JPWO2004032966A1 - 細胞増殖抑制剤 - Google Patents

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Abstract

アミノ酸トランスポーターATB0,+の阻害剤の一つと考えられるI,−2−フェニルグリシンを被検物質として、ヒト大腸癌株および乳癌株に対しての細胞増殖試験を行い、濃度依存的な細胞増殖抑制効果を見出した。このことはATB0,+の活性を阻害することにより、細胞増殖を抑制しうることを示すものである。癌細胞などの増殖抑制剤の開発において、アミノ酸トランスポーターATB0,+の活性の抑制は重要な指標となると考えられる。

Description

本発明は、アミノ酸トランスポーターATB0.+阻害物質を有効成分とする細胞増殖抑制剤に関する。
哺乳動物は、生体外から栄養源を取り込む必要性があり、細胞には多くの輸送タンパク質が存在することが知られている。アミノ酸の輸送を行っているのはアミノ酸トランスポーター(アミノ酸輸送タンパク質)であり、現在までに多数のアミノ酸トランスポーターが見出されている(非特許文献1参照)。
アミノ酸トランスポーターは天然アミノ酸だけでなく、L−α−メチルドーパ、NOS阻害剤などの薬剤の輸送にも関与していることが報告されている(非特許文献2及び3参照)。
ATB0,+は、小腸、肺および乳腺に発現するアミノ酸輸送体である。機能的には、ATB0,+は、NaおよびCl駆動型中性および塩基性アミノ酸輸送システムである。これは、腸管におけるアミノ酸の吸収において重要な役割を果たしている(非特許文献1参照)。ヒトATB0,+のクローニングが最近報告されている(非特許文献4参照)。現時点で、ATB0,+の輸送機能は、基質としてのアミノ酸についてのみ研究されている。その輸送機能は非常に集積力が強く、NaおよびClの膜内外濃度勾配ならびに、膜電位差によりエネルギー供給されている。ATB0,+は、アミノ酸(例えば、グリシンおよびプロリン)、神経伝達物質(例えば、モノアミンおよびGABA)、ならびに浸透圧調節物質(osmolyte)(例えば、タウリンおよびベタイン)のような様々な化合物に対するNaおよびCl駆動型輸送体の遺伝子ファミリーに属する。構造的に、ATB0,+は、GABA輸送体およびベタイン輸送体に非常に密に関連している。
ATB0,+は、アミノ酸642個からなる12回膜貫通型タンパクである(非特許文献4)。また、ヒト−マウス間でのアミノ酸レベルでの相同性は88%であり、TM3−4の細胞外領域における相同性は77%である。ATB0,+の生理機能は、中性および塩基性アミノ酸(非特許文献4および5参照)や、D−アミノ酸(非特許文献6)、カルニチン(非特許文献7)等を2分子のナトリウムイオンおよび1分子の塩素イオンとの共輸送により細胞内に運搬し、消化管における栄養物質の効率的な吸収や、細胞内への物質の効率的な取り込みに関与していると考えられている。
また、抗原のATB0,+の遺伝子およびタンパク質に関しては、PCT出願(特許文献1)が存在し該出願ではATB0,+はグリシントランスポーターとして記載されている。
ヒトにおいてATB0,+は以下の臓器で発現している。Master blot(mRNA,Clontech);肺、気管、唾液腺(高)、乳腺、胃、下垂体(低)、大腸、子宮、精巣、前立腺(更に低い)(非特許文献4)。
また、マウスにおいてATB0,+は以下の臓器で発現している。Northern blot;大腸(高)、肺(低)(非特許文献5および8参照)。免疫染色;大腸(非特許文献6参照)、肺、気管(全て管腔側)(Mager,in PharmaConference 2001,Interlaken,Switzerlandにて発表)。
しかしながら、ATB0,+の癌細胞増殖への関与は不明であり、ATB0,+の機能を阻害することにより癌細胞の増殖に影響を与えるか否かの議論は行われていなかった。
〔特許文献1〕国際公開第2000/14221号パンフレット
〔非特許文献1〕Ganapathy,V.ら著,In Current Topics in Membranes.Ed.Barrett,K.E.and Donowitz,M.,2001年,Vol.50,p.379−412
〔非特許文献2〕Osieckaら著,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1987年,Vol.242,p.443−449
〔非特許文献3〕Hatanakaら著,Pharm.Res.,1999年,Vol.16,p.1770−1774
〔非特許文献4〕Sloan,J.L.,Mager,S.著,J.Biol.Chem.,1999年,Vol.274,p.23740−23745
〔非特許文献5〕Hatanakaら著,J.Clin.Invest.2001年,Vol.107,p.1035−1043
〔非特許文献6〕Hatanakaら著,Biochem.Biophys.Res.Commun.,2002年,Vol.291,p.291−295
〔非特許文献7〕Nakanishiら著,J.Physiol.,2001年,Vol.532(2),p.297−304
〔非特許文献8〕Ugawaら著,Am.J.Physiol.,2001年,Vol.281,G365−G370
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質を有効成分とする細胞増殖抑制剤、特に大腸癌などの癌細胞増殖抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。L−2−フェニルグリシン(phenylglycine)は、強いATB0,+活性を示すイヌ小腸刷子縁膜で、類似のL−アラニン(alanine)およびL−ファニルアラニン(phenylalanine)に比べ強いアフィニティーを示すことから、ATB0,+に特異性の強い競合的阻害剤であると考えられる(Hatanaka et al.2002,J.Pharm.Pharmcol.)。本発明者らは、ATB0,+の阻害剤の一つと考えられるL−2−フェニルグリシンを被検物質として、ヒト大腸癌株SW60、HT−29および乳癌株MCF−7に対しての細胞増殖試験を行った。その結果、SW60においてはL−2−フェニルグリシンによる細胞増殖抑制が認められなかった。一方、HT−29及びMCF−7においてはL−2−フェニルグリシン濃度依存的な細胞増殖抑制が認められた。RT−PCRの結果から、MCF−7およびHT−29ではATB0,+の発現が高く、SW60においてはATB0,+は検出限界以下であった。以上より、L−2−フェニルグリシンによる細胞増殖抑制は、非特異的細胞毒性ではなくATB0,+の機能阻害によることが示唆された。
上記の如く本発明者らは、アミノ酸トランスポーターATB0,+の活性を阻害することにより、細胞増殖を抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。本発明者らによって見出された知見により、アミノ酸トランスポーターATB0,+を標的として、細胞増殖抑制剤を開発することが可能となった。即ち、本発明者らによって見出された知見は、アミノ酸トランスポーターATB0,+の活性を阻害することにより、細胞増殖を抑制しうることを示すものである。癌細胞などの増殖抑制剤の開発において、アミノ酸トランスポーターATB0,+の活性の抑制は重要な指標となるものと考えられる。本発明の細胞増殖抑制剤は、癌(例えば、大腸癌、乳癌等)の増殖の抑制に利用されることが大いに期待される。
本発明は、アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質を有効成分とする細胞増殖抑制剤に関し、より具体的には、
〔1〕 アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質を有効成分とする細胞増殖抑制剤、
〔2〕 アミノ酸トランスポーターがNaおよびCl駆動型アミノ酸トランスポーターである、〔1〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔3〕 アミノ酸トランスポーターがATB0,+である、〔1〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔4〕 アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質が、アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合することによりアミノ酸トランスポーターATB0,+の輸送機能を阻害する物質である、〔1〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔5〕 アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質が、L−アミノ酸、NOS阻害剤、フェニルグリシン誘導体、カルチニン、D−アミノ酸、もしくはアミノ酸を基礎とするプロドラッグからなる群、あるいは、これらの誘導体化合物群より選択される、〔1〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔6〕 アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質がアミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する抗体である、〔1〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔7〕 アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する抗体が、細胞傷害活性を有する抗体である、〔6〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔8〕 細胞傷害活性が抗体依存性細胞介在性細胞傷害活性(ADCC活性)である、〔7〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔9〕 補体依存性細胞傷害活性(CDC活性)を有する抗体である、〔7〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔10〕 アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質がアミノ酸トランスポーターATB0,+の発現を抑制する物質である、〔1〕に記載の細胞増殖抑制剤、
〔11〕 癌細胞の増殖を抑制する、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の細胞増殖抑制剤、
〔12〕 癌細胞が大腸癌細胞、膵臓癌細胞または乳癌細胞である、〔11〕に記載の細胞増殖抑制剤、
を提供するものである。
本発明は、アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質を有効成分とする細胞増殖抑制剤を提供する。本発明の細胞増殖抑制剤の標的となるアミノ酸トランスポーターATB0,+は、NaおよびCl駆動型アミノ酸トランスポーターであり、中性または塩基性アミノ酸(Sloan et al.,J.Biol.Chem.,274,p23740−23745,1999,Hatanaka et al.,J.Clin.Invest.,107,p1035−1043,2001)や、D−アミノ酸(Hatanaka et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,291,p291−295,2002)、カルニチン(Nakanishi et al.,J.Physiol.,532,2,p297−304,2001)等を2分子のナトリウムイオンおよび1分子の塩素イオンとの共輸送により細胞内に運搬し、消化管における栄養物質の効率的な吸収や、細胞内への物質の効率的な取り込みに関与しているものと考えられている。
アミノ酸トランスポーターATB0,+タンパク質のアミノ酸配列および該タンパク質をコードする遺伝子(GenBankアクセッションNo.151978)の塩基配列は既に公知である。
本発明のアミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質は、アミノ酸トランスポーターATB0,+を介した輸送を阻害し、細胞の増殖を抑制するもの、あるいはアミノ酸トランスポーターATB0,+に結合し、細胞傷害活性により細胞の増殖を抑制するものであれば、特に限定されない。アミノ酸トランスポーターATB0,+を介した輸送を阻害する物質としては、例えば、アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合してアミノ酸トランスポーターATB0,+の輸送機能を阻害する物質、アミノ酸トランスポーターATB0,+の発現を抑制する物質などが挙げられるが、好ましいのはアミノ酸トランスポーターATB0,+に結合してアミノ酸トランスポーターATB0,+の輸送機能を阻害する物質である。
本発明におけるアミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質としては、例えば、合成低分子化合物、抗体、タンパク質、ペプチド、天然化合物等が挙げられるが、具体的には、NOS阻害剤、フェニルグリシン、カルニチン(Carnitine)、D−アミノ酸、もしくはアミノ酸を基礎とするプロドラッグ(Amino acid−based prodrugs)、あるいは、これらの誘導体等を例示することができる。
本発明におけるNOS阻害剤としては、好ましくは中性または塩基性L−α−アミノ酸構造を基本構造とするNOS阻害剤であり、より好ましくはL−アルギニン(arginine)、L−リジン(lysin)、L−シトルリン(citrulline)、またはL−オルニシン(ornithine)を基本構造とするNOS阻害剤であり、さらに好ましくはアルギニン、リジン、シトルリン、オルニシン、L−NNA(N−nitro−L−arginine)、L−NAME(N−nitro−L−arginine methyl ester)、L−NMMHA(N−monomethyl−L−homoarginine)、L−NDMA(N,NG’−dimethyl−L−arginine)、L−NMEA(N−monoethyl−L−arginine)、L−NMMA(N−monomethyl−L−arginine)、L−NABE(N−L−nitro−L−arginine benzyl ester)、L−NIL(L−N−(1−iminoethyl)−lysine)、L−TC(L−thiocitrulline)、L−MTC(S−methyl−L−thiocitrulline)、L−NIO(L−N−(1−iminoethyl)−ornithine)、GGA(α−guanidinoglutaric acid)、またはカナバニン(canavanine)である。
また、本発明のフェニルグリシンもしくはその誘導体としては、通常、フェニルグリシン構造を有するドラッグもしくはプロドラッグであり、好ましくはフリーのαアミノ酸およびαカルボキシル基を有するフェニルグリシン誘導体(生理的なpHにおいて酸性化合物ではない)、もしくは3−または4−カルボキシフェニルグリシンを含む3−または4−カルボキシルエステルプロドラッグであり、さらに好ましくはL−2−フェニルグリシンである。
また、本発明のカルニチンもしくはその誘導体としては、好ましくはカルニチンもしくはそのアシルエステルであり、より好ましくは、カルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチンである。
また、本発明におけるD−アミノ酸(amino acids)としては、好ましくはD−アラニン(alanine)、D−セリン(serine)、D−メチオニン(methionine)、D−ロイシン(leucine)、D−トリプトファン(tryptophan)、D−スレオニン(threonine)、D−ヒスチジン(histidine)、D−フェニルアラニン(phenylalanine)、D−グルタミン(glutamine)、またはこれらの誘導体であり、より好ましくはD−アラニン、D−セリン、D−メチオニン、D−ロイシン、D−トリプトファン、またはこれらの誘導体であり、さらに好ましくはD−アラニン、D−セリン、D−メチオニン、D−ロイシン、D−トリプトファンである。
また、本発明におけるアミノ酸を基礎とするプロドラッグとしては、好ましくはアミノ酸官能基(D−またはL−アミノ酸を含む)を有するプロドラッグであり、より好ましくはアスパラギン酸もしくはグルタミン酸を有するβ−カルボキシルエステルプロドラッグもしくはγ−カルボキシルエステルプロドラッグ、または、中性もしくは塩基性アミノ酸を有するα−カルボキシルエステルプロドラッグである。
本発明において、上記化合物は必要に応じて適宜標識して用いることができる。標識としては、例えば、放射標識、蛍光標識等を挙げることができる。
また本発明の好ましい態様におけるアミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質としては、アミノ酸トランスポーターATB0,+タンパク質に対する抗体である。該抗体は、通常、ATB0,+タンパク質を認識して結合する。
本発明の細胞増殖抑制剤に含有される抗体はアミノ酸トランスポーターATB0,+と結合する限り特に制限はない。好ましくはアミノ酸トランスポーターATB0,+と特異的に結合する抗体であり、さらに好ましくは細胞傷害活性を有する抗体である。
本発明における細胞傷害活性とは、例えば抗体依存性細胞介在性細胞傷害(antibody−dependent cell−mediated cytotoxicity:ADCC)活性、補体依存性細胞傷害(complement−dependent cytotoxicity:CDC)活性などを挙げることができる。本発明において、CDC活性とは補体系による細胞傷害活性を意味し、ADCC活性とは標的細胞の細胞表面抗原に特異的抗体が付着した際、そのFc部分にFcγ受容体保有細胞(免疫細胞等)がFcγ受容体を介して結合し、標的細胞に傷害を与える活性を意味する。
抗アミノ酸トランスポーターATB0,+抗体がADCC活性を有するか否か、又はCDC活性を有するか否かは公知の方法により測定することができる(例えば、Current protocols in Immunology,Chapter7.Immunologic studies in humans,Editor,John E,Coligan et al.,John Wiley & Sons,Inc.,(1993)等)。
具体的には、まず、エフェクター細胞、補体溶液、標的細胞の調製を行う。
(1)エフェクター細胞の調製
CBA/Nマウスなどから脾臓を摘出し、RPMI1640培地(GIBCO社製)中で脾臓細胞を分離する。10%ウシ胎児血清(FBS、HyClone社製)を含む同培地で洗浄後、細胞濃度を5×10/mlに調製し、エフェクター細胞を調製する。
(2)補体溶液の調製
Baby Rabbit Complement(CEDARLANE社製)を10%FBS含有培地(GIBCO社製)にて10倍希釈し、補体溶液を調製する。
(3)標的細胞の調製
膵臓癌細胞株(AsPC−1、Capan−2等)を0.2mCiの51Cr−sodium chromate(Amersham Pharmacia Biotech社製)とともに、10%FBS含有DMEM培地中で37℃にて1時間培養することにより放射性標識する。放射性標識後、細胞を10%FBS含有RPMI1640培地にて3回洗浄し、細胞濃度を2×10/mlに調製して、標的細胞を調製する。
次いで、ADCC活性、又はCDC活性の測定を行う。ADCC活性の測定の場合は、96ウェルU底プレート(Beckton Dickinson社製)に、標的細胞と、抗アミノ酸トランスポーターATB0,+抗体を50μlずつ加え、氷上にて15分間反応させる。その後、エフェクター細胞100μlを加え、炭酸ガスインキュベーター内で4時間培養する。抗体の終濃度は0または10μg/mlとする。培養後、100μlの上清を回収し、ガンマカウンター(COBRAIIAUTO−GMMA、MODEL D5005、Packard Instrument Company社製)で放射活性を測定する。細胞傷害活性(%)は(A−C)/(B−C)×100により求めることができる。Aは各試料における放射活性(cpm)、Bは1%NP−40(半井社製)を加えた試料における放射活性(cpm)、Cは標的細胞のみを含む試料の放射活性(cpm)を示す。
一方、CDC活性の測定の場合は、96ウェル平底プレート(Becton Dickinson社製)に、標的細胞と、抗アミノ酸トランスポーターATB0,+抗体を50μlずつ加え、氷上にて15分間反応させる。その後、補体溶液100μlを加え、炭酸ガスインキュベーター内で4時間培養する。抗体の終濃度は0または3μg/mlとする。培養後、100μlの上清を回収し、ガンマカウンターで放射活性を測定する。細胞傷害活性はADCC活性の測定と同様にして求めることができる。
本発明の細胞増殖抑制剤の有効成分として使用される抗体は、抗原(アミノ酸トランスポーターATB0,+タンパク質またはその部分ペプチド)と結合する限り特に制限はなく、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ヒツジ抗体、キメラ抗体、ヒト型化抗体、ヒト抗体等を適宜用いることができる。抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよいが、均質な抗体を安定に生産できる点でモノクローナル抗体が好ましい。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は当業者に周知の方法により作製することができる。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、所望の抗原や所望の抗原を発現する細胞を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞(ハイブリドーマ)をスクリーニングすることによって作製できる。
抗原の調製は公知の方法、例えばバキュロウイルスを用いた方法(WO98/46777など)等に準じて行うことができる。
ハイブリドーマの作製は、たとえば、ミルステインらの方法(Kohler.G.and Milstein,C.,Methods Enzymol.(1981)73:3−46)等に準じて行うことができる。抗原の免疫原性が低い場合には、アルブミン等の免疫原性を有する巨大分子と結合させ、免疫を行えばよい。
また、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた遺伝子組換え型抗体を用いることができる(例えば、Carl,A.K.Borrebaeck,James,W.Larrick,THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES,Published in the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD,1990参照)。具体的には、ハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素を用いて抗体の可変領域(V領域)のcDNAを合成する。目的とする抗体のV領域をコードするDNAが得られれば、これを所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターへ組み込む。または、抗体のV領域をコードするDNAを、抗体C領域のDNAを含む発現ベクターへ組み込んでもよい。発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。
本発明では、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ(Chimeric)抗体、ヒト型化(Humanized)抗体などを使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体であり、マウス抗体の可変領域をコードするDNAをヒト抗体の定常領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得ることができる。
ヒト型化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、たとえばマウス抗体の相補性決定領域(CDR;complementarity determiningregion)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている。具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)を連結するように設計したDNA配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する。得られたDNAをヒト抗体定常領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400、国際特許出願公開番号WO 96/02576参照)。CDRを介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.et al.,Cancer Res.(1993)53,851−856)。
また、ヒト抗体の取得方法も知られている。例えば、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、感作リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、抗原への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1−59878参照)。また、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物を所望の抗原で免疫することで所望のヒト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号WO 93/12227,WO 92/03918,WO 94/02602,WO 94/25585,WO 96/34096,WO 96/33735参照)。さらに、ヒト抗体ライブラリーを用いて、パンニングによりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に衆知であり、WO 92/01047,WO 92/20791,WO 93/06213,WO 93/11236,WO 93/19172,WO 95/01438,WO 95/15388を参考にすることができる。
抗体遺伝子を一旦単離し、適当な宿主に導入して抗体を作製する場合には、適当な宿主と発現ベクターの組み合わせを使用することができる。真核細胞を宿主として使用する場合、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を用いることができる。動物細胞としては、(1)哺乳類細胞、例えば、CHO,COS,ミエローマ、BHK(baby hamster kidney),HeLa,Vero,(2)両生類細胞、例えば、アフリカツメガエル卵母細胞、あるいは(3)昆虫細胞、例えば、sf9,sf21,Tn5などが知られている。植物細胞としては、ニコティアナ(Nicotiana)属、例えばニコティアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞が知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces serevisiae)、糸状菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、例えばアスペスギルス・ニガー(Aspergillus niger)などが知られている。原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E.coli)、枯草菌が知られている。これらの細胞に、目的とする抗体遺伝子を形質転換により導入し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより抗体が得られる。
また、本発明の抗体は、抗体変異体であってもよい。本発明において、抗体変異体とは、1またそれ以上のアミノ酸残基が改変された、抗体のアミノ酸配列バリアントを指す。どのように改変されたアミノ酸バリアントであれ、元となった抗体と同じ結合特異性を有すれば、本発明における「抗体変異体」に含まれる。このような変異体は、抗体の重鎖もしくは軽鎖の可変ドメインのアミノ酸配列と少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、そして、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列相同性または類似性を有するアミノ酸配列と100%よりも少ない配列相同性、または類似性を有する。
また、本発明の上記抗体はアミノ酸トランスポーターATB0,+タンパク質と結合し、該タンパク質の機能を阻害するかぎり、抗体の断片またはその修飾物であってもよい。例えば、抗体の断片としては、Fab、F(ab′)2、Fv、またはH鎖もしくはL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)が挙げられる。具体的には、これらFab、F(ab′)2、Fv、またはH鎖もしくはL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)、をコードする遺伝子を発現ベクターに導入後、適当な宿主細胞で発現させる(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976,Better,M.& Horwitz,A.H.,Methods in Enzymology(1989)178,476−496,Academic Press Inc.、Plueckthun,A.& Skerra,A.,Methods in Enzymology(1989)178,476−496,Academic Press Inc.、Lamoyi,E.,Methods in Enzymology(1989)121,663−669,Bird,R.E.et al.,TIBTECH(1991)9,132−137参照)。scFvは、抗体のH鎖V領域とL鎖V領域とを連結することにより得られる。このscFvにおいて、H鎖V領域とL鎖V領域は、リンカー、好ましくはペプチドリンカーを介して連結される(Huston,J.S.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A(1988)85,5879−5883)。scFvにおけるH鎖V領域およびL鎖V領域は、本明細書に抗体として記載されたもののいずれの由来であってもよい。V領域を連結するペプチドリンカーとしては、例えば12−19残基からなる任意の一本鎖ペプチドが用いられる。scFvをコードするDNAは、前記抗体のH鎖またはH鎖V領域をコードするDNA、およびL鎖またはL鎖V領域をコードするDNAのうち、それらの配列のうちの全部または所望のアミノ酸配列をコードするDNA部分を鋳型とし、その両端を規定するプライマー対を用いてPCR法により増幅し、次いで、さらにペプチドリンカー部分をコードするDNA、およびその両端が各々H鎖、L鎖と連結されるように規定するプライマー対を組み合わせて増幅することにより得られる。また、一旦scFvをコードするDNAが作製されると、それらを含有する発現ベクター、および該発現ベクターにより形質転換された宿主を常法に従って得ることができ、また、その宿主を用いることにより、常法に従ってscFvを得ることができる。これらの抗体断片は、前記と同様にして遺伝子を取得し発現させ、宿主により産生させることができる。抗体の修飾物として、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結合した抗体を使用することもできる。このような抗体修飾物は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。なお、抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている。本発明における「抗体」にはこれらの抗体も包含される。
さらに、本発明で使用される抗体は二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体はアミノ酸トランスポーターATB0,+分子上の異なるエピトープを認識する抗原結合部位を有する二重特性抗体であってもよいし、一方の抗原結合部位がアミノ酸トランスポーターATB0,+を認識し、他方の抗原結合部位が放射性物質、化学療法剤、細胞由来トキシン等の細胞傷害性物質を認識してもよい。この場合、アミノ酸トランスポーターATB0,+を発現している細胞に直接細胞傷害性物質を作用させ腫瘍細胞に特異的に傷害を与え、腫瘍細胞の増殖を抑制することが可能である。二重特異性抗体は2種類の抗体のHL対を結合させて作製することもできるし、異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを融合させて、二重特異性抗体産生融合細胞を作製し、得ることもできる。さらに、遺伝子工学的手法により二重特異性抗体を作製することも可能である。
前記のように発現、産生された抗体は、通常のタンパク質の精製で使用されている公知の方法により精製することができる。例えば、プロテインAカラムなどのアフィニティーカラム、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせることにより、抗体を分離、精製することができる(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)。
抗体の抗原結合活性(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)の測定には公知の手段を使用することができる。例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)あるいは蛍光免疫法などを用いることができる。
特定の分子が本発明のアミノ酸トランスポーターATB0,+に結合するか否かは、当業者においては公知の方法により測定することができる。公知の方法としては、例えば、免疫沈降法、ウエストウエスタンブロッティング法、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)、蛍光免疫法、表面プラズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーを用いた方法、などが挙げられる。
このようなアミノ酸トランスポーターATB0,+への結合活性を指標に、本発明の細胞増殖抑制剤の候補化合物をスクリーニングすることが可能である。具体的には、アミノ酸トランスポーターATB0,+に被検試料を接触させ、アミノ酸トランスポーターATB0,+と被検試料との結合を検出し、アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する化合物を選択すればよい。被検試料としては特に制限はなく、例えば、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海洋生物抽出物、植物抽出物、精製もしくは粗精製タンパク質(抗体を含む)、ペプチド、非ペプチド性化合物、合成低分子化合物、天然化合物が挙げられる。アミノ酸トランスポーターは、例えば、精製したタンパク質として、担体に結合させた形態として、他のタンパク質との融合タンパク質として、細胞膜上に発現させた形態として、膜画分として被検試料に接触させることができる。このようにして得られたアミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する化合物から、本発明の細胞増殖抑制剤の有力な候補を選択するために、これら化合物がアミノ酸トランスポーターATB0,+の輸送機能を阻害するか否かを検出することが有用である。特定の分子がアミノ酸トランスポーターの輸送機能を阻害しているか否かは、公知の方法、例えば、放射性物質(14Cなど)、蛍光物質などでアミノ酸などの基質を標識し、該基質がアミノ酸トランスポーター発現細胞に取り込まれた量を測定すること等により判断することができる。
本発明の細胞増殖抑制剤の有効成分としては、アミノ酸トランスポーターATB0, の発現を抑制する物質を使用することもできる。このような物質としては、例えば、アミノ酸トランスポーターATB0,+遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドなどが挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、例えば、アミノ酸トランスポーターATB0,+をコードするDNAまたはmRNAのいずれかの箇所にハイブリダイズするアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくはアミノ酸トランスポーターのDNAまたはmRNA中の連続する少なくとも15個以上のヌクレオチドに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。さらに好ましくは、連続する少なくとも15個以上のヌクレオチドが翻訳開始コドンを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、それらの誘導体や修飾体を使用することができ、例えば、メチルホスホネート型やエチルホスホネート型のような低級アルキルホスホネート修飾体、ホスホロチオエート修飾体またはホスホロアミデート修飾体等が挙げられる。
本発明の細胞増殖抑制剤の標的となる細胞としては特に制限はないが、好ましくは大腸癌、乳癌、膵臓癌等の癌細胞であり、特に好ましくは大腸癌細胞または乳癌細胞である。
本発明の細胞増殖抑制剤は、細胞増殖に起因する疾患、特に大腸癌あるいは乳癌等の癌の治療、予防を目的として使用される。
アミノ酸トランスポーターATB0,+は上述のように、血管側の細胞膜では発現していないことから、アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質(例えば、アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する抗体)は、正常組織のアミノ酸トランスポーターATB0,+機能を阻害することなく、例えば、大腸癌等の癌細胞に対して、特異的に作用するものと考えられる。また、大腸癌等の癌細胞におけるアミノ酸トランスポーターATB0,+の異常は、生理的機能から推察すると、癌細胞増殖に伴うタンパク質合成に必要なアミノ酸の取り込み亢進に関与しているものと考えられる。従って、本発明の細胞増殖抑制剤は、アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質による栄養遮断を薬効とする新規抗癌剤となるものと考えられる。また、本発明の好ましい態様における、アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する抗体を有効成分とする細胞増殖抑制剤は、該抗体がATB0,+に特異的に結合し腫瘍細胞に対して傷害性を持つ細胞を活性化させる作用(抗体依存性細胞傷害活性;ADCC活性)、あるいは補体タンパク質による細胞破壊作用(補体依存性細胞傷害活性;CDC活性)による殺作用を薬効とする新規抗癌剤となるものと期待される。
本発明の薬剤の製剤化にあたっては、常法に従い、必要に応じて薬学的に許容される担体を添加することができる。例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体を適宜使用することができる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を挙げることができる。
上記薬剤の剤型の種類としては、例えば経口剤として錠剤、粉末剤、丸剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、軟・硬カプセル剤、フィルムコーティング剤、ペレット剤、舌下剤、ペースト剤等、非経口剤として注射剤、坐剤、経皮剤、軟膏剤、硬膏剤、外用液剤等が挙げられ、当業者においては投与経路や投与対象等に応じた最適の剤型を選ぶことができる。
本発明の細胞増殖抑制剤は、経口、非経口投与のいずれでも可能であるが、好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与剤型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤型の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全身または局部的に投与することができる。また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001〜100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができる。しかしながら、本発明の治療薬はこれらの投与量に制限されるものではない。また、発明の治療薬は、常法に従って製剤化することができ(例えば、Remington′s Pharmaceutical Science,latest edition,Mark Publishing Company,Easton,U.S.A)、医薬的に許容される担体や添加物を供に含むものであってもよい。
図1は、各種癌細胞株におけるアミノ酸トランスポーターATB0,+の発現状態を示す写真である。写真左は、D1プライマーとD2プライマーの組み合わせでPCRを行った場合、写真右は、D5プライマーとD6プライマーの組みあわせでPCRを行った場合の写真である。ウェル番号と細胞株の対応は以下のようになっている(表1)。
Figure 2004032966
尚、TCP1はウェル1に、TCP2はウェル2にそれぞれ対応する。Nは鋳型DNAを加えなかった場合、Gはヒト染色体DNAを加えた場合をそれぞれ表わす。
図2は、L−2−フェニルグリシンの各種癌細胞株に対する細胞増殖抑制効果を示す図である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕 ヒトATB0,+ RT−PCR解析
(1−1)全RNAの調製
次のヒト癌細胞株より、ISOGEN(ニッポンジーン社)、あるいはTRIzol(Invitrogen社)を用いて、それぞれのメーカー推奨の標準的な方法に従いtotal RNAを調製した。
・肺癌細胞株:A549、NCI−H460、NCI−H23、NCI−H522
・大腸癌:HT−29、LS 174T、COLO 205、LoVo、SW620
・乳癌細胞株:MCF7、MDA−MB−231、ZR−75−1、BT−474
・前立腺癌細胞株:DU−145、PC−3、LNCap.FGC、22Rv1
・白血病細胞株:BALL−1、P39/TSU、KU812、CCRF−CEM、JOK−1
・リンフォーマ細胞株:Daudi、EB−3、Ramos、P3HR−1
・膵臓癌細胞株:BxPC−3、Capan−1、MIA PaCa−2、PANC−1、AsPC−1
(1−2)RT−PCR解析
上記の全RNAより、SUPERSCRIPTMFirst−Strand Synthesis System for RT−PCR(Invitrogen社)を用い、メーカー推奨の標準的な方法に従い、1本鎖cDNAを合成した。逆転写反応のプライマーとしてはオリゴdT(12〜18mer)を用いた。このcDNAの一部を鋳型とし、ヒトATB0,+遺伝子に特異的なプライマーを用いて、以下の条件によりPCR解析を行った。
<反応液組成>
・TaKaRa ExTaq(TaKaRa社) 0.3μL
・TaqStartTMAntibody(CLONTECH社) 0.3μL
・10x ExTaqバッファー(TaKaRa社) 3μL
・2.5mM dNTPs(TaKaRa社) 2.4μL
・20μMプライマー 各0.6μL
・鋳型cDNA 3μL
/全量 30μL
<反応条件>
・94℃、2分→(94℃、30秒→68℃、2分)x35サイクル→72℃、5分
<プライマー>
Figure 2004032966
Figure 2004032966
PCRの結果を図1に示した。大腸癌細胞5株(レーン5−9)のうち、2株(HT−29、LS174T)で強い発現が認められた。また、Lovo細胞でも中程度の発現が認められた。乳癌細胞4株(レーン10−13)では、全ての細胞でATB0,+の発現が認められ、そのうちMCF7とBT−474で強い発現が認められた。膵臓癌細胞5株(レーン27−31)のうち、2株(BxPC−3、Capan−1)で強い発現が認められた。癌はheterogeneousであるにもかかわらず、図1のように大腸癌、乳癌、膵臓癌では40%以上の細胞株にATB0,+が高発現しており、臨床でも同様に40%以上の大腸癌、乳癌、膵臓癌患者の腫瘍部位にATB0,+が高発現している可能性が示唆された。
〔実施例2〕 L−2−Phenylglycineのヒト大腸癌株SW60、HT29および乳癌株MCF−7に対する細胞増殖抑制作用
L−2−フェニルグリシン(phenylglycine)は強いATB0,+活性を示すイヌ小腸刷子縁膜で類似のL−アラニン(alanine)およびL−フェニルアラニン(phenylalanine)に比べ強いアフィニティーを示すことから、ATB0,+に特異性の強い競合的阻害剤であると考えられる(Hatanaka et al.2002,J.Pharm.Pharmacol.)。L−2−フェニルグリシンを0%FBSを含む培地で溶解し、20mM L−2−フェニルグリシン溶液を調製した。培地としてはSW60、HT29にはIMDMを、MCF−7にはRPMIを用いた。また、この溶液を培地で希釈して2、0.2、0.02ならびに0.002mM L−2−フェニルグリシン溶液を調製した。
ヒト大腸癌株SW60、HT29および乳癌株MCF−7を培地でそれぞれ4×10、1.6×10、1.6×10細胞/mLに調製した。この懸濁液25μL/well(それぞれ1×10、4×10、4×10細胞)にあらかじめ12%FBSを含む培地25μL/wellを添加しておいた96wellプレートに蒔き、50μLのL−2−Phenylglycine溶液を添加した。5%COインキュベーターで培養し、培養4日目に生細胞数をMTS assayで定量化した。
図2に細胞増殖試験結果を示した。SW60においてはL−2−Phenylglycineによる細胞増殖抑制が認められなかった。一方、HT29およびMCF−7においては濃度依存的な細胞増殖抑制が認められた。HT29における細胞増殖抑制は10μM L−2−Phenylglycine存在下で約10%を示し、平衡に達した。MCF−7における細胞増殖抑制は1mM L−2−Phenylglycine存在下で約10%であった。
RT−PCRの結果から、MCF−7およびHT29ではATB0,+の発現が高く、SW60においてはATB0,+は検出限界以下であった(図1)。以上より、L−2−ファニルグリシンによる細胞増殖抑制は、非特異的細胞毒性ではなくATB0,+の機能阻害によると考えられた。
産業上の利用の可能性
本発明により、アミノ酸トランスポーターATB0,+の活性を阻害する物質は細胞増殖を抑制する効果があることが見出された。これによりアミノ酸トランスポーターATB0,+を標的として、細胞増殖抑制剤を開発することが可能となった。このような細胞増殖抑制剤は、癌(例えば、大腸癌等)の増殖の抑制に利用されることが大いに期待される。
【配列表】
Figure 2004032966
Figure 2004032966
Figure 2004032966

Claims (12)

  1. アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質を有効成分とする細胞増殖抑制剤。
  2. アミノ酸トランスポーターがNaおよびCl駆動型アミノ酸トランスポーターである、請求項1に記載の細胞増殖抑制剤。
  3. アミノ酸トランスポーターがATB0,+である、請求項1に記載の細胞増殖抑制剤。
  4. アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質が、アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合することによりアミノ酸トランスポーターATB0,+の輸送機能を阻害する物質である、請求項1に記載の細胞増殖抑制剤。
  5. アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質が、L−アミノ酸、NOS阻害剤、フェニルグリシン誘導体、カルチニン、D−アミノ酸、もしくはアミノ酸を基礎とするプロドラッグからなる群、あるいは、これらの誘導体化合物群より選択される、請求項1に記載の細胞増殖抑制剤。
  6. アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質がアミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する抗体である、請求項1に記載の細胞増殖抑制剤。
  7. アミノ酸トランスポーターATB0,+に結合する抗体が、細胞傷害活性を有する抗体である、請求項6に記載の細胞増殖抑制剤。
  8. 細胞傷害活性が抗体依存性細胞介在性細胞傷害活性(ADCC活性)である、請求項7に記載の細胞増殖抑制剤。
  9. 補体依存性細胞傷害活性(CDC活性)を有する抗体である、請求項7に記載の細胞増殖抑制剤。
  10. アミノ酸トランスポーターATB0,+阻害物質がアミノ酸トランスポーターATB0,+の発現を抑制する物質である、請求項1に記載の細胞増殖抑制剤。
  11. 癌細胞の増殖を抑制する、請求項1〜10のいずれかに記載の細胞増殖抑制剤。
  12. 癌細胞が大腸癌細胞、膵臓癌細胞または乳癌細胞である、請求項11に記載の細胞増殖抑制剤。
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