JPWO2003074691A1 - 細胞およびリポソームの固定化体とその固定化方法 - Google Patents

細胞およびリポソームの固定化体とその固定化方法 Download PDF

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Abstract

細胞の種類に関わらず、浮遊細胞やリン脂質小胞等を固相表面に固定化する安価で簡便な方法として、疎水性鎖と親水性鎖を持つ担体に細胞を接触させて細胞を固定化する。

Description

技術分野
この出願の発明は、細胞およびリポソームを担体に固定化した固定化体とその固定化のための方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は細胞およびリポソームを速やかに固定化することのできる新しい固定化体とそのための簡便で汎用性の高い方法に関するものである。
背景技術
近年、ゲノムの解析によって膨大な遺伝子情報が明らかにされつつある。また、遺伝子の機能や遺伝子情報と蛋白質の関係についても解明されはじめ、これらの知見を元に、細胞や微生物の機能を利用した微量分析用センサーやマイクロリアクター等の細胞デバイスが盛んに研究されている。
一方、細胞が各部位に応じた三次元構造を構築できることは古くから知られているが、近年、このような細胞の高次な組織形成能に関する研究が進められている。細胞の高次な組織形成機構が解明され、その再現や制御が可能になれば、従来の合成材料による人工組織や人工臓器に比べ生体適合性が高い各種代替組織の生産が可能となることから、この技術は移植医療の面からも注目される。
また、最近、癌や白血病の治療法として造血幹細胞移植法が注目されているが、入手可能な造血幹細胞の量が極端に少ないことから、造血幹細胞の大量増殖技術が研究されている。
これらの細胞デバイスの構築、細胞の高次組織形成機構の解明、および造血幹細胞の増殖等の技術においては、高密度で細胞を固定化することが重要であり、その方法として様々なものが提案されている。
例えば、古くから知られている方法としては、接着細胞を担体に固定する方法がある。最近では、接着細胞が接着できない担体、あるいは接着できないように処理した担体等を用いて細胞接着部位を限定し、マイクロアレイ化する技術も報告されている。例えばShuguang Zhang et al.,Biomaterials 20,1213−1220,1999には、金箔表面にポリエチレングリコール(PEG)とPEG−細胞接着ペプチドを、チオールを介して固定化することにより、PEGを固定化した部位には細胞が接着せず、PEG−細胞接着ペプチドを固定化した部位には細胞が接着するようになることが報告されている。また、Junaid Ziauddin et al.,Nature 411(6833)107−110,2001には、DNAとゼラチンの混合液をスライドガラス上にアレイ状にスポットし、その上に接着細胞を添加、接触させた際に、細胞とゼラチンの結合が起こった場所では細胞が同所に混在する遺伝子を取り込み、一過性遺伝子発現細胞のアレイ体が形成できることが報告されている。
しかし、以上のような細胞の固定化方法は、いずれも疎水性担体やコラーゲンコーティング担体に接着する性質を有する接着細胞に関するものであり、血球細胞や造血幹細胞、または一部の癌細胞等の浮遊細胞や細菌、あるいはリン脂質小胞体等を固定化する方法はほとんど知られていなかったのが実情である。
浮遊細胞や細菌を生きた状態で固定化するための汎用性の高い技術が確立されれば、医療分野や研究対象として有用性が高い。
また、皮膚等の再生医療へは、現在のところコラーゲン等のスキャホールド(足場)やコーティングに接着細胞を固定化する方法が適用されているが、接着、増殖までには長時間を要する上、重力に逆らって細胞を固定化させることは難しいのが実情である。
したがって、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解決し、細胞の種類に関わらず、浮遊細胞、細菌、リン脂質小胞体等を固相表面に固定化した固定化体を提供し、またそれらを得るための安価で簡便な固定化方法を提供することを課題としている。
発明の開示
この出願の発明は、以上のとおりの課題を解決するものとして、まず、第1には、疎水性鎖と親水性鎖を持つ担体に細胞が固定化されていることを特徴とする細胞固定化体を提供する。
また、この出願の発明は、第2には、担体が担体本体に結合された固定化剤を有していることを特徴とする上記の細胞固定化体を提供する。
第3には、この出願の発明は、固定化剤が疎水性鎖と親水性鎖が結合してなる化合物である前記いずれかの細胞固定化体を提供する。
この出願の発明は、第4には、固定化剤における疎水性鎖が置換基を有していてもよい飽和または不飽和の炭化水素鎖、細胞膜を構成する脂質および複合脂質鎖からなる群より選択される少なくとも一種のものである細胞固定化体を、また、第5には、固定化剤における疎水性鎖が炭素数6〜22の範囲の飽和または不飽和の炭化水素鎖からなる群より選択される少なくとも一種のものである細胞固定化体を提供する。
また、この出願の発明は、第6には、固定化剤における親水性鎖が蛋白質、オリゴヌクレチオド、グリコール酸と乳酸とP−ジオキサンの各々の誘導体の重合体または共重合体、オリゴペプチド、ポリペプチド、ポリアミド、ポリアルキレングリコール、および多糖類からなる群より選択される少なくとも一種である細胞固定化体を提供する。
さらに、この出願の発明は、第7には、固定化剤における親水性鎖がポリエチレングリコールである細胞固定化体を、第8には、固定化剤における親水性鎖が官能基を有するものである細胞固定化体を、第9には、固定化剤における親水性鎖が末端に活性エステル基を有するものである細胞固定化体を提供する。
さらに、第10には、この出願の発明は、固定化剤がポリエチレンオキシド−オレイルエーテル−N−ヒドロキシサクシンイミドエステルである細胞固定化体を提供する。
そして、この出願の発明は、第11には、上記第2ないし第10のいずれかの発明の細胞固定化体において、固定化剤が担体本体に吸着された固定化剤結合性物質を介して固定化されていることを特徴とする細胞固定化体を提供し、第12には、固定化剤結合性物質が蛋白質、ペプチド、シランカップリング剤、官能基を有するポリマーのうちの少なくとも一種である細胞固定化体を提供する。
この出願の発明は、第13には、遺伝子が導入されていることを特徴とする前記いずれかの細胞固定化体を提供する。
さらに、第14には、この出願の発明は、上記第1ないし第12の発明のいずれかの細胞固定体の形成のための方法であって、疎水性基と親水性基を持つ担体に細胞を接触させて固定化することを特徴とする細胞固定化方法を提供する。
この出願の発明は、第15には、前記第13の発明の細胞固定化体の形成のための方法であって、疎水性基と親水性基を持つ担体に遺伝子含有液を接触させ、乾燥固化した後、細胞を接触させて固定化することを特徴とする細胞固定化体への遺伝子導入方法を提供する。
また、この出願の発明は、第16には、前記いずれかの細胞固定化体に培養用培地を接触させ、細胞を培養することを特徴とする細胞固相培養方法を提供する。
第17には、この出願の発明は、疎水性鎖と親水性鎖を持つ担体にリポソームが固定化されていることを特徴とするリポソーム固定化体を提供し、第18には、担体が担体本体に結合された固定化剤を有していることを特徴とするリポソーム固定化体を提供する。
この出願の発明は、第19には、固定化剤が疎水性鎖と親水性鎖が結合してなる化合物であるリポソーム固定化体を、第20には、固定化剤における疎水性鎖が置換基を有していてもよい飽和または不飽和の炭化水素鎖、細胞膜を構成する脂質および複合脂質鎖からなる群より選択される少なくとも一種のものであるリポソーム固定化体を、そして、第21には、固定化剤における疎水性鎖が炭素数6〜22の範囲の飽和または不飽和の炭化水素鎖からなる群より選択される少なくとも一種のものであるリポソーム固定化体を提供する。
第22には、この出願の発明は、固定化剤における親水性鎖が蛋白質、オリゴヌクレオチド、グリコール酸と乳酸とp−ジオキサンの各々の誘導体の重合体または共重合体、オリゴペプチド、ポリペプチド、ポリアルキアミド、ポリアルキレングリコール、および多糖類からなる群より選択される少なくとも一種であるリポソーム固定化体を提供する。
さらに、この出願の発明は、第23には、固定化剤における親水性鎖がポリアルキレングリコールであるリポソーム固定化体を、第24には、固定化剤における親水性鎖が官能基を有するものであるリポソーム固定化体を、そして、第25には、固定化剤における親水性鎖が末端に活性エステル基を有するものである前記いずれかのリポソーム固定化体を提供する。
この出願の発明は、第26には、固定化剤がポリエチレンオキシド−オレイルエーテル−N−ヒドロキシサクシンイミドエスチルである前記のリポソーム固定化体を提供する。
そして、この出願の発明は、第27には上記第18ないし第26のいずれかの発明のリポソーム固定化体において、固定化剤が、担体本体に吸着された固定化剤結合性物質を介して固定化されていることを特徴とするポリソーム固定化体を提供し、第28には固定化剤結合性物質が蛋白質、ペピチド、シランカップリング剤、官能基を有するポリマーのうちの少なくとも一種のうちのリポソーム固定化体をも提供する。
さらにこの出願の発明は、第29には、上記いずれかのリポソーム固定化体の形成のための方法であって、疎水性基と親水性基を持つ担体にリポソームを接触させて固定化することを特徴とするリポソーム固定化方法を提供する。
発明を実施するための最良の形態
この出願の発明において、細胞およびリポソームの固定化とは、細胞やリポソームを、担体に、たとえば固定化剤を介して結合させることをいい、この出願の発明の固定化方法は、担体、たとえば担体本体に固定化剤を結合させた後、得られた固定化剤結合担体に細胞またはリポソームを接触させて細胞やリポソームを固定化するというものである。
ただし、この出願の発明において、「細胞」とは、一般に培養器具等の担体表面に接着・伸展せず、懸濁または沈殿状態で増殖する「浮遊細胞」と呼ばれるもの(例えば血球細胞)や、担体表面に接着・伸展する「接着細胞」をEDTA−トリプシン、ディスパーゼ等の適当な分散剤で担体から分散させ、一時的に浮遊させたもの(例えばEDTA液で担体から剥離した線維芽細胞)、および担体に接着した状態の細胞を含む。また、細菌、ウィルス、オルガネラ、細胞壁を除去した植物細胞(プロトプラスト)等の表面にリン脂質二重膜を有する生命体も含まれる。この出願の発明において、「リポソーム」とは、生命体以外のリン脂質膜を有する小胞体を含む。リン脂質膜の内部には各種の物質を包含していてもよい。すなわち、この出願の発明の固定化方法では、浮遊細胞や一時的に浮遊させた細胞等を担体に固定化できるだけでなく、担体に接着している細胞を別の担体に細胞固定剤を介して固定化させたり、生命体以外のリン脂質小胞体と細胞を同時に、かつ同一の担体に固定化させたりすることもできる。
図1にこの出願の発明の細胞およびリポソームの固定化方法の概念を示した。まず、この出願の発明では、担体本体(1)の表面に固定化剤(3)を結合する。このとき、担体本体(1)は、液体や気体ではなく、人為的に操作できる物質であって、細胞が共存できる溶液中において不溶のものであればどのようなものでもよい。例えばプラスチック、樹脂、高分子、有機物、ガラス、金属等が例示される。さらに、このような担体本体(1)は基板状であっても、コロイド状や粒子状であってもよい。
この出願の発明の細胞およびリポソームの固定化方法では、担体本体(1)が固定化剤(3)と結合可能な官能基を有するものであれば、固定化剤(3)は直接担体本体(1)に結合される。一方、担体本体(1)が固定化剤(3)と結合できる官能基を有さない場合には、固定化剤(3)とそのような官能基を有する結合性物質(2)を担体本体(1)表面に物理吸着させ、この結合性物質(2)と固定化剤(3)を化学結合させればよい。
このとき、担体本体(1)としては、シリコンチェンバー、ガラス板、アクリル板等各種のものが例示される。また、結合性物質(2)としては、ウシ血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン、コラーゲン等を使用することができる。さらに、固定化剤(3)は、担体本体(1)(または結合性物質(2))とも細胞膜(またはリン脂質膜)(41)とも結合できる化合物であればよく、具体的には、疎水性鎖(31)と親水性鎖(32)を有する化合物として表される。
疎水性鎖(31)は、単鎖であっても複数鎖であってもよく、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の炭化水素鎖や複合脂質鎖から適宜選択される。たとえば、炭素数6〜22の範囲の飽和または不飽和の炭化水素鎖であって、ミリスチル基(C14)、パルミチル基(C16)、ステアリル基(C18)等の飽和アルキル基やオレイル基(CH(CHCH=CH(CH)、等の不飽和炭化水素等が例示され、なかでも、リノール基、リノレイル基等も含めた炭素数14〜18のものが好適なものとして例示される。さらにリン脂質が例示される。さらに、これらの疎水性鎖は、N、S、O等のヘテロ原子や置換基を有していてもよい。なかでも生体膜を構成するリン脂質の一部であるオレイル基は好ましいものである。
一方、親水性鎖(32)は、蛋白質、オリゴペプチド、ポリペプチド、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、およびデキストラン等の多糖類、あるいはグリコール酸誘導体や乳酸誘導体、p−ジオキサン誘導体の重合体や共重合体等から選択される。中でもポリエチレングリコール(PEG)は生体適合性があり好ましい。このような親水性鎖(32)は、さらに、官能基を有していたり、化学修飾されていてもよく、たとえば末端にコハク酸を結合してカルボキシル基としたり、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)等の活性エステル基を有していてもよい。このように親水性鎖(32)を化学修飾することにより、固定化剤(3)と担体本体(1)あるいは固定化剤(3)と結合性物質(2)の結合性を制御することが可能となる。
以上より、この出願の発明において、固定化剤(3)として好ましい化合物を例示するならば、次式(I)
Figure 2003074691
で表されるポリエチレンオキシド−オレイルエール−N−ヒドロキシサクシンイミドエステルが挙げられる。ただし、このとき、PEGの分子量は限定されない。また、オキシアルキレン鎖の単位数としては3〜500のものが例示され、より好ましくは8〜300、さらに好ましくは 12〜200程度とすることにより、細胞およびリポソームが強固かつ安定に固定化される。
また、前記のとおり、固定化剤(3)を、結合性物質(2)を介して担体本体(1)に結合させる場合には、結合性物質(2)は、固定化剤(3)の親水性鎖(32)と結合できる官能基を有するものであればよい。例えばアミノ基、カルボキシル基、チオール基、水酸基、アルデヒド基等を有する物質が考慮される。
以上のとおりのこの出願の発明の細胞およびリポソームの固定化方法では、担体本体(1)表面には、結合性物質(2)を介しまたは介さずに、固定化剤(3)の親水性鎖(32)が結合し、固定化剤(3)の疎水性鎖(31)が、細胞膜またはリン脂質膜中(41)に取りこまれることにより、細胞やリポソーム(4)が固定化されるのである。
もちろん、この出願の発明において担体本体(1)そのものが疎水性鎖と親水性鎖を有していてもよいことは言うまでもない。この場合には、固定化剤そのものを用いる必要はない。
以上のとおりのこの出願の発明の細胞およびリポソームの固定化方法について、その手順を図2に例示した。もちろん、この出願の発明の細胞およびリポソームの固定化方法は、図2および以下に示されるものに限定されず、様々な態様が可能である。
(I)まず、シリコンチャンバー(11)等に培養皿(1)を導入し、ウシ血清アルブミン(BSA)(2)とリン酸緩衝液食塩水(PBS)を入れ、4〜37℃で10分〜48時間放置することにより培養皿(1)表面にBSA(2)を物理吸着させる。(このとき、培養皿(1)はガラス製、ポリスチレン製等、市販のものを適用できる。)培養皿表面をPBSで数回洗浄した後、
(II)3μM以上(例えば100mMまで)のOleyl−O−EG−NHS(3)のPBS溶液を添加し、室温で30秒〜1時間程度放置する。(このとき、Oleyl−O−PEG−NHS(3)を溶解するために、PBS溶液には有機溶媒が少量含まれていてもよい。)得られたOleyl−O−PEG固定化担体は、使用するまで溶液中または乾燥して保存できる。
(III)必要に応じて、PBS/PBS溶液をさらに添加し、室温で10分以上3時間程度放置してOleyl−O−PEG−NHS(3)が結合されなかった領域をBSA(2)でブロッキングする。(なお、このとき、さらに PEG−NHSを添加すれば、細胞(4)の非特異的吸着を抑制できる。(Shunguang Zhang et al.Biomaterials,Vol.20,1213−1220,1999))
(IV)細胞(4)をPBSまたは血清不含培養液に懸濁し、培養皿(1)に添加して室温で細胞が底面に沈むまで(例えば約1〜15分間)静置する。
(V)必要に応じて、培養皿(1)をPBSで洗浄すれば、細胞(4)がOleyl−O−PEG−NHS(3)とBSA(2)を介して担体(1)に固定化された細胞固定化担体が得られる。
この出願の発明では、また、任意の遺伝子が導入された細胞固定化体も提供される。このような細胞固定化体は、前記の方法により担体本体(1)の表面に、結合性物質(2)を介しまたは介さずに、固定化剤(3)を結合させた後、遺伝子を含有する溶液を接触させ、そこに前記の方法により細胞(4)を接触させることにより得られる。このとき、遺伝子を含有する溶液としては、市販の遺伝子導入試薬が適用できる。しかし、この出願の発明の遺伝子導入方法では、結合性物質(2)を介しまたは介さずに、固定化剤(3)を結合させた後、遺伝子導入試薬を添加し、これを乾燥固化させた後、この上に細胞(4)を接触させる点で、従来の細胞への遺伝子導入方法とは異なる。このような方法により、遺伝子の分散を防ぎながら細胞が遺伝子を取りこめるようになるため、所望の大きさ(例えば100μm〜1mm)の特定位置に種々の遺伝子が導入された細胞を固定化した遺伝子発現細胞のアレイ体を作製することができるのである。したがって、この出願の発明の遺伝子が導入された細胞固定化体を用いることにより、これまで接着細胞への適用に限定されていたCell−based microarrayを浮遊細胞に対しても行うことが可能となり、種々導入した遺伝子の性質を細胞での発現を通して分析できる。
この出願の発明では、さらに、以上のとおりの方法により固定化された細胞を培養する固相培養方法をも提供する。このような固相培養方法では、固定化された浮遊細胞を固定化された状態で通常の培養条件により増殖することが可能となる。したがって、例えば前記の方法により任意の細胞を導入された細胞固定化体を用いて遺伝子発現やその機能解析を固定化細胞の生存している状態で行うことが可能となる。
以下、実施例を示してこの出願の発明についてさらに詳細に説明する。もちろん、この出願の発明は以下の実施例に限定されるものではなく、様々な態様が可能であることはいうまでもない。
実 施 例
以下の実施例において、Oleyl−O−PEG−NHSおよびPEG−NHSはいずれも日本油脂株式会社より提供されたものを使用した。
1.浮遊細胞および接着細胞の固定化
<実施例1>
(1)Oleyl−O−PEG固定化担体の作製
ポリスチレン製培養皿に1%ウシ血清アルブミン(BSA(Fattyacid free,low endotoxin;Sigma))/リン酸緩衝液食塩水(PBS(GIBCO))水溶液を適量添加し、37℃で3時間放置し、BSAを培養皿に吸着させた。培養皿をPBSで数回洗浄し、化学式(I)に示されるOleyl−O−PEG(4000)−NHS(PEG Mw:4000Da、n=90)のPBS溶液(100μM)を添加して室温で1時間反応させた。
Figure 2003074691
培養皿をさらにPBSで数回洗浄し、Oleyl−O−PEG(4000)結合担体を得た。
得られた担体は、使用まで溶液中4℃で、あるいは乾燥して保存した。
(2)細胞の固定化
血清無添加培地(RPMI1640(日水製薬))に浮遊細胞(mousemyeloid 32D)1×10cells/mlを懸濁し、(1)で得たOleyl−O−PEG(4000)結合担体に適量添加して細胞が固相表面へ沈降するまで室温で15分程度静置した。
また、PBSで固相を洗浄し、Oleyl−O−PEG(4000)の非結合領域にある細胞を除去した。
(3)細胞固定化の確認
細胞をCalcein AM染色し、透過顕微鏡および蛍光顕微鏡で細胞の固定化を確認した。さらに、固定化細胞を70%EtOHで処理し、細胞を死滅させた後、Calcein AM染色し、同様に顕微鏡で細胞を観察した。
図3に透過顕微鏡および蛍光顕微鏡の画像を示した(I:明視野像、II:蛍光画像)。
図3より、32D細胞の固定化が確認された(図3A)。また、死滅させた細胞の画像(図3B)との比較により、固定化された細胞が生細胞であることが確認された。
<比較例1>
Oleyl−O−PEG(4000)−NHSの代わりにOleyl鎖を有さないPEG(5000)−NHSを用いて実施例1と同様の方法で32D細胞を固定化した。
顕微鏡明視野像を図4Bに示した。
Oleyl−O−PEG(4000)−NHSを用いた系(図4A)では、32D細胞が生きたまま固定化されていることが確認された。一方、Oleyl鎖を有さないPEG(5000)−NHSを用いた系(図4B)では、32D細胞の固定化が見られなかった。
これより、細胞の固定化においては、疎水性鎖(Oleyl鎖)が必要であることが示唆された。
<実施例2>
実施例1と同様の方法で、Oleyl−O−PEG(4000)の代わりにOleyl−O−PEG(8000)−NHS(PEG Mw:8000Da、n=180)を用いて固定化担体を作製し、32D細胞を固定化した。
<比較例2>
実施例2と同様の方法でBSAを培養皿に吸着させた後、Oleyl−O−PEG(8000)−NHSを添加せずに32D細胞溶液(1×10cells/ml)を直接添加して細胞が固相表面へ沈降するまで静置し、PBSで固相を洗浄した。
図5に実施例2および比較例2の顕微鏡明視野像を示した。
BSAにOleyl−O−PEG(8000)−NHSを結合させた系(図5A−I)では、固定化担体に細胞が固定化されることが確認された。一方、Oleyl−O−PEG(8000)−NHSを結合させない領域(図5A−II)では、細胞の固定化は見られなかった。
さらに、BSAを吸着させた後、Oleyl−O−PEG(8000)−NHSを結合せずに直接細胞を添加した場合には、細胞が固定化されないことが確認された(図5B)。これより、Oleyl−O−PEG−NHSがPEGの分子量に関わらず、細胞の固定化剤として有効であることが確認された。
<実施例3>
実施例1と同様の操作をOleyl−O−PEG(4000)−NHSの代わりにOleyl−O−PEG(2000)−NHS(PEG Mw:2000Da、n=40)を用いて行い、32D細胞を固定化した。
<比較例3>
BSAを吸着させることなく、Oleyl−O−PEG(2000)−NHSを直接培養皿に結合させた後、実施例1(2)と同様の操作により32D細胞を固定化した。
また、BSAを吸着させた後、Oleyl−O−PEG(2000)−NHSを介さずに直接32D細胞を固定化した。
さらに、BSAの吸着もOleyl−O−PEG(2000)−NHSの結合も行わずに、培養皿に直接32D細胞を沈着させた。
実施例3と比較例3によって得られた細胞固定化担体における細胞密度を測定し、図6に示した。
図6より、BSA吸着とOleyl−O−PEG(2000)−NHSの結合を行った場合(+/+)に細胞密度が最も高く、生細胞密度も多いことが確認された。一方、BSAを吸着させた後、Oleyl−O−PEG(2000)−NHSを介さずに直接32D細胞を固定化させた場合(+/−)には、細胞の固定化はほとんど見られず、確認された細胞もすべて死細胞であった。
これより、生細胞を高い細胞密度で担体に固定化するためには、固定化剤を用いることが効果的であり、とくにBSAを担体表面に吸着させた後に固定化剤としてOleyl−O−PEG(2000)−NHSを結合させ、細胞を固定化する方法が高い効果を示すことが確認された。
<実施例4>
実施例2と同様の方法で、固定化担体を作製し、32D細胞の代わりに1×10cells/mlヒト白血病細胞(K562)懸濁液によりK562細胞を固定化した。
<比較例4>
また、実施例4と同様の方法でBSAを培養皿に吸着させ、Oleyl−O−PEG(8000)−NHSを添加せずにK562細胞溶液(1×10cells/ml)を添加して細胞が固定化担体表面へ沈降するまで静置し、PBSで固相を洗浄した。
図7に実施例4および比較例4の顕微鏡明視野像を示した。
図7より、BSAにOleyl−O−PEG(8000)−NHSが結合した固定化担体に生細胞が固定化されることが確認された(図7A)。一方、BSAを吸着させた後にOleyl−O−PEG(8000)−NHSを結合しない場合には、細胞が固定化されないことが確認された(図7B)。
これより、本願発明の細胞固定化方法がヒト細胞にも適用できることが確認された。
<実施例5>
実施例1と同様の方法で、Oleyl−O−PEG(4000)−NHS(PEG Mw:4000Da、n=90)を用いて固定化担体を作製し、非接着細胞として、ヒトB細胞リンパ腫DaudiおよびヒトT細胞リンパ腫Jurkatを各々固定化した。
同様に、接着細胞として、マウス線維芽細胞NIH3T3、ヒト胚性腎臓細胞HEK293、および129SV系統由来マウスES細胞を固定化した。
非接着細胞および接着細胞のいずれにおいても、数分以内に固定化担体表面への固定化が起こった。したがって、本願発明の細胞固定化方法により、細胞本来の特性による接着に依存しない固定化が可能となることが確認された。
図8に実施例5の顕微鏡明視野像を示した。細胞添加量が少なかった場合には疎な固定化数となった(図8C)ものの、いずれの細胞についても、固定化が確認された。また、Oleyl−O−PEG(4000)−NHSを直径約500μmの円形に結合させた場合には、対応する円形に細胞が固定化された(図8D)。これより、本願発明の方法により接着細胞についても細胞本来の特性に依存しない、所望の位置への固定化が可能となることが確認された。
2.細胞への遺伝子導入
<実施例6>
実施例5と同様の方法で、Oleyl−O−PEG(4000)−NHSを用いて固定化担体を作製し、その表面に以下の遺伝子混合液を少量(約0.1〜1μL)スポットし、乾燥固化させた。
その上に、PBSまたは無血清RPMI1640培地で懸濁した細胞を添加し、室温で30分静置して細胞を固定化した。固定化されなかった細胞をPBSで洗浄し、除去した後、培養液を10%FBS添加RPMI1640培に置換し、37℃で24〜72時間培養した。
Figure 2003074691
図9に培養から48時間後の細胞の顕微鏡明視野像と蛍光画像を重ね合わせた画像を示した。遺伝子混合液をスポットした部分にのみ赤色蛍光蛋白質の蛍光が観察されたことから、本願発明の遺伝子導入方法により、市販の遺伝子導入試薬を用いて細胞の固定化と遺伝子導入を同時に行うことができることが確認された。
この方法では、遺伝子混合液を乾燥固化することにより、Oleyl−O−PEG上にスポットした遺伝子混合液が拡散せず、また、遺伝子混合液をスポットした位置に固定化された細胞は、遺伝子を細胞内に取り込めることが明らかになった。
3.細胞の固相培養
<実施例7>
PBSに懸濁したマウス骨髄性白血病細胞32D及びヒト赤白血病細胞K562をOleyl−O−PEG(4000)−NHSスポット(直径約1mm)上に1/3コンフルエント量程度(およそ3000cells/mm)添加し、室温で10分間静置して細胞を固定化した。その後、PBSで洗浄し、固定化されていない細胞を除去した。10%FBS添加RPMI1640培地に置換し、固定化された細胞を37℃で一定期間培養した。
図10に各固定化細胞の培養期間毎の顕微鏡明視野像(および蛍光画像)を示した。
32D細胞を3日間培養したところ、Oleyl−O−PEG(4000)−NHSスポット上のみでコンフルエントまで細胞が増殖していることが確認された。また、K562細胞についても、同様に、3日間の培養によりOleyl−O−PEG(4000)−NHSスポット上のみでコンフルエントまで増殖していることが確認された。いずれの細胞でも、4日目までの生存が確認された。
さらに培養を続け、7日間培養された細胞の生存率をCalceinAMを用いて調べたところ、固定化されているすべての細胞の生存が確認できた。7日間の培養後にはOleyl−O−PEG(90)−NHSスポット以外への非特異吸着的な細胞の接着も観察されたが、これはK562細胞の性質によるものであり、Oleyl−O−PEG−NHS固定化に起因する現象ではなかった。また、7日間培養した固定化K562では、分化やアポトーシスも観察されなかった。
K562は未分化細胞であり、mitogen−activated protein(MAP)系シグナルやProtein kinase C(PKC)及びカルシウム系シグナルにより、それぞれ赤芽球や巨核球に分化することが知られている。しかし、分化もアポトーシスも見られなかったことから、MAP系、PKC及びカルシウム系シグナル、あるいはアポトーシス関連シグナルが本願発明の固定化方法により影響されないことが示された。
<実施例8>
Enhanced green fluorescence protein(EGFP)発現ベクターのpME−EGFPと赤色蛍光蛋白質遺伝子発現ベクターのpDsRed2−N1(Clontech)の2種類の遺伝子について遺伝子混合液を調製し、固定化担体とした同一容器内表面に、約500μm離して各々スポットした(直径:約1mm、混合液量:約0.3μl)。遺伝子発現細胞が、各々定義された位置にのみに固定化されるか、あるいは、発現細胞が分散して別のスポット上に移動するクロスコンタミネーションが起こるかを調べた。
図11に培養開始48時間後の各スポットの蛍光画像と明視野像を示した。これより、2種類の遺伝子がそれぞれ定義されたスポット上にのみ固定化されていることが確認され、本願発明の細胞の固相培養方法においてクロスコンタミネーションが起こらないことが示された。
<実施例9>
Oleyl−O−PEG(4000)−NHSを用いて固定化担体を作製し、その表面にpDsRed2−N1遺伝子混合液をスポットし、その上にさらにHEK293を固定化した。この固定化HEK293細胞の上に、次のゲル溶液を添加し(ゲル化後の厚さ500μm程度となるように)、37℃で30分間加温し、ゲル化させた。
Figure 2003074691
得られたゲルの上に10%FBS添加DMEMを適量添加し、COインキュベーター内において37℃で72時間加温培養した。
図12に、固定化HEK293細胞の共焦点蛍光三次元画像と共焦点三次元透過像を示した。これより、ゲル中で固定化された細胞についても増殖が可能であり、遺伝子スポット上に固定化された細胞では赤色蛍光蛋白質が発現していることが確認された。
<実施例10>
Oleyl−O−PEG表面上でsmall interfering RNA(siRNA)を細胞に導入しながら固定化した。
まず、Oleyl−O−PEG(8000)−NHS(PEG Mw:8000Da、n=180)を用いて固定化担体を作製した後、次に示したsiRNA混合液を0.1〜1μLスポットし、乾燥固化させた。
その上に無血清RPMI1640培地で懸濁したK562細胞を添加し、4℃で10分間静置して固定化させた。PBSで固定化されなかった細胞を洗浄除去した後、培地を10%FBS添加RPMI1640に置換し、37℃で4時間、COインキュベーター内で加温し、その後共焦点レーザースキャニング顕微鏡で観察した。
Figure 2003074691
図13に共焦点明視野像、共焦点蛍光画像、およびこれらの像を重ね合わせた像を示した。siRNA混合液スポット上に内部に蛍光が観察される細胞が見られたことから、本願発明の方法を応用することにより、特定位置に固定化した細胞にのみsiRNAを導入できることが示された。
4.リポソームの固定化
<実施例11>
(1)フルオレセイン封入リポソームの調製
カチオニックリポソーム(EL−C−01;日本油脂製)、弱負電荷リポソーム(EL−N−01;日本油脂製)、およびアニオニックリポソーム(EL−A−01;日本油脂製)をそれぞれ個別のバイアルに入れ、各バイアルに0.2mMの5−(aminomethyl)−fluorescenin(蛍光物質)を2mlずつ添加し、PBSでPD−10(アマシャムファルマシア)バイオテクを用いてゲルろ過して3種類のフルオレセイン封入リポソームを調製した。
各リポソーム懸濁液における脂質量は0.0125mmol/mlとした。
(2)Oleyl−O−PEG(4000)固定化担体の調製
MatTek製ガラスボトムディッシュ(No.0、ノンコート)のガラス部分に1%BSAを0.1ml添加し、4℃で一晩放置した。PBSで3回洗浄した後、0.1mMのOleyl−O−PEG(4000)−NHSを0.1ml添加し、室温で1時間放置した後PBSで洗浄した。
(3)リポソームの固定化
3枚のOleyl−O−PEG(4000)固定化ガラスボトムディッシュに各フルオレセイン封入リポソームを0.1mlずつ添加し、室温で15分間放置した。PBSで4回洗浄した後、PBSを1ml添加した。
これらを共焦点レーザー走査顕微鏡で観察した。
<比較例5>
実施例5と同様の方法で、ガラスボトムディッシュにBSAを吸着した後、Oleyl−O−PEG(4000)を結合せずに直接リポソームを固定化し、同様に評価した。
実施例5および比較例5の顕微鏡像を図14に示した。
カチオニックリポソーム(図14A)、弱負電荷リポソーム(図14B)、およびアニオニックリポソーム(図14C)のいずれのリポソームもOleyl−O−PEG(4000)を用いた場合(図14I)に固定化されることが確認された。
一方、Oleyl−O−PEG(4000)を結合せずにBSAを吸着したガラスボトムディッシュに直接リポソームを添加した場合には、いずれのリポソームも固定化されなかった(図14II)。
5.大腸菌の固定化
<実施例12>
実施例1と同様にして、Oleyl−O−PEG(2000)を用いて固定化担体を作製し、その表面にGST−EGFP発現大腸菌を固定化した。
図15(A)は、その結果を明視野像と蛍光画像の重ね合わせ像として示したものであり、図15(B)は蛍光画像を示したものである。
これにより大腸菌の固定化が確認された。
産業上の利用可能性
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明により、生細胞やリポソームを高い細胞密度で担体に固定化する簡便な方法が提供される。この発明の細胞およびリポソームの固定化方法は、接着細胞だけでなく、浮遊細胞やリン脂質小胞体にも適用できる汎用性の高い方法である。また、この出願の発明により、担体に固定化された細胞に遺伝子を導入する方法や固定化された細胞を培養する方法も提供される。これらの方法を適用することにより、細胞センサーや細胞マイクロアレイ、マイクロリアクター等の細胞デバイスの構築や、細胞の高次組織形成機構の解明や再生医療、造血幹細胞の増殖等が可能となることから、この出願の発明は、多くの分野において有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
図1は、この出願の発明の細胞およびリポソームの固定化方法の概念を表す概略模式図である。(1:担体本体、2:結合性物質、3:固定化剤、31:疎水性鎖、32:親水性鎖、4:細胞またはリポソーム、41:細胞膜またはリン脂質膜)
図2は、この出願の発明の細胞およびリポソームの固定化方法の手順を例示した概略模式図である。(1:担体本体(培養皿)、11:シリコンチャンバー、2:結合性物質(BSA)、3:固定化剤(Oleyl−O−PEG−NHS)、31:疎水性鎖、32:親水性鎖、4:細胞またはリポソーム、41:細胞膜またはリン脂質膜)
図3は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化した32D細胞と70%EtOHで処理し、死滅させた32D細胞をCalcein AM染色した透過顕微鏡および蛍光顕微鏡の画像を示す写真である。(A:32D細胞、B:死滅細胞、I:顕微鏡明視野像、II:蛍光顕微鏡像)
図4は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化した32D細胞とOleyl鎖を有さないPEG(5000)を用いて固定化操作を行った32D細胞の顕微鏡明視野像を示す写真である。(A:BSA/Oleyl−O−PEG(4000)−NHS、B:BSA/PEG(5000))
図5は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化した32D細胞と、BSAを培養皿に吸着させた後、直接細胞の固定化操作を行った32D細胞の顕微鏡明視野像を示す写真である。(A:BSA/Oleyl−O−PEG(2000)−NHS領域(I)およびBSA領域(II)、B:BSA)
図6は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化した32D細胞と、BSAを吸着せずにOleyl−O−PEG(2000)−NHSを直接培養皿に結合させて固定化した32D細胞と、BSAを吸着させた後直接固定化させた32D細胞の細胞密度を示した図である。(黒:死細胞の数、白:生細胞の数)
図7は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化したヒト白血病細胞(K562)細胞とBSAを培養皿に吸着させた後、直接固定化操作を行ったK562細胞の顕微鏡明視野像を示す写真である。(A:BSA/Oleyl−O−PEG(2000)−NHS、B:BSA)
図8は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化した各種非接着細胞および接着細胞の光学顕微鏡明視野像を示す図である。(A:ヒトB細胞リンパ腫Daudi、B:ヒトT細胞リンパ腫Jurkat、C:マウス線維芽細胞NIH3T3、D:ヒト胚性腎臓細胞293、E:マウスES細胞)
図9は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により遺伝子導入と固定化を行ったK562細胞の顕微鏡明視野像と蛍光画像を重ね合わせた画像を示す図である。(A:遺伝子混合液をスポットしていない領域、B:遺伝子混合液をスポットした領域、全面:Oleyl−O−PEG−NHSを用いた固定化担体表面、1:K562細胞、2:遺伝子発現された赤色蛍光蛋白質DsRed2(赤色))
図10は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化を行った32D細胞およびK562細胞の培養期間毎の顕微鏡明視野像(および蛍光画像)を示す図である。(I:32D細胞、II:K562細胞、A:培養開始時、B:2日後、C:3日後、D:0日後、E:3日後、F:7日後の蛍光画像)
図11は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により約500μm離れた位置に固定化された2種類の遺伝子発現細胞の48時間後の蛍光画像と明視野像を示す写真である。各遺伝子発現細胞が定義された位置にのみ固定化され、クロスコンタミネーションが起こらないことを示す。(A:pDsRed2−N1、B:pME−EGFP、I:蛍光画像、II:明視野像)
図12は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法により固定化を行ったHEK293細胞をゲル包埋培養した際の共焦点3次元画像と共焦点3次元透過像を示す写真である。(A:共焦点3次元画像、B:共焦点3次元透過像)
図13は、この出願の発明の実施例において、本願発明の方法によりsiRNAの導入と細胞固定化を行ったHEK293細胞の共焦点明視野像、共焦点蛍光画像、およびそれらを重ね合わせた画像を示す写真である。(A:共焦点明視野像、B:共焦点蛍光画像、C:AとBを重ね合わせた画像)
図14は、この出願の発明の実施例として、固定化したリポソームと、BSAを培養皿に吸着させた後、直接固定化操作を行った比較のためのリポソームの顕微鏡明視野像を示す写真である。(A:カチオニックリポソーム、B:弱負電荷リポソーム、C:アニオニックリポソーム、I:BSA/Oleyl−O−PEG(4000)、II:BSA)
図15は、Oleyl−O−PEG(2000)固相化ガラス上に固定化したGST−EGFP発現大腸菌について示した、(A)明視野像と蛍光画像との重ね合わせ、(B)蛍光画像を示す写真である。

Claims (29)

  1. 疎水性鎖と親水性鎖を持つ担体に細胞が固定化されていることを特徴とする細胞固定化体。
  2. 担体は、担体本体に結合された固定化剤を有していることを特徴とする請求項1の細胞固定化体。
  3. 固定化剤は、疎水性鎖と親水性鎖が結合してなる化合物である請求項2の細胞固定化体。
  4. 固定化剤における疎水性鎖は、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の炭化水素鎖、細胞膜を構成する脂質および複合脂質鎖からなる群より選択される少なくとも一種である請求項3の細胞固定化体。
  5. 固定化剤における疎水性鎖は、炭素数6〜22の範囲の飽和または不飽和の炭化水素鎖からなる群より選択される少なくとも一種である請求項4の細胞固定化体。
  6. 固定化剤における親水性鎖は、蛋白質、オリゴヌクレチオド、グリコール酸と乳酸とP−ジオキサンの各々の誘導体の重合体または共重合体、オリゴペプチド、ポリペプチド、ポリアミド、ポリアルキレングリコール、および多糖類からなる群より選択される少なくとも一種である請求項2ないし5のいずれかの細胞固定化体。
  7. 固定化剤における親水性鎖は、ポリエチレングリコールである請求項6の細胞固定化体。
  8. 固定化剤における親水性鎖は、官能基を有する請求項6または7のいずれかの細胞固定化体。
  9. 固定化剤における親水性鎖は、末端に活性エステル基を有する請求項8の細胞固定化体。
  10. 固定化剤は、ポリエチレンオキシド−オレイルエーテル−N−ヒドロキシサクシンイミドエステルである請求項2の細胞固定化体。
  11. 請求項2ないし10のいずれかの細胞固定化体において、固定化剤は担体本体に吸着された固定化剤結合性物質を介して固定化されていることを特徴とする細胞固定化体。
  12. 固定化剤結合性物質は、蛋白質、ペプチド、シランカップリング剤、官能基を有するポリマーのうちの少なくとも一種である請求項11の細胞固定化体。
  13. 遺伝子が導入されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかの細胞固定化体。
  14. 請求項1ないし12のいずれかの細胞固定化体の形成のための方法であって、疎水性基と親水性基を持つ担体に細胞を接触させて固定化することを特徴とする細胞固定化方法。
  15. 請求項13の細胞固定化体の形成のための方法であって、疎水性基と親水性基を持つ担体に遺伝子含有液を接触させ、乾燥固化した後、細胞を接触させて固定化することを特徴とする細胞固定化体への遺伝子導入方法。
  16. 請求項1ないし13のいずれかの細胞固定化体に培養用培地を接触させ、細胞を培養することを特徴とする細胞固相培養方法。
  17. 疎水性鎖と親水性鎖を持つ担体にリポソームが固定化されていることを特徴とするリポソーム固定化体。
  18. 担体は担体本体に結合された固定化剤を有していることを特徴とする請求項17のリポソーム固定化体。
  19. 固定化剤は、疎水性鎖と親水性鎖が結合してなる化合物である請求項18のリポソーム固定化体。
  20. 固定化剤における疎水性鎖は、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の炭化水素鎖、細胞膜を構成する脂質および複合脂質鎖からなる群より選択される少なくとも一種である請求項19のリポソーム固定化体。
  21. 固定化剤における疎水性鎖は、炭素数6〜22の範囲の飽和または不飽和の炭化水素鎖からなる群より選択される少なくとも一種である請求項20のリポソーム固定化方法。
  22. 固定化剤における親水性鎖は、蛋白質、オリゴヌクレオチド、グリコール酸と乳酸とp−ジオキサンの各々の誘導体の重合体または共重合体、オリゴペプチド、ポリペプチド、ポリアルキアミド、ポリアルキレングリコール、および多糖類からなる群より選択される少なくとも一種である請求項19ないし21のいずれかのリポソーム固定化体。
  23. 固定化剤における親水性鎖は、ポリエチレングリコールである請求項22のリポソーム固定化体。
  24. 固定化剤における親水性鎖は、官能基を有する請求項22または23のいずれかのリポソーム固定化体。
  25. 固定化剤における親水性鎖は、末端に活性エステル基を有する請求項24のリポソーム固定化体。
  26. 固定化剤は、ポリエチレンオキシド−オレイルエーテル−N−ヒドロキシサクシンイミドエスチルである請求項18のリポソーム胞固定化体。
  27. 請求項18ないし26のいずれかのポリソーム固定化体において、固定化剤は、担体本体に吸着された固定化剤結合性物質を介して固定化されていることを特徴とするポリソーム固定化体。
  28. 固定化剤結合性物質は、蛋白質、ペプチド、シランカップリング剤、官能基を有するポリマーのうちの少なくとも一種である請求項27のリポソーム固定化体。
  29. 請求項17ないし28のいずれかのリポソーム固定化体の形成のための方法であって、疎水性基と親水性基を持つ担体にリポソームを接触させて固定化することを特徴とするリポソーム固定化方法。
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