JPS646597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は無線機に用いられる自動電力制御回
路に関するものである。

（従来技術とその問題点） 第２図に従来の自動電力制御回路（以下APC
回路）を示す。電力増幅器（以下PA）１の出力
は帯域通過フイルタ（BPF）２を通してアンテ
ナ３から放射される。このPA１の出力を結合し、
外部制御信号端子５から制御される可変抵抗器４
により減衰させ、検波器６により直流に変換す
る。この直流は抵抗８，９を通り、比較・増幅器
１１により増幅され、PA１の電源端子に入り、
送信出力を制御する。この回路によつて制御され
るPA１はその電圧対出力特性が直線的でないた
め、広い範囲にわたり電力を制御しようとする
と、ループ利得が変化し、利得の高いとき発振し
やすく、また利得の低いとき電源電圧変動が大き
くなる。これを改良するため、従来は比較・増幅
器の入力抵抗８に並列にFETのドレイン・ソー
スを接続し、ゲートを外部制御端子５の１つに接
続し、これによりFETをON.OFFさせ、比較増
幅器１１の増幅度を変え、ループ利得を変化させ
ていたが、PA１の品種が異なると、電圧対出力
特性が異なるため、FETを動作させる制御信号
を外部制御端子５の別の信号に変えなければなら
ないか、または和をとる必要があり、回路変更が
必要であつた。

（目的） 本考案はAPCの電力増幅器の品種が異なる等
により、電圧対出力特性が変わつた場合におい
て、その対策としてとられる比較・増幅器の増幅
度の変更を簡易な手段で行うものである。

（考案の構成） 本考案は電力増幅器、可変抵抗器、検波器およ
び比較・増幅器で閉ループを構成する自動電力制
御回路において、比較・増幅器の入力抵抗に並列
にFETのドレイン、ソースを接続し、かつ上記
電力増幅器の出力端とFETのゲート端子間に第
２の検波器を接続する構成にし、電力増幅器の出
力でFETを制御し比較・増幅器の増幅度を変え
ようとするものである。

（実施例） 第１図は本考案の実施例である。PA１の出力
に可変抵抗器４を接続し、その後検波器６、入力
抵抗８，９を介して比較・増幅器１１に接続し、
その出力はPA１の電源に接続する。またPA１の
出力とアース間に抵抗１２および１３を接続し、
その抵抗１２と１３の接続点にダイオード１４の
アノードを接続し、カソード・アース間にコンデ
ンサ１５を接続する。このカソードはさらに入力
抵抗８に並列にドレイン・ソースを接続した
FET７のゲートに接続する。

以下この動作について説明する。APC回路の
基本動作は第１図に示した従来の回路と同様であ
る。PA１の出力の一部は抵抗１２，１３によつ
て取り出され、この出力はダイオード１４および
コンデンサ１５により検波され、直流電圧にな
り、この電圧は抵抗１２および１３により決定さ
れる。PA１の出力が大きいときこの検波電圧も
高くなり、FET７のドレイン・ソース間が導通
し、比較・増幅器１１の利得Ａは抵抗８，９，１
０の値をそれぞれＲ１，Ｒ２，Ｒ３とするとＡ＝
Ｒ３／Ｒ２となる。一方出力が小さいとゲート電
圧が低くなりFETがOFF状態になるのでＡ＝Ｒ
３／（Ｒ１＋Ｒ２）となる。このようにしてPA
１の出力の大小と抵抗の定数によりAPC回路の
ループ利得を変えることができるので、従来の制
御信号を利用した回路のようにPA１の品種が異
なつても回路の変更を行なう必要がない。

（効果） 本考案によるAPC回路は、種々のPAに適用が
可能であり、従来に比べ、汎用性が大きくなる。

【図面の簡単な説明】

第２図は従来のAPC回路、第１図：本考案の
実施例。 １……PA、２……BPF、３……アンテナ、４
……可変抵抗器、５……外部制御信号、６……検
波器、７……FET、８，９，１０，１２，１３
……抵抗、１１……比較・増幅器、１４……ダイ
オード、１５……コンデンサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 移動無線機において、電力増幅器の出力を結合
   して可変抵抗器、第１の検波器および比較・増幅
   器を通して電力増幅器の出力を制御する自動電力
   制御回路において、比較・増幅器の入力抵抗に並
   列にFETのドレイン、ソースを接続し、ゲート
   端子を電力増幅の出力に接続した第２の検波器に
   接続することを特徴とした自動電力制御回路。