JPWO2003104868A1 - 光モジュールの製造方法および光モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、導波路基板上に光電子部品が搭載された光モジュールとその製造方法に関し、特に、導波路基板上の光導波路と光電子部品との位置合わせを正確に行うことが可能な光モジュールの製造方法および光モジュールに関する。
背景技術
近年、大容量の信号の送受信が可能な光通信システムに関する開発が進められている。特に、光信号のスイッチングや合分波や光信号の光電変換等を実現するための光モジュールでは、実装される光電子部品や導波路の性能向上とともに、製造効率の向上が求められている。
光モジュールは、例えば、石英や樹脂系材料で構成される光導波路をSi等の基板上に形成し、同じ基板表面に光偏向素子等の光電子部品を実装することによってなる。このような光モジュールでは、基板側と光電子部品側との間で伝播する光の損失をできるだけ少なくするために、それぞれの光軸を厳密に一致させる必要がある。特に、光通信システムで一般的に使用されているシングルモード光導波路の場合、サブミクロンオーダでの高精度な光軸の一致が要求される。
一般に、石英基板上に光導波路を形成する際には、基板面からのコアの高さを厳密に制御することが難しいため、光電子部品の実装の際に正確なアライメントをとることが必要となる。これに対して、基板からの光電子部品の高さの制御が可能な実装方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この提案によれば、基板上における光電子部品の搭載面に石英の球状スペーサを多数配置し、この上に光電子部品を実装して接着剤で固定している。この場合、球状スペーサの直径に応じて光電子部品の高さを調節して実装することが可能となる。
特許文献1
特開2001−330762号公報
しかし、上記の球状スペーサを用いた光電子部品の実装方法では、球状スペーサの直径に応じた一様な高さで光電子部品が固定されるため、光電子部品の実装角度の微調整を行うことができない。また、光電子部品を基板上に実装する場合には、通常、実装面において光電子部品側と基板側の各電極を接合させて導通させる必要がある。しかし、上記の実装方法では電極間に球状スペーサが配置されることから、対応する電極同士を接続することができない。
通常、光電子部品側と基板側の各電極は、半田バンプによって接続および固定されることが多い。しかしこの場合は、半田の温度に対する収縮応力が発生することから、シングルモード光導波路に対して要求されるサブミクロンオーダでの高精度な位置合わせを行うことができなかった。
発明の開示
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、導波路基板に対して光電子部品を正確な位置に搭載して伝播する光の損失を軽減し、かつ導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士を接続することが可能な光モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、導波路基板に対して光電子部品を正確な位置に搭載して伝播する光の損失が軽減され、かつ導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が接続された光モジュールを提供することである。
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すように、光導波路12aおよび12bが形成された導波路基板10上の凹部13に光電子部品が搭載され、前記凹部13の底面上の電極14aおよび14bと前記光電子部品の底部の電極23aおよび23bとが電気的に接続される光モジュールの製造方法において、前記導波路基板10の前記凹部13の底面上に導電性を有する複数の球状弾性体30を分散させて配置し、前記凹部13に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板10と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板10に固定することを特徴とする光モジュールの製造方法が提供される。
このような光モジュールの製造方法では、導波路基板10の凹部13に、球状弾性体30を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品を押圧することにより、球状弾性体30が変形して、導波路基板10に対する光電子部品の高さと角度を微調節することができる。また、球状弾性体30が導電性を有し、凹部13に分散して配置されることにより、導波路基板10側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体30を介して電気的に接続される。
また、本発明では、導波路基板上に光電子部品が搭載された光モジュールにおいて、前記導波路基板上には前記光電子部品を配設する凹部が設けられ、前記凹部の底面上には電極が設けられ、前記光電子部品の底部には前記凹部の底面上に設けられた電極に対応する電極が設けられ、前記凹部の底面上には導電性を有する複数の球状弾性体が分散して配置され、前記光電子部品が前記球状弾性体を押圧した状態で前記導波路基板に固定されていることを特徴とする光モジュールが提供される。
このような光モジュールでは、導波路基板の凹部に、球状弾性体を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品が球状弾性体を押圧することにより、球状弾性体が変形して、導波路基板に対する光電子部品の高さと角度が微調節される。また、球状弾性体が導電性を有し、凹部に分散して配置されることにより、導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体を介して電気的に接続される。
また、本発明では、光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、前記導波路基板の電極部に集中して前記球状弾性体を配置し、前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、ことを特徴とする光モジュールの製造方法が提供される。
このような光モジュールの製造方法によれば、例えば電極部間に段差を形成したり電極部に接着剤を塗布したりするなどして、導電性を有する球状弾性体が導波路基板の電極部に集中して配置される。これにより、光電子部品を導波路基板に固定したときに、それぞれの電極がより確実に球状弾性体を介して電気的に接続されるようになる。
さらに、本発明では、光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、前記導波路基板上の前記電極部を除く領域を保護するマスクを形成し、前記マスクが形成された前記導波路基板上に前記球状弾性体を含有する第1の接着剤を塗布し、前記マスクを除去し、前記導波路基板上に第2の接着剤を塗布し、前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とを硬化して前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、ことを特徴とする光モジュールの製造方法が提供される。
このような光モジュールの製造方法によれば、導電性を有する球状弾性体を含んだ第1の接着剤が導波路基板の電極部に選択的に塗布されるので、その電極部に集中して球状弾性体が配置されるようになる。これにより、光電子部品と導波路基板のそれぞれの電極がより確実に球状弾性体を介して電気的に接続されるようになる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光モジュールの実施の形態例を示す図である。図1(A)は、光モジュールの平面図を示し、(B)は(A)のA−A線に沿った断面図を示す。
図1に示す光モジュールは、基板11上に光導波路12aおよび12bが形成された導波路基板10に、光電子部品として光偏向素子20が搭載された構成を有する。また、導波路基板10と光偏向素子20との間には、球状弾性体30が配置され、導波路基板10と光偏向素子20とは光学接着剤40によって固着されている。
導波路基板10は、例えば石英等によってなる基板11上に、Ge等をドープした石英によってクラッド層、コア層およびクラッド層が積層された光導波路12aおよび12bが形成された構造を有する。なお図1では、この光導波路12aおよび12bはスラブ導波路として実現されているが、それぞれがチャネル導波路として実現されていてもよい。
この導波路基板10上には、光偏向素子20を搭載するための凹部13が、光導波路12aおよび12bを断絶するように設けられている。また、凹部13内の底面には、光導波路12aおよび12bの形成方向の両端部に溝部13aおよび13bが形成されている。さらに、凹部13の底面には電極14aおよび14bが設けられている。
光偏向素子20では、導電性基板21上に、電気光学効果を有する材料によってなる光導波路22が形成されている。また、光導波路22の導電性基板21との反対面には、プリズム型電極23aおよび23bが設けられている。これらのプリズム型電極23aおよび23bは、それぞれ導波路基板10側の電極14aおよび14bに接続するために設けられている。
導波路基板10の凹部13の底面には、多数の球状弾性体30が分散して配置されている。この球状弾性体30は導電性を有している。また、各球状弾性体30は同じ大きさとなっているが、その直径は、電極14aおよび14bの間隔、およびプリズム型電極23aおよび23bの間隔より小さくされている。
光偏向素子20は、プリズム型電極23aおよび23bが設けられた面を導波路基板10側に向けて、導波路基板10の凹部13内に球状弾性体30を介して配設されている。ここで、球状弾性体30が導電性を有し、凹部13の底面に分散されていることから、導波路基板10側に設けられた電極14aおよび14bと、光偏向素子20側に設けられた対応するプリズム型電極23aおよび23bとがそれぞれ電気的に接続される。
また、光偏向素子20は、自身の光導波路22を伝播する光と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bを伝播する光とが正確に光結合するように、球状弾性体30を押圧した状態のまま、光学接着剤40によって導波路基板10に固着されている。球状弾性体30は、光偏向素子20による押圧によって変形し、光偏向素子20の底部および導波路基板10の底面に反力を与える。光学接着剤40は、この反力によって導波路基板10に対する位置が動かないように光偏向素子20を保持している。
このような構成を有する光モジュールは、以下のように動作する。例えば、図中左側から光導波路12aに対して、コリメート光とされた光信号が入射される。光導波路12aを伝播した光信号は、光学接着剤40を介して、光偏向素子20の光導波路22に入射する。この光導波路22は電気光学効果を有する材料により形成されていることから、プリズム型電極23aおよび23bと導電性基板21との間に電界が印加されることにより光導波路22内の屈折率が変化し、伝播する光信号が偏向する。偏向した光信号は、光導波路22から光学接着剤40を介して導波路基板10側の光導波路12bに入射し、この中を伝播する。
以上のような光モジュールでは、導波路基板10の凹部13に、球状弾性体30を介して光偏向素子20が配設され、この状態で光偏向素子20が球状弾性体30を押圧することにより、球状弾性体30が変形する。このような球状弾性体30の弾性を利用することで、光偏向素子20の光導波路22と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bとの間の位置合わせをサブミクロンオーダで微調節することが可能となり、正しく位置合わせされた状態のまま光学接着剤40により保持される。
また、球状弾性体30は導電性を有し、凹部13の底面に分散して配置されるため、導波路基板10側の電極14aおよび14bと光偏向素子20側の対応するプリズム型電極23aおよび23bとが球状弾性体30を介して電気的に接続される。ここで、球状弾性体30の直径を、隣接する電極14aおよび14bの間隔、およびプリズム型電極23aおよび23bの間隔より小さくすることで、隣接する電極同士が球状弾性体30によって導通することが防止される。
従って、導波路基板10側と光偏向素子20側の電極同士の電気的接続が確実に行われながら、導波路基板10の光導波路12aおよび12bと、光偏向素子20の光導波路22との光結合をより確実にし、これらの間を伝播する光の損失を低減させることが可能となる。
また、凹部13の底面の両端に溝部13aおよび13bを設けたことにより、底面の両端部に配置された球状弾性体30はこの溝部13aおよび13bに落ち込む。これにより、光偏向素子20を配設したときに、光偏向素子20側の光導波路22の端面と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bの端面との間に球状弾性体30が配置されて、光導波路間の光路が塞がれることが防止される。このため、溝部13aおよび13bの幅は、球状弾性体30の直径以上とされることが望ましい。
次に、上記の光モジュールの実施例およびその製造工程について説明する。この光モジュールの製造方法では、導波路基板10に対して光偏向素子20が搭載される前に、図2および図3にそれぞれ示すような光偏向素子20および導波路基板10があらかじめ形成される。
図2は、光偏向素子20の構成例を示す図である。図2(A)は光偏向素子20の平面図を示し、(B)は(A)のB−B線に沿った断面図を示す。
光偏向素子20は、導電性基板21上に光導波路22が形成され、さらにプリズム型電極23aおよび23bが設けられた構造を有する。導電性基板21としては、強誘電体であるSTO(SrTiO3)の単結晶にNbをドープして、導電性を持たせたものを使用する。また、光導波路22には、強誘電体である鉛系ペロブスカイトであるPZT(Pb(Zr0.52Ti0.48)O3)、PLZT((Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35))をそれぞれコア、クラッドとして使用する。
光導波路22は、導電性基板21上にPZT、PLZT、PZTの順で、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ゾルゲル法、スパッタリング法またはPLD(Pulsed Laser Deposition)法等を用いてヘテロエピタキシャル成長させることで積層される。コアおよび上下クラッドを含む光導波路22の膜厚は、例えば9μmとする。
この後、光導波路22の導電性基板21に対向する面に、三角形状のプリズム型電極23aおよび23bを形成する。このプリズム型電極23aおよび23bは、白金膜をメタルマスクを用いてスパッタリング法により形成され、厚みが2000Åとされる。なお、プリズム型電極23aおよび23bの互いの間隔は、後に使用する球状弾性体30の直径より大きくする必要がある。例えば、直径が7μmである球状弾性体30を使用した場合、プリズム型電極23aおよび23bの間の最小間隔を100μmとする。100μmの間隔があれば、球状弾性体30が数個〜10個程度並んだとしても、短縮しないで済む。
また、図2の例では偏向方向の異なる2つのプリズム型電極23aおよび23bが形成されているが、これらのいずれかのみが形成される場合もある。
図3は、導波路基板10の構成例を示す図である。図3(A)は導波路基板10の平面図を示し、(B)は(A)のC−C線に沿った断面図を示す。
本実施例では、導波路基板10の基板11として石英を使用し、導波路基板10の光導波路12aおよび12bのコアには、Geを拡散させて屈折率を高めた石英を使用する。まず、平板状の基板11上に、Geを拡散させた石英によりコア領域を形成した後、この上にスパッタリング法によってオーバクラッドとなる石英を積層して、基板11上に一様な導波路構造を形成する。ここで、光導波路の膜厚は、光偏向素子20の光導波路22の膜厚と同じとされる。
次に、光偏向素子20を搭載するための凹部13を形成する。この凹部13は、基板11上に形成された光導波路のオーバクラッドの上面から、基板11方向に15μmの深さで、フッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により形成される。ここで、凹部13の光路方向の長さは、光偏向素子20の配設時に余裕を持たせるために、光偏向素子20の光導波路22の光路方向の長さより100μmだけ長く形成する。
またこの後、凹部13の底面の光路側両端に溝部13aおよび13bを形成する。この溝部13aおよび13bは、凹部13の底面にレジストを塗布してパターニングを施した後、反応性イオンエッチングにより光路方向の両端面から50μmずつの幅で、10μmの深さで形成される。
さらに、この凹部13の底面に、光偏向素子20のプリズム型電極23aおよび23bと接続するための電極14aおよび14bを設ける。これらの電極14aおよび14bは、凹部13の底面にレジストを塗布してパターニングを施した後、まずスパッタリング法で厚さ500Åのチタン膜を積層した後、さらにリフトオフ法により厚さ2000Åの白金膜を積層することで形成される。なお、光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bと同様に、電極14aおよび14bの互いの間隔は、後に使用する球状弾性体30の直径より大きくしておく必要がある。
以下、図4〜図6を用いて、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法の例について説明する。図4は、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法を説明するための第1の図である。また、図5は、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法を説明するための第2の図である。さらに、図6は、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法を説明するための第3の図である。
まず、図4(A)に示すように、直径7μmの球状弾性体30をエタノール50中に混入・分散させ、このエタノール50を導波路基板10の凹部13の底面に塗布する。なお、球状弾性体30についての具体的な説明は、後の図7において説明することにする。また、図中ではわかりやすくするために、球状弾性体30の直径や光導波路12a、12bおよび22の膜厚を大きく示しているが、実際にはこれらの大きさは光導波路22の光路方向の長さと比較して極めて小さく、さらに球状弾性体30は多数存在している。
次に、図4(B)に示すように、エタノール50を乾燥させる。これにより、球状弾性体30は、凹部13の底面上にランダムに分散して配置される。また、凹部13の底面上において、光導波路12aおよび12bの端面付近に位置した球状弾性体30は、溝部13aおよび13bに落とし込まれる。
ここで、配置された球状弾性体30が凹部13の底面に敷き詰められず、球状弾性体30同士に間隔が開くように、エタノール50中に混入する球状弾性体30の量を調整する必要がある。
次に、図5(A)に示すように、導波路基板10の凹部13内に、プリズム型電極23aおよび23bの接地面を導波路基板10側に向けた状態で光偏向素子20を配設する。これにより、凹部13の底面と光偏向素子20との間、および導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらに対応するプリズム型電極23aおよび23bとの間に、多数の球状弾性体30が挟み込まれる。
次に、図5(B)に示すように、導波路基板10に対する光偏向素子20の搭載位置を調整するための調整治具60を用いて、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bと光偏向素子20側の光導波路22との間の位置調整を行う。調整治具60は、板バネ61によって光偏向素子20の導電性基板21に密着された押圧盤62と、押圧盤62の高さ方向の移動量を微調整するためのマイクロメータ63を有し、導波路基板10に固定される。
また、マイクロメータ63は、光導波路12a、12bおよび22を伝播する光の光軸に対して、前後方向および左右方向(図5において紙面に向かって前後方向)の端部にそれぞれ1つずつで合計4つ設けられている。これにより、光偏向素子20が搭載される高さとともに、光軸方向に対する光導波路22の前後方向および左右方向の角度についても調整することができる。なお、光導波路12aおよび12bと、光導波路22との間の位置調整方法の例は、後に図8および図9において詳述する。
ここで、光偏向素子20の底面が球状弾性体30に最初に触れた時点では、光導波路22が、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bよりわずかに高い位置となるように、球状弾性体30の直径を選択することが必要となる。
そして、この状態からマイクロメータ63によって押圧盤62をさらに下げ、光偏向素子20を導波路基板10側に押圧することで、球状弾性体30が変形して、光偏向素子20の高さが下げられる。このように、球状弾性体30の弾性を利用することで、光導波路12aおよび12bと光導波路22との間の光結合状態を、サブミクロンオーダで微調整することが可能となる。
またこのとき、球状弾性体30が導電性を有することから、導波路基板10側の電極14aおよび14bと光偏向素子20側の対応するプリズム型電極23aおよび23bとが電気的に接続される。さらに、球状弾性体30の直径が、隣接する電極14aと14bの間隔、およびプリズム型電極23aと23bの間隔より小さいため、隣接する電極同士が球状弾性体30によって導通することが防止される。従って、導波路基板10側と光偏向素子20側の対応する電極同士の確実な電気的接続が行われる。
また、導波路基板10の凹部13に溝部13aおよび13bが形成されていることにより、凹部13内の光路方向の端部に位置する球状弾性体30がこの溝部13aおよび13bに収容され、光導波路22と光導波路12aおよび12bとの間の光路が確実に確保される。
以上のように、光導波路間の位置調整が正しく行われた状態で、光偏向素子20は調整治具60によって保持される。そしてこの状態のまま、図6(A)に示すように、光偏向素子20と、導波路基板10の光導波路12aおよび12bの端面との間の間隙に光学接着剤40を流し込み、光偏向素子20を導波路基板10に対して仮固定する。光学接着剤40としては、例えば紫外線硬化型のエポキシ樹脂等を使用し、この光学接着剤40が完全に固化した後、調整治具60を導波路基板10から取り外す。そして、図6(B)に示すように、光学接着剤40をさらに付与して、光偏向素子20と導波路基板10とを完全に固定する。
以上の実装方法では、光学接着剤40の付与を2度に分けて行い、光偏向素子20を固定させているが、光導波路間の位置調整後に調整治具60で光偏向素子20を保持した状態で、光学接着剤40の付与を1度だけ行うことにより光偏向素子20の固定を行ってもよい。
ここで、本発明に適用可能な球状弾性体30の例を挙げる。図7は、球状弾性体30の構造例を示す断面図である。
本発明では、球状弾性体30として、弾性を有する球状の樹脂等の有機物を、導電性の金属によって被覆したものを使用することができる。ここでは図7に示すように、中心樹脂31の周りに2層の金属膜32および33を設けたものを例示する。中心樹脂31は、例えばポリスチレンによってなり、またこの周りに金属膜32および33としてそれぞれNi、Auが順次成膜されて形成される。このような球状弾性体30としては、例えば積水化学工業製の「ミクロパール(商品名、登録商標)」を好適に使用することができ、上記の導波路基板10と光偏向素子20の位置合わせに適した直径を有するものを選択して使用する。
次に、図8は、調整治具60を使用した光導波路間の位置調整方法について説明するための図である。図8(A)は、調整治具60を含む機構全体の平面図を示し、図8(B)は(A)のD−D線に沿った断面図を示している。
なお、図中に示すように、光導波路内の光路方向をX軸、光導波路面に対する高さ方向をY軸、光導波路面内の左右方向をZ軸とする。
光偏向素子20および導波路基板10の光導波路間の位置調整を行う際には、例えば、図8に示すように、光導波路内に光を入射するための光ファイバ71aおよび71bと、これらにそれぞれ対応するフォトディテクタ(PD)72aおよび72bが使用される。ここで、各光ファイバ71aおよび71bをZ軸方向に並列させ、導波路基板10側の光導波路12aに光を平行に入射させ、光偏向素子20側の光導波路22を通り、再び導波路基板10側の光導波路12bを伝播したそれぞれの光を、フォトディテクタ72aおよび72bで受光する。そして、各フォトディテクタ72aおよび72bにおける受光量を検出しながらマイクロメータ63を調節し、受光量が最も多くなることによって光導波路間の位置が正しい位置となったことを判断する。
ここで、調整治具60には、押圧盤62の四隅の押圧量を独立して調整するための4つのマイクロメータ63a、63b、63cおよび63dを設ける。これにより、導波路基板10に対する光偏向素子20の高さや角度を微調整することが可能となる。
図9は、マイクロメータ63a〜63dを用いた導波路基板間の位置調整手順を示す状態遷移図である。
まず、4つのマイクロメータ63a〜63dによる各変位量がすべて同じになるように回転させ、フォトディテクタ72aおよび72bの受光量が最大となる位置に調整する(ステップS91)。これにより、導波路基板10に対する光偏向素子20の高さが大まかに調整される。
次に、マイクロメータ63aおよび63b、マイクロメータ63cおよび63dの各組み合わせて独立して回転させ、フォトディテクタ72aおよび72bにおける各受光量が等しくなるように調整する。これにより、光偏向素子20のX軸まわりの角度が調整される(ステップS92)。
次に、マイクロメータ63aおよび63c、マイクロメータ63bおよび63dの各組み合わせて独立して回転させ、フォトディテクタ72aおよび72bの各受光量が最大となるように調整する。これにより、光偏向素子20のY軸まわりの角度が調整される(ステップS93)。
次に、ステップS91に戻って、再び光偏向素子20全体の一様な高さを調整する。この後、ステップS93での調整と、ステップS91での調整とを例えば3回以上繰り返して(ステップS94)、調整終了とする。
このような調整手順により、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bに対する、光偏向素子20側の光導波路22の高さおよび角度を調整することが可能となり、各光導波路間で伝播する光の光結合を確実にすることができる。
以上のような光モジュールの製造工程では、導波路基板10の凹部13に、球状弾性体30を介して光偏向素子20が配設され、この状態で光偏向素子20を押圧して球状弾性体30を変形させることにより、光偏向素子20の高さと角度が微調整される。このような調整方法では、球状弾性体30の弾性を利用することにより、光偏向素子20の光導波路22と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bとの間の位置合わせの精度を高めることが可能となる。
また、球状弾性体30は導電性を有し、凹部13の底面に分散して配置されるため、導波路基板10側の電極14aおよび14bと光偏向素子20側の対応するプリズム型電極23aおよび23bとが球状弾性体30を介して電気的に接続される。従って、導波路基板10側と光偏向素子20側の電極同士の電気的接続が確実に行われながら、導波路基板10の光導波路12aおよび12bと光偏向素子20の光導波路22の間でより確実な光結合が行われ、伝播する光の損失が低減される。
上記の光モジュールの製造工程においては、一例として、導波路基板10の凹部13底面に、球状弾性体30を混入したエタノール50を塗布し、これを乾燥することにより、球状弾性体30をランダムに分散させて配置するようにしている。ただし、このようにエタノール50を用いて球状弾性体30を分散させる場合には、前述のようにエタノール50中の球状弾性体30の量を調整し、導波路基板10上での球状弾性体30の分散密度を適切に制御する必要がある。これは、分散密度が適切でない場合には、例えば次の図10あるいは図11に示すような問題が発生する可能性があるためである。
図10は球状弾性体の分散密度が高い場合に起こり得る問題を示した図である。球状弾性体30の分散密度が高すぎると、導波路基板10側の隣接する電極14aと14bの間、光偏向素子20側の隣接するプリズム型電極23aと23bの間にも数珠つなぎで球状弾性体30が配置されてしまい、短絡する可能性がでてきてしまう。また、図11は球状弾性体の分散密度が低い場合に起こり得る問題を示した図である。球状弾性体30の分散密度が低すぎると、導波路基板10側の電極14aと光偏向素子20側のプリズム型電極23aの間に球状弾性体30が全く存在せず、導通がとれないといった問題が発生する可能性がでてきてしまう。
このような点を考慮し、短絡や導通不良を発生させることなく、電極間をより確実に電気的に接続するためには、球状弾性体30を電極部(電極が形成されている領域、または電極とその近傍の周辺部を含む領域)に集中して配置するようにすることが有効である。図12は導波路基板に光偏向素子を実装したときの電極接合部分の要部模式図である。すなわち、この図12に示すように、導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらにそれぞれ対向する光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bとの間に、集中して球状弾性体30を存在させるようにすればよい。以下、このように球状弾性体30を配置する方法について詳細に説明する。
図13は導波路基板の電極部に球状弾性体を配置して光偏向素子を実装した形態の一例を示す電極接合部分の要部模式図である。この例では、導波路基板10側の電極14aと14bの間に、感光性ポリマーや感光性樹脂あるいはSiO2等の絶縁材料を用いて、導波路基板10表面から球状弾性体30の直径よりも小さな高さで突出する凸部100が形成されている。このような段差構造を形成することにより、電極14aおよび14b上に配置された球状弾性体30は、側方への自由な移動が規制されてそこに留まるようになる。そのため、対向する電極14aとプリズム型電極23a、電極14bとプリズム型電極23bが、それぞれ球状弾性体30を介して確実に電気的に接続されるようになる。さらに、このような段差構造により、隣接する電極14aと14bの間、プリズム型電極23aと23bの間で短絡することがなくなる。
ここで、図14から図16を用いて、段差構造を利用した球状弾性体30の配置方法について説明する。図14は段差構造の形成工程を説明するための要部模式図、図15は不要な球状弾性体を除去する工程を説明するための要部模式図、図16は電極上に配置した球状弾性体を介して光偏向素子を実装する工程を説明するための要部模式図である。
まず、例えば感光性ポリイミドをスピンコートによって導波路基板10上に塗布する。その際、使用する球状弾性体30が例えば直径約10μmであれば、感光性ポリイミドは膜厚が例えば約7μmになるよう塗布する。次いで、塗布した感光性ポリイミドを、フォトマスクを用いて電極14aと14bの間にのみ感光性ポリイミドが残るようパターン露光し、図14に示すような凸部100を形成する。なお、ここでは凸部100の高さを、球状弾性体30の直径よりも小さな約7μmに設定したが、この高さは任意に変更可能である。ただし、球状弾性体30の側方への自由な移動を規制するためには、使用する球状弾性体30の直径のおよそ半値以上の高さとなるように形成しておくことが好ましい。
凸部100の形成後、導波路基板10上に球状弾性体30をそのまま散布するか、あるいは球状弾性体30を含んだエタノールを塗布し、球状弾性体30を分散させる。導波路基板10には凸部100によって段差構造が形成されているため、球状弾性体30は、電極14aおよび14b上に集中的に配置され、電極14aおよび14b上から自由に転がっていってしまうことがない。
ただし、図15に示すように、球状弾性体30は凸部100上に残る場合があるので、電極14aおよび14b上にのみ球状弾性体30を配置させるために、図16に示すように、接着面101aを有する接着部材101を用いて凸部100上の球状弾性体30を除去することが好ましい。その場合、接着部材101は、球状弾性体30が直径約10μmであれば、導波路基板10表面から例えば約15μmの高さまで下降させ、そこから再び上昇させるようにする。これにより、接着部材101には電極14aおよび14b上の球状弾性体30は接着せず、凸部100上の導通に寄与しない不要な球状弾性体30のみが接着して導波路基板10から除去されるようになる。また、このように接着部材101を用いるほか、球状弾性体30を直接散布した後あるいは球状弾性体30を含んだエタノールを塗布して乾燥した後に、導波路基板10に振動を与えるなどして凸部100上の球状弾性体30をそこから移動させるようにすることも可能である。
凸部100上の不要な球状弾性体30を除去した後は、上記図13に示した光偏向素子20を導波路基板10側へ下降させる。そして、そのプリズム型電極23aおよび23bを導波路基板10に配置された球状弾性体30に接触させた状態で、上記調整治具60あるいはフリップチップボンダーを用いて位置合わせを行いながら押圧して保持する。最後に、その状態のまま、熱硬化型あるいは紫外線硬化型の光学接着剤を用い、図6に示したようにして光偏向素子20を導波路基板10に固定する。なお、この光学接着剤の付与は、前述のように1度で行ってもよい。また、球状弾性体30の配置後で光偏向素子20の実装前に導波路基板10上に光学接着剤を付与しておき、その後、光偏向素子20を導波路基板10に固定するようにしてもよい。
また、球状弾性体30を電極14aおよび14b上に配置するために、電極14aおよび14b上に薄膜状に接着剤を塗布しておき、これに球状弾性体30を接着させるようにしてもよい。ここで、図17から図20を用いて、電極14aおよび14b上に接着剤を塗布して球状弾性体30を配置する方法について説明する。図17は接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図、図18は球状弾性体を接着する工程を説明するための要部模式図、図19は未接着の球状弾性体を除去する工程を説明するための要部模式図、図20は接着した球状弾性体を介して光偏向素子を実装する工程を説明するための要部模式図である。
まず、図17に示すように、導波路基板10の電極14aおよび14b上に接着剤102を薄膜状に塗布する。接着剤102の塗布には、例えばメタルマスクを用いたスクリーンプリンティング法を用いることができる。
次いで、導波路基板10上に球状弾性体30をそのまま散布するか、あるいは導波路基板10を球状弾性体30が撹拌されている空間内を通過させ、図18に示すように、導波路基板10上に球状弾性体30を分散させる。これにより、電極14aおよび14b上の球状弾性体30は接着剤102に接着されるようになる。接着剤102に未接着の球状弾性体30は、図19に示すように、例えば振動や送風、あるいは上下反転等の適当な手段で導波路基板10から除去する。
その後、図20に示すように、光偏向素子20を導波路基板10側へ下降させ、プリズム型電極23aおよび23bを球状弾性体30に接触させた状態で位置合わせを行いながら押圧して保持する。それにより、球状弾性体30は、プリズム型電極23aおよび23bに押されて接着剤102を押し退けて電極14aおよび14bに接触するようになる。最後に、導波路基板10と光偏向素子20の間に光学接着剤を付与し、これを硬化する。これにより、電極14aとプリズム型電極23a、電極14bとプリズム型電極23bが球状弾性体30を介して電気的に接続された状態で、光偏向素子20が導波路基板10に固定されるようになる。なお、光学接着剤の付与は1度で行っても2度に分けて行ってもよく、また、球状弾性体30の配置後で光偏向素子20の実装前に導波路基板10上に光学接着剤を付与し、光偏向素子20を導波路基板10に固定するようにしてもよい。
このように、導波路基板10の電極14aおよび14b上に集中して球状弾性体30が配置されるようにすることにより、短絡や導通不良を発生させることなく、光偏向素子20を導波路基板10に実装することが可能になる。なお、球状弾性体30は、厳密に電極14aおよび14b上にのみ配置されていることは必ずしも必要ではない。上記凸部100を形成する場合であれば、電極14aと14bの間が絶縁材料を用いて形成される段差構造で隔離されている限り、球状弾性体30は電極14aおよび14b上とそれらのそれぞれの近傍周辺部に配置されていて構わない。また、上記接着剤102は、電極14aと14bの間で分断され、電極14a側に接着した球状弾性体30と電極14b側に接着した球状弾性体30とが接触しない限り、電極14aおよび14b上とそれらのそれぞれの近傍周辺部に塗布されていて構わない。
球状弾性体30を導波路基板10上に分散させるには、上記のような球状弾性体30の直接散布や球状弾性体30を含む揮発性溶媒の塗布のほか、球状弾性体30を光学接着剤の中に混入してこれを導波路基板10に塗布してもよい。その場合は、光偏向素子20の実装前に導波路基板10上に球状弾性体30を含んだ光学接着剤を塗布し、その後、光偏向素子20を押圧して位置合わせをした状態でその光学接着剤を固化すればよい。導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらに対向する光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bとの間にある球状弾性体30が導通に寄与するようになる。
しかし、この場合も図10および図11に示したのと同様に、光学接着剤中の球状弾性体30の含有量が多すぎれば短絡する可能性があり、含有量が少なすぎれば導通不良が発生する可能性がある。また、図21は球状弾性体を含んだ光学接着剤を用いた場合に生じ得る問題を説明するための光偏向素子実装状態の模式図である。この図21に示すように、球状弾性体30を含んだ光学接着剤40を用いた場合には、電極周辺以外に存在して導通に寄与しない球状弾性体30が、光導波路12と22の間の光路を塞いでしまうことがある。
このように球状弾性体30を含んだ接着剤を用いる場合であっても、電極部に集中して球状弾性体30を配置させるようにすることが可能である。ここで、図22から図26を用いて、球状弾性体30を含む接着剤を用いた球状弾性体30の配置方法について説明する。図22はマスクの形成工程を説明するための要部模式図、図23は第1の接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図、図24はマスクを除去する工程を説明するための要部模式図、図25は第2の接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図、図26は球状弾性体を含んだ接着剤を用いた場合の光偏向素子の実装工程を説明するための要部模式図である。
まず、図22に示すように、導波路基板10上の電極14aおよび14b以外の領域をマスク110で保護する。マスク110には、例えばメタルマスクやメッシュマスクを用いることができる。
マスク110の形成後、図23に示すように、球状弾性体30が例えば5体積%〜20体積%程度含まれている第1の接着剤111を、スクリーン印刷機を用いて塗布する。この第1の接着剤111には、一般的なエポキシ系の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いることができ、これに所定量の球状弾性体30が含有されるように調製する。第1の接着剤111の塗布後は、図24に示すように、マスク110を剥離して除去する。第1の接着剤111には、マスク110を除去した後に、電極14aおよび14b上からその側方へ流れてしまって互いに混じり合わないような粘度を有するものを用いるようにすることが望ましい。
次いで、図25に示すように、導波路基板10上に第2の接着剤112を塗布する。この第2の接着剤112は、第1の接着剤111に用いた樹脂と同じでもよく、異なっていてもよい。さらに、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂のいずれであっても構わない。
接着剤として用いる樹脂の選定にあたっては、第1の接着剤111の粘度ρ1と第2の接着剤112の粘度ρ2との間に、ρ1≧ρ2、の関係が満たされるようにすることが好ましい。例えば、第1の接着剤111に粘度ρ1が2000mPa・s〜5000mPa・s程度のものを用い、第2の接着剤112に粘度ρ2が1000mPa・s程度のものを用いることができる。
第2の接着剤112の塗布後は、フリップチップボンダー等を用いて光偏向素子20を導波路基板10側に押圧する。その際は、図26に示すように、電極14aとプリズム型電極23a、電極14bとプリズム型電極23bはそれぞれ球状弾性体30を介して接続され、第1の接着剤111および第2の接着剤112が混じり合った接着剤113のうち余分なものは側方へと流出する。光偏向素子20の位置合わせを行ってこれを保持し、接着剤113が熱硬化型樹脂のみを含んでいる場合には加熱によって硬化し、接着剤113が紫外線硬化型樹脂のみを含んでいる場合には紫外線照射によって硬化し、光偏向素子20を導波路基板10に固定する。また、第1の接着剤111に熱硬化型樹脂を用い、第2の接着剤112に紫外線硬化型樹脂を用いている場合には、第1の接着剤111を加熱によって硬化した後、第2の接着剤112を紫外線照射によって硬化する。第1の接着剤111に紫外線硬化型樹脂を用い、第2の接着剤112に熱硬化型樹脂を用いている場合は、第1の接着剤111を紫外線照射によって硬化した後、第2の接着剤112を加熱によって硬化すればよい。
なお、導波路基板10の上記基板11が透明材料からなる場合には、基板11を透過させて紫外線照射を行うことができるので、第2の接着剤112あるいは第1の接着剤111には紫外線硬化型樹脂が好適に用いられる。その点で、基板11が透明でない場合には、第2の接着剤112あるいは第1の接着剤111には熱硬化型樹脂を好適に用いることができる。
図27は球状弾性体を含んだ接着剤を用いた光偏向素子実装状態の模式図である。上記方法によれば、図27に示すように、導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらに対向する光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bとの間に球状弾性体30が配置され、さらに光導波路12と22の間には球状弾性体30を存在させないようにすることができる。これにより、導波路基板10と光偏向素子20の間で導通に寄与しない球状弾性体30によって光路が塞がれてしまうことがなくなる。このように接着剤113が導波路基板10と光偏向素子20の光導波路間に存在することとなる場合には、第2の接着剤112には光学接着剤を用いるようにする。あるいは電極14aおよび14bの周囲には第1の接着剤111および第2の接着剤112として通常の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用い、光導波路部分には光学接着剤を用いるようにしてもよい。
なお、図24に示したマスク110を除去した後に、第1の接着剤111が電極14aおよび14b上から側方へ流れて混じり合ってしまうことによる短絡を防止するため、マスク110の除去後で第2の接着剤112の塗布前に、第1の接着剤111を半硬化させるようにしてもよい。例えば、第1の接着剤111および第2の接着剤112に熱硬化型樹脂を用いた場合には、第1の接着剤111を適当な温度で加熱して半硬化した後、それよりも高い温度で第2の接着剤112を加熱して完全に硬化させるようにする。一例として、硬化温度が160℃程度の熱硬化型樹脂であれば、硬化が開始する100℃〜120℃程度の温度条件で半硬化するようにすればよい。
ただし、熱硬化型樹脂を半硬化するための条件は、使用する樹脂の種類は勿論、加熱時間や加熱処理雰囲気、球状弾性体30のサイズやその含有量でも変化する。そのため、半硬化条件を設定する際には、まず、第1の接着剤111が球状弾性体30と一緒に電極14aおよび14b上から流れてしまって互いに混じり合わないような半硬化条件の設定が必要になる。さらに、光偏向素子20の押圧時には、プリズム型電極23aおよび23bが第1の接着剤111を押し退けて球状弾性体30に接触することができるような半硬化条件の設定が必要になる。紫外線硬化型接着剤を用いた場合も同じであり、紫外線照射によって半硬化するための条件を適当に設定することになる。
また、第1の接着剤111に含まれる球状弾性体30は、厳密に電極14aおよび14b上にのみ配置されていることは必ずしも必要ではなく、第1の接着剤111は、電極14aおよび14bとその近傍周辺部に塗布することが可能である。
このように、導波路基板10に対して光偏向素子20を実装する際に、導波路基板10の電極14aおよび14b上にのみ、あるいは電極14aおよび14b上とそれらの周辺部上に球状弾性体30を配置することにより、短絡や導通不良の発生をより確実に防ぎ、光路を確保して光偏向素子20を導波路基板10に実装することが可能になる。また、電極間ピッチがいっそう狭くなった場合であっても、より確実な電気的接続と光路確保とが可能である。
なお、上記の球状弾性体30の配置方法についての説明では、直径約10μmの球状弾性体30を用いた場合を例にして述べたが、球状弾性体30のサイズはこれに限定されるものではない。球状弾性体30のサイズを変更した場合には、それに応じて導波路基板10に形成する凸部100の高さや接着部材101の下降位置も適当に変更することができる。また、球状弾性体30のサイズや電極14aおよび14bの面積に応じて、光学接着剤40に含まれる球状弾性体30の量も適当に変更することが可能である。
なお、上記のような光モジュールは、例えば光信号の入出力チャネルを切り換える光スイッチ回路として用いられる。この場合例えば、導波路基板10の入射側には入力チャネル数に応じたチャネル導波路がそれぞれコリメートレンズを介して接続され、この入力チャネル数に応じて光偏向素子が設けられる。さらにその出射側にはスラブ導波路を介して、光偏向素子、コリメートレンズおよび出力側のチャネル導波路がそれぞれ出力チャネル数に応じて設けられる。ここで例えば、入力側および出力側のチャネル導波路およびコリメートレンズと、光偏向素子間のスラブ導波路とが、図1の基板11に相当する同一基板上に設けられて、この基板上に入力側および出力側の光偏向素子が搭載される。そして、入力側のチャネル導波路から入射した光信号は、光偏向素子20で偏向することにより任意の出力チャネルに伝播される。従って、本発明を適用することにより、伝播する光の減衰量が少ない高性能な光スイッチ回路が実現される。
また、以上の実施の形態例では、光電子部品として光偏向素子を適用した場合について説明したが、これに限ったことではない。本発明の光モジュールでは、光電子部品としてこのほかに、例えば、半導体レーザを用いた発光素子や、半導体によるフォトディテクタ等を用いた受光素子等を適用することが可能である。この場合、半導体レーザから発光される光の光軸や、受光効率が最も高くなるようなフォトディテクタに対する入射光の光軸が、導波路基板側の光導波路内の光の伝播方向に正確に一致するように、光電子部品の搭載される高さや角度を微調整することができる。
以上説明したように、本発明の光モジュールの製造方法では、導波路基板の凹部に、球状弾性体を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品を押圧することにより、球状弾性体が変形して、導波路基板に対する光電子部品の高さと角度を微調節することができる。また、球状弾性体が導電性を有し、凹部に分散して配置されることにより、導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体を介して電気的に接続される。従って、これらの電極同士を電気的に接続させながら、導波路基板の光導波路における光の伝播方向と光電子部品の光軸とを正確に一致させることができ、伝播する光の損失が低減される。
また、本発明の光モジュールでは、導波路基板の凹部に、球状弾性体を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品が球状弾性体を押圧することにより、球状弾性体が変形して、導波路基板に対する光電子部品の高さと角度が微調節される。また、球状弾性体が導電性を有し、凹部に分散して配置されることにより、導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体を介して電気的に接続される。従って、これらの電極同士が電気的に接続されながら、導波路基板の光導波路における光の伝播方向と光電子部品の光軸とが正確に一致し、伝播する光の損失が低減される。
また、本発明では、光モジュールの製造方法において、球状弾性体を導波路基板の電極部に集中して配置するようにしたので、電極間の短絡や導通不良の発生をより確実に防ぎ、光路を確保して光電子部品を導波路基板に実装することが可能になる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光モジュールの実施の形態例を示す図である。
図2は、光偏向素子の構成例を示す図である。
図3は、導波路基板の構成例を示す図である。
図4は、導波路基板に対する光偏向素子の実装方法を説明するための第1の図である。
図5は、導波路基板に対する光偏向素子の実装方法を説明するための第2の図である。
図6は、導波路基板に対する光偏向素子の実装方法を説明するための第3の図である。
図7は、球状弾性体の構造例を示す断面図である。
図8は、調整治具を使用した光導波路間の位置調整方法について説明するための図である。
図9は、マイクロメータを用いた導波路基板間の位置調整手順を示す状態遷移図である。
図10は、球状弾性体の分散密度が高い場合に起こり得る問題を示した図である。
図11は、球状弾性体の分散密度が低い場合に起こり得る問題を示した図である。
図12は、導波路基板に光偏向素子を実装したときの電極接合部分の要部模式図である。
図13は、導波路基板の電極部に球状弾性体を配置して光偏向素子を実装した形態の一例を示す電極接合部分の要部模式図である。
図14は、段差構造の形成工程を説明するための要部模式図である。
図15は、不要な球状弾性体を除去する工程を説明するための要部模式図である。
図16は、電極上に配置した球状弾性体を介して光偏向素子を実装する工程を説明するための要部模式図である。
図17は、接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図である。
図18は、球状弾性体を接着する工程を説明するための要部模式図である。
図19は、未接着の球状弾性体を除去する工程を説明するための要部模式図である。
図20は、接着した球状弾性体を介して光偏向素子を実装する工程を説明するための要部模式図である。
図21は、球状弾性体を含んだ光学接着剤を用いた場合に生じ得る問題を説明するための光偏向素子実装状態の模式図である。
図22は、マスクの形成工程を説明するための要部模式図である。
図23は、第1の接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図である。
図24は、マスクを除去する工程を説明するための要部模式図である。
図25は、第2の接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図である。
図26は、球状弾性体を含んだ接着剤を用いた場合の光偏向素子の実装工程を説明するための要部模式図である。
図27は、球状弾性体を含んだ接着剤を用いた光偏向素子実装状態の模式図である。
技術分野
本発明は、導波路基板上に光電子部品が搭載された光モジュールとその製造方法に関し、特に、導波路基板上の光導波路と光電子部品との位置合わせを正確に行うことが可能な光モジュールの製造方法および光モジュールに関する。
背景技術
近年、大容量の信号の送受信が可能な光通信システムに関する開発が進められている。特に、光信号のスイッチングや合分波や光信号の光電変換等を実現するための光モジュールでは、実装される光電子部品や導波路の性能向上とともに、製造効率の向上が求められている。
光モジュールは、例えば、石英や樹脂系材料で構成される光導波路をSi等の基板上に形成し、同じ基板表面に光偏向素子等の光電子部品を実装することによってなる。このような光モジュールでは、基板側と光電子部品側との間で伝播する光の損失をできるだけ少なくするために、それぞれの光軸を厳密に一致させる必要がある。特に、光通信システムで一般的に使用されているシングルモード光導波路の場合、サブミクロンオーダでの高精度な光軸の一致が要求される。
一般に、石英基板上に光導波路を形成する際には、基板面からのコアの高さを厳密に制御することが難しいため、光電子部品の実装の際に正確なアライメントをとることが必要となる。これに対して、基板からの光電子部品の高さの制御が可能な実装方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この提案によれば、基板上における光電子部品の搭載面に石英の球状スペーサを多数配置し、この上に光電子部品を実装して接着剤で固定している。この場合、球状スペーサの直径に応じて光電子部品の高さを調節して実装することが可能となる。
特許文献1
特開2001−330762号公報
しかし、上記の球状スペーサを用いた光電子部品の実装方法では、球状スペーサの直径に応じた一様な高さで光電子部品が固定されるため、光電子部品の実装角度の微調整を行うことができない。また、光電子部品を基板上に実装する場合には、通常、実装面において光電子部品側と基板側の各電極を接合させて導通させる必要がある。しかし、上記の実装方法では電極間に球状スペーサが配置されることから、対応する電極同士を接続することができない。
通常、光電子部品側と基板側の各電極は、半田バンプによって接続および固定されることが多い。しかしこの場合は、半田の温度に対する収縮応力が発生することから、シングルモード光導波路に対して要求されるサブミクロンオーダでの高精度な位置合わせを行うことができなかった。
発明の開示
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、導波路基板に対して光電子部品を正確な位置に搭載して伝播する光の損失を軽減し、かつ導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士を接続することが可能な光モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、導波路基板に対して光電子部品を正確な位置に搭載して伝播する光の損失が軽減され、かつ導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が接続された光モジュールを提供することである。
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すように、光導波路12aおよび12bが形成された導波路基板10上の凹部13に光電子部品が搭載され、前記凹部13の底面上の電極14aおよび14bと前記光電子部品の底部の電極23aおよび23bとが電気的に接続される光モジュールの製造方法において、前記導波路基板10の前記凹部13の底面上に導電性を有する複数の球状弾性体30を分散させて配置し、前記凹部13に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板10と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板10に固定することを特徴とする光モジュールの製造方法が提供される。
このような光モジュールの製造方法では、導波路基板10の凹部13に、球状弾性体30を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品を押圧することにより、球状弾性体30が変形して、導波路基板10に対する光電子部品の高さと角度を微調節することができる。また、球状弾性体30が導電性を有し、凹部13に分散して配置されることにより、導波路基板10側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体30を介して電気的に接続される。
また、本発明では、導波路基板上に光電子部品が搭載された光モジュールにおいて、前記導波路基板上には前記光電子部品を配設する凹部が設けられ、前記凹部の底面上には電極が設けられ、前記光電子部品の底部には前記凹部の底面上に設けられた電極に対応する電極が設けられ、前記凹部の底面上には導電性を有する複数の球状弾性体が分散して配置され、前記光電子部品が前記球状弾性体を押圧した状態で前記導波路基板に固定されていることを特徴とする光モジュールが提供される。
このような光モジュールでは、導波路基板の凹部に、球状弾性体を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品が球状弾性体を押圧することにより、球状弾性体が変形して、導波路基板に対する光電子部品の高さと角度が微調節される。また、球状弾性体が導電性を有し、凹部に分散して配置されることにより、導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体を介して電気的に接続される。
また、本発明では、光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、前記導波路基板の電極部に集中して前記球状弾性体を配置し、前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、ことを特徴とする光モジュールの製造方法が提供される。
このような光モジュールの製造方法によれば、例えば電極部間に段差を形成したり電極部に接着剤を塗布したりするなどして、導電性を有する球状弾性体が導波路基板の電極部に集中して配置される。これにより、光電子部品を導波路基板に固定したときに、それぞれの電極がより確実に球状弾性体を介して電気的に接続されるようになる。
さらに、本発明では、光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、前記導波路基板上の前記電極部を除く領域を保護するマスクを形成し、前記マスクが形成された前記導波路基板上に前記球状弾性体を含有する第1の接着剤を塗布し、前記マスクを除去し、前記導波路基板上に第2の接着剤を塗布し、前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とを硬化して前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、ことを特徴とする光モジュールの製造方法が提供される。
このような光モジュールの製造方法によれば、導電性を有する球状弾性体を含んだ第1の接着剤が導波路基板の電極部に選択的に塗布されるので、その電極部に集中して球状弾性体が配置されるようになる。これにより、光電子部品と導波路基板のそれぞれの電極がより確実に球状弾性体を介して電気的に接続されるようになる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光モジュールの実施の形態例を示す図である。図1(A)は、光モジュールの平面図を示し、(B)は(A)のA−A線に沿った断面図を示す。
図1に示す光モジュールは、基板11上に光導波路12aおよび12bが形成された導波路基板10に、光電子部品として光偏向素子20が搭載された構成を有する。また、導波路基板10と光偏向素子20との間には、球状弾性体30が配置され、導波路基板10と光偏向素子20とは光学接着剤40によって固着されている。
導波路基板10は、例えば石英等によってなる基板11上に、Ge等をドープした石英によってクラッド層、コア層およびクラッド層が積層された光導波路12aおよび12bが形成された構造を有する。なお図1では、この光導波路12aおよび12bはスラブ導波路として実現されているが、それぞれがチャネル導波路として実現されていてもよい。
この導波路基板10上には、光偏向素子20を搭載するための凹部13が、光導波路12aおよび12bを断絶するように設けられている。また、凹部13内の底面には、光導波路12aおよび12bの形成方向の両端部に溝部13aおよび13bが形成されている。さらに、凹部13の底面には電極14aおよび14bが設けられている。
光偏向素子20では、導電性基板21上に、電気光学効果を有する材料によってなる光導波路22が形成されている。また、光導波路22の導電性基板21との反対面には、プリズム型電極23aおよび23bが設けられている。これらのプリズム型電極23aおよび23bは、それぞれ導波路基板10側の電極14aおよび14bに接続するために設けられている。
導波路基板10の凹部13の底面には、多数の球状弾性体30が分散して配置されている。この球状弾性体30は導電性を有している。また、各球状弾性体30は同じ大きさとなっているが、その直径は、電極14aおよび14bの間隔、およびプリズム型電極23aおよび23bの間隔より小さくされている。
光偏向素子20は、プリズム型電極23aおよび23bが設けられた面を導波路基板10側に向けて、導波路基板10の凹部13内に球状弾性体30を介して配設されている。ここで、球状弾性体30が導電性を有し、凹部13の底面に分散されていることから、導波路基板10側に設けられた電極14aおよび14bと、光偏向素子20側に設けられた対応するプリズム型電極23aおよび23bとがそれぞれ電気的に接続される。
また、光偏向素子20は、自身の光導波路22を伝播する光と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bを伝播する光とが正確に光結合するように、球状弾性体30を押圧した状態のまま、光学接着剤40によって導波路基板10に固着されている。球状弾性体30は、光偏向素子20による押圧によって変形し、光偏向素子20の底部および導波路基板10の底面に反力を与える。光学接着剤40は、この反力によって導波路基板10に対する位置が動かないように光偏向素子20を保持している。
このような構成を有する光モジュールは、以下のように動作する。例えば、図中左側から光導波路12aに対して、コリメート光とされた光信号が入射される。光導波路12aを伝播した光信号は、光学接着剤40を介して、光偏向素子20の光導波路22に入射する。この光導波路22は電気光学効果を有する材料により形成されていることから、プリズム型電極23aおよび23bと導電性基板21との間に電界が印加されることにより光導波路22内の屈折率が変化し、伝播する光信号が偏向する。偏向した光信号は、光導波路22から光学接着剤40を介して導波路基板10側の光導波路12bに入射し、この中を伝播する。
以上のような光モジュールでは、導波路基板10の凹部13に、球状弾性体30を介して光偏向素子20が配設され、この状態で光偏向素子20が球状弾性体30を押圧することにより、球状弾性体30が変形する。このような球状弾性体30の弾性を利用することで、光偏向素子20の光導波路22と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bとの間の位置合わせをサブミクロンオーダで微調節することが可能となり、正しく位置合わせされた状態のまま光学接着剤40により保持される。
また、球状弾性体30は導電性を有し、凹部13の底面に分散して配置されるため、導波路基板10側の電極14aおよび14bと光偏向素子20側の対応するプリズム型電極23aおよび23bとが球状弾性体30を介して電気的に接続される。ここで、球状弾性体30の直径を、隣接する電極14aおよび14bの間隔、およびプリズム型電極23aおよび23bの間隔より小さくすることで、隣接する電極同士が球状弾性体30によって導通することが防止される。
従って、導波路基板10側と光偏向素子20側の電極同士の電気的接続が確実に行われながら、導波路基板10の光導波路12aおよび12bと、光偏向素子20の光導波路22との光結合をより確実にし、これらの間を伝播する光の損失を低減させることが可能となる。
また、凹部13の底面の両端に溝部13aおよび13bを設けたことにより、底面の両端部に配置された球状弾性体30はこの溝部13aおよび13bに落ち込む。これにより、光偏向素子20を配設したときに、光偏向素子20側の光導波路22の端面と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bの端面との間に球状弾性体30が配置されて、光導波路間の光路が塞がれることが防止される。このため、溝部13aおよび13bの幅は、球状弾性体30の直径以上とされることが望ましい。
次に、上記の光モジュールの実施例およびその製造工程について説明する。この光モジュールの製造方法では、導波路基板10に対して光偏向素子20が搭載される前に、図2および図3にそれぞれ示すような光偏向素子20および導波路基板10があらかじめ形成される。
図2は、光偏向素子20の構成例を示す図である。図2(A)は光偏向素子20の平面図を示し、(B)は(A)のB−B線に沿った断面図を示す。
光偏向素子20は、導電性基板21上に光導波路22が形成され、さらにプリズム型電極23aおよび23bが設けられた構造を有する。導電性基板21としては、強誘電体であるSTO(SrTiO3)の単結晶にNbをドープして、導電性を持たせたものを使用する。また、光導波路22には、強誘電体である鉛系ペロブスカイトであるPZT(Pb(Zr0.52Ti0.48)O3)、PLZT((Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35))をそれぞれコア、クラッドとして使用する。
光導波路22は、導電性基板21上にPZT、PLZT、PZTの順で、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ゾルゲル法、スパッタリング法またはPLD(Pulsed Laser Deposition)法等を用いてヘテロエピタキシャル成長させることで積層される。コアおよび上下クラッドを含む光導波路22の膜厚は、例えば9μmとする。
この後、光導波路22の導電性基板21に対向する面に、三角形状のプリズム型電極23aおよび23bを形成する。このプリズム型電極23aおよび23bは、白金膜をメタルマスクを用いてスパッタリング法により形成され、厚みが2000Åとされる。なお、プリズム型電極23aおよび23bの互いの間隔は、後に使用する球状弾性体30の直径より大きくする必要がある。例えば、直径が7μmである球状弾性体30を使用した場合、プリズム型電極23aおよび23bの間の最小間隔を100μmとする。100μmの間隔があれば、球状弾性体30が数個〜10個程度並んだとしても、短縮しないで済む。
また、図2の例では偏向方向の異なる2つのプリズム型電極23aおよび23bが形成されているが、これらのいずれかのみが形成される場合もある。
図3は、導波路基板10の構成例を示す図である。図3(A)は導波路基板10の平面図を示し、(B)は(A)のC−C線に沿った断面図を示す。
本実施例では、導波路基板10の基板11として石英を使用し、導波路基板10の光導波路12aおよび12bのコアには、Geを拡散させて屈折率を高めた石英を使用する。まず、平板状の基板11上に、Geを拡散させた石英によりコア領域を形成した後、この上にスパッタリング法によってオーバクラッドとなる石英を積層して、基板11上に一様な導波路構造を形成する。ここで、光導波路の膜厚は、光偏向素子20の光導波路22の膜厚と同じとされる。
次に、光偏向素子20を搭載するための凹部13を形成する。この凹部13は、基板11上に形成された光導波路のオーバクラッドの上面から、基板11方向に15μmの深さで、フッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により形成される。ここで、凹部13の光路方向の長さは、光偏向素子20の配設時に余裕を持たせるために、光偏向素子20の光導波路22の光路方向の長さより100μmだけ長く形成する。
またこの後、凹部13の底面の光路側両端に溝部13aおよび13bを形成する。この溝部13aおよび13bは、凹部13の底面にレジストを塗布してパターニングを施した後、反応性イオンエッチングにより光路方向の両端面から50μmずつの幅で、10μmの深さで形成される。
さらに、この凹部13の底面に、光偏向素子20のプリズム型電極23aおよび23bと接続するための電極14aおよび14bを設ける。これらの電極14aおよび14bは、凹部13の底面にレジストを塗布してパターニングを施した後、まずスパッタリング法で厚さ500Åのチタン膜を積層した後、さらにリフトオフ法により厚さ2000Åの白金膜を積層することで形成される。なお、光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bと同様に、電極14aおよび14bの互いの間隔は、後に使用する球状弾性体30の直径より大きくしておく必要がある。
以下、図4〜図6を用いて、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法の例について説明する。図4は、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法を説明するための第1の図である。また、図5は、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法を説明するための第2の図である。さらに、図6は、導波路基板10に対する光偏向素子20の実装方法を説明するための第3の図である。
まず、図4(A)に示すように、直径7μmの球状弾性体30をエタノール50中に混入・分散させ、このエタノール50を導波路基板10の凹部13の底面に塗布する。なお、球状弾性体30についての具体的な説明は、後の図7において説明することにする。また、図中ではわかりやすくするために、球状弾性体30の直径や光導波路12a、12bおよび22の膜厚を大きく示しているが、実際にはこれらの大きさは光導波路22の光路方向の長さと比較して極めて小さく、さらに球状弾性体30は多数存在している。
次に、図4(B)に示すように、エタノール50を乾燥させる。これにより、球状弾性体30は、凹部13の底面上にランダムに分散して配置される。また、凹部13の底面上において、光導波路12aおよび12bの端面付近に位置した球状弾性体30は、溝部13aおよび13bに落とし込まれる。
ここで、配置された球状弾性体30が凹部13の底面に敷き詰められず、球状弾性体30同士に間隔が開くように、エタノール50中に混入する球状弾性体30の量を調整する必要がある。
次に、図5(A)に示すように、導波路基板10の凹部13内に、プリズム型電極23aおよび23bの接地面を導波路基板10側に向けた状態で光偏向素子20を配設する。これにより、凹部13の底面と光偏向素子20との間、および導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらに対応するプリズム型電極23aおよび23bとの間に、多数の球状弾性体30が挟み込まれる。
次に、図5(B)に示すように、導波路基板10に対する光偏向素子20の搭載位置を調整するための調整治具60を用いて、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bと光偏向素子20側の光導波路22との間の位置調整を行う。調整治具60は、板バネ61によって光偏向素子20の導電性基板21に密着された押圧盤62と、押圧盤62の高さ方向の移動量を微調整するためのマイクロメータ63を有し、導波路基板10に固定される。
また、マイクロメータ63は、光導波路12a、12bおよび22を伝播する光の光軸に対して、前後方向および左右方向(図5において紙面に向かって前後方向)の端部にそれぞれ1つずつで合計4つ設けられている。これにより、光偏向素子20が搭載される高さとともに、光軸方向に対する光導波路22の前後方向および左右方向の角度についても調整することができる。なお、光導波路12aおよび12bと、光導波路22との間の位置調整方法の例は、後に図8および図9において詳述する。
ここで、光偏向素子20の底面が球状弾性体30に最初に触れた時点では、光導波路22が、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bよりわずかに高い位置となるように、球状弾性体30の直径を選択することが必要となる。
そして、この状態からマイクロメータ63によって押圧盤62をさらに下げ、光偏向素子20を導波路基板10側に押圧することで、球状弾性体30が変形して、光偏向素子20の高さが下げられる。このように、球状弾性体30の弾性を利用することで、光導波路12aおよび12bと光導波路22との間の光結合状態を、サブミクロンオーダで微調整することが可能となる。
またこのとき、球状弾性体30が導電性を有することから、導波路基板10側の電極14aおよび14bと光偏向素子20側の対応するプリズム型電極23aおよび23bとが電気的に接続される。さらに、球状弾性体30の直径が、隣接する電極14aと14bの間隔、およびプリズム型電極23aと23bの間隔より小さいため、隣接する電極同士が球状弾性体30によって導通することが防止される。従って、導波路基板10側と光偏向素子20側の対応する電極同士の確実な電気的接続が行われる。
また、導波路基板10の凹部13に溝部13aおよび13bが形成されていることにより、凹部13内の光路方向の端部に位置する球状弾性体30がこの溝部13aおよび13bに収容され、光導波路22と光導波路12aおよび12bとの間の光路が確実に確保される。
以上のように、光導波路間の位置調整が正しく行われた状態で、光偏向素子20は調整治具60によって保持される。そしてこの状態のまま、図6(A)に示すように、光偏向素子20と、導波路基板10の光導波路12aおよび12bの端面との間の間隙に光学接着剤40を流し込み、光偏向素子20を導波路基板10に対して仮固定する。光学接着剤40としては、例えば紫外線硬化型のエポキシ樹脂等を使用し、この光学接着剤40が完全に固化した後、調整治具60を導波路基板10から取り外す。そして、図6(B)に示すように、光学接着剤40をさらに付与して、光偏向素子20と導波路基板10とを完全に固定する。
以上の実装方法では、光学接着剤40の付与を2度に分けて行い、光偏向素子20を固定させているが、光導波路間の位置調整後に調整治具60で光偏向素子20を保持した状態で、光学接着剤40の付与を1度だけ行うことにより光偏向素子20の固定を行ってもよい。
ここで、本発明に適用可能な球状弾性体30の例を挙げる。図7は、球状弾性体30の構造例を示す断面図である。
本発明では、球状弾性体30として、弾性を有する球状の樹脂等の有機物を、導電性の金属によって被覆したものを使用することができる。ここでは図7に示すように、中心樹脂31の周りに2層の金属膜32および33を設けたものを例示する。中心樹脂31は、例えばポリスチレンによってなり、またこの周りに金属膜32および33としてそれぞれNi、Auが順次成膜されて形成される。このような球状弾性体30としては、例えば積水化学工業製の「ミクロパール(商品名、登録商標)」を好適に使用することができ、上記の導波路基板10と光偏向素子20の位置合わせに適した直径を有するものを選択して使用する。
次に、図8は、調整治具60を使用した光導波路間の位置調整方法について説明するための図である。図8(A)は、調整治具60を含む機構全体の平面図を示し、図8(B)は(A)のD−D線に沿った断面図を示している。
なお、図中に示すように、光導波路内の光路方向をX軸、光導波路面に対する高さ方向をY軸、光導波路面内の左右方向をZ軸とする。
光偏向素子20および導波路基板10の光導波路間の位置調整を行う際には、例えば、図8に示すように、光導波路内に光を入射するための光ファイバ71aおよび71bと、これらにそれぞれ対応するフォトディテクタ(PD)72aおよび72bが使用される。ここで、各光ファイバ71aおよび71bをZ軸方向に並列させ、導波路基板10側の光導波路12aに光を平行に入射させ、光偏向素子20側の光導波路22を通り、再び導波路基板10側の光導波路12bを伝播したそれぞれの光を、フォトディテクタ72aおよび72bで受光する。そして、各フォトディテクタ72aおよび72bにおける受光量を検出しながらマイクロメータ63を調節し、受光量が最も多くなることによって光導波路間の位置が正しい位置となったことを判断する。
ここで、調整治具60には、押圧盤62の四隅の押圧量を独立して調整するための4つのマイクロメータ63a、63b、63cおよび63dを設ける。これにより、導波路基板10に対する光偏向素子20の高さや角度を微調整することが可能となる。
図9は、マイクロメータ63a〜63dを用いた導波路基板間の位置調整手順を示す状態遷移図である。
まず、4つのマイクロメータ63a〜63dによる各変位量がすべて同じになるように回転させ、フォトディテクタ72aおよび72bの受光量が最大となる位置に調整する(ステップS91)。これにより、導波路基板10に対する光偏向素子20の高さが大まかに調整される。
次に、マイクロメータ63aおよび63b、マイクロメータ63cおよび63dの各組み合わせて独立して回転させ、フォトディテクタ72aおよび72bにおける各受光量が等しくなるように調整する。これにより、光偏向素子20のX軸まわりの角度が調整される(ステップS92)。
次に、マイクロメータ63aおよび63c、マイクロメータ63bおよび63dの各組み合わせて独立して回転させ、フォトディテクタ72aおよび72bの各受光量が最大となるように調整する。これにより、光偏向素子20のY軸まわりの角度が調整される(ステップS93)。
次に、ステップS91に戻って、再び光偏向素子20全体の一様な高さを調整する。この後、ステップS93での調整と、ステップS91での調整とを例えば3回以上繰り返して(ステップS94)、調整終了とする。
このような調整手順により、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bに対する、光偏向素子20側の光導波路22の高さおよび角度を調整することが可能となり、各光導波路間で伝播する光の光結合を確実にすることができる。
以上のような光モジュールの製造工程では、導波路基板10の凹部13に、球状弾性体30を介して光偏向素子20が配設され、この状態で光偏向素子20を押圧して球状弾性体30を変形させることにより、光偏向素子20の高さと角度が微調整される。このような調整方法では、球状弾性体30の弾性を利用することにより、光偏向素子20の光導波路22と、導波路基板10側の光導波路12aおよび12bとの間の位置合わせの精度を高めることが可能となる。
また、球状弾性体30は導電性を有し、凹部13の底面に分散して配置されるため、導波路基板10側の電極14aおよび14bと光偏向素子20側の対応するプリズム型電極23aおよび23bとが球状弾性体30を介して電気的に接続される。従って、導波路基板10側と光偏向素子20側の電極同士の電気的接続が確実に行われながら、導波路基板10の光導波路12aおよび12bと光偏向素子20の光導波路22の間でより確実な光結合が行われ、伝播する光の損失が低減される。
上記の光モジュールの製造工程においては、一例として、導波路基板10の凹部13底面に、球状弾性体30を混入したエタノール50を塗布し、これを乾燥することにより、球状弾性体30をランダムに分散させて配置するようにしている。ただし、このようにエタノール50を用いて球状弾性体30を分散させる場合には、前述のようにエタノール50中の球状弾性体30の量を調整し、導波路基板10上での球状弾性体30の分散密度を適切に制御する必要がある。これは、分散密度が適切でない場合には、例えば次の図10あるいは図11に示すような問題が発生する可能性があるためである。
図10は球状弾性体の分散密度が高い場合に起こり得る問題を示した図である。球状弾性体30の分散密度が高すぎると、導波路基板10側の隣接する電極14aと14bの間、光偏向素子20側の隣接するプリズム型電極23aと23bの間にも数珠つなぎで球状弾性体30が配置されてしまい、短絡する可能性がでてきてしまう。また、図11は球状弾性体の分散密度が低い場合に起こり得る問題を示した図である。球状弾性体30の分散密度が低すぎると、導波路基板10側の電極14aと光偏向素子20側のプリズム型電極23aの間に球状弾性体30が全く存在せず、導通がとれないといった問題が発生する可能性がでてきてしまう。
このような点を考慮し、短絡や導通不良を発生させることなく、電極間をより確実に電気的に接続するためには、球状弾性体30を電極部(電極が形成されている領域、または電極とその近傍の周辺部を含む領域)に集中して配置するようにすることが有効である。図12は導波路基板に光偏向素子を実装したときの電極接合部分の要部模式図である。すなわち、この図12に示すように、導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらにそれぞれ対向する光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bとの間に、集中して球状弾性体30を存在させるようにすればよい。以下、このように球状弾性体30を配置する方法について詳細に説明する。
図13は導波路基板の電極部に球状弾性体を配置して光偏向素子を実装した形態の一例を示す電極接合部分の要部模式図である。この例では、導波路基板10側の電極14aと14bの間に、感光性ポリマーや感光性樹脂あるいはSiO2等の絶縁材料を用いて、導波路基板10表面から球状弾性体30の直径よりも小さな高さで突出する凸部100が形成されている。このような段差構造を形成することにより、電極14aおよび14b上に配置された球状弾性体30は、側方への自由な移動が規制されてそこに留まるようになる。そのため、対向する電極14aとプリズム型電極23a、電極14bとプリズム型電極23bが、それぞれ球状弾性体30を介して確実に電気的に接続されるようになる。さらに、このような段差構造により、隣接する電極14aと14bの間、プリズム型電極23aと23bの間で短絡することがなくなる。
ここで、図14から図16を用いて、段差構造を利用した球状弾性体30の配置方法について説明する。図14は段差構造の形成工程を説明するための要部模式図、図15は不要な球状弾性体を除去する工程を説明するための要部模式図、図16は電極上に配置した球状弾性体を介して光偏向素子を実装する工程を説明するための要部模式図である。
まず、例えば感光性ポリイミドをスピンコートによって導波路基板10上に塗布する。その際、使用する球状弾性体30が例えば直径約10μmであれば、感光性ポリイミドは膜厚が例えば約7μmになるよう塗布する。次いで、塗布した感光性ポリイミドを、フォトマスクを用いて電極14aと14bの間にのみ感光性ポリイミドが残るようパターン露光し、図14に示すような凸部100を形成する。なお、ここでは凸部100の高さを、球状弾性体30の直径よりも小さな約7μmに設定したが、この高さは任意に変更可能である。ただし、球状弾性体30の側方への自由な移動を規制するためには、使用する球状弾性体30の直径のおよそ半値以上の高さとなるように形成しておくことが好ましい。
凸部100の形成後、導波路基板10上に球状弾性体30をそのまま散布するか、あるいは球状弾性体30を含んだエタノールを塗布し、球状弾性体30を分散させる。導波路基板10には凸部100によって段差構造が形成されているため、球状弾性体30は、電極14aおよび14b上に集中的に配置され、電極14aおよび14b上から自由に転がっていってしまうことがない。
ただし、図15に示すように、球状弾性体30は凸部100上に残る場合があるので、電極14aおよび14b上にのみ球状弾性体30を配置させるために、図16に示すように、接着面101aを有する接着部材101を用いて凸部100上の球状弾性体30を除去することが好ましい。その場合、接着部材101は、球状弾性体30が直径約10μmであれば、導波路基板10表面から例えば約15μmの高さまで下降させ、そこから再び上昇させるようにする。これにより、接着部材101には電極14aおよび14b上の球状弾性体30は接着せず、凸部100上の導通に寄与しない不要な球状弾性体30のみが接着して導波路基板10から除去されるようになる。また、このように接着部材101を用いるほか、球状弾性体30を直接散布した後あるいは球状弾性体30を含んだエタノールを塗布して乾燥した後に、導波路基板10に振動を与えるなどして凸部100上の球状弾性体30をそこから移動させるようにすることも可能である。
凸部100上の不要な球状弾性体30を除去した後は、上記図13に示した光偏向素子20を導波路基板10側へ下降させる。そして、そのプリズム型電極23aおよび23bを導波路基板10に配置された球状弾性体30に接触させた状態で、上記調整治具60あるいはフリップチップボンダーを用いて位置合わせを行いながら押圧して保持する。最後に、その状態のまま、熱硬化型あるいは紫外線硬化型の光学接着剤を用い、図6に示したようにして光偏向素子20を導波路基板10に固定する。なお、この光学接着剤の付与は、前述のように1度で行ってもよい。また、球状弾性体30の配置後で光偏向素子20の実装前に導波路基板10上に光学接着剤を付与しておき、その後、光偏向素子20を導波路基板10に固定するようにしてもよい。
また、球状弾性体30を電極14aおよび14b上に配置するために、電極14aおよび14b上に薄膜状に接着剤を塗布しておき、これに球状弾性体30を接着させるようにしてもよい。ここで、図17から図20を用いて、電極14aおよび14b上に接着剤を塗布して球状弾性体30を配置する方法について説明する。図17は接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図、図18は球状弾性体を接着する工程を説明するための要部模式図、図19は未接着の球状弾性体を除去する工程を説明するための要部模式図、図20は接着した球状弾性体を介して光偏向素子を実装する工程を説明するための要部模式図である。
まず、図17に示すように、導波路基板10の電極14aおよび14b上に接着剤102を薄膜状に塗布する。接着剤102の塗布には、例えばメタルマスクを用いたスクリーンプリンティング法を用いることができる。
次いで、導波路基板10上に球状弾性体30をそのまま散布するか、あるいは導波路基板10を球状弾性体30が撹拌されている空間内を通過させ、図18に示すように、導波路基板10上に球状弾性体30を分散させる。これにより、電極14aおよび14b上の球状弾性体30は接着剤102に接着されるようになる。接着剤102に未接着の球状弾性体30は、図19に示すように、例えば振動や送風、あるいは上下反転等の適当な手段で導波路基板10から除去する。
その後、図20に示すように、光偏向素子20を導波路基板10側へ下降させ、プリズム型電極23aおよび23bを球状弾性体30に接触させた状態で位置合わせを行いながら押圧して保持する。それにより、球状弾性体30は、プリズム型電極23aおよび23bに押されて接着剤102を押し退けて電極14aおよび14bに接触するようになる。最後に、導波路基板10と光偏向素子20の間に光学接着剤を付与し、これを硬化する。これにより、電極14aとプリズム型電極23a、電極14bとプリズム型電極23bが球状弾性体30を介して電気的に接続された状態で、光偏向素子20が導波路基板10に固定されるようになる。なお、光学接着剤の付与は1度で行っても2度に分けて行ってもよく、また、球状弾性体30の配置後で光偏向素子20の実装前に導波路基板10上に光学接着剤を付与し、光偏向素子20を導波路基板10に固定するようにしてもよい。
このように、導波路基板10の電極14aおよび14b上に集中して球状弾性体30が配置されるようにすることにより、短絡や導通不良を発生させることなく、光偏向素子20を導波路基板10に実装することが可能になる。なお、球状弾性体30は、厳密に電極14aおよび14b上にのみ配置されていることは必ずしも必要ではない。上記凸部100を形成する場合であれば、電極14aと14bの間が絶縁材料を用いて形成される段差構造で隔離されている限り、球状弾性体30は電極14aおよび14b上とそれらのそれぞれの近傍周辺部に配置されていて構わない。また、上記接着剤102は、電極14aと14bの間で分断され、電極14a側に接着した球状弾性体30と電極14b側に接着した球状弾性体30とが接触しない限り、電極14aおよび14b上とそれらのそれぞれの近傍周辺部に塗布されていて構わない。
球状弾性体30を導波路基板10上に分散させるには、上記のような球状弾性体30の直接散布や球状弾性体30を含む揮発性溶媒の塗布のほか、球状弾性体30を光学接着剤の中に混入してこれを導波路基板10に塗布してもよい。その場合は、光偏向素子20の実装前に導波路基板10上に球状弾性体30を含んだ光学接着剤を塗布し、その後、光偏向素子20を押圧して位置合わせをした状態でその光学接着剤を固化すればよい。導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらに対向する光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bとの間にある球状弾性体30が導通に寄与するようになる。
しかし、この場合も図10および図11に示したのと同様に、光学接着剤中の球状弾性体30の含有量が多すぎれば短絡する可能性があり、含有量が少なすぎれば導通不良が発生する可能性がある。また、図21は球状弾性体を含んだ光学接着剤を用いた場合に生じ得る問題を説明するための光偏向素子実装状態の模式図である。この図21に示すように、球状弾性体30を含んだ光学接着剤40を用いた場合には、電極周辺以外に存在して導通に寄与しない球状弾性体30が、光導波路12と22の間の光路を塞いでしまうことがある。
このように球状弾性体30を含んだ接着剤を用いる場合であっても、電極部に集中して球状弾性体30を配置させるようにすることが可能である。ここで、図22から図26を用いて、球状弾性体30を含む接着剤を用いた球状弾性体30の配置方法について説明する。図22はマスクの形成工程を説明するための要部模式図、図23は第1の接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図、図24はマスクを除去する工程を説明するための要部模式図、図25は第2の接着剤を塗布する工程を説明するための要部模式図、図26は球状弾性体を含んだ接着剤を用いた場合の光偏向素子の実装工程を説明するための要部模式図である。
まず、図22に示すように、導波路基板10上の電極14aおよび14b以外の領域をマスク110で保護する。マスク110には、例えばメタルマスクやメッシュマスクを用いることができる。
マスク110の形成後、図23に示すように、球状弾性体30が例えば5体積%〜20体積%程度含まれている第1の接着剤111を、スクリーン印刷機を用いて塗布する。この第1の接着剤111には、一般的なエポキシ系の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いることができ、これに所定量の球状弾性体30が含有されるように調製する。第1の接着剤111の塗布後は、図24に示すように、マスク110を剥離して除去する。第1の接着剤111には、マスク110を除去した後に、電極14aおよび14b上からその側方へ流れてしまって互いに混じり合わないような粘度を有するものを用いるようにすることが望ましい。
次いで、図25に示すように、導波路基板10上に第2の接着剤112を塗布する。この第2の接着剤112は、第1の接着剤111に用いた樹脂と同じでもよく、異なっていてもよい。さらに、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂のいずれであっても構わない。
接着剤として用いる樹脂の選定にあたっては、第1の接着剤111の粘度ρ1と第2の接着剤112の粘度ρ2との間に、ρ1≧ρ2、の関係が満たされるようにすることが好ましい。例えば、第1の接着剤111に粘度ρ1が2000mPa・s〜5000mPa・s程度のものを用い、第2の接着剤112に粘度ρ2が1000mPa・s程度のものを用いることができる。
第2の接着剤112の塗布後は、フリップチップボンダー等を用いて光偏向素子20を導波路基板10側に押圧する。その際は、図26に示すように、電極14aとプリズム型電極23a、電極14bとプリズム型電極23bはそれぞれ球状弾性体30を介して接続され、第1の接着剤111および第2の接着剤112が混じり合った接着剤113のうち余分なものは側方へと流出する。光偏向素子20の位置合わせを行ってこれを保持し、接着剤113が熱硬化型樹脂のみを含んでいる場合には加熱によって硬化し、接着剤113が紫外線硬化型樹脂のみを含んでいる場合には紫外線照射によって硬化し、光偏向素子20を導波路基板10に固定する。また、第1の接着剤111に熱硬化型樹脂を用い、第2の接着剤112に紫外線硬化型樹脂を用いている場合には、第1の接着剤111を加熱によって硬化した後、第2の接着剤112を紫外線照射によって硬化する。第1の接着剤111に紫外線硬化型樹脂を用い、第2の接着剤112に熱硬化型樹脂を用いている場合は、第1の接着剤111を紫外線照射によって硬化した後、第2の接着剤112を加熱によって硬化すればよい。
なお、導波路基板10の上記基板11が透明材料からなる場合には、基板11を透過させて紫外線照射を行うことができるので、第2の接着剤112あるいは第1の接着剤111には紫外線硬化型樹脂が好適に用いられる。その点で、基板11が透明でない場合には、第2の接着剤112あるいは第1の接着剤111には熱硬化型樹脂を好適に用いることができる。
図27は球状弾性体を含んだ接着剤を用いた光偏向素子実装状態の模式図である。上記方法によれば、図27に示すように、導波路基板10側の電極14aおよび14bとこれらに対向する光偏向素子20側のプリズム型電極23aおよび23bとの間に球状弾性体30が配置され、さらに光導波路12と22の間には球状弾性体30を存在させないようにすることができる。これにより、導波路基板10と光偏向素子20の間で導通に寄与しない球状弾性体30によって光路が塞がれてしまうことがなくなる。このように接着剤113が導波路基板10と光偏向素子20の光導波路間に存在することとなる場合には、第2の接着剤112には光学接着剤を用いるようにする。あるいは電極14aおよび14bの周囲には第1の接着剤111および第2の接着剤112として通常の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用い、光導波路部分には光学接着剤を用いるようにしてもよい。
なお、図24に示したマスク110を除去した後に、第1の接着剤111が電極14aおよび14b上から側方へ流れて混じり合ってしまうことによる短絡を防止するため、マスク110の除去後で第2の接着剤112の塗布前に、第1の接着剤111を半硬化させるようにしてもよい。例えば、第1の接着剤111および第2の接着剤112に熱硬化型樹脂を用いた場合には、第1の接着剤111を適当な温度で加熱して半硬化した後、それよりも高い温度で第2の接着剤112を加熱して完全に硬化させるようにする。一例として、硬化温度が160℃程度の熱硬化型樹脂であれば、硬化が開始する100℃〜120℃程度の温度条件で半硬化するようにすればよい。
ただし、熱硬化型樹脂を半硬化するための条件は、使用する樹脂の種類は勿論、加熱時間や加熱処理雰囲気、球状弾性体30のサイズやその含有量でも変化する。そのため、半硬化条件を設定する際には、まず、第1の接着剤111が球状弾性体30と一緒に電極14aおよび14b上から流れてしまって互いに混じり合わないような半硬化条件の設定が必要になる。さらに、光偏向素子20の押圧時には、プリズム型電極23aおよび23bが第1の接着剤111を押し退けて球状弾性体30に接触することができるような半硬化条件の設定が必要になる。紫外線硬化型接着剤を用いた場合も同じであり、紫外線照射によって半硬化するための条件を適当に設定することになる。
また、第1の接着剤111に含まれる球状弾性体30は、厳密に電極14aおよび14b上にのみ配置されていることは必ずしも必要ではなく、第1の接着剤111は、電極14aおよび14bとその近傍周辺部に塗布することが可能である。
このように、導波路基板10に対して光偏向素子20を実装する際に、導波路基板10の電極14aおよび14b上にのみ、あるいは電極14aおよび14b上とそれらの周辺部上に球状弾性体30を配置することにより、短絡や導通不良の発生をより確実に防ぎ、光路を確保して光偏向素子20を導波路基板10に実装することが可能になる。また、電極間ピッチがいっそう狭くなった場合であっても、より確実な電気的接続と光路確保とが可能である。
なお、上記の球状弾性体30の配置方法についての説明では、直径約10μmの球状弾性体30を用いた場合を例にして述べたが、球状弾性体30のサイズはこれに限定されるものではない。球状弾性体30のサイズを変更した場合には、それに応じて導波路基板10に形成する凸部100の高さや接着部材101の下降位置も適当に変更することができる。また、球状弾性体30のサイズや電極14aおよび14bの面積に応じて、光学接着剤40に含まれる球状弾性体30の量も適当に変更することが可能である。
なお、上記のような光モジュールは、例えば光信号の入出力チャネルを切り換える光スイッチ回路として用いられる。この場合例えば、導波路基板10の入射側には入力チャネル数に応じたチャネル導波路がそれぞれコリメートレンズを介して接続され、この入力チャネル数に応じて光偏向素子が設けられる。さらにその出射側にはスラブ導波路を介して、光偏向素子、コリメートレンズおよび出力側のチャネル導波路がそれぞれ出力チャネル数に応じて設けられる。ここで例えば、入力側および出力側のチャネル導波路およびコリメートレンズと、光偏向素子間のスラブ導波路とが、図1の基板11に相当する同一基板上に設けられて、この基板上に入力側および出力側の光偏向素子が搭載される。そして、入力側のチャネル導波路から入射した光信号は、光偏向素子20で偏向することにより任意の出力チャネルに伝播される。従って、本発明を適用することにより、伝播する光の減衰量が少ない高性能な光スイッチ回路が実現される。
また、以上の実施の形態例では、光電子部品として光偏向素子を適用した場合について説明したが、これに限ったことではない。本発明の光モジュールでは、光電子部品としてこのほかに、例えば、半導体レーザを用いた発光素子や、半導体によるフォトディテクタ等を用いた受光素子等を適用することが可能である。この場合、半導体レーザから発光される光の光軸や、受光効率が最も高くなるようなフォトディテクタに対する入射光の光軸が、導波路基板側の光導波路内の光の伝播方向に正確に一致するように、光電子部品の搭載される高さや角度を微調整することができる。
以上説明したように、本発明の光モジュールの製造方法では、導波路基板の凹部に、球状弾性体を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品を押圧することにより、球状弾性体が変形して、導波路基板に対する光電子部品の高さと角度を微調節することができる。また、球状弾性体が導電性を有し、凹部に分散して配置されることにより、導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体を介して電気的に接続される。従って、これらの電極同士を電気的に接続させながら、導波路基板の光導波路における光の伝播方向と光電子部品の光軸とを正確に一致させることができ、伝播する光の損失が低減される。
また、本発明の光モジュールでは、導波路基板の凹部に、球状弾性体を介して光電子部品が配設される。この状態で光電子部品が球状弾性体を押圧することにより、球状弾性体が変形して、導波路基板に対する光電子部品の高さと角度が微調節される。また、球状弾性体が導電性を有し、凹部に分散して配置されることにより、導波路基板側と光電子部品側の対応する電極同士が球状弾性体を介して電気的に接続される。従って、これらの電極同士が電気的に接続されながら、導波路基板の光導波路における光の伝播方向と光電子部品の光軸とが正確に一致し、伝播する光の損失が低減される。
また、本発明では、光モジュールの製造方法において、球状弾性体を導波路基板の電極部に集中して配置するようにしたので、電極間の短絡や導通不良の発生をより確実に防ぎ、光路を確保して光電子部品を導波路基板に実装することが可能になる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
(付記1) 光導波路が形成された導波路基板上の凹部に光電子部品が搭載され、前記凹部の底面上の電極と前記光電子部品の底部の電極とが電気的に接続される光モジュールの製造方法において、
前記導波路基板の前記凹部の底面上に導電性を有する複数の球状弾性体を分散させて配置し、
前記凹部に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする光モジュールの製造方法。
(付記2) 前記導波路基板の前記凹部の底面には、その前記光導波路における光の伝播方向の両端部に、前記球状弾性体の直径以上の幅を有する溝があらかじめ設けられることを特徴とする付記1記載の光モジュールの製造方法。
(付記3) 前記凹部の底面、および前記光電子部品の底部にそれぞれ複数の前記電極が設けられている場合、前記凹部に配置される前記球状弾性体の直径は、隣接する前記電極間の間隔より小さいことを特徴とする付記1記載の光モジュールの製造方法。
(付記4) 前記球状弾性体は、弾性を有する球状の有機物が導電性の金属で被覆されてなることを特徴とする付記1記載の光モジュールの製造方法。
(付記5) 前記光電子部品と前記導波路基板とは光学接着剤によって固着されることを特徴とする付記1記載の光モジュールの製造方法。
(付記6) 前記光電子部品は、導電性の基板上に電気光学効果を有する材料によって形成された光導波路と、前記光導波路に対して前記基板に対向して設けられた1つまたは複数のプリズム型電極とを有する光偏向素子であり、
前記光偏向素子は、前記プリズム型電極を前記凹部の底面側に向けて、前記光偏向素子上の光導波路と前記導波路基板の光導波路との位置合わせを行った状態で前記導波路基板に固定されることを特徴とする付記1記載の光モジュールの製造方法。
(付記7) 導波路基板上に光電子部品が搭載された光モジュールにおいて、
前記導波路基板上には前記光電子部品を配設する凹部が設けられ、前記凹部の底面上には電極が設けられ、
前記光電子部品の底部には前記凹部の底面上に設けられた電極に対応する電極が設けられ、
前記凹部の底面上には導電性を有する複数の球状弾性体が分散して配置され、
前記光電子部品が前記球状弾性体を押圧した状態で前記導波路基板に固定されていることを特徴とする光モジュール。
(付記8) 光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、
前記導波路基板の電極部に集中して前記球状弾性体を配置し、
前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする光モジュールの製造方法。
(付記9) 前記導波路基板の前記電極部に集中して前記球状弾性体を配置する際には、
前記導波路基板上に複数の電極が形成されている場合には、前記電極部間に前記導波路基板上に突出する凸部を形成し、前記導波路基板上に前記球状弾性体を分散させ、前記凸部によって隔離された前記電極部に前記球状弾性体を配置することを特徴とする付記8記載の光モジュールの製造方法。
(付記10) 前記凸部上に残存する前記球状弾性体は接着面を有する部材を用いて除去することを特徴とする付記9記載の光モジュールの製造方法。
(付記11) 前記凸部は、前記導波路基板上に突出する高さが前記球状弾性体の直径より小さく直径の半値より大きいことを特徴とする付記9記載の光モジュールの製造方法。
(付記12) 前記凸部は、絶縁材料で形成されていることを特徴とする付記9記載の光モジュールの製造方法。
(付記13) 前記導波路基板の前記電極部に集中して前記球状弾性体を配置する際には、
前記電極部に接着剤を塗布し、前記導波路基板上に前記球状弾性体を分散させ、前記接着剤に前記球状弾性体を接着させて配置することを特徴とする付記8記載の光モジュールの製造方法。
(付記14) 光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、
前記導波路基板上の前記電極部を除く領域を保護するマスクを形成し、
前記マスクが形成された前記導波路基板上に前記球状弾性体を含有する第1の接着剤を塗布し、
前記マスクを除去し、
前記導波路基板上に第2の接着剤を塗布し、
前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とを硬化して前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする光モジュールの製造方法。
(付記15) 前記第1の接着剤の粘度が、前記第2の接着剤の粘度に等しいかまたは前記第2の接着剤の粘度より高いことを特徴とする付記14記載の光モジュールの製造方法。
(付記16) 前記マスクを除去した後に、
前記第1の接着剤を半硬化し、前記第1の接着剤を半硬化した前記導波路基板上に第2の接着剤を塗布することを特徴とする付記14記載の光モジュールの製造方法。
(付記17) 前記第1の接着剤に熱硬化型樹脂を用い、前記第2の接着剤に紫外線硬化型樹脂を用いることを特徴とする付記14記載の光モジュールの製造方法。
(付記18) 前記第1の接着剤に紫外線硬化型樹脂を用い、前記第2の接着剤に熱硬化型樹脂を用いることを特徴とする付記14記載の光モジュールの製造方法。
(付記19) 前記第1の接着剤および前記第2の接着剤に熱硬化型樹脂を用いた場合には、
前記第1の接着剤を加熱することによって半硬化し、
前記第1の接着剤を半硬化した前記導波路基板上に前記第2の接着剤を塗布し、
前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とを前記第1の接着剤を半硬化したときの温度よりも高い温度で加熱することによって硬化して前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする付記14記載の光モジュールの製造方法。
(付記20) 光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続された光モジュールにおいて、
前記導波路基板の電極部に集中して前記球状弾性体が配置され、
前記球状弾性体を介して前記光電子部品が前記導波路基板に電気的に接続されていることを特徴とする光モジュール。
(付記21) 前記導波路基板上に複数の電極が形成されていて、前記電極部間に前記導波路基板上に突出する凸部が形成されていることを特徴とする付記20記載の光モジュール。
(付記22) 前記導波路基板と前記光電子部品との間に接着剤として機能する2種以上の樹脂が充填されていることを特徴とする付記20記載の光モジュール。
(付記23) 前記導波路基板に形成された前記光導波路と前記光電子部品との間の光路となる部分に、光学接着剤として機能する樹脂が用いられていることを特徴とする付記22記載の光モジュール。
Claims (23)
- 光導波路が形成された導波路基板上の凹部に光電子部品が搭載され、前記凹部の底面上の電極と前記光電子部品の底部の電極とが電気的に接続される光モジュールの製造方法において、
前記導波路基板の前記凹部の底面上に導電性を有する複数の球状弾性体を分散させて配置し、
前記凹部に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする光モジュールの製造方法。 - 前記導波路基板の前記凹部の底面には、その前記光導波路における光の伝播方向の両端部に、前記球状弾性体の直径以上の幅を有する溝があらかじめ設けられることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記凹部の底面、および前記光電子部品の底部にそれぞれ複数の前記電極が設けられている場合、前記凹部に配置される前記球状弾性体の直径は、隣接する前記電極間の間隔より小さいことを特徴とする請求の範囲第1項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記球状弾性体は、弾性を有する球状の有機物が導電性の金属で被覆されてなることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記光電子部品と前記導波路基板とは光学接着剤によって固着されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記光電子部品は、導電性の基板上に電気光学効果を有する材料によって形成された光導波路と、前記光導波路に対して前記基板に対向して設けられた1つまたは複数のプリズム型電極とを有する光偏向素子であり、
前記光偏向素子は、前記プリズム型電極を前記凹部の底面側に向けて、前記光偏向素子上の光導波路と前記導波路基板の光導波路との位置合わせを行った状態で前記導波路基板に固定されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光モジュールの製造方法。 - 導波路基板上に光電子部品が搭載された光モジュールにおいて、
前記導波路基板上には前記光電子部品を配設する凹部が設けられ、前記凹部の底面上には電極が設けられ、
前記光電子部品の底部には前記凹部の底面上に設けられた電極に対応する電極が設けられ、
前記凹部の底面上には導電性を有する複数の球状弾性体が分散して配置され、
前記光電子部品が前記球状弾性体を押圧した状態で前記導波路基板に固定されていることを特徴とする光モジュール。 - 光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、
前記導波路基板の電極部に集中して前記球状弾性体を配置し、
前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする光モジュールの製造方法。 - 前記導波路基板の前記電極部に集中して前記球状弾性体を配置する際には、
前記導波路基板上に複数の電極が形成されている場合には、前記電極部間に前記導波路基板上に突出する凸部を形成し、前記導波路基板上に前記球状弾性体を分散させ、前記凸部によって隔離された前記電極部に前記球状弾性体を配置することを特徴とする請求の範囲第8項記載の光モジュールの製造方法。 - 前記凸部上に残存する前記球状弾性体は接着面を有する部材を用いて除去することを特徴とする請求の範囲第9項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記凸部は、前記導波路基板上に突出する高さが前記球状弾性体の直径より小さく直径の半値より大きいことを特徴とする請求の範囲第9項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記凸部は、絶縁材料で形成されていることを特徴とする請求の範囲第9項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記導波路基板の前記電極部に集中して前記球状弾性体を配置する際には、
前記電極部に接着剤を塗布し、前記導波路基板上に前記球状弾性体を分散させ、前記接着剤に前記球状弾性体を接着させて配置することを特徴とする請求の範囲第8項記載の光モジュールの製造方法。 - 光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続される光モジュールの製造方法において、
前記導波路基板上の前記電極部を除く領域を保護するマスクを形成し、
前記マスクが形成された前記導波路基板上に前記球状弾性体を含有する第1の接着剤を塗布し、
前記マスクを除去し、
前記導波路基板上に第2の接着剤を塗布し、
前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とを硬化して前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする光モジュールの製造方法。 - 前記第1の接着剤の粘度が、前記第2の接着剤の粘度に等しいかまたは前記第2の接着剤の粘度より高いことを特徴とする請求の範囲第14項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記マスクを除去した後に、
前記第1の接着剤を半硬化し、前記第1の接着剤を半硬化した前記導波路基板上に第2の接着剤を塗布することを特徴とする請求の範囲第14項記載の光モジュールの製造方法。 - 前記第1の接着剤に熱硬化型樹脂を用い、前記第2の接着剤に紫外線硬化型樹脂を用いることを特徴とする請求の範囲第14項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記第1の接着剤に紫外線硬化型樹脂を用い、前記第2の接着剤に熱硬化型樹脂を用いることを特徴とする請求の範囲第14項記載の光モジュールの製造方法。
- 前記第1の接着剤および前記第2の接着剤に熱硬化型樹脂を用いた場合には、
前記第1の接着剤を加熱することによって半硬化し、
前記第1の接着剤を半硬化した前記導波路基板上に前記第2の接着剤を塗布し、
前記導波路基板に前記光電子部品を配設して押圧し、前記導波路基板と前記光電子部品との位置合わせを行った状態で、前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とを前記第1の接着剤を半硬化したときの温度よりも高い温度で加熱することによって硬化して前記光電子部品を前記導波路基板に固定する、
ことを特徴とする請求の範囲第14項記載の光モジュールの製造方法。 - 光導波路が形成された導波路基板の電極と光電子部品の電極とが導電性を有する球状弾性体を介して電気的に接続された光モジュールにおいて、
前記導波路基板の電極部に集中して前記球状弾性体が配置され、
前記球状弾性体を介して前記光電子部品が前記導波路基板に電気的に接続されていることを特徴とする光モジュール。 - 前記導波路基板上に複数の電極が形成されていて、前記電極部間に前記導波路基板上に突出する凸部が形成されていることを特徴とする請求の範囲第20項記載の光モジュール。
- 前記導波路基板と前記光電子部品との間に接着剤として機能する2種以上の樹脂が充填されていることを特徴とする請求の範囲第20項記載の光モジュール。
- 前記導波路基板に形成された前記光導波路と前記光電子部品との間の光路となる部分に、光学接着剤として機能する樹脂が用いられていることを特徴とする請求の範囲第22項記載の光モジュール。
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