JPS642300Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案はデイジタルオーデイオデイスクプレ
ーヤなどのピツクアツプのヘツド取付装置の構造
に関する。

背景技術 いわゆるデジタルオーデイオデイスク（以下
DADと称す）プレーヤは、PCM（パルス符号変
調）方式により直径が12cm、厚さが1.2mm程度の
小型薄型のコンパクトデイスクに音楽や音声など
の情報を高密度で微細なピツトの形で記録し、か
つこれをレーザービームを用いた光方式によるピ
ツクアツプで読取り再生するようにしたものであ
る。このような光方式によるピツクアツプに於い
ては、ピツクアツプのヘツドから照射されるレー
ザ光のビームスポツトが解像しようとする情報ピ
ツトに対して、位置ズレや焦点ずれ等がなく、常
にこの情報ピツトが光学系のレンズ軸上の所定位
置に正しく位置するように、ピツクアツプのヘツ
ドの取付角度や取付高さを予め一定の範囲内に設
定して取付けることが必要となる。従来、このヘ
ツド取付調整機構は、テープレコーダのヘツド部
に適用されるアシマス調整機構のような調整ネジ
によるものがほとんどであつた。ところが、これ
は一方向のみの調整を対象としたものであり、
DADプレーヤのピツクアツプのように直交する
２方向について角度調整を行う必要があるものは
これを適用することが出来ない。そこで、この場
合は３個の調整ネジを用いてピツクアツプを３方
向から支持することになるが、これによると、い
づれか一つの調整ネジを螺回操作すると、必然的
にピツクアツプ全体が直交する２方向共に角度変
位してしまい、いづれか一方のみを単独で角度調
整するという訳にはいかなかつた。したがつて、
いづれか一方向のみを角度調整したい場合におい
ても、その都度すべての調整ネジを用いて同時に
２方向について調整しなければならず、かつその
調整も各調整ネジ毎に小刻みに複数回螺回操作し
て行わなければならなかつた。その結果、操作が
極めてやつかいで手数を要する欠点があり、しか
もピツクアツプが調整ネジにより単純に点によつ
て支持されるため調整後に狂が生ずることもあ
り、安定性が悪るい難点があつた。更に、ピツク
アツプを所定の高さに設定して支持するとなる
と、各調整ネジの螺回操作が尚更に複雑化し、ピ
ツクアツプの組立調整が非常に面倒になる欠点を
有していた。

考案の開示 従つて、本考案は上記DADプレーヤ等におけ
るピツクアツプにおいて、その角度調整と高さ調
整操作が容易かつ確実になされるピツクアツプの
ヘツド取付装置を提供するものである。本考案に
係るピツクアツプのヘツド取付装置はヘツドが塔
載される被調整台をベースプレート上に高さ（Ｚ
方向）調整と角度（Ｘ，Ｙ方向）調整が夫々独立
して確実になされるものである。即ち、本考案の
ピツクアツプのヘツド取付装置は、１ベースプレ
ート上に所定間隔をおいて第１及び第２の高さ調
整ねじが進退可能に植立して配設されること。２
上記第１の高さ調整ねじの上面に、上面が所定の
傾斜角度で傾斜した角度調整ドラムが回動可能に
配設されること。３これらの角度調整ドラム及び
第２の高さ調整ねじの各々の上に配置され、その
下面の上記角度調整ドラム及び第２の高さ調整ね
じと接触する位置で上記角度調整ドラム及び第２
の高さ調整ねじと夫々線接触及び点接触状態で当
接される突条及び突起を有するピツクアツプのヘ
ツド塔載用の被調整台を配設すること。及び４こ
の被調整台を上記調整ねじや調整ドラムを介して
ベースプレートに付勢結合させるものである。

従つて、各高さ調整ねじを回動操作することで
被調整台のＺ方向の位置、即ちヘツド高さを自在
に調整することが出来る。又、角度調整は被調整
台の下面が第２調整ねじと角度調整ドラムを介し
てベースプレートのXY平面上に夫々点接触及び
線接触状態で当接して支持されているため角度調
整ドラム及び第２の調整ネジの回動操作でＸ，Ｙ
方向の角度調整を夫々独立して一方向毎に角度調
整出来る。又、被調整台が常時バネ等の一定の付
勢圧でベースプレート方向に付勢されるため、高
さ調整や角度調整時ガタや浮き或いは位置ズレな
どがなく、操作が容易且つ確実になされるもので
ある。

考案を実施するための最良の形態 以下本考案の実施例を図面を参照しつゝ詳述す
る。第１図及び第２図は本考案に係るピツクアツ
プのヘツド取付装置の一実施例を示すもので、図
において１はプレーヤ本体のシヤーシベース等に
設けられたガイドレール（図示せず）にデイスク
面に沿つてスライド可能に支持されたベースプレ
ート、２及び３はこのベースプレート１上の所定
位置に所定距離離間して配設されたネジ孔４及び
５に夫々貫通して植立された一組の第１及び第２
の高さ調整ネジで、各調整ネジ２，３の頂部２
ａ，３ａは平坦な円板状に形成されている。５は
第１の調整ネジ２の頂部２ａに嵌合して装着され
た角度調整ドラムで、所定径を有する略円柱形状
をなすと共に、その上面５ａが所定傾斜角度で傾
斜するように斜めに切欠形成され、全体として上
面が傾斜する略クサビ形状をなすよう形成されて
いる。又角度調整ドラム５は、例えばその周面５
ｂが歯車状に形成されていて、隣接して配設され
た回転装置６の回転操作により調整ネジ２軸上を
回動するようになつている。７は平盤プレート状
の被調整台で、その上面には図示しないが、ピツ
クアツプのベツドが塔載されるようになつてい
る。被調整台７の下面には、図示するように、調
整ドラム５に支持される一対の突条８，９と第２
の調整ネジ３に支持される突起１０とが夫々下方
向に向け所定高さを有して突出形成されている。
突条８，９は調整ドラム５の上面傾斜方向と直交
するＸ方向、つまりこの傾斜方向を横切る径方向
に沿うように先端がＲ（アール）形状をなして突
出形成されている。又突起１０は第１及び第２の
調整ネジ２及び３の中心を結ぶ線上で第２の調整
ネジ３の中心を外す位置に略球面形状をなして突
出されている。そして被調整台７は、これらの突
条８，９と突起１０とによつて調整ドラム５にＸ
方向に沿う線接触状態に、又調整ネジ３に点接触
状態となるよう下面３個所で３方向から支持され
ている。

他方、ベースプレート１の下方から環状調整ネ
ジ２，３の中央部に設けた挿通孔１１，１２を通
して取付ネジ１３，１４が嵌挿され、その先端ネ
ジ部が被調整台７の下面に設けた取付ネジ孔１
５，１６にネジ止め固定されている。この取付ネ
ジ１３，１４の調整ネジ２，３下方部分はコイル
バネ１７が介挿されており、取付ネジ１３，１４
をベースプレート１の下方に向け常時付勢すると
共に、被調整台７の突条８，９と突起１０とを調
整ドラム５及び調整ネジ３の上面に押圧付勢した
状態で被調整台７をベースプレート１方向に常時
所定のバネ力でもつて付勢している。これによつ
て、被調整台７が調整ドラム５、調整ネジ２，３
を介してベースプレート１にガタや浮き等がな
く、Ｘ，Ｙ，Ｚ方向に角度調整可能に結合支持さ
れる。

次に、以上の構成による本案ピツクアツプの高
さ調整及び角度調整の動作について説明する。

先ず、第１図及び第２図に示す未調整状態に於
いて被調整台７は実線Ａで示す基準位置より調整
ベース１側にあり、従つてピツクアツプのヘツド
がデイスク面より離れているとする。この場合、
第１及び第２の調整ネジ２及び３を回動して被調
整台７を所定の基準位置Ａまで前進させると共に
被調整台７がベースプレート１に平行になるよう
調整する。又、被調整台７が点線Ｂで示す基準位
置より調整ベース１から離れ、ピツクアツプのヘ
ツドがデイスク面側に接近している場合は上記と
逆方向に回動させ基準位置Ｂまで後退させる。そ
して夫々調整後は図示しないが固定用ナツト等に
より調整ネジ２，３をベースプレート１にセツト
する。次に、被調整台７をＸ方向に角度調整する
にあたり、第１図に示す位置から調整ドラム５を
矢印Ｃで示すように一方向に所定角度、例えば90
度回転装置６の回動操作で回転すると、第３図ａ
に示す如く、調整ドラム５の上面傾斜方向がＸ方
向に沿う位置に回動し、これに伴つて傾斜方向の
高さに応じた距離で突条９が調整ドラム５の上面
に沿い傾斜方向の最下方位置に、かつ突条８が最
上位置に夫々所定量ずつ上下動する。その結果、
被調整台７が同第３図ａに示すように、調整ドラ
ム５の上面傾斜角度に対応する角度でベースプレ
ート１に対してＸ方向の一方側に傾斜し、その一
方側への角度調整がなされる。又逆に調整ドラム
５を第１図に示す矢印Ｄで示す方向に例えば90度
の角度で回動操作すると、第３図ａの仮想線で示
すように、その傾斜角度に応じて突条９がその上
面に沿つて傾斜方向の最上方位置に、かつ突条８
がその最下方位置に所定量ずつ上下動し、被調整
台７がベースプレート１に対してＸ方向の他方側
に調整ドラム５の上面傾斜角度に対応する角度で
傾斜して角度調整がなされる。このとき、突条
８，９は調整ドラム５の中心軸を通る直径上にあ
り、かつ突起１０がポピツト状、すなわち点接触
状態で調整ネジ３上に支持されているため、被調
整台７は調整ドラム５の中心軸線及び突起１０先
端を支点としてＸ方向に傾斜するのみであつて、
Ｙ方向には角度変位することなく第３図ｂに示す
ようにベースプレート１に対して平行状態に保持
される。それ故、被調整台７のＸ方向に対する角
度調整がＹ方向と完全に独立して行われることに
なる。この場合、被調整台７は調整ドラム５を上
記矢印Ｃ方向へ角度90度で回動操作したとき一方
側に最大傾斜角度で角度調整され、又矢印Ｄ方向
へ角度90度で回動操作したとき他方側に最大傾斜
角度で角度調整される。そして、一方側へのプラ
スの90度と他方側へのマイナス90度の範囲で調整
ドラム５を任意の角度に選択設定して回動操作す
ることにより、被調整台７が上記傾斜角度の範囲
でベースプレート１に対してＸ方向の一方側又は
他方側に所望の角度で角度調整される。

他方、第２図に示す位置から被調整台７をＹ方
向に角度調整するにあたつては、第２の調整ネジ
３を左又は右方向に回動操作すると、突起１０が
ネジ孔５のピツチに応じて上下に移動する。これ
によつて、被調整台７が第４図ａに示すように、
突条８，９を支点として図示右方が下方又は上方
に傾斜する。このとき、被調整台７は突起１０に
よつて調整ネジ３に点接触状態で支持され、かつ
突条８，９が調整ドラム５のＸ方向に沿う直径上
に支持されているため、第５図ｂに示すようにＸ
方向には角度変位せず、突条８，９の先端接触線
を支点としてＹ方向にのみ傾斜することになり、
したがつて被調整台７のＹ方向に対する角度調整
がＸ方向と完全に独立して行われる。

そして、本例によれば、被調整台７が取付ネジ
１３，１４に介挿したバネ１７により常時一定の
付勢圧でベースプレート１方向に付勢されるた
め、被調整台７の高さ調整や角度調整時、ガタや
浮きあるいは位置ズレ等がなくスムーズに行うこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のピツクアツプのヘツド取付装
置の一例を示す断面図、第２図は第１図の−
線から見た上面図、第３図ａ，ｂは第１図の被調
整台をＸ方向に角度調整した状態を示す側面図及
び正面図、第４図ａ，ｂは同じく被調整台をＹ方
向に角度調整した状態を示す正面図及び側面図で
ある。 １……ベースプレート、２……第１の高さ調整
ねじ、３……第２の高さ調整ねじ、５……角度調
整ドラム、７……被調整台、８，９……突条、１
０……突起、｛１３，１４……取付ねじ、１５，
１６……取付ねじ孔、１７……コイルバネ｝……
結合手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースプレートと、このベースプレート上に所
   定間隔おいて上下動可能に植立された第１及び第
   ２の高さ調整ねじと、第１の高さ調整ねじ上に回
   動可能に配設され上面が所定傾斜角度で傾斜した
   角度調整ドラムと、角度調整ドラム及び第２の高
   さ調整ねじ上に配置されその下面の前記角度調整
   ドラムとは線接触状態に当接する一対の突条及び
   前記第２の高さ調整ねじとは点接触状態に当接す
   る突起が設けられた被調整台と、この被調整台を
   前記角度調整ドラム及び高さ調整ねじを介してベ
   ースプレートに付勢結合する結合手段とを具備し
   たことを特徴とするピツクアツプのヘツド取付装
   置。