JPS644586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、クラツチペダルのリターン時に、
ボデイ側のストツパーと当接させるべく、このペ
ダルの一部に備えつけたストツパークツシヨンに
関するものである。

従来、例えばターン・オーバー機構を備えたク
ラツチペダルでは、このペダルに対するリターン
力が通常のクラツチペダルの場合よりも著しく大
きく、このため上記ストツパークツシヨンの耐久
性に関して問題を生じることがあつた。

このような事情にかんがみて、この考案は、ク
ラツチペダルに大きいリターン力が作用する場合
においても充分な耐久性を発揮するストツパーク
ツシヨンの提供を、その目的とするものである。

次に、この考案の構成を、図面で示す実施例に
従つて詳細に説明する。

まず、ターンオーバー機構を採用したクラツチ
ペダルの実施例を示す第１図および第２図におい
て、クラツチペダル１は、そのペダルボス１ａ
が、第２図で示されているペダルブラケツト３に
固定されたペダルシヤフト２に対して回転可能に
支持されている。従つて、このペダル１は、その
踏み込みに伴い、上記シヤフト２の軸芯まわりに
回動操作されるのである。また、クラツチペダル
１には、クラツチマスタシリンダ（図示しない）
のプツシユロツド４に結合されたクレビス５がク
レビスピン６によつて連結されている。

クラツチペダル１の後方（第１図の右方）に
は、ターンオーバーアーム７が、前記ペダルブラ
ケツト３の一部（図示しない）に対して固定され
たアームシヤフト８の軸芯まわりに回動し得るよ
うに取りつけられている。このアーム７のほぼ中
間部とクラツチペダル１の一部とはターンオーバ
ーロツド９によつて相互に連結されている。これ
により、クラツチペダル１の踏み込みに伴つてア
ーム７が連動回転するのである。また、クラツチ
ペダル１には係止ピン１ｂがペダル１と一体的に
突設されており、このピン１ｂとターンオーバー
アーム７の自由端に突設させた係止ピン１０との
間にはテンシヨンスプリング１１がかけ渡されて
いる。

このスプリング１１の力は、クラツチペダル１
が第１図で示す状態にあるときには、前記のアー
ム７およびロツド９を通じてペダル１をリターン
方向へ引き戻すように作用している。そして、ペ
ダル１が一定のストローク位置（一般に数拾mmの
ペダルストローク位置）まで踏み込まれると、上
述したように、これに連動回転するアーム７の変
位に基づき、前記テンシヨンスプリング１１の弾
力は、このアーム７およびロツド９を通じてペダ
ル１を、それまでとは逆に踏み込み方向へ押す力
として作用するのである。すなわち、上記のテン
シヨンスプリング１１は、クラツチペダル１が上
記一定のストローク位置（ターンオーバー点とい
う）まで踏み込まれるまではペダルリターン力を
発揮し、このターンオーバー点を過ぎるとペダル
踏力に対する補助力を発揮するのである。

さて、前記クラツチペダル１の後方には、第１
図で示す如く、ペダルブラケツト３の一部３Ａに
対し、このクラツチペダル１のリターン位置を決
定するストツパー１２が、二個のロツクナツト１
３によつて突出量の調整可能に取りつけられてい
る。クラツチペダル１の背面において、上記のス
トツパー１２と対応する個所には、ペダルシート
１４が溶接などの手段でペダル１と一体的に固定
されている。このシート１４には、前記テンシヨ
ンスプリング１１の弾力によつてペダル１に作用
するリターン力を、上記ストツパー１２との間に
おいて緩衝するためのストツパークツシヨン１８
が設けられている。このクツシヨン１８は、ゴム
等の素材により、第３図からも明らかなように円
板状に形成されたクツシヨン本体１５と、その下
面中心部から一体に突出させた脚部１７とを備え
ている。この脚部１７は、上記ペダルシート１４
の孔１４ａに挿通されるもので、この孔１４ａに
係止させるための段差部１７ａを有している。

この実施例におけるストツパークツシヨン１８
は、そのクツシヨン本体１５の内部に補強部材１
６が入れられている（第３図参照）。この補強部
材１６は、金属板を第３図で示す如き形状（ハツ
ト形状）にプレス加工したもので、クツシヨン本
体１５の耐久性の向上を図るものである。従つ
て、このストツパークツシヨン１８によれば、前
述したターンオーバー用のテンシヨンスプリング
１１による強いペダルリターン力（通常のペダル
リターンスプリングの約４倍の力）に対しても充
分な耐久性を発揮し得る。

なお、上記ストツパークツシヨン１８の成型手
段としては、その型内に上記の補強部材１６を、
型の内面から突出させたピン等の支持部材によつ
て位置決めしておき、その後、この型内にゴム材
を流し込んで加硫仕上げをする。この成型に際し
てのゴム材の流動をよくするために、上記補強部
材１６には適数個の孔１６ａがあけられている
（第３図参照）。また、ストツパークツシヨン１８
を試作してみた結果、ゴムの硬度は加流状況から
75゜程度、補強部材１６の板厚は、その加工性か
ら0.8mm程度が好ましいものと判明している。

第４図で示す実施例は、補強部材１６を単なる
円板状としたもので、その加工性を簡素化したも
のである。

以上のように本考案は、クラツチペダルと一体
のペダルシートに取付けられたクツシヨン本体に
おいて、ボデイ側のストツパーとの当接側に剛質
の補強部材をペダルシートから浮かせた状態で設
けたことにより、クツシヨン本体において、クラ
ツチペダルの踏み込み及びリターン動作に伴つて
ストツパーに対する離反及び当接を繰返す側が上
記の補強部材によつて保護され、かつこの補強部
材はペダルシートから浮いた状態にあつてクツシ
ヨン本体の機能を適性に維持することができる。
このため、クツシヨン本体におけるペダルリター
ン時の衝撃緩衝機能を損うことなく、このペタル
リターン時の激しい衝撃からクツシヨン本体を保
護することができ、もつて例えばターンオーバー
機構を採用したクラツチペダルのようにペダルに
対するリターン力が強力な場合のストツパークツ
シヨンとしても充分に適用させることができると
いつた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示し、第１図はタ
ーンオーバー機構を備えたクラツチペダルの概略
を表した正面図、第２図は第１図の一部を省略し
た状態で、その右側（背面側）からみた側面図、
第３図はストツパークツシヨンを拡大して表した
断面図、第４図は異なる実施例のストツパークツ
シヨンを第３図と対応させて表した断面図であ
る。 １……クラツチペダル、１２……ストツパー、
１４……ペダルシート、１８……ストツパークツ
シヨン、１５……クツシヨン本体、１７……脚
部、１６……補強部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラツチペダルと一体のペダルシートに対して
   クツシヨン体を、ペダルリターン時にボデイ側の
   ストツパーと当接するように取付けたストツパー
   クツシヨンであつて、このクツシヨン本体におけ
   る前記ストツパーとの当接側に剛質の補強部材を
   前記のペダルシートから浮かせた状態で設けたこ
   とを特徴とするクラツチペダルのストツパークツ
   シヨン。