビニルアラU3%クリーム製剤(NO.4)、実施例2で得られたソリブジン3%軟膏剤(NO.5)、及び実施例3で得られたソリブジン3%ジェル剤(NO.6)及び実施例4で得られたパップ剤(NO.7)を用いて、フルオロウラシル系薬剤である5−FUとの相互作用の有無を観察した。外用製剤は、Wsiter系の雌性ラットを1週間予備飼育した後、肩甲骨から腰部にかけて麻酔下で剃毛して、その部分に製剤を1日3回、7日間塗布した。
試験の結果、陽性対照の、ソリブジンを経口投与し5−FUと併用した群では、相互作用による著しい体重減少と骨髄抑制の副作用が発現したが、本発明の外用製剤(ソリブジンまたは5−クロロビニルアラUの外用製剤)と、5−FUとの併用では相互作用が認められなかった。(表2)。
Figure 2004069261
本発明の抗ヘルペスウイルス外用製剤の製造方法によれば、高い抗ヘルペスウイルス作用を有し、かつ安全で安定性に優れたな外用製剤を得ることができる。この外用製剤は、優れた抗ヘルペスウイルス作用を維持しながら、ソリブジンの経口剤で問題となったフルオロウラシル系薬剤との相互作用を回避することができ、特に水痘−帯状疱疹の治療に有効である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表される5−[(E)−2−ハロゲノビニル)−アラビノフラノシルウラシルを有効成分とする抗ヘルペスウイルス外用製剤の製造方法であり、該有効成分を基剤中に配合するための工程のいずれか1または2以上の工程において減圧下で加温することを含むことを特徴とする、前記製造方法。
    Figure 2004069261
    Xはハロゲン原子を表す。
  2. 一般式(I)中、Xが臭素原子または塩素原子である、請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法により得られる、5−[(E)−2−ハロゲノビニル)−アラビノフラノシルウラシルを有効成分とする抗ヘルペスウイルス外用製剤。
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