JPS641286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はローラコンベア、詳しくは無端状に連
結した２本の駆動チエーン間に枢軸を介してロー
ラを多数回転自在に架設したものに関する。

従来、この種のローラーコンベアは例えば第６
図に示すように多数のチエーンブロツクｂ２′を
枢軸ｂ１′で無端状に連結して左右駆動チエーン
B′，B′を形成し、これらの枢軸ｂ１′，ｂ１′内
端を突出させ該突出部ｂ３′，ｂ３′をローラ
A′の左右両端面に開設した軸孔ａ１′，ａ１′に
夫々遊嵌状に挿入することにより構成している。

しかし、このものは組立時にローラA′の左右
軸孔ａ１′，ａ１′に夫々枢軸ｂ１′を挿入しよう
として、左右駆動チエーンB′，B′を左右方向に
広げると、前に挿入したローラA′が外れてしま
うため、左右駆動チエーンB′，B′に多数のロー
ラA′を一度に挿入しなけれならず、組立てが非
常に面倒であつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とする処は組立ての簡単なローラコンベア
を提供することにある。

斯る目的を達成するために本考案が講ずる構成
はローラの軸孔とこの軸孔内に挿入する枢軸との
間に、バネを装着して該ローラを枢軸に対して摺
動自在にしたもので、ローラの摺動幅を枢軸の突
出長さより大きくすることにより、２枚の駆動チ
エーンの間隔を変えることなくローラの着脱を可
能にするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１実施例は第１図に示すようにローラＡの左
右軸孔ａ１，ａ１と、これらに挿入する左右駆動
チエーンＢ，Ｂの枢軸ｂ１，ｂ１との間に夫々バ
ネ１，１を装着したものである。

上記ローラＡは従来この種の技術分野において
周知のもので、円筒状に形成したローラ本体ａ２
の左右開口ａ３，ａ３を蓋体ａ４，ａ４で夫々塞
ぐと共にローラ本体ａ２の左右端部に夫々ボール
ベアリングａ５，ａ５を設ける。

ボールベアリングａ５はローラ本体ａ２の内周
面に固着した外筒部ａ６と、上記蓋体ａ４の中央
に開穿した通孔ａ７を回転自在に挿通して内周に
軸孔ａ１を開設する内筒部ａ８と、これら両筒部
ａ６，ａ８間に挟持されるボールａ９とからな
る。

上記内筒部ａ８は本実施例の場合、その外周面
に突設した凸条ａ１０を上記通孔ａ７の周縁部
と、ボールａ９を介して外筒部ａ６の内端に折曲
形成した係止片ａ１１とで挟持することにより、
軸方向への移動を阻止する。

左右駆動チエーンＢ，Ｂも従来この種の技術分
野において周知のもので、これらは多数のチエー
ンブロツクｂ２を枢軸ｂ１で無端状に連結するこ
とにより夫々構成される。

枢軸ｂ１はその内端を突出して該突出部ｂ３の
外径を上記軸孔ａ１の内径より若干小径に形成
し、本実施例の場合、上記突出部ｂ３の基端側外
周面に係止リングｂ４を固着すると共に、突出部
ｂ３を上記内筒部ａ８内周に開設した軸孔ａ１に
挿入させた状態で、該リングｂ４から内筒部ａ８
の外端面に亙つてバネ１を配備する。

従つて、左右駆動チエーンＢ，Ｂの左右枢軸ｂ
１，ｂ１の突出部ｂ３，ｂ３を夫夫ローラＡの左
右端面に開口する軸孔ａ１，ａ１に挿通すれば、
係止リングｂ４から内筒部ａ８外端面に亙つて設
けた左右バネ１，１によりローラＡが左右方向へ
摺動可能となるが、この際ローラＡの摺動幅を枢
軸ｂ１，ｂ１の突出部ｂ３，ｂ３の突出長さより
大きくなるようにする。

尚、上記係止リングｂ４はバネ１の弾発力が駆
動チエーンＢに及ばないようにするものである。

次に、第２実施例は第２図に示すように前示第
１実施例と同様、ローラＡの左右両側に夫々バネ
１，１を装着するが、このものは外筒部ａ６の内
端をローラ本体ａ２内方へ向つて所定長さ延設
し、その先端を塞いで中央に挿通孔ａ１２を開穿
すると共に、内筒部ａ８の内端中央に突軸ａ１３
を突設し、該突軸ａ１３の先端を上記挿通孔ａ１
２に挿入して突軸ａ１３の基端面から外筒部ａ６
の挿通孔ａ１２周縁部に亙つてバネ１を配備す
る。

而して、斯る第１実施例及び第２実施例のロー
ラコンベアはローラＡの左右軸孔ａ１，ａ１のい
ずれか一方を左右駆動チエーンＢ，Ｂの枢軸ｂ
１，ｂ１の突出部ｂ３，ｂ３に嵌挿し、この状態
でローラＡを該チエーンＢ側に押圧することによ
りバネ１を圧縮させてローラＡを摺動し、これと
反対側の軸孔ａ１を枢軸ｂ１に嵌挿させて組立て
る。

更に、第３実施例は第３図に示すようにローラ
Ａの左右軸孔ａ１，ａ１のいずれか一方と、これ
に挿入する枢軸ｂ１との間にバネ１を装着したも
ので、このものは左右枢軸ｂ１，ｂ１の突出部ｂ
３外周面に左右軸孔ａ１の内径より若干小径な外
径を有する筒体ｂ５，ｂ５を夫々圧入し、これら
両筒体ｂ５，ｂ５のどちから一方、図面では右側
の筒体ｂ５外端を外方へ延設し、その外端部外周
面に係止リングｂ６を固着すると共に該リングａ
６から内筒部ａ８の外端面に亙つてバネ１を配備
する。

而して斯る第３実施例のローラコンベアはバネ
１を配備した側の筒体ｂ５にローラＡの軸孔ａ１
を嵌挿し、この状態でローラＡをチエーンＢに押
圧することによりバネ１を収縮させてローラＡを
摺動し、これと反対側の軸孔ａ１をバネ１を配備
しない側の筒体ｂ５に嵌挿させて組立てる。

斯る、ローラコンベアは第４図及び第５図に示
す如く左右駆動チエーンＢ，Ｂを夫々前後に配備
した２枚のスプロケツトＣ，Ｃに並列状に配備し
て使用に供され、前後スプロケツトＣ，Ｃのどち
らか一方をモータ（図示せず）で回動させること
により両チエーンＢ，ＢとローラＡを前後方向へ
移動させてローラＡ上の物品Ｄを搬送し、該ロー
ラＡ上にストツパーＥが配備される場合にはロー
ラＡが遊転して物品Ｄを貯溜する。

尚、第１実施例及び第２実施例においてはロー
ラＡの左右に夫々バネ１，１を設けたが、これに
限定されず第３実施例の如く左右どちから一方で
も良く、又これとは逆に第３実施例はローラＡの
左右どちらか一方にバネ１を設けたが、ローラＡ
の左右に夫々バネ１，１を設けても良い。

本考案は以上のように、左右の駆動チエーンに
内方に向けて枢軸を固着突設し、他方ローラの左
右両側には前記枢軸を直接又は間接的に支持する
軸孔を開設した内筒部を回転自在に取付け、その
内筒部に枢軸を直接又は間接的に嵌合してローラ
を軸方向に移動自在に支持し、且つローラの少な
くとも一側に、該ローラの軸方向に沿つた移動に
抗する方向に押圧力が作用するバネを設け、更に
枢軸と内筒部との重合部分の軸方向長さをローラ
の軸方向に沿つた移動量よりも短かくしたもので
あるから、ローラをバネの弾発力に抗して枢軸に
沿い移動させることにより、該ローラにおける移
動方向とは反対側の部分が枢軸から外れる。従つ
て、ローラを軸方向に沿い一方向に移動させるだ
けで簡単にチエーンから着脱することが出来るも
のである。

依つて、左右の駆動チエーンの間隔を変えるこ
となく、ローラを着脱できるため、ローラコンベ
ア全体の組立も非常に簡単に行なうことが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ローラコンベアの第１実施例を
示す縦断正面図、第２図は第２実施例を示す縦断
正面図、第３図は第３実施例を示す縦断正面図、
第４図は本考案ローラコンベアの使用の一例を示
す縮小側面図、第５図は同平面図、第６図は従来
のローラコンベアの一例を示す縦断正面図であ
る。 Ａ……ローラ、ａ１……軸孔、Ｂ……駆動チエ
ーン、ｂ１……枢軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無端状に連結した２本の駆動チエーン間にロー
   ラを多数回転自在に架設したローラコンベアにお
   いて、左右の駆動チエーンに内方に向けて枢軸を
   固着突設し、他方ローラの左右両側には前記枢軸
   を直接又は間接的に支持する軸孔を開設した内筒
   部を回転自在に取付け、その内筒部に枢軸を直接
   又は間接的に嵌合してローラを軸方向に移動自在
   に支持し、且つローラの少なくとも一側に該ロー
   ラの軸方向に沿つた移動に抗する方向に押圧力が
   作用するバネを設け、更に枢軸と内筒部との重合
   部分の軸方向長さをローラの軸方向に沿つた移動
   量よりも短かくしたことを特徴とするローラコン
   ベア。