JPS643741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車の車体構造、特にヒンジピラ
ーの下部とサイドシルとの接合部の構造に関する
ものである。

〔従来技術〕 一般的なサイドシル部の接合構造としては、従
来、実開昭58−59673号公報に記載されているよ
うに、サイドシルアウタとサイドシルインナとの
間にレインフオースメント部材を介設し、該サイ
ドシルアウタ、インナ、レインフオースメント部
材及びフエンダーパネルの各々のフランジ部を相
互に接合したものがあつた。

ところで、上記ヒンジピラーにはドアが取付け
られるため大きな荷重が作用するものであり、そ
こで従来、ヒンジピラーとサイドシルとの接合部
の剛性を向上するための構造が種々提案されてお
り、その一例として、第１図に示すものがあつ
た。

第１図はこの従来の接合部構造の横断面を示
し、図において、１は車体の左、右に配設された
サイドシルであり、これはインナパネル２とアウ
タパネル３とからなる閉断面構造の筒状体で、車
体の前後方向に延びている。該サイドシル１の上
面にはヒンジピラー４の下端部が接合されてお
り、該ヒンジピラー４はピラーインナ５とピラー
アウタ６とからなり、車体の上下方向に延びてい
る。

そして上記ヒンジピラー４内にはヒンジレイン
フオースメント７が配設されており、該ヒンジレ
インフオースメント７は第１図右側に開口部７ａ
を有する箱状のもので、その底面部７ｂはヒンジ
ピラー４のピラーアウタ６に、その図示下側壁面
部７ｃはサイドシル１のアウタパネル３の上面に
各々接合されており、また図示していないが、該
ヒンジレインフオースメント７の開口部７ａの図
示手前側には接合フランジ部が形成され、これは
ヒンジピラー４のピラーインナ５に接合されてい
る。

しかしながら、この従来構造のものでは、該接
合部の剛性はそれほど向上せず、そのためドアを
取付けた場合、該ドアの先端部が下つてドアの開
閉がスムーズにできないという問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、以上のような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、ヒンジピラーとサイドシルとの
接合部、ひいては車体の剛性を向上でき、ドアを
取付けた場合、これが下るのを防止できる自動車
の車体構造を提供することを目的としている。

〔考案の構成〕

本考案は、自動車の車体構造において、サイド
シル内に、底面と該底面前後の縦壁面とからなる
凹陥部を有するフイキシングプレートを該凹陥部
がヒンジピラーの下端部下方にくるよう配設し、
サイドシルの凹陥部上方に開口を設け、フイキシ
ングプレートの前、後端部をサイドシルの上面部
に接合するとともに、その凹陥部の底面をサイド
シルの下面部に接合し、またヒンジピラー内に、
その両端が上記フイキシングプレートの凹陥部の
開口側縁部に接合された水平面部を有するヒンジ
レインフオースメントを配設し、これの水平面部
により上記フイキシングプレートの凹陥部の上部
を上記開口を通つて覆うように構成したものであ
り、これによりフイキシングプレートとヒンジレ
インフオースメントによりサイドシル内に節を設
けたものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図について説明する。

第２図及び第３図は本考案の一実施例を示し、
図において、１１は車体の前後方向に延びるサイ
ドシルであり、これのインナパネル１２、アウタ
パネル１３間には該サイドシル１１に沿つて車体
前後方向に延びるサイドシルレインフオースメン
ト部材８が配設され、該レインフオースメント部
材８及び両パネル１２，１３は各々の上側フラン
ジ部８ａ，１２ａ，１３ａ同志及び下側フランジ
部８ｂ，１２ｂ，１３ｂ同志が相互に接続されて
２つの閉断面を構成している。

また、上記サイドシル１１の上面にはヒンジピ
ラー１４の下端部が接合されており、該ヒンジピ
ラー１４は、ピラーインナ１５とピラーアウタ１
６とからなり車体上下方向に延びている。そして
上記サイドシル１１のアウタパネル１３の該下端
部が対応する部分はコ字状に切欠かれて開口１３
ｃとなつており、上記ピラーインナ１５の下端は
上記サイドシルレインフオースメント部材８の上
側フランジ部８ａに接合されている。またピラー
アウタ１６の下端部はＬ字状に折曲げ形成されて
おり、その下側フランジ部１６ａは上記レインフ
オースメント部材８の下側フランジ部８ｂに接合
されている。

そして上記サイドシル１１内にはフイキシング
プレート１９が配設されており、該フイキシング
プレート１９はコ字状の凹陥部１９ａを有する平
板状のもので、該凹陥部１９ａの底面１９ｆはサ
イドシル１１のアウタパネル１３の下面あるいは
ピラーアウタ１６の下端部に接合され、また該凹
陥部１９ａに折曲げ形成された接合フランジ部１
９ｄはアウタパネル１３の側壁面に接合されてい
る。またフイキシングプレート１９の水平部の前
端部１９ｂはダツシユロア部２０に位置し、その
後端部１９ｃはピラーアウタ１６の水平部１６ｂ
に位置しており、該前、後端部１９ｂ，１９ｃは
アウタパネル１３の上面内側に接合され、また、
該フイキシングプレート１９の水平部に折曲げ形
成された接合フランジ部１９ｅはアウタパネル１
３の側壁面に接合されている。

また、上記ヒンジピラー１４内にはヒンジレイ
ンフオースメント１７が配設されており、該ヒン
ジレインフオースメント１７は開口１７ａを有す
る箱状のもので、その底面１７ｂはピラーアウタ
１６に接合され、またその図示下側面である水平
面部１７ｃは上記アウタパネル１３の開口１３ｃ
を通つてフイキシングプレート１９の凹陥部１９
ａの上部を覆つており、さらに該水平面部１７ｃ
の両端に形成された接合フランジ部１７ｄはフイ
キシングプレート１９の凹陥部１９ａ縁部に接合
されている。

このように構成された本実施例構造では、ヒン
ジピラー１４とサイドシル１１との接合部にフイ
キシングプレート１９の凹陥部１９でもつて節を
形成し、かつ該凹陥部１９の上部をヒンジレイン
フオースメント１７で覆つたので、該接合部の剛
性を向上でき、ドアを取付けた場合該ドアが下る
のを防止できる。

なお、上記実施例では、ヒンジピラー１４とサ
イドシル１１との接合部部分において、サイドシ
ル１１のアウタパネル１３をコ字状に切欠いた場
合について説明したが、本考案では必ずしもコ字
状に切欠く必要はなく、要はフイキシングプレー
ト１９の凹陥部１９ａをヒンジレインフオースメ
ント１７の水平面部１７ｃでもつて覆えるだけの
開口を設ければよい。さらに上記実施例ではサイ
ドシルレインフオースメント部材８を設けたが、
本考案では該レインフオースメント部材８は必ず
しも必要ないものである。

〔考案の効果〕

以上のように本考案に係る自動車の車体構造に
よれば、サイドシル内に、底面と該底面前後の縦
壁面とからなる凹陥部を有するフイキシングプレ
ートを配設するとともに、ヒンジピラー内に、そ
の両端が上記フイキシングプレートの凹陥部の開
口側縁部に接合された水平面部を有するヒンジレ
インフオースメントを配設し、該水平面部により
上記フイキシングプレートの凹陥部を覆つたの
で、サイドシル内に節が形成されて該サイドシル
とヒンジピラーとの接合部ひいては車体の剛性を
向上でき、その結果ドアの下りを防止してドアの
取付精度を向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車の車体構造を示す断面
図、第２図は本考案の一実施例による自動車の車
体構造を示す断面図、第３図はその斜視図であ
る。 １１……サイドシル、１２……インナパネル、
１３……アウタパネル、１３ｃ……開口、１４…
…ヒンジピラー、１７……ヒンジレインフオース
メント、１７ｃ……水平面部、１９……フイキシ
ングプレート、１９ａ……凹陥部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の前後方向に延びインナパネルとアウタパ
   ネルとによつて閉断面構造に形成されたサイドシ
   ルが設けられ、該サイドシルに下端部が接合され
   たヒンジピラーが車体の上下方向に設けられ、上
   記サイドシルのヒンジピラーの下端部が対応する
   部分には開口部が設けられており、上記サイドシ
   ル内にはフイキシングプレートが設けられ、該フ
   イキシングプレートは底面とこの底面の前後の縦
   壁面からなる凹陥部を有する平板状に成形され、
   該フイキシングプレートの前後端は車体の前後方
   向に所定長さ延長されて上記サイドシルの上面部
   に各々接合され、該フイキシングプレートの上記
   凹陥部は上記ヒンジピラーの下端部の接合部下方
   に位置し、該凹陥部の底面は上記サイドシルの下
   面に接合されており、上記ヒンジピラー内にはヒ
   ンジレインフオースメントが配設され、該ヒンジ
   レインフオースメントの下方には上記フイキシン
   グプレートの凹陥部の上部をサイドシルの上記開
   口を通つて覆う水平面部が設けられ、該水平面部
   の両端は各々フイキシングプレートの凹陥部の開
   口側縁部に接合されていることを特徴とする自動
   車の車体構造。