JPS644866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は厚手和紙に一つ松の図形を表わした飾り
紙を形成し、又別体としてマイクロカプセルの微
粒子香を通気性和紙袋内に包蔵した芳香体を角形
和紙袋に挿入して芳香袋を形成し、その芳香袋の
背面上端部を、飾り紙の背面上端部に接着して芳
香発散体を形成し、その芳香発散体を形成せる飾
り紙の背面にして芳香袋との未接着部に、結び切
りの飾り結びを表面とせる、金銀のこよりで形成
せる水引の背面中央部を介入し、一体的に接着し
た芳香発散装置を施した金封用水引に関するもの
である。

婚約が成立し、結納を持参する場合、結納金を
包むのに金封を用いる。この金封には慶事を表示
するのに、のしの外、金銀の水引を用いて結び切
りの飾り結びをしたり、別製の水引飾りを作製し
て取付けている。然し更に祝意を表わすため金封
より芳香を発散させれば一層慶びの象徴となる。

本案は、金封に用いる水引に芳香発散装置を施
し、金封を使用する際芳香発散を開始せしめ、恰
も金封より発散しているようにしたものである。

（従来の技術） 従来より用いられている水引は、金封にかける
だけのものであつて、金封の表面において、水引
も表面をなし、その表面において結び切りの飾り
結び、その他水引とは別に作製せる水引飾りを取
付け、又金封の背面においては、水引も背面をな
し、その背面中央部において金銀の色分けをなし
ているものである。

この水引は金封にかけるだけのものであるから
外観上慶びを表わすようにしておけば足りる。然
し水引は金封に用いるものであるから、水引に芳
香発散装置を施し、水引より芳香発散させれば恰
も金封より芳香発散しているように感じ、有形の
金封に加え、無形の芳香にて一層の慶びを表わす
ものとなるものである。

本案は水引に芳香発散装置を施したものであつ
て、従来になき技術を加えたものであつて需要家
に歓迎されるものである。

（考案が解決しようとする問題点） 水引は金封にかけるものである。そして水引自
体はこよりで形成され屈曲自在である。その水引
に芳香袋のみを取付けて金封にかけると外観を見
苦しくし、商品価値をなくしてしまう。故に外観
上従来に増して美観を与え、芳香発散による慶び
を表わすには、芳香袋を外部から見えないように
しなければならない。その手段として、本案は慶
事を表わす一つ松の図形の飾り紙を形成し、その
飾り紙の背面の上端部に芳香袋の上端部を接着し
て芳香発散体を形成し、その芳香発散体の背面に
して芳香袋との未接着部に水引の背面中央部を介
入し一体的に接着したものであるから、芳香袋は
飾り紙の背面に隠れ、飾り紙は水引の背面中央部
の上面に表われて水引に美観を添え、然も芳香発
散による慶事の悦びを表わすものである。

（問題を解決するための手段） 本考は金封にかける水引より芳香を発散せしめ
て、恰も金封が芳香を発散しているようにしたも
のである。水引は金封に用いるものであるから、
水引より芳香発散せしめることは金封より発散し
ているように感じるものである。そして芳香発散
させるために芳香袋内に、マイクロカプセルの微
粒子香を通気性和紙袋に包蔵した芳香体を収容し
ている。マイクロカプセルの微粒子香は、その儘
ては発香せずして長く保存に耐えるが、微粒子香
を指先で押圧して粉末に潰すことにより芳香を発
散する。その芳香は通気性和紙袋を通過して角形
和紙袋内に出で、更にその角形和紙袋の口部より
外気中に漂うものである。然し芳香袋をその儘水
引に取付けることは、水引の外観を害うのみなら
ず、マイクロカプセルの微粒子香を潰すのに手数
を要し不便である。

本案は水引の外観を害うことなく芳香袋を取付
けるため、厚手和紙に慶事を表わす一つ松の図形
を表わした飾り紙を形成し、その背面に芳香袋の
背面上端部を接着して芳香発散体を形成し、その
芳香発散体の背面にして芳香袋との未接着部に水
引の背面中央部を介入し一体的に接着したもので
あるから、一つ松の飾り紙により外観美を表わし
芳香袋は露出することなく隠れ、然もマイクロカ
プセルの微粒子香は飾り紙の上面より指先で押圧
すれば潰されて芳香発散を開始するから、金封お
よび水引に支障を及ぼすことなく芳香を発散せし
めるものである。

（作用） 本案は芳香発散体を形成せる飾り紙の上面を指
先で押圧することにより、飾り紙の背面に水引と
共に一体的に接着し、芳香袋を形成せる角形和紙
袋内の芳香体であるマイクロカプセルの微粒子香
を潰すことができる。マイクロカプセルの微粒子
香は通気性和紙袋内に包蔵されており、その儘で
は外気に耐え発香しないが、粉末に潰せば発香し
その芳香は通気性和紙袋を通過し角形和紙袋内に
出で、更にその角形和紙袋の口部より外部に出で
外気に漂い恰も金封より発散しているごとき感じ
を与えるものである。

更に本案は、金封にかける水引であるから、金
封の表面を結び切りの飾り結びで飾り、背面を一
つ松の図形を表わした飾り紙で飾つているから、
芳香発散作用を行うと共に外観美に富ましめるも
のである。

（実施例） 本案の実施例を説明すれば、厚手和紙に、一つ
松の図形を表わし、輪廓を切り取つて一つ松のみ
とした飾り紙１を形成し、別体としてマイクロカ
プセルの微粒子香２を通気性和紙袋３内に包蔵し
て芳香体４とし、その芳香体４を角形和紙袋５内
に挿入して芳香袋６を形成し、その芳香袋６の背
面上端部７を飾り紙１の背面上端部に接着して芳
香発散体８を形成し、その芳香発散体８を形成せ
る飾り紙１の背面にして芳香袋６との未接着部に
結び切りの飾り結び９を表面とせる金銀の水引１
０の背面中央部を介入し、飾り紙１と、水引１０
と、芳香袋６とを一体的に接着してなるものであ
つて図中１１は金封、１２はのしである。

本案は叙上のごとき構成によりなるものであつ
て、芳香体４はマイクロカプセルの微粒子香２を
通気性和紙袋３内に包蔵せるものであつて、その
マイクロカプセルの微粒子香２は、その儘では発
香せず、外部より力を加えて粉末とすることによ
り発香する。従つて芳香発散を行うには、飾り紙
１の上面より指先で押圧を加え、背面に一体的接
着状態をなしている水引１０と、角形和紙袋５
と、通気性和紙袋３とを共に連圧して内部のマイ
クロカプセルの微粒子香２を粉末に潰すようにす
る。マイクロカプセルの微粒子香２は強圧を加え
なくとも指先の圧力で充分潰すことができるから
簡易に芳香発散させることができるものである。

（考案の効果） 本案はマイクロカプセルの微粒子香２を粉末に
潰すことにより芳香発散させるものであるから、
マイクロカプセルの微粒子香２を粉末化せずにお
けば発香せずして香いの消耗なく長期保存するこ
とができる。又発香させてもマイクロカプセルの
微粒子香２は長期に亘り発香し続けるから、需要
前より芳香発散させておいても、金封が需要家の
手に渡り使用が終るまでにマイクロカプセルの微
粒子香２が消耗して芳香発散を停止する懸念はな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案を金封にかけた場合の正面図、第
２図は同背面図、第３図は本案の拡大背面図にし
て芳香袋の一部を切欠し内部を表わした図、第４
図は同背面図にして水引を介入し一体的に接着し
た状態を表わした図、第５図は第４図Ａ−Ａ線に
おける断面図、第６図は芳香体の一部切欠拡大正
面図である。 図中、１……飾り紙、２……マイクロカプセル
の微粒子香、３……通気性和紙袋、４……芳香
体、５……角形和紙袋、６……芳香袋、７……背
面上端部、８……芳香発散体、９……飾り結び、
１０……水引。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 厚手和紙に、一つ松の図形を表わし、輪廓を切
   り取つて一つ松のみとした飾り紙１を形成し、別
   体としてマイクロカプセルの微粒子香２を通気性
   和紙袋３内に包蔵して芳香体４とし、その芳香体
   ４を角形和紙袋５内に挿入して芳香袋６を形成
   し、その芳香袋６の背面上端部７を飾り紙１の背
   面上端部に接着して芳香発散体８を形成し、その
   芳香発散体８を形成せる飾り紙１の背面にして芳
   香袋６との未接着部に、結び切りの飾り結び９を
   表面とせる金銀の水引１０の背面中央部を介入
   し、飾り紙１と、水引１０と、芳香袋６とを一体
   的に接着した芳香発散装置を施した金封用水引。