JPWO2004019436A1 - 固体高分子形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、固体高分子形ダイレクト燃料電池を提供する。より詳しくは、本発明は、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料として直接作動させることを特徴とする固体高分子形ダイレクト燃料電池を提供する。

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池は、低温作動で高電流密度が得られること、小型化が可能であることなどの理由により、電気自動車、宇宙航空機器などの輸送機器用の電源、携帯用の小型電源などとして研究開発が進められている。固体高分子形燃料電池に供給される燃料としては、一般に、天然ガス、メタノール或いはガソリンなどの改質により製造された水素ガスが用いられている。
一方、貯蔵、運搬などに際しての液体燃料としての利便性から、メタノールを燃料として直接供給する固体高分子形燃料電池(ダイレクトメタノール燃料電池)も近年注目を集めている。特に、携帯機器用の小型電源や充電器の用途では、ダイレクトメタノール燃料電池が主流となっている。また、現在、ウェアラブル情報端末、体内埋め込み式バイオセンサ、医療機器などの開発も進められており、これらの超小型電子機器の電源として、燃料を供給するだけで、充電を行うことなく、24時間作動するダイレクト燃料電池の適用が検討されている。
ダイレクトメタノール燃料電池は、純水素或いは改質水素を燃料とする固体高分子形燃料電池と同様に、固体高分子電解質膜の両側に電極を取り付けた構造を有している。通常、アノード(燃料極)には白金−ルテニウム触媒が用いられ、カソード(空気極)には白金触媒が用いられている。アノード側にメタノール水溶液を供給すると、メタノールが水と反応し、酸化されて、二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成する。生成したプロトンは、電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素が還元されて、水が生成する。この過程において、外部回路を電子が流れ、電流を取り出すことができる。
しかしながら、メタノールの酸化反応速度は極めて遅く、過電圧も大きいので、メタノールを燃料に用いる場合には、水素ガスを燃料とする場合に比べて、その燃料電池性能は著しく低下する。この問題を解決するために、メタノール酸化用電極触媒に関して夥しい数の研究がなされ、各種合金触媒、有機金属錯体などが提案されているが、1960年代から知られている白金−ルテニウム合金の活性を大幅に上回る電極触媒は、依然として見出されていない。
メタノールの他にも、エタノール(C.Lamy,E.M.Belgsir,and J.−M.L▲e▼ger,J.Appl.Electrochem.,31,799(2001))、グリコール(特開2002−151132号公報)を初めとする種々のアルコール類、ジメチルエーテル(特開平11−144751号公報)、水素化ホウ素塩溶液(特開2002−50375号公報)、アセタール(O.Savadogo and X.Yang,J.New Mat.Electrochem.Systems,5,9(2002))などを燃料とするダイレクト燃料電池の研究が行われている。
ダイレクトメタノール燃料電池における最大の問題は、メタノール電極酸化反応の過電圧が高いことである。そのため、白金−ルテニウム合金などの高価な貴金属系電極触媒を多量に使用する必要がある。しかしながら、燃料電池システム全体の総コストに占める貴金属系触媒のコストの割合は大きいので、固体高分子形燃料電池の実用化および低コスト化を実現するためには、貴金属使用量を減少させた或いは貴金属を使用しない電極触媒の開発が大きな課題となっている。
また、メタノールは劇物に指定されている有害な物質であることに加えて、燃料として固体高分子形燃料電池に用いた場合には、二酸化炭素とともに、微量のホルムアルデヒド、ギ酸などの有害物質を酸化生成物として発生する恐れがあるため、ダイレクトメタノール燃料電池を民生機器に利用する際には、その安全性が問題視される。特に、携帯機器、ウェアラブル情報端末、体内埋め込み式機器などにおいて、人体に密着或いは装着したり、埋め込んだ状態で燃料電池を使用する場合には、燃料の安全性、生体適合性がますます重要となる。また、メタノールは人体に対して悪影響を及ぼすだけでなく、一部のゴムやプラスチック類に対して腐食性がある。そのため、ダイレクトメタノール燃料電池では、その構成材料やシール部材として選択できる材料が制約され、コストが高くなるという問題点もある。
さらに、ダイレクトメタノール燃料電池においては、供給されたメタノールがカソード側に浸透して性能低下をもたらす“クロスオーバー”といわれる現象が知られている。すなわち、電解質膜を透過してカソード側に到達したメタノールは、カソード触媒上で酸素と反応して二酸化炭素と水を生成し、燃料利用率を低下させる。その上、カソード電位は混成電位となって低下するため、燃料電池の出力も低下する。このメタノールのクロスオーバーのため、水素ガスを燃料として用いる従来の固体高分子形燃料電池用に開発されたパーフルオロスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いる場合には、ダイレクトメタノール燃料電池として十分な性能が発揮できないことが多い。従って、ダイレクトメタノール燃料電池の実用化には、メタノール透過性の低い電解質膜の開発が急務となっている。
本発明者は、従来技術の問題点に留意しつつ、メタノールに代えて他の化合物を燃料として供給する固体高分子形ダイレクト燃料電池について、研究を重ねてきた。その結果、触媒調製や合成反応、無電解めっきなどの反応プロセスにおいて還元剤として用いられるアスコルビン酸などの一群の化合物を燃料として使用する場合には、従来技術の問題点を軽減しうる固体高分子形ダイレクト燃料電池が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の固体高分子形ダイレクト燃料電池を提供するものである。
1.アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料として直接作動させることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
2.アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料として使用する上記項1に記載の固体高分子形燃料電池。
3.亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料として使用する上記項1に記載の固体高分子形燃料電池。
4.アノード触媒として金属を使用する上記項1に記載の固体高分子形燃料電池。
5.アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、亜硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料とし、アノード触媒として炭素材料を使用する上記項1に記載の固体高分子形燃料電池。
6.アノード触媒としてカーボンブラックを使用する上記項5に記載の固体高分子形燃料電池。
7.アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、亜硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料とし、カーボンペーパーまたはカーボンクロスからなる集電体を固体高分子膜に接触させて、電極触媒の不存在下に直接作動させる上記項1に記載の固体高分子形燃料電池。
本発明のダイレクト燃料電池は、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩から選ばれる化合物の溶液を燃料として供給させて発電することを特徴とする。
アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸およびこれらの塩などの化合物は、還元作用を有しており、その反応速度は速い。従って、これらの化合物を燃料としてアノードに供給すると、その過電圧が低下して、固体高分子形燃料電池の高性能化を図るために有用であると考えられる。
例えば、第1図は、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウムおよび次亜リン酸をそれぞれ用いて、白金−ルテニウム電極上、0.5M硫酸溶液中で測定したサイクリックボルタモグラムである。第1図には、比較として、メタノールについての結果も併せて示す。
第1図に示す結果から明らかな様に、メタノールを使用する場合に比べて、他の5種の化合物を使用する場合には、同一電位において高い電流密度が得られている。すなわち、これらの化合物を固体高分子形燃料電池における燃料として用いると、アノード電位が低下し、優れた燃料電池特性が得られることが推測される。この様に電極酸化反応が容易に起こり得る化合物を燃料として用いると、燃料電池の大幅な高性能化が期待できるだけでなく、電極触媒として白金以外の安価な触媒を選択できる可能性が広がる。また、触媒量の低減ならびにアノード触媒を用いない燃料電池の実現に寄与できる可能性もある。
上記化合物のうち、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸とそれらの塩類(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩など)は、食品添加物としても用いられている無毒無害の物質であり、燃料電池に直接供給される燃料として民生機器に利用した場合にも、取り扱い上の問題は全く生じない。また、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸とそれらの塩を燃料に用いた場合には、C−OHがケトン基に酸化されるだけで、危険性のある化合物も生成しない。
一方、亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩類(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩など)は、腐食性や刺激性を有することが知られており、取り扱いに注意を要するが、メタノールのように劇物に指定された化合物ではない。亜硫酸、亜硫酸水素、チオ硫酸、亜ジチオン酸とそれらの塩からは、硫酸の生成が、また亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩からはリン酸の生成が考えられるが、それらは燃料溜めに回収することにより、装置外への放出を防止することができるので、実用上の問題は回避可能である。
従って、本発明によれば、ホルムアルデヒドなどの揮発性の高い有害物質が空気中に拡散する危険性を低減することができる。
ダイレクトメタノール燃料電池においては、アノードに供給されたメタノールが水とともに電解質膜を透過し、カソード側に到達すると考えられている。これに対して、本発明において使用するアスコルビン酸などの化合物は、溶液中では電離し、そのうち陰イオンが燃料として作用する。現在、固体高分子形燃料電池用に商品化されている電解質膜のほとんどは、スルホン酸などの陰イオン性基が固定された陽イオン交換膜であるので、本発明においては、陰イオン性化合物がイオン交換により電解質膜内部に取り込まれたり、カソード側へ透過するクロスオーバーのような現象は起こりにくい。
本発明による燃料電池には、基本的には、通常の固体高分子形燃料電池に用いられる既知の高分子電解質膜、電極触媒、膜−電極接合体およびセル構造を適用することができる。
例えば、電極触媒としては、従来から知られている種々の金属、および金属合金などを使用することができる。例えば、アノードおよびカソード触媒として、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、白金−ルテニウムをはじめとする各種金属触媒、またはこれらの触媒微粒子をカーボンなどの担体上に分散させた担持触媒などが挙げられる。
また、本発明による燃料電池において、燃料としてアスコルビン酸、イソアスコルビン酸、亜硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸およびそれらの塩を使用する場合には、貴金属を使用することなく、カーボンブラックなどのカーボン材料をそのままアノード電極として使用することもできる。カーボン材料としては、高比表面積(50m/g以上)を有するカーボンブラックがより好ましい。
さらに、本発明の燃料電池では、燃料としてアスコルビン酸、イソアスコルビン酸、亜硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸およびそれらの塩を使用する場合には、カーボンペーパー、カーボンクロスなどの集電体を固体高分子膜に押し当てる或いは密接させることにより、アノード側で触媒を使用することなく、電池を駆動させることも可能である。
高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボン系、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系、ポリベンズイミダゾール系をはじめとする、各種イオン交換樹脂膜を使用することができる。
固体高分子電解質膜と電極触媒との接合体は、一般に公知の接合体と同様にして、作製される。例えば、触媒粉末と電解質溶液とを混合して作製した触媒インクを薄膜化させた後、電解質膜上にホットプレスする、あるいは直接高分子膜上に塗布・乾燥するなどの方法が適用される。その他、吸着還元法、無電解めっき法やスパッター、CVDなどの方法で固体高分子膜に直接触媒を取り付けることもできる。また、カーボンペーパーやカーボンクロスなどのガス拡散層や集電体に直接触媒インクを塗布・乾燥する、あるいは前駆体となる金属錯体を含浸・還元するなどの方法によって電極を作製しても良い。
特に、アノード側に関しては、上述の様に、アスコルビン酸などの特定の燃料を使用する場合には、カーボンブラックなどのカーボン材料をアノード触媒として使用することができる。また、アスコルビン酸などの特定の燃料を使用する場合には、カーボンペーパー、カーボンクロスなどからなる集電体自体に、アノード触媒としての機能を発揮させることもできる。
得られた膜−電極接合体の両面をカーボンペーパーまたはカーボンクロスなどの集電体で挟んでセルに組み込み、燃料電池セルを作製する。アノード側には、燃料として上述の化合物の少なくとも一種を10−4〜5M程度(より好ましくは10−3〜2M程度)の溶液の形態で供給し、カソード側には、空気または酸素を供給あるいは自然拡散させる。
本発明の燃料電池の作動温度は、使用する電解質膜によって異なるが、通常0〜150℃程度であり、より好ましくは10〜100℃程度である。
本発明によれば、固体高分子形燃料電池の燃料として、劇物に指定されているメタノールに代わる化合物を使用するダイレクト燃料電池が得られる。
また、本発明で使用する各化合物は、酸化生成物として、ホルムアルデヒド、ギ酸などの有害物質を発生させることがない。
さらに、本発明で使用する各化合物の一部は、燃料電池の構成材料であるゴム、プラスチック類に対する腐食性を全く或いは殆ど示さない。
さらにまた、本発明によるダイレクト燃料電池は、ダイレクトメタノール燃料電池の性能を低下させるクロスオーバーを低減することができる。
さらにまた、本発明で使用する化合物の幾つかは、アノード側の触媒として、高価な貴金属に代えてカーボン材料を使用する場合にも、高性能の固体高分子形燃料電池を実現させることができる。特に、比表面積の大きいカーボンブラックをアノード触媒として使用する場合に、その効果が著しい。
第1図は、本発明で使用する各燃料の0.5M硫酸溶液中でのサイクリックボルタモグラムである。
第2図は、実施例1による燃料電池の電流−電圧特性を示すグラフである。
第3図は、実施例2による燃料電池の電流−電圧特性を示すグラフである。
第4図は、実施例3と比較例2による燃料電池のカソード電位を示すグラフである。
第5図は、実施例4による燃料電池の電流−電圧特性を表すグラフである。
第6図は、実施例5による燃料電池の電流−電圧特性を表すグラフである。
第7図は、実施例6による燃料電池の電流−電圧特性を表すグラフである。
第8図は、実施例7による燃料電池の電流−電圧特性を表すグラフである。
第9図は、実施例8による燃料電池の電流−電圧特性を表すグラフである。
第10図は、実施例9による燃料電池の電流−電圧特性を表すグラフである。
第11図は、実施例10による燃料電池の電流−電圧特性を表すグラフである。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
アノード触媒には白金−ルテニウムブラックを、カソード触媒にはポリテトラフルオロエチレンで撥水化処理した白金ブラックをそれぞれ用いた。それぞれの触媒を高分子電解質溶液と混合して触媒インクとし、薄膜化させて電極シートを作製した後、高分子電解質膜(“Nafion−117”商標名、デュポン社製)の両面にホットプレスして、膜−電極接合体を得た。
得られた膜−電極接合体の両面をカーボンクロスで挟んで燃料電池セルを組み立て、アノードには所定の燃料の水溶液を供給し、カソードには空気を自然拡散させることにより、室温で燃料電池の発電性能を評価した。
種々の燃料を用いた場合の開回路電圧の値を第1表に示す。
Figure 2004019436
また、第2図に、水溶液濃度0.5Mのアスコルビン酸、亜ジチオン酸ナトリウム、亜リン酸および次亜リン酸をそれぞれ燃料として用いた場合の電流−電圧特性を示す。
実施例1における白金−ルテニウムブラックに代えて、白金、ルテニウム、パラジウム、イリジウムおよびロジウムの各種ブラックをアノード触媒として用い、実施例1と同様にして、それぞれ燃料電池セルを作製した。
また、アノード側に触媒を用いず、カーボンクロスを高分子電解質膜に直接的に接触させることにより、実施例1に準じて、燃料電池セルを作製した。
次いで、アノードに1Mアスコルビン酸水溶液を供給し、カソードには空気を自然拡散させることにより、室温で各燃料電池の発電性能を評価した。
これらの燃料電池の電流−電圧特性を第3図に示す。なお、第3図には、実施例1によるアスコルビン酸を燃料とする電池の電流−電圧特性を併せて示してある。
第3図は、アノードに触媒を用いない場合を含む、全てのアノード上でアスコルビン酸の酸化反応が進行し、燃料電池が作動したことを示している。
本実施例の結果から、本発明によれば、使用できるアノード触媒の種類が多くなり、さらに、アノード側に白金−ルテニウム触媒を用いなくても、さらには触媒を用いなくても、燃料電池発電が可能となることが明らかである。
比較例1
実施例2で作製した燃料電池セルのアノード側に1Mメタノール溶液を供給し、発電性能を評価した。
メタノールを燃料に用いた場合の燃料電池の性能は、アノード触媒:白金−ルテニウム>白金>イリジウムの順であり、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよび触媒なしの場合には、室温で燃料電池を作動させることができなかった。
実施例1と同様にして作製した燃料電池セルにおいて、0.5M硫酸を用いて電解質膜から水素電極(RHE)と液絡をとり、三極式セルを作製した。
アノード側に1Mアスコルビン酸水溶液を供給し、室温でRHEを参照極としてカソード側の電位を測定した。第4図は、下記比較例2(燃料=メタノール)の結果とともに、本実施例によるカソード電位を示す。
比較例2
実施例3と同様にして作製した燃料電池セルのアノード側に1Mメタノール溶液を供給し、室温でカソード電位を測定した。
第4図に示す結果から明らかな様に、メタノールを燃料とする比較例2に比べて、本発明によるアスコルビン酸を燃料とする実施例3は、高いカソード電位を示している。メタノールはアノードからカソードへの膜透過性が大きく、カソード電位が混成電位となって低下することが知られている。これに対し、本発明において用いる燃料では、カソード電位が高いことから、クロスオーバーは小さいと考えられる。
白金、ルテニウム、パラジウム、イリジウム、ロジウムおよび白金−ルテニウムの各種ブラックをアノード触媒として用い、実施例1と同様にして、それぞれ燃料電池セルを作製した。
また、アノード側に触媒を用いることなく、集電体であるカーボンクロスを高分子電解質膜に直接的に接触させることにより、実施例1に準じて、燃料電池セルを作製した。
次いで、アノードには0.5Mイソアスコルビン酸水溶液を、カソードには酸素を100ml/minで供給し、室温での各燃料電池の発電特性を評価した。これらの燃料電池の電流−電圧特性を第5図に示す。
白金、ルテニウム、パラジウム、イリジウム、ロジウムおよび白金−ルテニウムの各種ブラックをアノード触媒として用い、実施例1と同様にして、それぞれ燃料電池セルを作製した。
また、アノード側に触媒を用いることなく、カーボンクロスを高分子電解質膜に押し付けた場合についても、実施例1に準じて、燃料電池セルを作製した。
次いで、アノードには0.05M亜硫酸水溶液を供給し、カソードには空気を自然拡散させることにより、室温での各燃料電池の発電特性を評価した。これらの燃料電池の電流−電圧特性を第6図に示す。
燃料として0.005M亜硫酸水素ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例5と同様にして各燃料電池の発電特性を評価した。これらの燃料電池の電流−電圧特性を第7図に示す。
燃料として0.5M亜ジチオン酸ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例5と同様にして各燃料電池の発電特性を評価した。これらの燃料電池の電流−電圧特性を第8図に示す。
燃料として0.5M亜リン酸水溶液を用いた以外は、実施例5と同様にして各燃料電池の発電特性を評価した。これらの燃料電池の電流−電圧特性を第9図に示す。
燃料として0.5M次亜リン酸水溶液を用いた以外は、実施例5と同様にして各燃料電池の発電特性を評価した。これらの燃料電池の電流−電圧特性を第10図に示す。
市販されている各種のカーボンブラック“Vulcan XC−72”(商標名、Cabot社製)、“Ketjen Black EC”(商品名、Ketjen Black International社製)、“Ketjen Black EC−600JD”(商品名、Ketjen Black International社製)または“Black Pearls 2000”(商標名、Cabot社製)をエタノールと水の混合溶媒中に分散させ、カーボンクロスに含浸させた後、乾燥することにより、カーボンクロス上にカーボンブラックを固定した。
実施例1において、アノード触媒として用いられている白金−ルテニウムブラックを用いることなく、高分子電解質膜の片面にカソードの白金ブラックのみをホットプレスして、膜−カソード接合体とした。次いで、得られた膜−カソード接合体のカソードの反対側膜面には上記の方法でカーボンブラックを取り付けたカーボンクロスを、カソード側膜面には通常のカーボンクロスを押しあてて燃料電池セルを組み立てた。
得られた燃料電池セルを用いて、アノード側には0.5Mアスコルビン酸水溶液を供給し、カソードには空気を自然拡散させることにより、室温で燃料電池の発電特性を評価した。これらの燃料電池の電流−電圧特性を第11図に示す。
なお、第11図には、実施例2において、カーボンクロスのみ(カーボンブラックなし)を高分子電解質膜面のアノード側に直接押しあてた場合の電流−電圧特性を併せて示してある(最下方の曲線)。
第11図は、アノード側に配置するカーボンクロス上に比表面積の大きい各種カーボンブラックを取り付けることにより、アスコルビン酸燃料電池の性能が向上していることを示している。
本実施例の結果から、アノード側の触媒として、カーボンブラックなどの比表面積の大きい炭素材料などを使用することにより、アスコルビン酸燃料電池の高性能化を達成できることが明らかである。すなわち、比表面積の大きい炭素材料が、白金、パラジウムなどの貴金属触媒に代替しうる高性能の電極触媒であることが明らかである。

Claims (7)

  1. アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料として直接作動させることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  2. アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料として使用する請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  3. 亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸、亜リン酸、次亜リン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料として使用する請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  4. アノード触媒として金属を使用する請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  5. アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、亜硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料とし、アノード触媒として炭素材料を使用する請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  6. アノード触媒としてカーボンブラックを使用する請求項5に記載の固体高分子形燃料電池。
  7. アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、亜硫酸、亜硫酸水素、亜ジチオン酸とそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を燃料とし、カーボンペーパーまたはカーボンクロスからなる集電体を固体高分子膜に接触させて、電極触媒の不存在下に直接作動させる請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
JP2004530570A 2002-08-21 2003-08-20 固体高分子形燃料電池 Expired - Lifetime JP4238364B2 (ja)

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