JPS647508Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、記録あるいは再生用の光デイスクが
載置されるターンテーブルをステツピングモータ
により上記デイスクのラジアル方向に移動操作す
ることによつて所定情報信号の記録・再生を行う
ようにした光学式デイスク記録及び／又は再生装
置に関する。

〔背景技術とその問題点〕

従来、スピンドルモータによつて回転駆動され
るターンテーブル上に載置固定され該ターンテー
ブルと一体に回転する円盤状の記録デイスクの信
号記録面と対向するように、レーザビームを出射
する半導体レーザの如きレーザ発振器を内蔵した
光学ピツクアツプ装置を設置し、この光学ピツク
アツプ装置から出射されたレーザビームを上記記
録デイスクの信号記録面に照射して上記記録デイ
スクに記録された情報信号を読み取り再生するよ
うになした光学式のデイスクプレーヤが提案され
ている。

この種のデイスクプレーヤにあつては、記録デ
イスクにピツト列として情報信号を記録した同心
円状の記録トラツクを、例えば内周側から順次レ
ーザビームがトレースするようになすため、間欠
駆動するステツピングモータによりターンテーブ
ルを設けた基台を上記ターンテーブル上に載置さ
れる記録デイスクのラジアル方向に相対的に駆動
するように構成されている。

ところで、ターンテーブルを設けた基台を駆動
させるステツピングモータは、パルス化された駆
動電流により所定の回転角度、例えば上述の如き
光学式デイスクプレーヤに用いられるものにあつ
ては、0.9度の回転角度間隔をもつて間欠駆動さ
れるため、動作中に節度運動を繰り返しいわゆる
コツキングを生じ、ステツピングモータ固有の振
動が発生する。このようなステツピングモータ固
有の振動が、駆動されるターンテーブルを設けた
基台に伝達されると、上記振動によりターンテー
ブルを設けた基台が振動させられ円滑な駆動が行
なわれなくなり、レーザビームの光軸にぶれ等を
生じトラツキングエラー等を生じ良好な再生特性
が得られなくなつてしまう。

〔考案の目的〕

そこで、本考案はステツピングモータでターン
テーブルをデイスクのラジアル方向に相対的に駆
動するようにしたものにおいて、ステツピングモ
ータが間欠駆動することによつて立上り時及び立
下り時に生ずる振動を確実に吸収し、この振動が
ターンテーブルに伝達されないようにしてこれら
ターンテーブルが円滑に駆動されるようになし記
録及び／又は再生特性の良好なデイスク記録及
び／又は再生装置を提供することを目的とする。

〔目的を達成するための手段〕

そこで、本考案は、上述したような目的を達成
するため、ステツピングモータを回転駆動される
ギヤに噛合したラツクが設けられたスライドベー
スに配されたターンテーブルを備えた光学式デイ
スク記録及び／又は再生装置であつて、上記ラツ
クを上記スライドベースに形成した凹状部内に上
記スライドベースのスライド方向に一対のガイド
により摺動自在に支持するとともに上記凹状部内
に配されたブチルラバー等の粘性抵抗体に対して
上記ラツクを上記スライド方向にスプリングによ
り押圧するように構成してなるものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を光学式のデイスク再生装置に適
用した場合の具体的な実施例を参照して説明す
る。

この本考案が適用されるデイスク再生装置は、
装置本体を構成するアルミダイキヤスト等で形成
されたシヤーシフレーム１に固定配設した光学式
のピツクアツプ装置２に対し、記録デイスク３が
挿入載置されるスピンドル４に一体的に設けられ
たターンテーブル５を上記記録デイスク３の半径
方向であるラジアル方向に駆動し、上記ピツクア
ツプ装置２と記録デイスク３との相対位置を可変
操作することによつて、ピツクアツプ装置２から
出射されるレーザビームにより記録デイスク３の
所定情報信号を記録した記録トラツクをトレース
し、上記情報信号を読み取り再生するようになし
たデイスク可動型のものとして構成されている。

このデイスク再生装置に用いられるピツクアツ
プ装置２は、レーザビームを出射するレーザ発振
器である半導体レーザとこの半導体レーザから出
射されるレーザビームを平行光に制御するレンズ
及び上記レーザビームの波長変更をなしビームス
ポツトとなす1/4波長板等からなる光学系部品を
内蔵したレーザブロツクと、上記半導体レーザか
ら出射されたレーザビームを記録デイスク３の記
録面に照射し、又記録デイスク３の記録面から反
射された信号読み取りビームを導入する対物レン
ズ６を記録デイスクのトラツキング方向及びレー
ザビームのフオーカス方向の２軸方向に駆動変位
させる２軸駆動デイバイスとから構成されてい
る。このように構成されたピツクアツプ装置２
は、対物レンズ６を第１図中上方に臨ませ、２軸
駆動デイバイスが一体的に取付けられるレーザブ
ロツクの上端側に設けられたベース基板７をシヤ
ーシフレーム１の一側に設けた取付け基台８に固
定して配置される。

一方、スピンドル４に一体的に設けられるター
ンテーブル５は、アルミダイキヤスト等で形成さ
れたスライドベース９の一端に取付けられるスピ
ンドルモータ１０の出力軸に上記スピンドル４を
介して取付けられる。このターンテーブル５が取
付けられるスライドベース９は、シヤーシフレー
ム１の上面側にピツクアツプ装置１側から延在す
るように設けられた一対の互いに平行なガイドレ
ール１１，１２上を転動自在となるように取付け
られるものであつて、相対向する両側に設けた水
平ローラ１３を介して上記ガイドレール１１，１
２上に載置される如くシヤーシフレーム１に取付
けられる。さた、スライドベース９の下面側一側
には、該スライドベース９のスライド方向に規制
するスライド基準面１１ａを構成する一方のガイ
ドレール１１の一側面に摺接する垂直ローラ１４
が設けられている。そして、スライドベース９と
シヤーシフレーム１間には図示しないがマグネツ
トが設けられ、上記スライドベース９をスライド
基準面１１ａを有する一方のガイドレール１１側
へ吸引するようになし、このスライドベース９が
駆動されたとき上記スライド基準面１１ａにそつ
てスライドするようになされている。このように
スライドベース９を取付けることにより、このス
ライドベース９が後述するステツピングモータに
より駆動されるとガイドレール１１，１２にそつ
てスライドされ、ターンテーブル５はここに載置
される記録デイスク３のラジアル方向に移動さ
れ、ピツクアツプ装置２と記録デイスク３との相
対位置が可変操作される。

なお、上記スライドベース９の上面には、この
スライドベース９が駆動されたときに発生する振
動を防止する作用をなす比重の大きな鉛板の如き
質量体１５が粘性接着剤により接合して設けられ
ている。

ところで、上述のようにシヤーシフレーム１上
に取付けられたターンテーブル５を取付けてなる
スライドベース９は、シヤーシフレーム１の下面
側に取付けられるステツピングモータ１６によつ
て駆動される。このステツピングモータ１６は、
第１図に示す如く出力軸１７の一端１７ａをシヤ
ーシフレーム１に穿設した開孔１８からスライド
ベース９側へ突出させて上記シヤーシフレーム１
の他端コーナ部下面側に取付けられている。そし
て、ステツピングモータ１６の出力軸１７とスラ
イドベース９は、上記出力軸１７の一端１７ａに
取付けたギヤー１９とスライドベース９の他側縁
に取付けられたラツクギヤー２１のギヤー部２１
ａ間に大径ギヤー２２と小径ギヤー２３を同軸に
設けた連結ギヤー２４を介在させて連結されてい
る。この連結ギヤー２４はシヤーシフレーム１に
植立された支軸２５に枢支され、減速機構を構成
するため大径ギヤー２２を出力軸１７のギヤー１
９に歯合させ、小径ギヤー２３をラツクギヤー２
１のギヤー部２１ａに歯合させて取付けられてい
る。

なお、上述の如くギヤー機構を介してスライド
ベース９に連結され、このスライドベース９を駆
動するステツピングモータ１６の出力軸１７の他
端１７ｂには、ブチルラバーの如き材料で構成さ
れた粘性抵抗体２８を介在させてフライホイール
２７が取付けられ、上記粘性抵抗体２８の粘性抵
抗とフライホイール２７の慣性力の作用によりパ
ルス化された駆動電流で駆動されるステツピング
モータ１６の振動を吸収するようになすとともに
円滑な駆動が行なわれるようになされている。

そして、本考案が適用されるデイスク可動型の
デイスク再生装置にあつては、ステツピングモー
タ１６の駆動力をターンテーブル５を取付けたス
ライドベース９に伝達するギヤー機構を構成する
ラツクギヤー２１は、第３図にスライドベース９
の他側縁に形成した凹状部３０内に一側に形成し
たギヤー部２１ａを外方に臨ませるとともに上記
凹状部３０の底壁３１に植立した支軸３２，３３
に枢支された一対のガイドローラ３４，３５にギ
ヤー部２１ａの延在方向を長径とした長孔３６，
３７を嵌合して配置されている。また、ラツクギ
ヤー２１の一端縁と凹状部３０の一端面間に粘弾
性を有するブチルラバーの如き材料で形成された
粘性抵抗体３８が設けられるとともに上記ラツク
ギヤー２１の中央部に穿設されたバネ挿入孔３９
内には一端を上記凹状部３０の底壁３１に植立し
た係止ピン４０に係止され他端を上記バネ挿入孔
３９の一端に形成した係止部４１に係止させて上
記ラツクギヤー２１を上記粘性抵抗体３８に圧接
するように作用するスプリング４２が配置され、
ラツクギヤー２１はスライドベース９に対し弾性
的に取付けられる。なお、ラツクギヤー２１を粘
性抵抗体３８に圧接させるスプリング４２は、上
記粘性抵抗体３８が有する弾性力より十分大きな
弾性力を有するものが選らばれる。

上述のように構成されたデイスク再生装置にお
けるステツピングモータ１６は、ターンテーブル
５上に載置される記録デイスク３の記録トラツク
をピツクアツプ装置２から出射されるレーザビー
ムがトレースすることによつて得られるトラツキ
ングエラーの検出出力の低周波成分によつて動作
されるVCO（電圧制御型発振器）から出力される
出力パルスが供給されて動作するモータ駆動回路
から供給されるパルス化された駆動電流によつて
駆動されることにより、ターンテーブル５上に載
置されて回転する記録デイスク３の偏心及びこの
記録デイスク３の再生状態に応じてピツクアツプ
装置２と記録デイスク３との関係を良好に保持す
るようになされ、高周波成分によるトラツキング
エラーに対しては、ピツクアツプ装置２の２軸駆
動デイバイスを上記トラツキングエラーの検出出
力に応じて駆動して対物レンズ６を変位させ、ピ
ツクアツプ装置２と記録デイスク３との関係を良
好に保持するようになされている。

ところで、本考案が適用されるデイスク再生装
置において、上述の如くモータ駆動回路から供給
されるパルス化された駆動電流によつてステツピ
ングモータ１６が駆動されると、このステツピン
グモータ１６は１ステツプの回転角度を例えば
0.9度として間欠駆動してターンテーブル５を取
付けたスライドベース９をピツクアツプ装置２に
対し記録デイスク３のラジアル方向に駆動させ
る。この駆動時にステツピングモータ１６は間欠
駆動するため、１ステツプ毎に立上り及び立下り
時の振動が生じ、この振動はステツピングモータ
１６の出力軸１７を介して上記ステツピングモー
タ１６の駆動力をスライドベース９に伝達するギ
ヤー機構に伝達されることがあり、上記ギヤー機
構を構成するラツクギヤー２１はスプリング４２
に抗して振動するが、上記ラツクギヤー２１とス
ライドベース９間には上述の如く粘性抵抗体３８
が設けられているため、この粘性抵抗体３８の粘
性抵抗の作用により上記振動はスライドベース９
に伝達されることなく上記粘性抵抗体３８で吸収
される如くなる。

さらに、本考案は上述した如きデイスク再生装
置のみならず、ステツピングモータ１６でターン
テーブル５をデイスクのラジアル方向に相対的に
駆動するようにして上記デイスクに情報信号を記
録する装置、又は情報信号の再生と同時に記録を
行なう装置についても同様に適用され同様の効果
が得られる。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案は、スライドベースに
形成した凹状部内に配されたブチルラバー等の粘
性抵抗体に対して上記ラツクを上記スライド方向
にスプリングにより押圧するようにしてなるの
で、上記粘性抵抗体によつてステツピングモータ
が間欠駆動することによつて立上り時及び立下り
時に生ずる振動を確実に吸収できる。そして、上
記振動のターンテーブルへの伝達が確実に遮断さ
れることにより、1.6μピツチという極めて細かい
トラツクピツチを有する光学式デイスクの記録及
び／再生装置のターンテーブルの円滑な移送操作
を行うことができる。その結果、トラツキングサ
ーボ、すなわちピツクアツプ装置の対物レンズを
制御する２軸デイバイス若しくはトラツキングミ
ラーのサーボの負担を軽減でき、レーザビームの
記録トラツクのトラツキングを高精度に保証する
ことができることによつて、記録及び／又は再生
特性の向上を図ることができる。

また、上記ラツクと粘性抵抗体をスライドベー
スに形成した凹状部内に配する構成としたので、
この部分の薄型化を達成できるとともに構成の簡
素化を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されるデイスク再生装置
の要部を示す斜視図であり、第２図はその一部断
面正面図であり、第３図はラツクギヤー部分を示
す平面図であり、第４図はその断面図である。 ２……ピツクアツプ装置、２……記録デイス
ク、５……ターンテーブル、１６……ステツピン
グモータ、１７……出力軸、２１……ラツクギヤ
ー、３８……粘性抵抗体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステツピングモータで回転駆動されるギヤに噛
   合したラツクが設けられたスライドベースに配さ
   れたターンテーブルを備えた光学式デイスク記録
   及び／又は再生装置であつて、上記ラツクを上記
   スライドベースに形成した凹状部内に上記スライ
   ドベースのスライド方向に一対のガイドにより摺
   動可能に支持するとともに上記凹状部内に配され
   たブチルラバー等の粘性抵抗体に対して上記ラツ
   クを上記スライド方向にスプリングにより押圧し
   たことを特徴とする光学式デイスク記録及び／又
   は再生装置。