JPS641388Y2

JPS641388Y2 -

Info

Publication number: JPS641388Y2
Application number: JP1983033577U
Authority: JP
Priority date: 1983-03-07
Filing date: 1983-03-07
Publication date: 1989-01-12
Also published as: JPS59138643U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は建築、構築物の内、外装の横張り壁体
を形成するのに有用なサイデイングボード（以
下、単にボードという）に関する。従来から使用されているこの種ボードとしては
特公昭51−29339号、実公昭51−11882号、お
よび実公昭54−26649号などがある。しかしな
がら、上記ボードにおいては種々の問題があつ
た。すなわち、のボード（下見板）では雨水が
風で吹きつけられたりすると単なる平板同士の連
結構造のため雨水が裏面に漏洩し、胴縁、柱を腐
食させたり、室内や押入れに湿気を与えたりする
欠点があつた。また、のボードでは下縁の傾斜
部の立上り部までの長さが長いため引張り力に弱
く、目地なしの外装しか形成できない不利があつ
た。しかも、本来は目地なしの外装なのに施工者
の技術によつて目地なし、目地ありのバラバラな
幅の目地からなる外装となると共に、施工の際に
立上り部で負傷する危険があつた。また、このボ
ードは側面の形状が複雑で成形が難しく、かつ、
高価となり、その上平坦部に補強用のリブもなく
なり、捻れ、ペコツキが現われて美観に欠ける不
利があつた。また、〜のボードはいずれも裏
打材がないため化粧面の裏面に結露が生じ錆た
り、壁体自体の断熱性、防火性、防音性に欠ける
と共に、化粧面の変形を阻止できず、しかもボー
ド自体が変形しやすく、かつ、連結力に欠ける欠
点があつた。本考案はこのような欠点を除去するため、化粧
面の下端縁をコ字状の縦断面に形成した係止部を
設け、また化粧面の例えば中央に縦断面を不等辺
台形状とした化粧溝を長手方向に沿つて形成し、
しかも上端縁に傾斜部と目地下地部とリブ状の突
条とからなる係合部と突条より上方に固定部を設
けて防水性と施工性を向上すると共に、目地断面
と化粧溝の断面とを深さを除いて同じ形状に形成
し、かつ、化粧面と係止部、および傾斜部で囲ま
れた凹部に裏打材を充填し、その裏面をシート状
物で覆つて裏打材をサンドイツチ構造とし、化粧
面にペコツキ、変形、反り、捻れのない、しかも
連結部は係合力を大幅に強化して離脱を防止し、
かつ、立体感に富む美しい目地を有する壁体を構
成するボードを提案する。以下に図面に用いて本考案に係るボードの一実
施例について詳細に説明する。すなわち、第１図
は上記ボードを示す斜視図であり、１は板体で金
属板、合成樹脂板を第２図に示すような形状に成
形、押出し等して形成したものである。図におい
て、２は横長の化粧面（以下、単に化粧面とい
う）で、その表面に少なくとも１本の化粧溝３を
長手方向に沿つて形成したものである。この化粧
溝３は主に化粧面２の補強とボードを施工した際
の壁面の目地のような模様を化粧面２にも略同じ
ように形成して美しく、かつ、立体感のある外観
の壁体とするものであり、その縦断面は陰影が大
きく、立体感を醸し出す不等辺台形状で、しかも
垂直な底面３ａとその上端縁を外方に角度θ₁
（90゜）で、所謂水平に折り曲げた上面３ｂと下端
縁を角度θ₂（鋭角）で傾斜、所謂後上りに傾斜し
た下側の傾斜面３ｃとから形成したものである。
４は係止部で化粧面２の下端を内方に屈曲して縦
断面を略コ字状としたものである。さらに説明す
ると、係止部４は水平な底辺５と上方に向つて略
垂直に延設した係止片６、および係止片６の先端
をはぜ状に外方、もしくは内方（図示せず）に屈
曲した舌片７とからなり、底辺５は係止片６まで
の長さを短かくして係止部４の施工時の変形を最
小限にすると共に、目地の陰影を大きくして立体
感を助長し、係止片６は後記する係合部と大きい
面積で接触すると共に、施工の際のガイド、およ
び安定支持片と防水面として機能し、舌片７は後
記する突条との係合部分に毛細管現象が生ずるの
を防止する空隙の形成と施工時に係止片６の先端
が刃物のように鋭利となるのを防止して作業時の
危険性をなくすのに役立つ。８は係合部で化粧面
２の上端を前記角度θ₂に相応した角度θ₂′で後上
りに傾斜した傾斜部９とその端縁を上方に垂直に
延長した目地下地部１０と目地下地部１０の表面
に対し角度θ₄（鋭角）で傾斜した突条１１とから
形成したものである。さらに説明すると、傾斜部
９は雨水の流れをよくし、目地下地部１０に雨水
が貯溜するのを防止すると共に、目地を形成した
際の立体感を助長し、かつ、働き幅を増大するの
に役立つものである。また、目地下地部１０は垂
直な面として目地部の防水下地、および係止片６
のガイドとして役立ち、突条１１は係止片６をあ
る程度の弾力下で係合すると共に、雨水の上方か
らの漏洩阻止と板体１の変形防止のための補強、
および３角形状の屈曲角部１１ａの形成により係
止片６と突条１１間の毛細管現象を阻止するのに
役立つものである。なお、突条１１の角度θ₄は少
なくとも舌片７が接触する面が傾斜していること
であり、その角度θ₄は底辺５の高さh₁、板体１全
体の幅Ｗなどの寸法によつて選択するものであ
る。１２は固定部で突条１１の外側の端縁を上方
へ垂直に延長したものであり、主に板体１を雨水
が漏洩してこない位置で第３図に示すように胴縁
Ａに釘Ｂを介して固定するのに役立つものであ
る。１３は舌片で固定部１２の先端を必要に応じ
て内、外方のいずれかの方向に屈曲して設け、施
工時の危険防止、および固定部の波打ちなどの変
形を阻止するものである。１４は凹部で化粧面
２、化粧溝３、底辺５、および傾斜部９の裏面に
よつて囲まれた部分であり、１５は裏打材で凹部
１４に一体に充填するものである。なお、裏打材
１５は係止部４の近傍を係止の際に支障をきたさ
ないように３角形状、長方形状（図示せず）に切
り欠き部１６を形成する。裏打材１５は主に板体
の補強、化粧面２の変形ペコツキ防止、板体１裏
面の錆防止、断熱性、防音性の強化に役立つもの
であり、その素材としては合成樹脂発泡体（ポリ
ウレタンフオーム、ポリエチレンフオーム、フエ
ノールフオーム、ポリイソシアヌレートフオー
ム、ポリイミドフオームなど）、鉱物繊維（ロツ
クウール、グラスウール）、植物繊維（シージン
グインシユレーシヨンボード、木毛セメント板、
木片セメント板）など、およびこれらに難燃剤、
難燃助剤（硼砂、メタ硼酸ソーダ、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、ベ
ントナイト、パーライト粒、シラスバルーンの１
種以上を添加したものなどからなるものである。
なお、板体１との一体化には必要により接着剤を
使用する。１７はシート状物で裏打材１５の背面
を覆つてボードをサンドイツチ構造体とし、ボー
ド自体の機械強度を向上すると共に、不燃シー
ト、防水膜、遮熱シート、吸水シート、防音シー
ト、パツキング材などの１機能として役立つもの
であり、例えばアスベスト紙、クラフト紙、アス
フアルトフエルト、金属箔（Al，Pb，Fe）、合
成樹脂シート、ゴムシート、布シート、ガラスク
ロスの１種、もしくはこれらの１種以上を組み合
せたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシ
ートなどからなるものである。なお、裏打材１５
は底辺５の裏面により多く存在し、シート状物１
７は上端部が目地下地部１０の裏面に接着されて
いることがより好ましい。ここで、上記各部の大
きさについて簡単に説明すると、底面３の長さ
l₁、係止片６の長さl₂、目地下地部１０の長さl₃、
化粧溝３の開口部の長さl₄、傾斜部９の上端縁と
突条１１の先端部間の開口長さl₅、化粧溝３の深
さｄ、突条１１の高さh₂、化粧面２から目地下地
部１０までの高さh₃、板体１の板厚をt₁裏打材１
５の厚さをt₂とすると、例えば、h₃＝h₁＋t₁，h₂
＜h₃，ｄ≒h₃／２，l₁＜l₄，l₃＞l₅，l₃−l₂≒l₁／２， t₂＝h₃−t₁，l₄は第３図に示す目地幅l₆と略同じ長
さにしたものである。次に施工例について説明する。いま、第１図に示すようなボードを第３図に示
すように横張りして外壁を構成すると仮定する。
そこで、間柱、壁下地、あるいは胴縁Ａに第１段
目のボード○イを釘Ｂを介して固定する。次に第２
段目のボード○ロの係止部４を第１段目のボード○イ
の係合部８に係合し、その固定部１２を上記と同
様に胴縁Ａに固定する。従つて、外壁全体を構成
するには、上記のような工程を順次、土台側から
桁に向つて行なえばよい。以上説明したのは本考案に係るボードの一実施
例にすぎず、第４図、第５図ａ，ｂ、第６図ａ〜
ｅ、第７図ａ〜ｉ、および第８図ａ〜ｃに示すよ
うに形成することもできる。すなわち、第４図は化粧面２に化粧溝３を２本
形成したボードであり、第５図ａ，ｂは化粧溝３
の縦断面形状を幾分変形した不等辺台形状とした
ボードの一部分を示すものであり、第６図ａ〜ｇ
において、ａ図は底辺５を立体感と目地幅に悪影
響を与えない角度だけ内方に傾斜した係止部、ｂ
図は舌片７を図示のように補強のために係止部４
の裏面にならわせた係止部、ｃ図は舌片７を内方
に屈曲し底辺５に窪部５′を形成した係止部、ｄ，
ｅ図は底辺５の化粧面２側端縁を傾斜した係止
部、ｆ，ｇ図は水切り舌片２′を形成した係止部、
第７図ａ〜ｉは突条１１の変形を示すものであ
り、ａ，ｂ図は角断面のリブ状とした突条、ｃ図
は内側、外側がほぼ密着したリブで、かつ、湾曲
した突条、ｄ図は突条１１の立上り部を水平にし
た突条、ｅ図は縦断面をＬ字状とした突条、ｆ図
は内側に突起１１ａを形成した突条、ｇ図は内側
と外側とを図示のように異ならしめた形状とした
突条、ｈ図は突条１１の高さh₂を略h₁に近い寸法
とし、かつ、先端を垂下させた突条であり、これ
は係止部４の強化を図るのに有効な形状である。
ｉ図はｇ図を変形した突条である。第８図ａ〜ｃ
は裏打材１５の係止部４近傍の切り欠き１６を示
すものであり、ａ，ｂ図は略長方形状、ｃ図は３
角形状としたものである。なお、図示しないが、
化粧溝３を３本以上、あるいはシート状物１７を
除去したボードとすることもできる。上述したように本考案に係るボードによれば、
係止部と係合部の連結構造に毛細管現象が生ずる
こともなく、かつ、係止部の舌片、係合部の突条
によつて雨水が板体の内側に漏洩することもなく
下地、あるいは壁内部を腐食することがない特徴
がある。また、ボードの固定は雨水の浸入しない
位置としたため、固定具に錆が発生することがな
い利点がある。さらに、化粧面に化粧溝を形成
し、かつ、裏打材とシート状物でサンドイツチ構
造としたため、長尺のボードが反つたり捻れた
り、ペコツキなどによつて外観を悪くすることも
なく、機械強度が大幅に向上した特徴がある。し
かも、化粧溝は縦断面を不等辺台形状としたた
め、ボードを連結した際の目地の外観と深さを別
にして同じ形状となるため、壁全体の外観は極め
て美しいものとなり、かつ、不等辺台形状の断面
の目地、化粧溝は実質寸法より大幅に立体感を助
長する特徴がある。さらに、係止部４の裏面に裏
打材とシート状物とを一体に貼着したため、係止
部の変形がなく、係合力が増大して連結部におけ
る離脱を阻止できる特徴がある。その上、裏打材
の充填により、壁体は断熱性、防火性、遮音性、
耐食性が大きく向上し、かつ、結露のない構造と
なる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図はその要部である板
体を示す説明図、第３図はその施工状態の一部を
示す説明図、第４図、第５図ａ，ｂ、第６図ａ〜
ｇ、第７図ａ〜ｉ、および第８図ａ〜ｃはその他
の実施例を示す説明図である。１……板体、２……横長の化粧面、３……化粧
溝、４……係止部、６……係止片、８……係合
部、１１……突条、１５……裏打材、１７……シ
ート状物。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横長の金属板の化粧面に対し、縦断面が不等辺
台形状であると共に、上面を水平に、下側の傾斜
面を後上りとなる化粧溝を長手方向に沿つて少な
くとも１本形成し、前記化粧面の下端にはその端
縁を内方に屈曲して縦断面を略コ字状とした係止
部を形成し、上端には前記傾斜面の角度に相応す
ると共に、後上りに傾斜した傾斜部と該傾斜部の
端縁を上方に垂直に延長した目地下地部とその下
地部の端縁を表面と鋭角に屈曲すると共に、該先
端を上記屈曲部に習つて折り返した突条とから係
合部を形成し、かつ、突条の外側の端縁を上方へ
垂直に延長して固定部を形成してなり、また係合
部に上段の板体の係止部を係合した際に形成され
る目地断面が前記化粧溝の断面と深さを除いて略
同じ形状となるように形成した板体の裏面凹部の
うち係合に支障のある前記係止部近傍の一部を除
いて裏打材を充填すると共に、裏打材の裏面をシ
ート状物で被覆して一体に形成したことを特徴と
するサイデイングボード。