JPS644652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、梱包機のテープ切断装置に関する
ものである。。

〔従来の技術と問題点〕

第１図は、熱可塑性のテープを用いて梱包物を
結束する自動梱包機の要部を示している。

自動梱包機の要部機構は、梱包物Ａを載置する
テーブル１上にスライド板２とテープ挿入口３を
設け、スライド板２の直下に第１クランプ４と加
圧器５及び第２クランプ６を並べて配置し、スラ
イド板２の移動と第１クランプ４、加圧器５、第
２クランプ６の昇降動及び図示省略したヒータの
進退動を、モータM₁によつて回転するカム７群
によりタイミングをとつて行なうようにしてい
る。

テーブル１の内部には、リール（図示省略）か
ら引出した熱可塑性合成樹旨のテープＢをスライ
ド板２の下部からテーブル１上に所定長さを送り
出すと共に、テープＢの引締を行なう送り出し引
締機構８と、この機構８からテーブル１上に向か
うテープＢを誘導すると同時に、スイツチＳとに
よりテープＢの引締張度を検出し、モータM₁及
び上記機構８のモータM₂を制御するテープガイ
ド９とが組込まれている。

上記のような自動梱包機は、テーブル１上に載
置した梱包物ＡにテープＢを巻回し、このテープ
Ｂの先端を挿入口３からスライド板２の下部に差
込み、テープ先端でスイツチを押すと、モータ
M₁が起動して第１クランプ４が上昇し、この第
１クランプ４の上端とスライド板２とでテープの
挿入側を固持し、モータM₁が一時的に停止する
と同時に送り出し引締機構８のモータM₂がテー
プ引締方向に回転し、テープＢを引締めて梱包物
Ａを巻締め、テープの緊張をスイツチＳが検出す
る。

これによつて送り出し引締機構８が停止し、モ
ータM₁が再び回転を開始し、第２クランプ６が
上昇してテープＢの先端と途中をスライド板２と
で固持し、次に加圧器５が上昇し、同時にヒータ
が上下のテープ間に進入する。

加圧器５は、その上昇時において、第１クラン
プ４の摺動面とに成された切断機構１０でテープ
Ｂの途中を切断し、テープＢとその間に進入した
ヒータを加圧する。

ヒータは上下テープの対向面を加熱溶融した後
に抜け、加圧器５は更に上下テープを加圧するた
め、テープの両端が溶着する。

この後、加圧器８、第１クランプ４、第２クラ
ンプ６の各々が下降し、スライド板２が横動して
梱包物ＡとテープＢの間から抜け、テーブル上か
ら梱包物Ａを取除けば結束が完了し、スライド板
２が前進位置に復帰すると共に、テープＢがテー
ブル１上に送り出されることになる。

ところで、テープＢの切断を行なう切断機構１
０は、第１クランプ４に設けたテープ通過切欠１
１の加圧器５が摺動する面の先端側エツジと、加
圧器５の第１クランプ４と摺動する面の先端側エ
ツジとで構成され、加圧器５の上昇時に両エツジ
でテープＢを切断するようになつている。

従来の上記切断機構１０は、テープＢを効果的
に切断するため、第５図と第６図に示すように、
第１クランプ４に設けたテープ通過切欠１１のエ
ツジを、テープＢの幅方向に対して直線状態で傾
斜する刃部１２に形成し、丁度鋏と同じ条件で切
断を行なうようになつていた。

しかしながら、第１クランプ４の刃部１２を斜
状状にすると、カム７の回転にともない、加圧器
５が上昇し、テープＢを押上げて切断が始まる
と、テープＢは切断されると同時に刃部１２の傾
斜方向へ第５図矢印Ｘで示す如く押されて幅方向
に滑り、その結果テープＢが完全に切断されずに
切れ残りが生じたり、切断できた場合でも第６図
の如く、上下テープの溶着部分が幅方向にずれを
生じ、溶着強度が低下するという問題がある。

この考案は上記のような問題を解決するために
なされたものであり、テープの切れ残りや溶着の
ずれが生じることのない梱包機のテープ切断装置
を提供するのが目的である。

〔問題点を解決するための手段〕

上記のような問題点を解決するため、この考案
は、テープ切断機構を、第１クランプに設けたテ
ープ通過切欠の加圧器摺動面に先端側エツジと、
加圧器の第１クランプ摺動面における先端側エツ
ジとで構成し、第１クランプの先端側エツジを円
弧状の刃部に形成したものである。

〔作用〕 加圧器の上昇によつて押上げられたテープは、
加圧器のエツジと第１クランプの刃部とによつて
切断される。刃部は円弧状に形成されているため
テープは両側から同時に切断され、幅方向への移
動がないため、切り残しの発生がなく、溶着ずれ
もない。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面の第１乃至
第４図に基づいて説明する。

第２図のように、第１クランプ４及び第２クラ
ンプ６の上端面には、テープＢの幅方向に延びる
断面逆Ｖ字状の突起部２１，２２が各々設けら
れ、各クランプの上昇時に突起部２１，２２とス
ライド板２の下面に形成した逆Ｖ字状のの凹溝２
３，２４とでテープＢを固持すると共に、第１ク
ランプ４の突起部２１は第３図に示すように長手
方向に凹凸状とし、スライド板２の横動にともな
うテープＢの挿入端部のずれを防止している。

テープ切断機構１０において、第１クランプ４
の加圧器５が摺動する面に設けられた刃部１２ａ
は、第３図と第４図に示すように、中央に向つて
凹入する円弧状に形成されている。

上記のように、刃部１２ａを円弧状に形成する
と加圧器５の上昇動によるテープ切断時におい
て、第３図のように先ずテープＢは、幅方向の両
端部B₁とB₂の部分から刃部１２ａに接触し、切
断されていくため、テープＢの幅方向への位置ず
れがなく、テープＢの切れ残りは生じないと共
に、テープ幅方向にずれのない溶着が得られる。
なお、第１クランプ４、加圧器５、第２クランプ
６には、第２図に示す如く、内部にゴム等の弾性
体２５を組込み、カム７の押上動時の緩衝を行な
うようにしている。

〔効果〕

以上のように、この考案によると、上記のよう
に、第１クランプと加圧器の摺動面に形成された
テープ切断機構において、第１テープの先端側エ
ツジを円弧状の刃部に形成したので、テープ切断
時にテープ幅方向の移動がなく、テープの切り残
りが生じないと共に、テープ幅方向にずれのない
溶着が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るテープ切断機構を用い
る梱包機の要部機構を示す正面図、第２図はテー
プ切断機構を示す拡大縦断正面図、第３図は同縦
断側面図、第４図は同上の溶着状態を示す縦断面
図、第５図は従来のテープ切断機構を示す縦断側
面図、第６図は同上のテープ溶着状態を示す縦断
面図である。 ２はスライド板、４は第１クランプ、５は加圧
器、６は第２クランプ、１０はテープ切断機構、
１１はテープ通過切欠、１２ａは刃部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 梱包物に巻回したテープの先端をスライド板と
   第１クランプで固持し、テープ引締後にテープの
   先端と途中をスライド板と第２クランプで固持
   し、両クランプ間に位置する加圧器と第１クラン
   プとの摺動面に設けた切断機構でテープの途中を
   切断すると共に、対向するテープの重なり面をヒ
   ータによる加熱溶融と加圧器による押圧によつて
   溶着するようにした梱包機において、テープ切断
   機構を、第１クランプの設けたテープ通過切欠の
   加圧器摺動面における先端側エツジと、加圧器の
   第１クランプ摺動面における先端側エツジとで構
   成し、第１クランプの先端側エツジを円弧状の刃
   部に形成したことを特徴とする梱包機のテープ切
   断装置。