JPS64261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はNC旋削工作機械のタレツトと工具マ
ガジン間で自動交換されるブロツクツールの中の
寿命工具のみを保管すべく配設されるブロツクツ
ールの補助マガジンに関するものである。

昨今のFMS指向又は無人化システム指向のNC
旋削工作機械には工作機械のタレツトに工具を自
動的に着脱するブロツクツール方式が採用され、
工具交換に伴う稼動率の低下を防止している。ブ
ロツクツール方式では、タレツトと工具を多数本
収納する工具マガジンとの双方に工具ホルダを形
成し、上記工具マガジンに保管される工具先端部
即ちブロツクツールのみを必要に応じてタレツト
側に自動移送し、これをタレツトの工具ホルダに
把持せしめるようになつている。この方式により
工具の破損又は摩耗が生じた場合にも、その都度
機械を停止させることなく、自動工具交換し、機
械の稼動率を向上することができる。

すなわち、第１図に示す如く、タレツト１の側
面および下面には工具ホルダ２ａ，２ｂが設けら
れ、これ等にはブロツクツール３ａ，３ｂが着脱
手段により着脱自在に保持される。ブロツクツー
ル３ａ，３ｂの着脱動作は、後に説明するローダ
の旋回中心を図の位置４に位置決めし、グリツパ
によりブロツクツール３ａ又は３ｂを把持し、２
点鎖線に示す位置に新規ブロツクツールとの相互
交換することによつて行う。

第２図に示す如くローダ５は、旋回ヘツド６、
旋回ヘツド６を回転させる旋回用モータ７、旋回
ヘツド６の先端側に配設され上下動し得るグリツ
パ８、ローダ５全体を走行用ビーム９に沿つて移
動させるトラバース用モータ１０等とより構成さ
れ、鉛直軸に対し角度θだけ傾斜して配置され
る。

第３図に示す如く、走行用ビーム９の下方側に
はブロツクツール３ａ，３ｂ等を多数本保管する
工具マガジン１１とタレツト１を有するNC旋削
工作機械１２が複数台配列されている。

工具マガジン１１は、例えば図示の如くドラム
型の回転割り出し可能のものからなり、同種類の
ブロツクツール３ａ，３ｃ等を多数本分類収納す
る多数本の縦溝部を有し、第４図にも示す如く、
ウオーム１３とウオームギヤとの噛合により、必
要のものが割り出し回転位置決めされるように形
成される。

ブロツクツール３ａ，３ｂ，３ｃ等を取り出す
には、工具マガジン１１を回動し、所定の割り出
し位置にブロツクツール３ａ等を位置決めした
後、グリツパ８によりこれを把持し、走行用ビー
ム９に沿つてこれ等を所望のNC旋削工作機械１
２のタレツト１まで移送し、上記の如く、グリツ
パ８を旋回せしめてタレツト１側にブロツクツー
ル３ａ等を装着せしめることにより行う。

従来、摩耗又は破損した寿命工具は、タレツト
１からグリツパ８により取出され、上記と逆順序
で工具マガジン１１内に収納していた。

しかしながら、上記の如く工具マガジン１１に
は同種類のブロツクツール３ａ等を保管する上記
縦溝部が形成されているが、寿命工具をこれ等の
該当縦溝部に混在挿入すると、新しい同種工具を
工具マガジン１１より取り出す際の識別が困難に
なるため、予め空白の寿命工具専用の縦溝部を工
具マガジン１１内に設けておき、この中に寿命工
具を保管する方法が採用される。従つて、工具マ
ガジン１１のブロツクツール収納数が制限され、
その分だけ大きな工具マガジン１１を設置する必
要性が生ずる。

また寿命工具を管理し、工具マガジン１１から
取出し交換するためには、これら寿命工具が工具
マガジン１１内に混入しているため、目視による
管理が困難なうえ、工具マガジンの割出し動作延
いては機械の運転を停止しなければ寿命工具の取
出しに必要以上の時間がかかる問題があつた。

本考案は以上の事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は寿命工具と必要工具とを区分し、
工具マガジンの容量を必要最小限のものにすると
共に、寿命工具の管理を容易にして稼動率を向上
するブロツクツールの補助マガジンを提供するこ
とにある。

本考案はこの目的を達成するために、ブロツク
ツールを保管する工具マガジンと工作機械のタレ
ツト間の上記ブロツクツールを自動交換する系路
内に、寿命工具のみを着脱可能に多数本収納する
補助マガジンを設けるように構成されるブロツク
ツールの補助マガジンを特徴としたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

第５図に示す如く、工具マガジン１１のフレー
ムベツド１５の側面には補助マガジン１６の支持
体である支持板１７が固定される。支持板１７に
はグリツパ８の上下動方向と一致する方向に２本
のストツカ１８が傾斜して設けられている。スト
ツカ１８は保持体であるツールシユータ本体１９
と、この溝２０に収納されその長手方向に数分割
された係止体である係止棒２１と、上方側に形成
されるツールクランプ手段２２と、下方側に形成
される支持手段２３等とから構成される。

第６図に示す如く、ツールシユータ本体１９は
ボルト２４により支持板１７に固定され、その溝
２０内には円形断面形状の複数本に分断された係
止棒２１が順次、直列して収納される。１つの係
止棒２１の上下２箇所にはロツド２５の一端側が
螺着され、ロツド２５の他端側にはツールシユー
タ本体１９および支持板１７に貫通形成された穴
から突出し、その端部には２箇のロツド２５間に
跨設するスプリング支持板２６がナツト２７によ
り取り付けられている。またスプリング支持板２
６とツールシユータ本体１９間にはロツド２５を
支持板１７側に付勢するスプリング２８が介設さ
れる。また第７図に示す如く、スプリング支持板
２６の長手方向中央部には、これを押圧する駆動
源であるエアシリンダ２９が設けられている。ま
た係止棒２１の上下側には係止棒２１内のブロツ
クツールの存在を確認するための近接スイツチ３
０，３１がそれぞれ設けられている。

以上の構成により、エアシリンダ２９を作動し
ない場合には係止棒２１に係止したブロツクツー
ルはスプリング２８のバネ力により保持され、エ
アシリンダ２９を作動すると自由になり、下方側
に順次落下して送られる。

ツールクランプ手段２２はツールシユータ本体
１９の上方端側に設けられ、第８図に示す如く構
成されている。

即ち、ツールシユータ本体１９の背面に内部に
空間部を有するブロツク３３がボルト３２で固定
され、該ブロツク３３にはエアシリンダ３８がボ
ルト３９で固定されている。

前記ツールシユータ本体１９の溝２０に直交す
る貫通穴３５′内に係止ロツド３５が摺動可能に
挿嵌され、該係止ロツド３５の一端に形成される
球部３４が前記ツールシユータ本体１９の溝２０
内に突出し、係止ロツド３５の中間にはフランジ
部３５″が形成されると共に、他端にはＬ字形を
した係止部３６が形成されている。

また、前記係止ロツド３５のフランジ部３５″
は前記ブロツク３３内に介装されたスプリング４
２により押圧されている。

更にエアシリンダ３８のシリンダロツド先端に
はコ字形を形成した金具３７が螺着され、前記係
止部３６と係合可能な状態で対向している。

即ち、スプリング４２で押圧支持されている係
止ロツド３５の係止部３６と金具３７との間には
エアシリンダ３８の作用で該金具が前進した状態
では互に係合せず一定の空間部が形成され、シリ
ンダロツド軸方向動きの遊びを設けてある。

係合部間の遊びを設けた理由はブロツクツール
３ａを把持するためのストロークではシリンダの
開閉検知信号をとるには不充分なため所望のスト
ロークを得るべく設けられたものである。

以上の構成により、球部３４に係止したブロツ
クツール３ａまたは３ｂはエアシリンダ３８の動
作によりツールシユータ本体１９に保持されると
共に、エアシリンダ３８を開放するとブロツクツ
ールは自由となり、落下して下方に待機する１番
目の係止棒２１内に挿入されることになる。

第９図に示す如く、支持手段２３は、ツールシ
ユータ本体１９の溝２０内に跨設される止め棒４
０と、この止め棒４０をロツクするピンロツク４
１から構成される。

止め棒４０が溝２０内に挿入されている場合に
は、係止棒２１に係合しているブロツクツールは
止め棒４０により脱落されずに保持されるが、こ
れを引き抜くことによりブロツクツールはツール
シユータ本体１９の下方より取り外し可能とな
る。

次に、本実施例の作用を説明する。

第１０図に示す如く、複数台のNC旋削工作機
械１２ａ，１２ｂ等のタレツト１ａ，１ｂから破
損又は摩耗によつて不要となつた寿命工具がグリ
ツパ８に把持され、走行用ビーム９に案内されて
補助マガジン１６のストツカ１８の上方まで移送
され、まずツールクランプ手段２２の係止ロツド
３５の球部３４に挿入される。ここで、エアシリ
ンダ３８を動作し、寿命工具を固定保持したの
ち、グリツパ８の係止を開放する。次に、近接ス
イツチ３０の動作により、ツールクランプ手段２
２の真下にある係止棒２１内の先行する寿命工具
の存在を確認し、存在していなければエアシリン
ダ３８を開放し、寿命工具の通過を自由にすると
共に、エアシリンダ２９を動作して係止棒２１を
自由にし、１番目の係止棒２１内に寿命工具を挿
入し、次にエアシリンダ２９を開放してこれを保
持する。また近接スイツチ３１により係止棒２１
の下端まで寿命工具が挿入されたことを確認した
ら、その真下に配設される２番目の係止棒２１側
に寿命工具を移動せしめ、上方側に明ける。以
下、同様のことを繰返す。寿命工具がストツカ１
８に満杯になるまで挿入されると、ツール取り出
し手段23の止め棒４０を引き抜き、寿命工具をス
トツカ１８から取り出す。

以上により、不要となつた寿命工具は工具マガ
ジン１１に保管されることなく、すべて補助マガ
ジン１６に保管される。従つて、工具マガジン１
１の容量は寿命工具を考慮しない所望の大きさに
形成すればよい。

補助マガジン１６の１つのストツカ１８内に
は、各種の寿命工具が保管されるので、多数列の
ストツカ１８を必要とせず、比較的コンパクトの
構造に形成される。また寿命工具のストツク状態
が目視で容易に観察されるため、工具の補給がタ
イムリーに行われ、工具管理の完全化が図れロス
時間を回避することができる。また係止棒２１は
上記の如く数段に分割され、ブロツクツールを順
次に落下させるように形成されるため、寿命工具
の落下時における衝撃力を緩和し、損傷、衝撃音
の発生を防止することができる。このような衝撃
力の緩和を図る必要のない場合は、最上段の係止
棒２１のみに、工具に対するロツク、アンロツク
手段を設けることによりローダからの工具の受渡
しを確実ならしめると共に、第２段以下の係止棒
にはロツク手段を設けない構造とすることができ
る。

本実施例において、補助マガジン１６を工具マ
ガジン１１の側面に配置したが、ブロツクツール
の自動交換系路内のその他の場所であつても勿論
構わない。

以上の説明によつて明らかな如く、本考案によ
れば寿命工具をすべて補助マガジン内に保管でき
るので必要工具を保管する工具マガジン１１の容
量を必要最小限のコンパクトのものにすることが
できると共に、寿命工具の管理が容易にでき、且
つ稼動率を向上し得る効果が上げられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はタレツトに取付けられたブロツクツー
ルの着脱状態を説明する説明図、第２図はローダ
の構造を示す正面図、第３図は従来のブロツクツ
ールの工具交換手段を示す構成図、第４図は工具
を分類保管する従来の工具マガジンを示す斜視
図、第５図は本考案実施例の正面図、第６図は第
５図の−線断面図、第７図は第６図の−
線断面図、第８図は第５図の−線断面図、第
９図は第５図の−線断面図、第１０図は本実
施例の作用を説明する説明図である。 １，１ａ，１ｂ……タレツト、３ａ，３ｂ，３
ｃ……ブロツクツール、５……ローダ、８……グ
リツパ、９……走行用ビーム、１１……工具マガ
ジン、１２，１２ａ，１２ｂ……NC旋削工作機
械、１６……補助マガジン、１７……支持板、１
８……ストツカ、１９……ツールシユータ本体、
２０……溝、２１……係止棒、２２……ツールク
ランプ手段、２３……ツール取り出し手段、２５
……ロツド、２６……スプリング支持板、２８…
…スプリング、２９……エアシリンダ、３０，３
１……近接スイツチ、３３……ブロツク、３４…
…球部、３５……係止ロツド、３６……係止部、
３７……金具、３８……エアシリンダ、４０……
止め棒、４１……ピンロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工具マガジン側に設けられNC旋削工作機械の
   タレツトに着脱自在に装着されたブロツクツール
   を自動工具交換装置により取出し、積載収納する
   ブロツクツールの補助マガジンであつて、前記工
   具マガジンの架台に設けられ補助マガジン全体を
   支持する支持体と、該支持体に設けられ前記自動
   工具交換装置によつて搬送されたブロツクツール
   を保持する保持体と、該保持体の上下方向にわた
   つて該保持体と平行状に設けられ上記ブロツクツ
   ールに係合し該ブロツクツールを係止あるいは開
   放して案内する係止体と、該係止体を前記保持体
   との間で接近離反させる駆動装置と、前記係止体
   に案内されたブロツクツールを前記保持体底部で
   取出し可能に支持する支持手段とから成ることを
   特徴とするブロツクツールの補助マガジン。