JPS644438Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は粉砕機に関し、特に、微粒の粉砕物
を得るのに適した粉砕機に関するものである。

微粒粉砕物を製造するための粉砕方法としては
砕料相互間の摩擦及び衝突の回数を大きくする方
法が最もよいと考えられており、従つて微粒粉砕
を行うための粉砕機においては砕料をできるだけ
狭い空間に閉じ込めて該砕料にできるだけ激しい
運動を与えるとともに該砕料と粉砕機の硬質面と
の相互摩擦運動を大きくすることが必要である。

この考案の目的は前記の如き状態を実現するこ
とができ、微粒粉砕物を製造するのに適した粉砕
機を提供することであり、また、この考案の目的
は前記の如き状態を実現しうる信頼性の高い粉砕
機を提供することである。

以下、添附図面を参照しつつ本考案の一実施例
について説明する。１は鉛直に配置された砕料供
給管であり、砕料供給管１はその中間部分におい
て粉砕機フレーム２の軸受３に回転可能に支持さ
れている。砕料供給管１の上端には粉砕機フレー
ム２に固定された砕料投入ホツパ４の下端筒状部
が挿入されており、また砕料供給管１の下方部分
にはほぼ逆円錐状の粉砕容器５が一体に連結され
ている。砕料供給管１の上端部近傍には被動Ｖベ
ルトプーリ６が嵌着されており、砕料供給管１と
粉砕容器５は被動ベルトプーリ６を駆動するＶベ
ルト７及び駆動Ｖベルトプーリ８並びにモータ９
から成る駆動装置によつて回転駆動されるように
なつている。

粉砕容器５は、上端部から下方に向つて内径が
一様に減少する逆円錐形の上方部分５Ａと、下端
から上方に向つて内径が一様に減少する下方部分
５Ｂとを有している。粉砕容器５の上端には砕料
供給管１と一体のフランジ部１Ａが粉砕容器５の
蓋となるように締結され、フランジ部１Ａを介し
て砕料供給管１と粉砕容器５とが一体化されてい
る。砕料供給管１は粉砕容器５の上方部分５Ａ内
にまで挿入され、砕料供給管１の下端開口部は粉
砕容器５内の最小内径部の中心位置に配置されて
いる。

粉砕容器５の下端は開放されており、粉砕容器
５の下端の開口部内には粉砕容器５の下方から円
錐台形の振動台１０が挿入されている。振動台１
０の外周面と粉砕容器下方部分５Ｂの内周面との
間には粉砕用の間隙ｇが形成され、この間隙ｇに
おいて砕料が粉砕されるようになつている。振動
台１０の外周面における円錐角（すなわち、振動
台１０の中心軸線に対する振動台外周面の母線が
成す角度）は粉砕容器下方部分の内周面における
円錐角よりも大きく設計されており、従つて間隙
ｇは振動台１０の下端に近ずくに従つて狭くなつ
ている。

粉砕容器５の内周面にはその最小直径部から下
方部分５Ｂに渡つてパドル１１が着脱可能に装着
されている。このパドル１１は粉砕容器内の砕料
を強制的に間隙ｇ内に押込む作用をする部材であ
り、この実施例においては円錐台形状の筒状体の
内周面にその母線方向の溝を多数条形成した部品
として構成されており、パドル１１を粉砕容器と
ともに回転することによつて砕料に強い撹拌力を
与えると同時に砕料を該パドルの溝内を通つて間
隙ｇ内に押込む作用をする。

振動台１０の下面には振動台を支持するための
鉛直なロツド１２が一体に形成され、ロツド１２
は粉砕機フレーム２に固定された振動発生器１３
に支持されている。振動発生器１３には公知の超
音波振動子が内蔵されており、超音波振動子を励
起する発振制御装置１４が電気配線１５を介して
接続されている。

粉砕容器５及び振動台１０の下方には粉砕容器
５から排出された粉砕物を受けるための粉砕物受
け部１６が設けられ、粉砕物受け部１６に形成さ
れた排出管１６Ａを通つて粉砕物は外部の容器１
７に収納されるようになつている。

次に前記の如き構成の本考案の実施例における
粉砕機の運転と各部の作動について説明する。ま
ず、モータ９を起動して砕料供給管１と粉砕容器
５とを回転駆動する一方、発振制御装置１４を操
作して振動発生器１３内の超音波振動子を励起さ
せて振動台１０に高周波振動を発生させる。この
場合、振動発生器１３はロツド１２に軸線方向の
振動を与えるが、ロツド１２の振動は振動台１０
の半径方向に現れる。

砕料投入ホツパ４に砕料Ｍを投入すると、砕料
は回転している砕料供給管１内を遠心力を受けつ
つ螺旋状に落下し、最終的に粉砕容器５内の振動
台１０上に落下する。振動台１０上に落下した砕
料は振動台１０の水平方向振動によつて振動台１
０の全面にほぼ平均的に拡散された後、粉砕容器
５とともに回転するパドル１１によつて強く撹拌
されるとともにパドル１１の溝内に集められ、最
終的にパドル１１の作用によつて振動台１０の外
周面と粉砕容器下方部分５Ｂの内周面との間の粉
砕用の間隙ｇ内に強制的に押込まれる。

振動台１０は前記したようにその外周面が半径
方向に振動するため、間隙ｇに入つた砕料はこれ
らの振動によつて相互に摩擦運動するとともに粉
砕容器５の内周面と振動台１０の外周面とに衝突
し、同時に粉砕容器５の回転による摩擦運動を受
け、その結果、微粒に粉砕される。

粉砕されて振動台１０の外周面下端部と粉砕容
器５の内周面下端部との間の微小間隙を通過しう
るようになつた粉砕物ｍは粉砕物受け部１６に落
下した後、排出管１６Ａを通つて外部の容器１７
に収集される。

この考案の効果は次のとおりである。

砕料供給管１と粉砕容器５とが回転駆動され
ているので砕料供給管１及び粉砕容器５内で砕
料が詰まるおそれがなく、安定した運転を行う
ことができる。

粉砕用の間隙ｇ内では砕料に回転運動とそれ
に直交する高周波振動とが同時に作用するた
め、砕料内に気流が巻込まれて流動化し、従つ
て砕料が凝集することなく微粒に粉砕される。

粉砕用の間隙ｇは上部から下部に向うに従つ
て狭くなつているので砕料のシヨートパスが起
らず精度の高い粉砕を行うことができる。

振動台１０が円錐台形であり、また粉砕容器
５の内周面も円錐面であるため、両者のいずれ
かが摩耗しても、間隙ｇの調整を容易に行うこ
とができる。

以上の説明で明らかなとおり、この考案により
微粒の粉砕物を常に安定した精度で得ることので
きる信頼性の高い粉砕機が提供される。

なお、前記実施例ではパドルを筒状体もしくは
環状体として形成した例のみを示したが、パドル
１１を筒状体もしくは環状体などの形態にしなく
ともよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

添附図面は本考案による粉砕機の一実施例を示
す概略図である。 １……砕料供給管、１Ａ……フランジ、２……
粉砕フレーム、３……軸受、４……砕料投入ホツ
パ、５……粉砕容器、９……モータ、１０……振
動台、１１……パドル、１２……ロツド、１３…
…振動発生器、１４……発振制御装置、１５……
電気配線、１６……粉砕物受け部、１６Ａ……排
出管、１７……容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端から上方に向つて一様に内径が減少する下
   方部分を有しかつそれ自身の鉛直な中心軸線を中
   心として回転駆動される粉砕容器と、該粉砕容器
   の最小内径部の中心位置に開口するとともに該粉
   砕容器と一体に回転する砕料供給管と、該粉砕容
   器の該下方部分の内周面に着脱可能に装着された
   パドルと、該パドルの内側の空間及び該粉砕容器
   の下方部分内に挿入されるとともに下端から上方
   に向つて外径が一様に減少する円錐台形の振動台
   と、該振動台を高周波振動させる高周波振動発生
   器とを有して成り、該砕料供給管から該粉砕容器
   中の該振動台上に供給された砕料を該パドルによ
   つて該振動台の外周面と該粉砕容器下方部分の円
   周面との間の間隙に押込み、該間隙に生ずる円周
   方向のせん断力及び半径方向及び軸線方向の振動
   によつて該砕料を粉砕することを特徴とする粉砕
   機。