JPS641253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は上面が開口された伸縮可能な箱部を
備えた自動車用小物入れに関する。

一般に、乗用車等の自動車ではリヤシートの後
方に配置されるトランクルームの上方にトランク
ルームと車室内との境界を定めるリヤシエルフが
設けられることが多い。ところで、第１図に示す
ように自動車のリヤシエルフ１に矩形状の開口部
２を設け、この開口部２に上面が開口された伸縮
可能な箱部３によつて形成される小物入れを設け
ることが考えられている。この場合、箱部３の上
面開口近傍の端縁部が枠部４に取付けられ、この
枠部４がリヤシエルフ１の開口部２に嵌着される
とともに、この箱部３の上面開口部が蓋体５によ
つて開閉可能に閉塞されるようになつている。こ
の蓋体５は枠部４の一端部に取付けられた枢支部
６によつて回動可能に取付けられている。また、
この蓋体５の一端部には円弧状のストツパ７が固
定されており、蓋体５が枢支部６を中心に回動操
作された場合にストツパ７によつて蓋体５が適宜
の回動角度に開かれた状態で保持されるようにな
つている。

しかしながら、上記構成のものにあつては蓋体
５が閉じられた場合、第１図中に仮想線で示すよ
うにストツパ７が箱部３の内部に突出された状態
で保持されてしまうので、例えばトランクルーム
内に大きな荷物を収納する際にこのストツパ７に
箱部３が当たり、箱部３を縮めることができなく
なる不具合があつた。

この考案は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的は、蓋体を閉じた場合であつても箱
部を自由に縮めることができる自動車用小物入れ
を提供することにある。

以下、この考案の一実施例を第２図および第３
図を参照して説明する。第２図および第３図中
で、１１は矩形状の枠部、１２は上面が開口され
た伸縮可能な箱部である。この箱部１２は上面開
口近傍の端縁部が枠部１１に取付けられている。
この枠部１１はトランクルーム１３の上方に配置
され、トランクルーム１３と車室内との境界を定
めるリヤシエルフ１４の矩形状の開口部１５に嵌
着されている。さらに、この枠部１１の両側部略
中央には互いに対向する位置に支持体１６，１６
がそれぞれ設けられているとともに、この枠部１
１の一端部には１対のヒンジ（枢支部）１７，１
７の各固定部が取付けられている。これらのヒン
ジ１７，１７の可動部には箱部１２の上面開口部
を被う蓋体１８の一端部が取付けられている。そ
して、蓋体１８はこれらのヒンジ１７，１７によ
つて枠部１１の一端部を中心に回動可能に支持さ
れている。また、この蓋体１８の両側内面には互
いに対向する位置に支軸１９，１９がそれぞれ設
けられている。これらの支軸１９，１９は蓋体１
８の回動中心から支持体１６，１６までの距離よ
りも蓋体１８の回動中心に近い部位に設けられて
いる。さらに、これらの支軸１９，１９には略平
行な１対のワイヤ状の挟持部２０，２０によつて
形成されたストツパ２１の一端部がそれぞれ回動
可能に取付けられている。このストツパ２１の挟
持部２０，２０の両端部はそれぞれ連結されてい
る。また、このストツパ２１の他端部側には前記
支持体１６に係合可能な凸部によつて形成された
複数の係合部２２…が形成されている。そして、
蓋体１８の開放時にはストツパ２１の何れかの係
合部２２が支持体１６に係合され、この状態で蓋
体１８が所定の開放角度開いた状態で保持される
ようになつている。この場合、ストツパ２１には
複数の係合部２２…が設けられているので、蓋体
１８の開度を数段階に調整可能になつている。ま
た、このストツパ２１は両挟持部２０，２０を拡
げる状態に弾性変形させることにより、支持体１
６から係合部２２を離脱可能になつており、支持
体１６から各係合部２２を外した状態で第３図中
に仮想線で示すように蓋体１８を閉塞するように
なつている。そして、この蓋体１８の閉塞時には
ストツパ２１は枠部１１と略平行に重ねられた状
態で保持されるようになつている。

そこで、上記構成のものにあつては、蓋体１８
の閉塞時にはストツパ２１が枠部１１と略平行な
状態で重ねられるようになつているので、箱部１
２を自由に縮めることができる。したがつて、ト
ランクルーム１３内に大きな荷物を収納する場合
であつても箱部１２が邪魔になるおそれがなく、
使い易さを向上させることができる。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、支持体１６、支軸１９および
ストツパ２１はそれぞれ１組であつてもよい。さ
らに、その他この考案の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施できることは勿論である。

以上説明したように、この考案によれば伸縮可
能な箱部の上面開口部を被う蓋体を枠部の一端部
に回動可能に取付ける枢支部を設けるとともに、
蓋体の側部における蓋体の回動中心から枠部の側
部に設けられた支持体までの距離よりも蓋体の回
動中心側に近い部位に支軸を設け、この支軸に回
動自在に取付けられたストツパの係合部を支持体
に係合させることにより蓋体を所定角度開いた状
態で保持し、ストツパの弾性変形により係合部を
支持体から外して蓋体を閉じた状態でストツパを
枠部と略平行な状態に重ね合わせるように配置し
たので、蓋体の閉塞時に箱部を自由に縮めること
ができ、使い易さを向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す縦断面図、第２図および
第３図はこの考案の一実施例を示すもので、第２
図は全体の外観を示す斜視図、第３図は全体の縦
断面図である。 １１……枠部、１２……箱部、１６……支持
体、１７……ヒンジ（枢支部）、１８……蓋体、
１９……支軸、２０……挟持部、２１……ストツ
パ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のリヤシート後方に配置され、トランク
   ルームと車室内との境界を定めるリヤシエルフに
   開口を設け、同開口の縁部周囲に箱部の上部開口
   を定める枠部を固着すると共に、前記箱部を上下
   方向に伸縮可能とした自動車用小物入れにおい
   て、前記枠部の少なくとも一側部に設けられた支
   持体と、前記箱部の上面開口部を被う蓋体の一端
   部を前記枠部の一端部に回動可能に取付ける枢支
   部と、前記蓋体における前記支持体が設けられて
   いる側の前記枠部側部と対応する側部でかつ前記
   蓋体の回動中心から前記支持体までの距離よりも
   前記蓋体の回動中心側に近い部位に設けられた支
   軸と、この支軸に一端部が回動可能に取付けられ
   た略平行な１対のワイヤ状の挟持部によつて形成
   され他端部側に前記蓋体が開放された状態で前記
   支持体に係合する係合部が設けられるとともに前
   記両挟持部の弾性変形によつて前記支持体から前
   記係合部を離脱可能なストツパとを具備し、前記
   支持体及び支軸は、前記蓋体の全閉状態において
   前記ストツパが前記枠部に沿つて同蓋体と略平行
   に位置されるように配置されたことを特徴とする
   自動車用小物入れ。