JPWO2003037838A1 - 含フッ素ジエン化合物および含フッ素重合体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

屈折率が低く、耐熱性に優れた光学樹脂材料となりうる新規な含フッ素重合体、およびそのような含フッ素重合体を与える2個の不飽和結合を有する新規な含フッ素ジエン化合物を提供する。また、屈折率が低く、耐熱性に優れることにより、高性能な光伝送体およびプラスチック光ファイバを提供する。CF2=CFCF(ORf)CF2OCF=CF2[ただし、式中のRfは、トリフルオロメチル基などのペルフルオロアルキル基を表す]で表される含フッ素ジエン化合物、およびその含フッ素重合体。また、この含フッ素重合体を用いた光伝送体、および、この含フッ素重合体中に含フッ素低分子化合物を高屈折率化剤として含みコアを形成するプラスチック光ファイバ。

Description

<技術分野>
本発明は、不飽和結合を2個有する含フッ素ジエン化合物、及びその製造方法、並びに、含フッ素重合体、これを用いた含フッ素重合体溶液、光伝送体及びプラスチック光ファイバに関する。
<背景技術>
炭素−炭素不飽和二重結合(以下不飽和結合という)を2個有する含フッ素ジエン化合物としては、CF=CF(CFOCF=CF(ただし、kは1〜3の整数)が知られている(特開平1−14843号公報)。この化合物を環化重合することにより非晶質の重合体を得ることができる。該重合体は、弾性率、降伏、および破断伸度が大きく、折れにくく、耐衝撃性にも優れる。また透明性も高いため、光ファイバ、および光導波路などの光学材料用に用いることができる。しかし、この重合体を用いた光学材料は、ガラス転移温度(T)が低いために高温で長期間使用すると光学特性が変化する欠点があり、より高Tの素材の開発が望まれている。
本発明は、前記非晶質重合体が有する機械物性を保持するとともに、さらに高いガラス転移温度を有し、その結果、屈折率が低く、耐熱性に優れた光学樹脂材料となりうる新規な重合体、および該重合体を与える2個の不飽和結合を有する新規な含フッ素ジエン化合物の提供を目的とする。また、屈折率が低く、優れた耐熱性を有する高性能な光伝送体およびプラスチック光ファイバの提供を目的とする。
<発明の開示>
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の含フッ素ジエン化合物を新規に製造し、さらに、この含フッ素ジエン化合物を重合することにより、上記課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.下式(1)で表される含フッ素ジエン化合物。
CF=CFCF(OR)CFOCF=CF (1)
式中、Rは、ペルフルオロアルキル基を表す。
2.Rがトリフルオロメチル基である前記含フッ素ジエン化合物。
3.下式(2)で表される化合物および下式(3)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物において、フッ素原子以外のハロゲン原子において脱ハロゲン化反応を行うことを特徴とする下式(1)で表される含フッ素ジエン化合物の製造方法。
CF=CFCF(OR)CFOCF=CF (1)
CFCFZCF(OR)CFOCF=CF (2)
CFCFZCF(OR)CFOCFZCF (3)
式中、Rは、ペルフルオロアルキル基、Z、Z、Z、Zはそれぞれ独立にフッ素原子以外のハロゲン原子を表す。
4.式(1)で表される含フッ素ジエン化合物が環化重合したモノマー単位からなる、または、式(1)で表される含フッ素ジエン化合物が環化重合してたモノマー単位および式(1)で表される含フッ素ジエン化合物と重合しうる他の重合性単量体が重合したモノマー単位からなる含フッ素重合体。
CF=CFCF(OR)CFOCF=CF (1)
式中、Rは、ペルフルオロアルキル基を表す。
5.Rがトリフルオロメチル基である前記含フッ素重合体。
6.式(1)で表される含フッ素ジエン化合物が環化重合したモノマー単位が、下式で表されるいずれかのモノマー単位である請求項4または5に記載の含フッ素重合体。ただし、Rは前記と同じ意味を示す。
Figure 2003037838
7.他の重合性単量体のモノマー単位が、式(1)で表される含フッ素ジエン化合物以外の環化重合しうる含フッ素ジエン、含フッ素脂肪族環構造を有する単量体、含フッ素非環式ビニルエーテル系単量体、および、フルオロオレフィンから選ばれる少なくとも1種が重合したモノマー単位である請求項4〜6のいずれかに記載の含フッ素重合体。
8.他のモノマー単位が、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)およびペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)から選ばれる少なくとも1種が重合したモノマー単位である、前記含フッ素重合体。
9.ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロ(トリブチルアミン)、ペルフルオロ(トリプロピルアミン)、ペルフルオロベンゼンおよびジクロロペンタフルオロプロパンから選ばれる1種以上の含フッ素溶媒に、前記含フッ素重合体が溶解した含フッ素重合体溶液。
10.前記含フッ素重合体を用いて構成された光伝送体。
11.前記含フッ素重合体と高屈折率化剤の混合物から形成されたコアを有するプラスチック光ファイバ。
12.高屈折率化剤である含フッ素低分子化合物が、ペルフルオロ(トリフェニルトリアジン)、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)およびクロロトリフルオロエチレンオリゴマーから選ばれる少なくとも1つである、前記プラスチック光ファイバ。
13.プラスチック光ファイバが屈折率分布型光ファイバである、前記プラスチック光ファイバ。
<発明を実施するための最良の形態>
本発明の含フッ素ジエン化合物は、式(1)で表される化合物(以下、式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記す。他の式で表される化合物も同様に記す。)である。式中、Rはペルフルオロアルキル基を表す。
ペルフルオロアルキル基(以下、ペルフルオロアルキル基をR基と記す。)は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基である。R基の構造としては、直鎖構造、分岐構造、環構造、又は部分的に環構造を有する構造が挙げられる。
直鎖構造のR基としては、炭素原子が1〜8のR基が好ましく、−CF、−CFCF、−nC、−nC、−nC11、−nC13、−nC15、および−nC17等が挙げられ、特には−CFであるのが好ましい。
分岐構造のR基としては−CF(CF、−isoC、−secC、−tertC等が挙げられる。
環構造のR(即ち、ペルフルオロシクロアルキル基)としては、ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、又はこれらの基の環を形成する炭素原子に、直鎖構造又は分岐構造のペルフルオロアルキル基が結合した基が挙げられる。
部分的に環構造を有するR基としては、(シクロアルキル基が置換した直鎖構造のアルキル基)がペルフルオロ化された基、又は、(シクロアルキル基が置換した分岐構造のアルキル基)がペルフルオロ化された基が挙げられ、ペルフロオロ(シクロヘキシルメチル)基、ペルフルオロ(シクロヘキシルエチル)基、等が好ましい。
本発明の化合物(1)のRは、トリフルオロメチル基であるのが特に好ましい。
本発明の化合物(1)の具体例としては、以下の例が挙げられる。
CF=CFCF(OCF)CFOCF=CF
CF=CFCF(OCFCF)CFOCF=CF
CF=CFCF(OCFCFCF)CFOCF=CF
CF=CFCF(OCFCFCFCF)CFOCF=CF
CF=CFCF(OCF(CF)CFOCF=CF
CF=CFCF(OCFCF(CF)CFOCF=CF
CF=CFCF(OC(CF)CFOCF=CF
本発明の含フッ素ジエン化合物の製造方法は、下記化合物(2)および下記化合物(3)から選ばれる1種以上の化合物において、フッ素原子以外のハロゲン原子において脱ハロゲン化反応を行う方法により製造するのが好ましい。
CFCFZCF(OR)CFOCF=CF (2)
CFCFZCF(OR)CFOCFZCF (3)
式中、Rは、式(1)におけるRに対応するペルフルオロアルキル基である。
また、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立に、フッ素原子以外のハロゲン原子であり、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子と臭素原子が好ましく、特にいずれも塩素原子であることが好ましい。これらハロゲン原子の脱ハロゲン化により二重結合が生じ、式(1)で表される含フッ素ジエン化合物が生成する。
本発明の含フッ素ジエン化合物の製造方法における脱ハロゲン化は、極性溶媒中で脱ハロゲン化剤を作用させることにより行うのが好ましい。脱ハロゲン化剤とは、基質内のハロゲン原子に作用してハロゲン原子を引き抜く作用のある反応剤をいう。脱ハロゲン化剤の例としては、亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、スズ、銅、鉄、その他の金属が挙げられ、比較的低い反応温度を採用しうるなどの反応条件の面から、亜鉛が特に好ましい。
極性溶媒としては、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、ジグライム、メタノール等の有機極性溶媒、または、水が好ましい。
脱ハロゲン化剤の量は、反応に用いる化合物(2)および/または化合物(3)の総量に対して1〜20倍モルが好ましく、1〜10倍モルが特に好ましく、とりわけ2〜10倍モルが好ましい。反応温度は40〜100℃が適当であり、好ましくは50〜80℃である。通常の脱ハロゲン化反応は、脱ハロゲン化剤と溶媒の存在下に化合物(2)を滴下することにより行われる。反応生成物の単離は反応蒸留によって、反応後に速やかに反応系から反応生成物を抜き出すことにより行われるのが好ましい。
化合物(2)の好ましい態様であるRがトリフルオロメチル基であり、Z、Zが塩素原子である下記化合物(2−1)は、化合物(2−2)を熱分解することにより得られる。この化合物(2−2)は化合物(2−3)にヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加することにより合成できる。
CFClCFClCF(OCF)CFOCF=CF (2−1)
CFClCFClCF(OCF)CFOCF(CF)COF
(2−2)
CFClCFClCF(OCF)COF (2−3)
化合物(2−3)は、下記方法1または方法2により製造されるのが好ましい。
方法1:
下記化合物(A)を下記化合物(B)とエステル化反応させて下記化合物(C)とし、該化合物(C)で表される化合物をフッ素化して下記化合物(D)で表される化合物とし、該化合物(D)で表される化合物のエステル結合を分解させることにより製造する方法。
CHClCHClCH(OCH)CHOH (A)
f2COX (B)
CHClCHClCH(OCH)CHOCORf2 (C)
CFClCFClCF(OCF)CFOCORf2 (D)
ただし、Rf2は、ペルフルオロ1価飽和有機基を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。
方法2:
下記化合物(A)を下記化合物(B)とエステル化反応させて下記化合物(C)とし、該化合物(C)を塩素化して下記化合物(C)とし、該化合物(C)をフッ素化して下記化合物(D)とし、該化合物(D)のエステル結合を分解させることにより製造する方法。
CH=CHCH(OCH)CHOH (A
f2COX (B)
CH=CHCH(OCH)CHOCORf2 (C
CHClCHClCH(OCH)CHOCORf2 (C)
CFClCFClCF(OCF)CFOCORf2 (D)
ただし、Xはハロゲン原子を示す。Rf2は、ペルフルオロ1価飽和有機基を示す。
f2としては、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキル)基、ペルフルオロ(部分クロロアルキル)基、ペルフルオロ(部分クロロ(エーテル性酸素原子含有アルキル))基が好ましく、特にペルフルオロ(部分クロロ(エーテル性酸素原子含有アルキル))基が好ましく、CFClCFClCF(OCF)CF−がとりわけ好ましい。
f2の具体例としては、以下の基が挙げられる。ただし、nは1〜9の整数、rは0〜10の整数を示し、mおよびpは0以上の整数を示し、0〜10の整数が好ましく、kは1以上の整数を示し、1〜10の整数が好ましい。
CF−、
CF(CF−、
CF(CFO(CF−、
CF(CFOCF(CF)−
CFClCFCl(CF
CFClCFClCF(OCF)CF−、
CFClCFClCF(O(CFCF)CF−。
さらに、Rf2としては、CFClCFClCF(OCF)−が好ましい。
Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子が好ましく、特にはフッ素原子が好ましい。
上記の方法1および2において、エステル化反応は、通常のエステル化反応の条件で実施できる。該反応は、溶媒(以下、エステル化溶媒という。)を使用して実施してもよいが、エステル化溶媒は使用しないのが容積効率の点から好ましい。
エステル化反応では、HXが副生する。Xがフッ素原子である場合には、HFが副生するため、HFの捕捉剤として、アルカリ金属フッ化物(たとえばNaF、KF等)や、トリアルキルアミン、ピリジン等の塩基を反応系中に存在させてもよい。HF捕捉剤を用いる場合の量は、化合物(B)または化合物(B)に対して1〜10倍モルとするのが好ましい。HFの捕捉剤を使用しない場合には、HFが気化しうる反応温度で反応を行い、かつ、HFを窒素気流に同伴させて反応系外に排出するのが好ましい。
該エステル化反応の下限温度は、通常の場合、−50℃以上が好ましく、上限は、+100℃またはエステル化溶媒の沸点のうち、低い温度が好ましい。また、反応時間は、原料の供給速度と反応に用いる化合物量に応じて適宜変更されうる。反応圧力(ゲージ圧、以下同様)は0〜2MPaが好ましい。
方法2においてエステル化反応で生成した化合物(C)については、塩素化を行い、化合物(C)とする。塩素化反応は、塩素化剤を用いて通常の塩素化反応の操作および反応条件で実施できる。塩素化剤としては、塩素(Cl)が好ましい。塩素を使用する場合の量は、化合物(C)に対して1〜10倍モルが好ましく、1〜5倍モルが特に好ましい。化合物(C)と塩素化剤との反応は、溶媒(以下、塩素化溶媒という。)を使用して実施してもよいが、塩素化溶媒は容積効率の点から使用しないのが好ましい。塩素化溶媒を用いる場合には、ハロゲン化炭化水素系溶媒を用いるのが好ましい。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。塩素化溶媒の使用量は、化合物(C)の質量に対して0.5〜5倍量であるのが好ましい。また、塩素化反応の温度は−78℃〜+200℃が好ましい。
方法1および方法2の化合物(C)については、つぎにフッ素化反応を行う。フッ素化反応は、電気化学的フッ素化法(ECF法)、フッ化コバルトを用いてフッ素化する方法、気相でフッ素ガスと反応させる方法等によって実施できるが、上記方法は、フッ素化反応生成物の収量がきわめて少ない、特殊な装置を必要とする、操作が困難、等の問題がある。したがって本発明においては、液相中でフッ素と反応させることによる液相フッ素化法により行うのが、高収量、操作の簡便性等の点から好ましい。以下、液相フッ素化法について説明する。
化合物(C)中のフッ素含量は、フッ素化反応に用いる液相の種類に応じて適宜変更するのが好ましく、通常はフッ素含量(フッ素化基質の分子量に対するフッ素原子の総量の割合)の下限は10質量%が好ましく、特に30質量%が好ましい。また、上限は86質量%が好ましく、特に80質量%が好ましい。
また、化合物(C)の分子量が300〜1000となるように、それぞれRf2の構造を調節するのが好ましい。分子量が上記範囲にある場合には、液相中でのフッ素化反応を円滑に実施できる点で好ましい。分子量が小さすぎるとフッ素化基質が気化しやすくなるため、液相でのフッ素化反応時に気相中で分解反応が起こるおそれがある。一方、分子量が大きすぎるとフッ素化基質の精製が困難になるおそれがある。
フッ素化基質である化合物(C)および化合物(C)の例としては、以下の例が挙げられる。ただし、下式中のmは上記と同じ意味を示す。
CHClCHClCH(OCH)CHOCOCF(CF)O(CFCF
CHClCHClCH(OCH)CHOCOCFCF(OCF)CFClCFCl、
CH=CHCH(OCH)CHOCOCF(CF)O(CFCF
CH=CHCH(OCH)CHOCOCFCF(OCF)CFClCFCl。
液相フッ素化は、液相を形成する溶媒中でフッ素を導入して化合物と反応させることにより実施するのが好ましい。フッ素は、100%のフッ素ガスを用いても、不活性ガスで希釈したフッ素ガスを用いてもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスが好ましく、窒素ガスが特に好ましい。不活性ガスとフッ素ガスの混合ガス中のフッ素ガス量は、5体積%以上とするのが効率の点で好ましく、なかでも5〜30体積%とするのが、塩素の引き抜きや塩素のマイグレーションを防ぐ点で特に好ましい。
溶媒(以下、フッ素化溶媒という。)としては、C−H結合を含まずC−F結合を必須とする溶媒が好ましい。さらに、ペルフルオロアルカン類、または、塩素原子、窒素原子、および酸素原子から選ばれる1種以上の原子を構造中に有する公知の有機溶剤をペルフルオロ化した有機溶剤が好ましい。さらにフッ素化溶媒としては、化合物(C)の溶解性が高い溶媒を用いるのが好ましく、特に、溶媒と化合物(C)との総量に対して、化合物(C)が1質量%以上溶解する溶媒、特には5質量%以上溶解する溶媒を用いるのが好ましい。
フッ素化溶媒の例としては、フッ素化反応の生成物である化合物(D)、化合物(B)、ペルフルオロアルカン類(商品名:FC−72等)、ペルフルオロエーテル類(商品名:FC−75、FC−77等)、ペルフルオロポリエーテル類(商品名:クライトックス、フォンブリン、ガルデン、デムナム等)、クロロフルオロカーボン類(商品名:フロンルーブ)、クロロフルオロポリエーテル類、ペルフルオロアルキルアミン(たとえば、ペルフルオロトリアルキルアミン等)、不活性流体(商品名:フロリナート)等が挙げられる。このうち、フッ素化溶媒としては、化合物(D)が好ましい。特に、化合物(D)を用いた場合には反応後の後処理が容易になる利点がある。フッ素化溶媒の量は、化合物(C)に対して、5倍質量以上が好ましく、特に10〜100倍質量が好ましい。
液相フッ素化反応の反応形式は、バッチ方式または連続方式が好ましい。反応形式は、反応収率と選択率の点から、以下に説明する方式2が好ましい。またフッ素ガスは、バッチ方式で実施する場合においても、連続方式で実施する場合においても、窒素ガス等の不活性ガスで希釈したものを使用してもよい。連続方式によるフッ素化反応の方法としては以下の例が挙げられる。
[方式1]
反応器に、化合物(C)とフッ素化溶媒とを仕込み、撹拌を開始する。ついで、所定の反応温度と反応圧力下で、フッ素ガスを、フッ素化溶媒中に連続的に供給しながら反応させる方法である。
[方式2]
反応器にフッ素化溶媒を仕込み、撹拌する。ついで、所定の反応温度と反応圧力下で、化合物(C)とフッ素ガスとを、所定のモル比で、フッ素化溶媒中に連続的かつ同時に供給する方法である。
化合物(C)を供給する際には、フッ素化溶媒で希釈してもしなくてもよい。希釈する場合には、化合物(C)の質量に対するフッ素化溶媒の量を、5倍量以上とするのが好ましく、特に10倍量以上とするのが好ましい。
液相フッ素化反応においては、フッ素化反応を効率的に進行させるためには、反応の後段で、化合物(C)中に存在する水素原子に対して、フッ素の量が常に過剰当量となるようにフッ素ガスを仕込むのが好ましく、特に1.5倍当量以上(すなわち、1.5倍モル以上)となるようにフッ素ガスを仕込むのが選択率の点から好ましい。フッ素量は反応の開始時点から終了時点迄、常に過剰量に保つのが好ましい。
液相フッ素化反応の反応温度は、−60℃以上かつ化合物(C)の沸点以下が好ましく、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から−50℃〜+100℃が特に好ましく、−20℃〜+50℃が塩素の引き抜きや塩素のマイグレーションを防ぐ点でとりわけ好ましい。フッ素化反応の反応圧力は特に限定されず、常圧〜2MPa(ゲージ圧。以下、特に記載しない限りゲージ圧で記す。)であるのが、反応収率、選択率、および工業的実施の容易さ、の観点から特に好ましい。
さらに、液相フッ素化においては、反応系中にC−H結合含有化合物を存在させるか、または、紫外線照射を行う、のが好ましい。たとえば、フッ素化反応後期にC−H結合含有化合物を反応系中に添加する、または、紫外線照射を行うのが好ましい。これにより、化合物(C)中に存在するフッ素化されにくい水素原子を効率的にフッ素化でき、反応率を飛躍的に向上させうる。紫外線照射時間は、0.1〜3時間であるのが好ましい。
C−H結合含有化合物としては、化合物(C)以外の有機化合物であり、特に芳香族炭化水素が好ましく、とりわけベンゼン、トルエン等が好ましい。該C−H結合含有化合物の添加量は、化合物(C)中の水素原子に対して0.1〜10モル%であるのが好ましく、特に0.1〜5モル%であるのが好ましい。
C−H結合含有化合物は、反応系中にフッ素が存在する状態で添加するのが好ましい。さらに、C−H結合含有化合物を加えた場合には、反応系を加圧するのが好ましい。加圧時の圧力としては、0.01〜5MPaが好ましい。
液相フッ素化反応は、化合物(C)中の水素原子がペルフルオロ化されるまで行う。液相フッ素化反応では、水素原子がフッ素原子に置換され、また、不飽和結合が存在する場合には、不飽和結合部分にフッ素原子が付加する。
液相中フッ素化反応では、HFが副生する。副生したHFを除去するには、反応系中にHFの捕捉剤を共存させる、または反応器ガス出口でHF捕捉剤と出口ガスを接触させるのが好ましい。該HF捕捉剤としては、アルカリ金属フッ化物(たとえばNaF、KF等)などの塩基が好ましく、該塩基は反応系中に存在させてもよい。HFの捕捉剤としてはNaFが特に好ましい。
反応系中にHF捕捉剤を共存させる場合の量は、化合物(C)中に存在する全水素原子量に対して1〜20倍モルが好ましく、1〜5倍モルが好ましい。反応器ガス出口にHF捕捉剤をおく場合には、(a)冷却器(10℃〜室温に保持するのが好ましく、特には約20℃に保持するのが好ましい。)、(b)NaFペレットなどのHF捕捉剤の充填層、および(c)冷却器(−78℃〜+10℃に保持するのが好ましく、−30℃〜0℃に保持するのが好ましい。)を(a)−(b)−(c)の順に直列に設置するのが好ましい。なお、(c)の冷却器からは凝集した液を反応器に戻すための液体返送ラインを設置してもよい。
つぎに化合物(D)は、エステル結合の分解反応を行うことにより、目的とする化合物(2−3)を得る。
該分解反応は、−CFOCO−を切断して2つの−COF基を形成する反応である。該反応は、熱分解反応、または求核剤もしくは求電子剤の存在下に行う分解反応により実施するのが好ましい。
熱分解反応は、化合物(D)を加熱することにより実施できる。熱分解反応の反応形式としては、化合物(D)の沸点とその安定性により選択するのが好ましい。
たとえば、化合物(D)が気化しやすい化合物である場合の熱分解反応は、気相で連続的に分解させて、得られた化合物(2−3)を含む出口ガスを凝縮し、回収する気相熱分解法を採用しうる。気相熱分解法の反応温度は50〜350℃が好ましく、50〜300℃が特に好ましく、とりわけ150〜250℃が好ましい。また、反応系中に、反応には直接関与しない不活性ガスを共存させてもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素ガス等が挙げられる。不活性ガスは化合物(D)に対して0.01〜50体積%程度を添加するのが好ましい。不活性ガスの添加量が多いと、生成物回収量が低減することがある。
一方、化合物(D)が気化しにくい化合物である場合の熱分解反応は、反応器内で液のまま加熱する液相熱分解法を採用するのが好ましい。この場合の反応圧力は限定されない。通常の場合、エステル結合を分解した生成物は、より低沸点であることから、該反応は蒸留塔を付けた反応器を用いて低沸点の生成物を連続的に抜き出しながら行うのが好ましい。また加熱終了後に反応器中から一括して生成物を抜き出す方法であってもよい。この液相熱分解法の反応温度は50〜300℃が好ましく、特に80〜250℃が好ましい。
液相熱分解法で熱分解を行う場合は、無溶媒で行っても、溶媒(以下、分解反応溶媒という。)の存在下に行ってもよいが、無溶媒で行うのが好ましい。分解反応溶媒を用いる場合には、化合物(D)と反応せず、化合物(D)と相溶する溶媒であって、化合物(2−3)と反応しないものであれば特に限定されない。また、分解反応溶媒としては、生成物の精製時に分離しやすいものを選定するのが好ましい。
分解反応溶媒の具体例としては、ペルフルオロトリアルキルアミン、ペルフルオロナフタレンなどの不活性溶媒、クロロフルオロカーボン類等のなかでも高沸点であるクロロトリフルオロエチレンオリゴマー(たとえば、旭硝子社商品名:フロンルーブ)が好ましい。また、分解反応溶媒の量は化合物(D)に対して10〜1000質量%が好ましい。
また、化合物(D)を液相中で求核剤または求電子剤と反応させてエステル結合を分解してもよい。この場合、該反応は、無溶媒で行っても、分解反応溶媒の存在下に行ってもよい。求核剤としてはフッ素イオン(F)が好ましく、特にアルカリ金属フッ化物由来のフッ素イオンが好ましい。アルカリ金属フッ化物としては、NaF、NaHF、KF、CsFが好ましく、NaFが特に好ましい。NaFの存在下で熱分解反応を実施することにより、熱分解反応を低い温度で実施でき、化合物の分解反応を防止できる。
反応の開始時に用いる求核剤は、触媒量であるのが好ましいが、過剰に用いてもよい。求核剤の量は化合物(D)に対して1〜500モル%が好ましく、10〜100モル%が特に好ましく、とりわけ5〜50モル%が好ましい。反応温度の下限は、−30℃以上であるのが好ましく、上限は、溶媒または化合物(D)の沸点のうち低い温度が好ましく、通常は−20℃〜+250℃が特に好ましい。分解反応は、蒸留塔を付けた反応器を用いて実施するのが好ましい。
エステル結合の分解反応においては、化合物(2−3)とともに式Rf2COXで表される化合物(B)が生成する。
f2が、CFClCFClCF(OCF)CF−である場合の該化合物(B)は、式(2−3)と同一化合物であることから、生成物の分離操作は必要はない。しかし、Rf2がCFClCFClCF(OCF)CF−以外の基である場合には、生成物中の化合物(B)を分離するのが好ましい。そして、該化合物(B)は、化合物(A)または化合物(A)と反応させる化合物(B)として再利用するのが好ましい。
化合物(2−3)にヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させて化合物(2−2)を得る反応は、溶媒中で化合物(2−3)に金属フッ化物を作用させ、ヘキサフルオロプロピレンオキシドと反応させることにより実施するのが好ましい。該反応の反応温度は50℃以下が好ましく、特に5〜25℃が好ましい。金属フッ化物としては、例えばフッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ナトリウム、フッ化銀などが挙げられる。反応溶媒としては、エーテル系溶媒または非プロトン性の極性溶媒が好ましい。ヘキサフルオロプロピレンオキシドの反応圧力は0〜1MPaが好ましく、特には0.1〜0.5MPaが好ましい。
また、化合物(2−2)は、化合物(2−4)からWO01/46093に記載される方法で合成することもできる。すなわち化合物(2−4)を化合物(2−5)と反応させることにより、化合物(2−6)を得る。さらに化合物(2−6)を塩素ガスと接触させることにより、化合物(2−7)を得て、該化合物(2−7)の液相フッ素化を行うことにより、化合物(2−2)を得ることができる。
CFClCFClCF(OCF)CFOCF(CF)COF
(2−2)
CH=CHCH(OCH)CHOCH(CH)CHOH
(2−4)
f3COF (2−5)
CH=CHCH(OCH)CHOCH(CH)CHOCORf3
(2−6)
CHClCHClCH(OCH)CHOCH(CH)CHOCORf3 (2−7)
ただし、Rf3はフルオロアルキル基、フルオロ(部分クロロアルキル)基、フルオロ(ヘテロ原子含有アルキル)基、またはフルオロ(部分クロロ(ヘテロ原子含有アルキル))基が好ましく、特にペルフルオロ化されたこれらの基が好ましい。
化合物(2−2)は、つぎに熱分解することにより、化合物(2−1)を得る。熱分解は、化合物(2−2)を直接熱分解する方法、または、化合物(2−2)を対応するカルボン酸のアルカリ塩に変換した後に熱分解する方法、により実施できる。また、化合物(2−2)中の活性基(−COF)を、取扱上、安定な基に変換した後に、カルボン酸のアルカリ塩に変換し、つぎに熱分解する方法も採用できる。該方法としては化合物(2−2)をアルカノールと反応させて対応するカルボン酸のアルキルエステルとし、その後アルカリ塩に変換した後に熱分解する方法が例示されうる。
化合物(2−2)を直接熱分解する場合は、化合物(2−2)を気化させ、必要により窒素ガスなどの不活性ガスで希釈し、高温下で固体塩基性塩やガラスビーズに接触させることが好ましい。分解温度は200〜500℃が適当であり、特に250〜350℃が好ましい。固体塩基性塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウムなどを使用でき、特に炭酸ナトリウムが好ましい。
また、化合物(2−2)を対応するカルボン酸のアルカリ金属塩とした後に熱分解する場合には、まず、化合物(2−2)をアルカリ金属水酸化物と反応させて、カルボン酸のアルカリ金属塩とするのが好ましい。このアルカリ金属塩の熱分解反応は100〜300℃で実施するのが好ましく、特には150〜250℃で実施するのが好ましい。熱分解反応によって化合物(2−1)が得られる。カルボン酸のアルカリ金属塩の熱分解反応は、直接熱分解する方法と比較して低温で行うことができ、収率も高いことからより好ましい。カルボン酸のアルカリ金属塩の製造は、水やアルコール類を溶媒として実施するのが好ましく、得られたアルカリ金属塩は、充分乾燥した後に熱分解することが好ましい。さらに、アルカリ金属塩としてはナトリウム塩やカリウム塩が挙げられ、より低温で熱分解可能であることよりカリウム塩が好ましい。
また、本発明の含フッ素ジエン化合物(1)は、化合物(3)のフッ素以外のハロゲン原子において脱ハロゲン化することによっても得られる。化合物(3)の好ましい態様であるRがトリフルオロメチル基であり、Z、Z、Z、Zが塩素原子である化合物(3−1)は、化合物(2−3)のエステル化を行い、化合物(3−2)(Rはアルキル基を表す。)を製造する。または、化合物(3−2)は、前記化合物(D)と式ROH(Rは前記のとおりである。)で表されるアルカノールとのエステル交換によっても入手できる。さらに該化合物(3−2)を還元して化合物(3−3)を製造し、次いでこの化合物にアルカリ金属ハイドライドまたはアルカリ金属を作用させ、生成する金属アルコキシド(3−3a)(ただし、Mはアルカリ金属原子を示す。)とテトラフルオロエチレンを反応させて化合物(3−4)を製造する。さらにこの化合物(3−4)を塩素ガスと接触させ、不飽和結合に塩素原子を付加して化合物(3−5)を製造する。最後にこの化合物(3−5)中の水素原子を液相フッ素化によって全てフッ素原子に置換することにより、化合物(3−1)とする方法で製造できる。
CFClCFClCF(OCF)CFOCFClCFCl
(3−1)
CFClCFClCF(OCF)COF (2−3)
CFClCFClCF(OCF)COR (3−2)
CFClCFClCF(OCF)CHOH (3−3)
CFClCFClCF(OCF)CHOM (3−3a)
CFClCFClCF(OCF)CHOCF=CF (3−4)
CFClCFClCF(OCF)CHOCFClCFCl
(3−5)
化合物(2−3)のエステル化は、例えば式ROHで表されるアルカノール中に式(2−3)で表される酸フルオリドを滴下することにより行うことができる。該反応の温度は0℃〜20℃が好ましい。Rとしては炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。一方、化合物(3−2)をエステル交換により製造する際には、通常のエステル交換反応の条件を適用できる。
つぎに化合物(3−2)を還元して化合物(3−3)を製造する。還元反応は、例えば水素化ホウ素ナトリウムや水素化アルミニウムリチウムによって行うのが好ましい。反応温度は0℃〜20℃が好ましい。還元反応は反応溶媒の存在下に実施するのが好ましく、反応溶媒としては、アルコール類または非環状もしくは環状のエーテル系溶媒が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどを用いうる。これらの溶媒は単独で用いても任意の比率で混合して用いてもよい。溶媒を混合することにより反応の制御が可能である。混合する場合、アルコール類に対するエーテル系溶媒の量を1〜10倍容量で混合して用いるのが好ましく、副反応を抑制する意味で、エタノールに対してジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランを1〜2倍容量で混合して用いるのが特に好ましい。
つぎに化合物(3−3)は、アルカリ金属ハイドライドまたはアルカリ金属(たとえば、ナトリウム)を作用させて化合物(3−3a)を得る。該反応の温度は0℃〜20℃が好ましい。アルカリ金属ハイドライドにおけるアルカリ金属原子としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。該反応は反応溶媒の存在下に行ってもよく、反応溶媒としては、非環状もしくは環状のエーテル系溶媒または非プロトン性の極性溶媒が用いられる。具体的には、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを用いうる。生成した化合物(3−3a)は単離せずに、反応溶媒ごと次の反応に用いるのが好ましい。
次に化合物(3−3a)にテトラフルオロエチレンを付加させて化合物(3−4)を得る。該反応は化合物(3−3a)を含む反応生成物を、反応溶媒を含むままオートクレーブに移液し、テトラフルオロエチレンを導入するのが好ましい。該反応の反応温度は−10〜+50℃が好ましく、特には0〜+30℃が好ましい。反応圧力は0.5〜3.5MPaが好ましく、特には1.0〜2.2MPaが好ましい。さらにテトラフルオロエチレンの導入を終了させた後、反応温度を昇温させるのが好ましく、昇温時の温度は30〜100℃が好ましく、特には50〜70℃が好ましい。反応時間は、30分〜120時間が好ましく、特には5時間〜10時間程度が好ましい。
次に、化合物(3−4)は塩素化してビニルエーテルの不飽和2重結合に塩素原子を導入し化合物(3−5)を得る。この反応は発熱を伴うため、系を冷却しながら反応を行うことが好ましい。この反応の反応温度は−50〜100℃に調節するのが好ましく、特には−20〜10℃に調節することが好ましい。
続いて、化合物(3−5)を液相中でフッ素と反応させて化合物(3−1)を得る。この前記のフッ素化と同様に実施できる。そして、化合物(3−1)において前記の脱ハロゲン化反応を行うことにより、本発明の化合物(1)が製造できる。
本発明の含フッ素ジエン化合物(1)は重合性であり、含フッ素重合体製造のための単量体として有用である。この含フッ素ジエン化合物(1)はラジカル重合開始剤の作用により単独で環化重合し、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー単位を有する重合体となる。また、含フッ素ジエン化合物(1)は、他の単量体と共重合させることもできる。
すなわち本発明は、含フッ素ジエン化合物(1)が環化重合したモノマー単位からなる含フッ素重合体、または、含フッ素ジエン化合物(1)が環化重合してたモノマー単位および含フッ素ジエン化合物(1)と重合しうる他の重合性単量体が重合したモノマー単位からなる含フッ素重合体を提供する。含フッ素重合体中に含まれる含フッ素ジエン化合物(1)のモノマー単位の割合は、全モノマー単位に対して30〜100モル%が好ましく、特に50〜100モル%が好ましい。また、含フッ素重合体の分子量は500〜1×10が好ましく、特に500〜5×10が好ましい。
含フッ素ジエン化合物(1)が環化重合したモノマー単位としては、下式で表されるいずれかのモノマー単位であるのが好ましい。含フッ素重合体に存在する該モノマー単位は、1種であっても2種以上であってもよい。
Figure 2003037838
他の重合性単量体としては、ラジカル重合性を有する単量体であれば特に限定
されず、化合物(1)以外の含フッ素系単量体、炭化水素系単量体、その他の単量体が例示され得る。たとえばエチレンなどのオレフィン、またはテトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフィン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)などの含フッ素ビニルエーテル系単量体、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)やペルフルオロ(アリルビニルエーテル)などの環化重合しうる含フッ素ジエン(ただし含フッ素ジエン化合物(1)以外のもの)、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有する単量体、等が挙げられる。他の重合性単量体としては、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)およびペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。他の重合性単量体のモノマー単位の割合は、含フッ素重合体中の全モノマー単位に対して0〜70モル%が好ましく、特に0〜50%が好ましい。これら他の単量体は、1種を用いても2種以上を併用してもよい。
含フッ素ジエン化合物(1)の重合に用いるラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物、有機ペルオキシド、無機ペルオキシドなど通常のラジカル重合に用いられる重合開始剤を使用しうる。具体的には、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ペルフルオロベンゾイルペルオキシド、ペルフルオロノナノイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシドなどの有機ペルオキシド、K、(NHのような無機ペルオキシド等が挙げられる。
重合の方法は特に限定されず、含フッ素ジエン化合物(1)をそのまま重合にする重合法(いわゆるバルク重合)、含フッ素ジエン化合物(1)をフッ素化炭化水素、塩素化炭化水素、塩素化フッ素化炭化水素、アルコール、炭化水素、またはその他の有機溶媒に溶解させて重合する溶液重合、水性媒体中で、必要に応じて有機溶剤の存在下に重合する懸濁重合、水性媒体中で乳化剤の存在下に重合する乳化重合などが例示される。重合を行う温度や圧力も特に限定されず、含フッ素ジエン化合物の沸点、加熱源、重合熱の除去等を考慮して適宜設定することが望ましい。通常の重合温度は0〜200℃が好ましく、特に30〜100℃が好ましい。また重合圧力は、減圧下でも加圧下でもよく、実用的には常圧〜10MPa程度が好ましく、更には常圧〜5MPa程度が好ましい。
本発明の含フッ素重合体は、非常に透明性に優れ、ガラス転移温度が高く、耐熱性が高い特徴を有する。該特徴を利用して本発明の含フッ素重合体は単独で耐熱性に優れた光ファイバ、光導波路、レンズなどの光伝送体に用いる光学樹脂材料として利用可能である。また本発明の含フッ素重合体は光学的に透明であり、従来の透明フッ素樹脂(例えば、旭硝子社製商品名CYTOP、またはDuPont社製商品名Teflon AFなど。)よりも低屈折率である特徴を有する。該特徴を利用して、本発明の含フッ素重合体を従来の低屈折率を有する透明フッ素樹脂と組み合わせることによって、光学的透明性に優れた高性能の光ファイバ、光導波路などの光学デバイスとして利用可能である。
特に本発明の含フッ素重合体と高屈折率化剤とを含む混合物からなるコアと、本発明の含フッ素重合体からなるクラッドから形成されるプラスチック光ファイバは、優れた耐熱性を有する。該プラスチック光ファイバとしては、ステップインデックス型としても屈折率分布型としても用いることができ、特に屈折率分布型のプラスチック光ファイバであるのが好ましい。また前記高屈折率化剤としては、得られる混合物の透明性が良好であることから、含フッ素の低分子化合物が好ましい。このような含フッ素低分子化合物としては、ペルフルオロ(トリフェニルトリアジン)、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー等が好ましく挙げられる。該低分子化合物は1種であっても2種以上であってもよい。
屈折率分布型のプラスチック光ファイバの製造方法としては、以下の方法等が挙げられる。
たとえば、中心軸部に所定濃度の高屈折率化剤を存在させた本発明含フッ素重合体の円柱状成形体を製造し、熱拡散により高屈折率化剤を中心軸部から半径方向に拡散させて屈折率分布を形成し、その後得られた円柱状成形体をプリフォームとして光ファイバを成形する方法(特開平8−5848号公報)。
本発明の含フッ素重合体で円筒状成形体を製造し、中心部に所定量の高屈折率化剤を導入した後、熱拡散により屈折率分布を有する円筒状プリフォームとして光ファイバを成形する方法(特開平8−334633号公報)。
また本発明の含フッ素重合体は、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロ(トリブチルアミン)、ペルフルオロ(トリプロピルアミン)、ペルフルオロベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパンなどの含フッ素溶媒に可溶である。本発明の含フッ素重合体をこれらの溶媒に溶解させた溶液は、種々の用途に用いうる有用な含フッ素重合体溶液である。該溶液の用途としてはガラスあるいはシリコンウェハーなどの基材にスピンコート法、スプレー法などにより塗布した後、溶剤を揮発乾燥させることにより薄膜を形成させる用途等が挙げられる。含フッ素重合体溶液中に含まれる含フッ素重合体の量は、0.01〜20質量%が好ましく、特に0.1〜10質量%が好ましい。
さらに本発明の含フッ素重合体は、加熱処理またはフッ素ガス処理などにより末端基を容易に置換することが可能である。そして処理方法により末端基の構造を変えて各種の基材に対する接着性を変えることができる。たとえば、本発明の含フッ素重合体を、空気存在下で200℃以上の温度で加熱した後、水で処理することにより末端にカルボキシ基を導入できる。また、フッ素ガスと反応させることにより末端の反応性官能基を除去することができ、含フッ素重合体の熱安定性を向上させることが可能である。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらによって本発明は限定されない。なお、以下においてガスクロマトグラフィをGC、核磁気共鳴スペクトル分析をNMR、ガスクロマトグラフィ質量分析をGC−MS、テトラメチルシランをTMS、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンをR−113と、ジクロロペンタフルオロプロパンをR−225と記す。また、GC純度とはガスクロマトグラフィによるピーク面積比から求めた純度をいう。また、屈折率はアッペ屈折率計を用いて測定し、ガラス転移温度(T)は、示差走査熱分析(DSC)を用いて測定した。
[例1]CH=CHCH(OCH)CHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
CH=CHCH(OCH)CHOH(270g)をNaF(334g)とともに20℃の冷媒を循環させた還流器をもつ2L耐圧反応器中に仕込み、−10℃で撹拌した。
反応器中に窒素ガスをバブリングすることにより、反応によって副生するHFを上部還流器より系外に排出しながら、FCOCF(CF)OCFCFCF(1055g)を1.5時間かけて滴下した。この際、反応器の内温が0℃以下になるように温度を調節した。滴下終了後、30℃で18時間撹拌して反応を終了した。
反応終了後の粗液中に含まれるNaFを濾別することにより粗生成物(981g)を得た(収率86.4%)。NMRによる分析の結果、標記化合物の生成を確認した。
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl,基準:TMS)δ(ppm):3.29(s,3H),3.85〜3.90(m,1H),4.24〜4.45(m,2H),5.34(s,1H),5.39(d,J=8.4Hz,1H),5.59〜5.71(m,1H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):−81.8(3F),−82.6(3F),−79.9〜−87.5(2F),−130.2(2F),−132.3(1F)。
[例2]CHClCHClCH(OCH)CHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
例1で得たCH=CHCH(OCH)CHOCOCF(CF)OCFCFCF(981g)を0℃に冷却したジムロートを取り付けた2Lの3つ口フラスコ中に仕込み、−10〜0℃で撹拌を行いながら塩素ガスを0.8g/分の速度で導入し反応を行った。塩素ガス(170g)を導入した時点で反応を終了し粗液(1084g)を得た。
得られた粗液を0.8〜0.9kPa(絶対圧)の減圧下に蒸留精製して、生成物(744g)を得た。NMRおよびGCによる分析の結果、標記化合物がGC純度98%で3種のジアステレオマー混合物として生成していることを確認した。
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl,基準:TMS)δ(ppm):3.45(d,J=1.5Hz) and 3.47(s) and 3.55(d J=0.6Hz) total 3H,3.56〜3.80(m,2H),3.82〜4.12(m,2H),4.43〜4.57(m,1H),4.65(dd,J=6.3Hz,11.4Hz) and 4.89(ddd,J=42.4Hz,12.0Hz,3.0Hz) and 5.49(q,J=5.1Hz) total 1H。
19F−NMR(376.0MHz,溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−79.93〜−80.65(1F),−81.72〜−81.80(3F),−82.47〜−82.56(3F),−86.46〜−87.22(1F),−130.07〜−130.19(2F),−132.26〜−132.47(1F)。
[例3]フッ素化反応によるCFClCFClCF(OCF)CFOCOCF(CF)OCFCFCFの製造例
3Lのニッケル製オートクレーブに、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(3523g、以下溶媒Aと記す。)を加えて撹拌し、5℃に保った。オートクレーブガス出口には−10℃に保持した冷却器を設置した。窒素ガスを3.5時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、希釈フッ素ガスと記す。)を、流速26.52L/hで1時間吹き込んだ。つぎに、フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例2で得たCHClCHClCH(OCH)CHOCOCF(CF)OCFCFCFの一部(415g)を22.5時間かけて注入した。反応粗液(261g)を抜き出した。
つぎに、希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、CHClCHClCH(OCH)CHOCOCF(CF)OCFCFCF(642g)を22.0時間かけて注入した。反応粗液(533g)を抜き出した。
さらに、希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、CHClCHClCH(OCH)CHOCOCF(CF)OCFCFCF(471g)を22.8時間かけて注入した。反応粗液(270g)を抜き出した。
つぎに、希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、反応温度を25℃に22時間調整した。次に窒素ガスを3.0時間吹き込んだ。反応粗液(3530g)を回収した。反応粗液をGC−MSにより分析した結果、溶媒Aと標記化合物が主成分として得られた。標記化合物の反応収率は71%であった。
[例4]エステル結合の分解反応によるCFClCFClCF(OCF)COF(2−3)の製造例
撹拌器、還流コンデンサーを備えた300mLの4つ口フラスコに、例3で得たCFClCFClCF(OCF)CFOCOCF(CF)OCFCFCF(200g、0.31mol)のKF粉末(9.0g、0.155mol)と共に仕込み、充分に撹拌を行いながら、オイルバス中、90〜95℃で0.5〜1時間加熱した。反応が進行することにより生じる還流を確認した後、反応系を減圧にし、生成物を5時間かけて留出させ反応系から抜き出すことにより回収した。さらに粗生成物を蒸留することによりGC純度99.9%以上の標記化合物(74g)を得た(収率:79%)。NMRスペクトルより、標記化合物が主成分であることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):28.4,28.0(1F),−55.1,−55.4(3F),−61.6〜−63.9(2F),−121.9,−123.9(1F),−128.7,−129.0(1F)。
沸点:62℃/33.3kPa(絶対圧)。
[例5]CFClCFClCF(OCF)CFOCF(CF)COF(2−2)の製造例
内容積が100mLのハステロイ合金製オートクレーブにKF(0.4g、7.14mmol)を入れて減圧後、例4で得たCFClCFClCF(OCF)COF(37g、0.12mol)とテトラグライム(10g)を入れ、充分に撹拌しながら冷却し、内温を−5℃〜+5℃に調節しながら30分〜1時間撹拌した。続いてヘキサフルオロプロピレンオキシドのボンベを接続し、内圧約0.2MPaで内温を25℃以下に保ちながら、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(33g)を添加し、内圧の降下が見られなくなるまで撹拌した。その後、ヘキサフルオロプロピレンオキシドをパージした後、25℃で1〜2時間撹拌した。続いてオートクレーブ開放し、ろ過により残存する固体を取り除き、相分離により粗生成物を取り出した。さらに粗生成物を蒸留することにより純粋なCFClCFClCF(OCF)CFOCF(CF)COFを5.9g得た(収率10%)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm);28.0,27.8,27.4(1F),−52.2〜−53.0(3F),−63.0〜−66.5(2F),−79.5〜−81.5(2F),−81.2,−81.4(3F),−128.1,−128.7(1F),−129.2,−130.1(1F),−131.4,−132.1(1F).
[例6−1]CFClCFClCF(OCF)COCH(3−2)の製造例
撹拌器、還流コンデンサー、滴下漏斗を備えた1Lのガラス製4つ口フラスコに、メタノール(120g、3.75mol)を入れ、内温が5〜10℃になるまで冷却し、よく撹拌し、内温を5〜20℃に保ちながら例3で得たCFClCFClCF(OCF)CFOCOCF(CF)OCFCFCF(380g、0.59mol)を滴下した。その後、反応器中に窒素ガスをバブリングすることにより、反応によって副生するHFを上部還流器より系外に排出しながら、しばらく室温で撹拌した。続いてイオン交換水(340g)を添加し、充分に撹拌し、2相分離させて下層の生成物を抜き出した。さらに粗生成物を蒸留することにより純粋なCFClCFClCF(OCF)COCHを128g得た(収率:67%)。
[例6−2]CFClCFClCF(OCF)COCH(3−2)の製造例
例4で得たCFClCFClCF(OCF)COF(40g、0.12mol)とメタノール(10g、0.31mol)を用いて、例6−1と同様の方法でCFClCFClCF(OCF)COCHを得た(36g、収率:94%)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm);−55.1,−55.5(3F),−61.8〜−64.4(2F),−123,−126(1F),−129.3,−129.7(1F).
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl,基準:TMS)δ(ppm);3.96(CH).
沸点:55℃/2.7kPa。
[例7]還元反応によるCFClCFClCF(OCF)CHOH(3−3)の製造例
撹拌器、滴下漏斗を備えた2Lのガラス製4つ口フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム(17g、0.46mol)、ジエチルエーテル(230g)及びエタノール(200g)を入れ、内温が5〜10℃になるまで冷却し、よく撹拌し内温を5〜20℃に保ちながら例6で得たCFClCFClCF(OCF)COCH(150g、0.46mol)を滴下した。その後、内温を5〜20℃に保ちながら2〜3時間反応液を撹拌した。続いて1moL/Lの塩酸(310g)を添加し、よく撹拌し、ジエチルエーテルで抽出を行い、有機層を分離後に硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下でジエチルエーテルを留去した。得られた粗生成物を蒸留によって精製して高純度のCFClCFClCF(OCF)CHOHを128g得た(収率:70%)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm);−53.3,−53.8(3F),−60.8〜−63.6(2F),−125.4,−126.7(1F),−128.9,−129.3(1F).
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl,基準:TMS)δ(ppm);2.1(OH),4.0〜4.3(CH).
沸点:41℃/0.7kPa(絶対圧)。
[例8] CFClCFClCF(OCF)CHOCF=CF(3−4)の製造例
撹拌機、滴下漏斗を備えた2Lの4つ口フラスコに、水素化ナトリウム(5.4g、0.13mol)を仕込み、不活性ガス雰囲気下、ジエチルエーテル(140mL)を仕込んだ。続いて内温を0〜5℃に調節し、例7で得たCFClCFClCF(OCF)CHOH(35g、0.12mol)をゆっくりと滴下した。その後、内温を室温までゆっくりと昇温し、5時間反応を行った。その後反応液を予め減圧にした2Lのオートクレーブに移液し、窒素を0.5MPaになるまで導入し、パージすることを3回繰り返して行った。続いて窒素残圧を0.05MPaにして室温下でテトラフルオロエチレン(47g、0.47mol)を少しずつゆっくりと導入した。仕込み後、反応温度を70℃まで昇温することにより内圧を2.2MPaまで昇圧させ、5〜10時間圧力降下が見られなくなるまで反応させた。続いて反応系を冷却し、残存するテトラフルオロエチレンをパージした後、オートクレーブを解放した。
反応液の後処理として、メタノール(9.0g)及び1moL/Lの塩酸(140g)を添加し、よく撹拌し、ジエチルエーテルで抽出を行い、有機層を分離後に硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下でジエチルエーテルを留去した。
こうして得られた粗生成物を蒸留によって精製して純粋なCFClCFClCF(OCF)CHOCF=CFを得た(18g、収率:40%)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm);−53.3,−53.5(F,3F),−60.8〜−63.6(F,2F),−120.2(F,1F,Jab=99Hz),−124.7,−126.0(F,1F),−126.0(F,1F,Jbc=108Hz),−128.9,−129.1(F,1F),−137.4(F,1F,Jac=58Hz).
ただし、F〜Fにおけるa〜iは、下式に示すフッ素原子の位置に対応する。
Figure 2003037838
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl,基準:TMS)δ(ppm);4.4〜4.7(CH
沸点:41℃/1.3kPa(絶対圧)。
[例9] CFClCFClCF(OCF)CHOCFClCFCl(3−5)の製造例
撹拌機、ドライアイスコンデンサーを備えた100mLの3つ口フラスコに、例8で得たCFClCFClCF(OCF)CHOCF=CF(35g、92mmol)を仕込み、内温が−25〜−20℃の範囲になるまで冷却し、よく撹拌し内温を−10℃〜+10℃に保ちながら塩素ガスを吹き込んだ。塩素ガス(7.4g、104mmol)を導入したところで、導入を止め、粗生成物を回収し、さらに粗生成物を蒸留することにより、純粋なCFClCFClCF(OCF)CHOCFClCFClを得た(38g、収率:95%)。19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm);−53.3,−53.5(3F),−60.8〜−63.6(2F),−69.2(2F),−74.2,−74.5(1F),−123.3〜−124.9(1F),−128.9,−129.0(1F).
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl,基準:TMS)δ(ppm);4.4〜4.7(CH).
沸点:50℃/0.7kPa(絶対圧)。
[例10] CFClCFClCF(OCF)CFOCFClCFCl(3−1)の製造例
500mLのニッケル製オートクレーブに、R−113(312g)を加えて撹拌し、25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、及び−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。なお、−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。窒素ガスを1.0時間吹き込んだ後、希釈フッ素ガスを、流速11.88L/hで1時間吹き込んだ。つぎに、フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例9で得たCFClCFClCF(OCF)CHOCFClCFCl(34g、75mmol)をR−113(195.3g)に溶解した溶液を5.8時間かけて注入した。
つぎに、フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、かつ反応器圧力を0.15MPaに保ちながら、ベンゼン濃度が0.01g/mlのR−113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら9ml注入し、オートクレーブのベンゼン注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。つぎに反応器圧力を0.15MPaに、反応器内温度を40℃に保ちながら、上記のベンゼン溶液を6ml注入し、0.3時間撹拌を続けた。さらに、反応器内温度を40℃に保ちながら、上記のベンゼン溶液を6ml注入し、0.3時間撹拌を続けた。同様の操作を7回くり返し、さらに0.7時間撹拌を続けた。ベンゼンの注入総量は0.595g、R−113の注入総量は57mlであった。さらに、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。目的物を19F−NMRで定量(内部標準:C)したところ、標記化合物の収率は85%であった。さらに粗生成物を蒸留することにより純粋なCFClCFClCF(OCF)CFOCFClCFClを30g得た。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm);−52.4,−52.8(3F),−60.7〜−64.2(2F),−70.5(2F),−76.5(1F),−76.7〜−81.2(2F)−127.7,−128.5(1F),−132.9,−133.7(1F).
沸点:35℃/0.5kPa(絶対圧)。
[例11] CF=CFCF(OCF)CFOCF=CFの製造例
撹拌機、環流コンデンサー、滴下漏斗を備えた内容積が100mLのガラス製3つ口フラスコに亜鉛(13g、200mmol)を入れ、ジメチルホルムアミド32gを入れた。続いて系を27kPa(絶対圧)まで減圧にし、さらに内温を65〜70℃に調節し、そこへ例10で得たCFClCFClCF(OCF)CFOCFClCFCl(12g、25mmol)を滴下漏斗よりゆっくりと滴下し、反応中に生成物を蒸留、留出させることにより速やかに抜き出した。その後、粗生成物を精留することにより純粋なCF=CFCF(OCF)CFOCF=CFを得た(4.0g、収率:47%)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm);−55.4(F,3F)−86.5(F,1F,Jhi=48Hz),−87.0〜−88.6(F,2F),−103.2(F,1F,Jgi=116Hz),−113.0(F,1F,Jab=83Hz),−121.3(F,1F,Jhc=111Hz),−134.2(F,1F,Jac=65Hz),−134.4(F,1F),−184.0(F,1F,Jgh=39Hz).ただし、F〜Fのa〜iは下式に示すフッ素原子の位置に対応する。
Figure 2003037838
IR:1785cm−1(CF=CF−),1838cm−1(CF=CFO−).
沸点:30℃/25.3kPa(絶対圧)。
[例12] CF=CFCF(OCF)CFOCF=CFの重合による重合体の製造例
例11で得たCF=CFCF(OCF)CFOCF=CF(0.5g)とペルフルオロベンゾイルペルオキシド(1.5mg)をガラスアンプル中に入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。50℃、220時間温水浴中で加熱後、固化した内容物を取り出して、真空下残存モノマーを回収した後,200℃で1時間乾燥した。得られた重合体(以下、重合体A1という)の収率は43%であった。重合体A1の一部をペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)(以下PBTHFという)に溶解して固有粘度を測定したところ、0.268dl/gであった。重合体の分子量は数平均分子量(M)は102000で、重量平均分子量(M)は201500であった。
プレス成型により作成した重合体A1のフィルムの屈折率は1.334、また、Tは113℃であった。重合体A1の引張特性を測定したところ引張弾性率1325MPa、降伏応力35MPa、破断伸度3.9%であった。また、回転式溶融粘弾性測定装置により230℃におけるゼロシェア粘度を測定したところ、5500Pa・sであった。単量体CF=CFCFCFOCF=CF(以下PBVEという)を同様の条件で重合した重合体の示差走査熱分析(DSC)により測定したガラス転移温度は108℃であり、重合体A1のガラス転移温度の向上が確認された。
また、重合体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、単量体に見られたCF=CF−に基づく1785cm−1およびCF=CFO−に基づく1838cm−1の吸収が消失していた。この重合体A1はペンダント二重結合がなく架橋反応も生じておらず、高反応率であって、R225に完全に溶解することから環化重合体であることがわかった。また、19F−NMR解析により下記の構造の繰り返し単位を有する重合体であることが確認された。重合体は非常に透明性に優れ、光ファイバ、光導波路などの光学樹脂材料として有用であることがわかった。
Figure 2003037838
[例13] 重合体A2の製造例
CF=CFCF(OCF)CFOCF=CF(0.2g)、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート(5mg)をガラスアンプル中に入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管した。40℃、20時間温水浴中で加熱後、固化した内容物を取り出して、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体(以下、重合体A2という)の収率は95%であった。重合体A2の一部をPBTHFに溶解して固有粘度を測定したところ、0.09dl/gであった。
[例14] 重合体A3の製造例
内容積が200mLのステンレス鋼製オートクレーブに水(80g)、CF=CFCF(OCF)CFOCF=CF(15g、43.6mmol)、ペルフルオロベンゾイルペルオキシド(38mg)を入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し20時間重合を行った。得られた重合体をイオン交換水、メタノールで洗浄した後、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体(以下、重合体A3という)の収率は70%であった。
重合体A3の一部をPBTHFに溶解して固有粘度を測定したところ、0.25dl/gであった。プレス成型により作成した重合体A3のフィルムの屈折率は1.334、また、Tは113℃であった。重合体A3の引張特性を測定したところ引張弾性率1330MPa、降伏応力35MPa、破断伸度3.5%であった。また、回転式溶融粘弾性測定装置により230℃におけるゼロシェア粘度を測定したところ、5300Pa・sであった。
[例15] CF=CFCF(OCF)CFOCF=CFとテトラフルオロエチレンの共重合による重合体B1の製造例
200mLのステンレス鋼製オートクレーブにR225(80mL)、CF=CFCF(OCF)CFOCF=CF(5.6g、16.3mmol)、およびペルフルオロベンゾイックペルオキシド(25mg)を入れた。そのオートクレーブを液体窒素で冷却しながら真空ポンプで減圧し、真空ポンプを切り離して常温まで戻した後、再び液体窒素で冷却しながら真空ポンプで減圧する操作を3回繰り返した。続いてオートクレーブの内温を常温まで戻した後、テトラフルオロエチレン(32g、320mmol)を入れた。そして内温が70℃になるまで加熱し3時間重合を行った。その後残存するテトラフルオロエチレンをパージし、残存モノマーを減圧下留去することにより、白色の重合体(以下、重合体B1という)29gを得た。重合体B1の構造を解析したところ、ポリテトラフルオロエチレンの一部にCF=CFCF(OCF)CFOCF=CF由来の構造が1.4mol%導入された重合体であることがわかった。
重合体B1のTは130℃であった。
[例16] CF=CFCF(OCF)CFOCF=CFとPBVEとの共重合による重合体B2の製造例
内容積が200mLのステンレス鋼製オートクレーブに水(80g)、CF=CFCF(OCF)CFOCF=CF(15g)、PBVE(15g)、ペルフルオロベンゾイルペルオキシド(75mg)、メタノール(1.5g)を入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が70℃になるまで加熱し20時間重合を行った。得られた重合体(以下、重合体B2という)をイオン交換水、メタノールで洗浄した後、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体B2の収率は80%であった。
重合体B2の一部をPBTHFに溶解して固有粘度を測定したところ、0.33dl/gであった。プレス成型により作成した重合体B2のフィルムの屈折率は1.338、また、Tは110℃であった。
[例17] CF=CFCF(OCF)CFOCF=CFとペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)[以下PDDという]との共重合による重合体B3の製造例
内容積が200mLのステンレス鋼製オートクレーブに水(80g)、CF=CFCF(OCF)CFOCF=CF(21g)、PDD(9g)、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート(75mg)、メタノール(1.5g)を入れた。そのオートクレーブを窒素置換した後、オートクレーブの内温が40℃になるまで加熱し20時間重合を行った。得られた重合体(以下、重合体B3という)をイオン交換水、メタノールで洗浄した後、200℃で1時間乾燥した。得られた重合体B3の収率は90%であった。
重合体B3の一部をPBTHFに溶解して固有粘度を測定したところ、0.36dl/gであった。プレス成型により作成した重合体B3のフィルムの屈折率は1.320、また、Tは158℃であった。
[例18] 光ファイバの製造例
例14で得られた重合体A3(93部)と、ペルフルオロ(トリフェニルトリアジン)(7部)をガラスアンプルに入れ、封管した後、240℃において均一に溶融混合して、重合体混合物(以下、混合物C1という)を得た。プレス成型により作成した混合物C1のフィルムの屈折率は1.354であり、Tは93℃であった。
次に、特開平8−5848号公報記載の方法に従い、混合物C1および重合体A3を用いて光ファイバを製造した。すなわち、まず混合物C1をガラス封管中で溶融することにより、円柱状の成形体(C1a)を得た。次に重合体A3のみで円筒を溶融成形して、この円筒の中空部に成形体(C1a)を挿入しながら220℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを240℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバが得られた。
得られた光ファイバの光伝送損失をカットバック法により測定したところ、650nmで195dB/km、850nmで110dB/km、1300nmで83dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間加熱保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、加熱保存前の屈折率分布と比較したところ変化は見られなかった。さらに、パルス法により伝送帯域を測定することにより伝送特性を評価した。光ファイバを70℃、1000時間加熱保存した後に伝送帯域を測定したところ、加熱保存前後ともに350MHz・kmで、帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
[例19] 光ファイバの製造例
押出機を用いて、PBVEの重合体(固有粘度0.27dl/g、屈折率1.342)を中心部に、および、重合体A3を外周部に配置するように同心円状に2色押出を行うことによりコアークラッド型の光ファイバを紡糸した。得られた光ファイバの外径は520μm、コア径は485μmであった。また、光伝送損失をカットバック法により測定したところ、650nmで148dB/km、850nmで88dB/km、1300nmで73dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。
[例20] 光ファイバの製造例
例18で得られたプリフォームの更に外側に重合体B3からなる中空管を被せ240℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送損失をカットバック法により測定したところ、650nmで143dB/km、850nmで61dB/km、1300nmで35dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。また、この光ファイバの曲げ半径10mmにおける損失増加を850nmで測定したところ0.14dBであり、曲げ損失の小さい光ファイバであることがわかった。
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間加熱保存した後、伝送損失を測定したところ変化は見られなかった。さらに、パルス法により伝送帯域を測定することにより伝送特性を評価した。光ファイバを70℃、1000時間加熱保存した後に伝送帯域を測定したところ、加熱保存前後ともに275MHz・kmで、帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
[例21] 重合体D1の製造
PDDとテトラフルオロエチレンを質量比80:20で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tが160℃でMが1.7×10の重合体を得た。この重合体をフッ素/窒素混合ガス(フッ素ガス濃度20容量%)雰囲気中で250℃、5時間加熱処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下、重合体D1という)を得た。重合体D1は無色透明であり、屈折率は1.305であった。
[例22] 光ファイバの製造
押出機を用いて、重合体A3を中心部に、および、重合体D1を外周部に配置するように同心円状に2色押出を行うことによりコアークラッド型の光ファイバを紡糸した。得られた光ファイバの外径は990μm、コア径は905μmであった。また、光伝送損失をカットバック法により測定したところ、650nmで189dB/km、850nmで98dB/km、1300nmで75dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。
[例23] 光ファイバの製造例
重合体A3の92.5部に対して、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)7.5部をガラスアンプルに入れ、封管したのち、250℃において均一に溶融混合して、重合体混合物(以下、混合物C2という)を得た。プレス成型により作成した混合物C2のフィルムの屈折率は1.350であり、Tは95℃であった。
次に、混合物C2および重合体A3を用いて光ファイバを製造した。すなわち、まず混合物C2をガラス封管中で溶融することにより、円柱状の成形体C2aを得た。次に重合体A3のみで円筒を溶融成形して、この円筒の中空部に成形体C2aを挿入しながら220℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを240℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバが得られた。
得られた光ファイバの光伝送損失をカットバック法により測定したところ、650nmで185dB/km、850nmで96dB/km、1300nmで82dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。
この光ファイバを70℃のオーブン中に2000時間加熱保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、加熱保存前の屈折率分布と比較したところ変化は見られなかった。さらに、パルス法により伝送帯域を測定することにより伝送特性を評価した。光ファイバを70℃、2000時間加熱保存した後に伝送帯域を測定したところ、加熱保存前後ともに335MHz・kmで、帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
[例24] 光ファイバの製造例
重合体A3の90部に対して、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー10部をガラスアンプルに入れ、封管したのち、250℃において均一に溶融混合して、重合体混合物(以下、混合物C3という)を得た。プレス成型により作成した混合物C3のフィルムの屈折率は1.345であり、Tは84℃であった。
次に、混合物C3および重合体A3を用いて光ファイバを製造した。すなわち、まず混合物C3をガラス封管中で溶融することにより、円柱状の成形体C3aを得た。次に重合体A3のみで円筒を溶融成形して、この円筒の中空部に成形体C3aを挿入しながら220℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを240℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバが得られた。
得られた光ファイバの光伝送損失をカットバック法により測定したところ、650nmで125dB/km、850nmで71dB/km、1300nmで53dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであった。
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間加熱保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、加熱保存前の屈折率分布と比較したところ変化は見られなかった。さらに、パルス法により伝送帯域を測定することにより伝送特性を評価した。光ファイバを70℃、1000時間加熱保存した後に伝送帯域を測定したところ、加熱保存前後ともに328MHz・kmで、帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
<産業上の利用可能性>
本発明によれば、従来の側鎖を有しない含フッ素ジエンの重合体に比較して高いガラス転移温度を有し、屈折率が低く、耐熱性に優れた光学樹脂材料となりうる新規な含フッ素重合体、および該含フッ素重合体を与える2個の不飽和結合を有する新規な含フッ素ジエン化合物が提供される。また含フッ素重合体を特定の含フッ素溶媒に溶解させることにより、有用な含フッ素重合体溶液が提供される。また、該含フッ素重合体は屈折率が低く、耐熱性に優れることにより、高性能な光伝送体およびプラスチック光ファイバが提供される。

Claims (13)

  1. 下式(1)で表される含フッ素ジエン化合物。
    CF=CFCF(OR)CFOCF=CF (1)
    式中、Rは、ペルフルオロアルキル基を表す。
  2. がトリフルオロメチル基である請求項1に記載の含フッ素ジエン化合物。
  3. 下式(2)で表される化合物および下式(3)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物において、フッ素原子以外のハロゲン原子において脱ハロゲン化反応を行うことを特徴とする下式(1)で表される含フッ素ジエン化合物の製造方法。
    CF=CFCF(OR)CFOCF=CF (1)
    CFCFZCF(OR)CFOCF=CF (2)
    CFCFZCF(OR)CFOCFZCF (3)
    式中、Rは、ペルフルオロアルキル基、Z、Z、Z、Zはそれぞれ独立にフッ素原子以外のハロゲン原子を表す。
  4. 式(1)で表される含フッ素ジエン化合物が環化重合したモノマー単位からなる、または、式(1)で表される含フッ素ジエン化合物が環化重合してたモノマー単位および式(1)で表される含フッ素ジエン化合物と重合しうる他の重合性単量体が重合したモノマー単位からなる含フッ素重合体。
    CF=CFCF(OR)CFOCF=CF (1)
    式中、Rは、ペルフルオロアルキル基を表す。
  5. がトリフルオロメチル基である請求項4に記載の含フッ素重合体。
  6. 式(1)で表される含フッ素ジエン化合物が環化重合したモノマー単位が、下式で表されるいずれかのモノマー単位である請求項4または5に記載の含フッ素重合体。ただし、Rは前記と同じ意味を示す。
    Figure 2003037838
  7. 他の重合性単量体のモノマー単位が、式(1)で表される含フッ素ジエン化合物以外の環化重合しうる含フッ素ジエン、含フッ素脂肪族環構造を有する単量体、含フッ素非環式ビニルエーテル系単量体、および、フルオロオレフィンから選ばれる少なくとも1種が重合したモノマー単位である請求項4〜6のいずれかに記載の含フッ素重合体。
  8. 他のモノマー単位が、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)およびペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)から選ばれる少なくとも1種が重合したモノマー単位である、請求項4〜6のいずれかに記載の含フッ素重合体。
  9. ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロ(トリブチルアミン)、ペルフルオロ(トリプロピルアミン)、ペルフルオロベンゼンおよびジクロロペンタフルオロプロパンから選ばれる1種以上の含フッ素溶媒に、請求項4〜8のいずれかに記載の含フッ素重合体が溶解した含フッ素重合体溶液。
  10. 請求項4〜8のいずれかに記載の含フッ素重合体を用いて構成された光伝送体。
  11. 請求項4〜8のいずれかに記載の含フッ素重合体と高屈折率化剤の混合物から形成されたコアを有するプラスチック光ファイバ。
  12. 含フッ素低分子化合物が、ペルフルオロ(トリフェニルトリアジン)、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)およびクロロトリフルオロエチレンオリゴマーから選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項11に記載のプラスチック光ファイバ。
  13. プラスチック光ファイバが、屈折率分布型光ファイバである請求項11または12に記載のプラスチック光ファイバ。
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