JPS6411751B2

JPS6411751B2 -

Info

Publication number: JPS6411751B2
Application number: JP15667283A
Authority: JP
Inventors: Kazumasa Yamane; Hiromitsu Tachibana
Original assignee: Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1983-08-26
Filing date: 1983-08-26
Publication date: 1989-02-27
Also published as: JPS6052679A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、部分架橋塩化ビニル樹脂を含有する
樹脂組成物を使用してえられる艶消壁装材用シー
トであつて、とくに耐候性のすぐれた艶消壁装材
用シートに関する。さらに詳しくは、塩化ビニル
または塩化ビニルを主成分とするモノマー混合物
Ａとビスフエノール変性ジアクリレートまたはビ
スフエノール変性ジメタクリレートとからなるモ
ノマー混合物Ｂを共重合してえられる部分架橋塩
化ビニル樹脂単独または塩化ビニル樹脂との混合
樹脂であつて、全樹脂成分中のゲル分の割合が
1.0〜35％（重量％、以下同様）である樹脂組成
物を成形してなる耐候性のすぐれた艶消壁装材用
シートに関する。近年、種々の分野の塩化ビニル樹脂成形品にお
いてプラスチツク光沢を消したいわゆる艶消成形
品が好まれるようになり、とくに壁装材用シート
においてはフアツシヨンの大衆化から装飾性が要
望され、各種の艶消技術が開発されてきた。なか
でも部分架橋塩化ビニル樹脂を使用する艶消技術
がとくに注目されている。すなわち部分架橋塩化
ビニル樹脂を使用する艶消技術には、(1)充填剤を
多量に使用する艶消技術のように極端に機械的物
性を低下させることがない、(2)アクリル塗装によ
る艶消技術のようにコスト上昇を伴うことがな
い、(3)エンボス加工による艶消技術のように特殊
な設備を必要としないなどの利点があるためであ
る。従つて、最近種々の部分架橋塩化ビニル樹脂を
含む組成物が検討されている。たとえばジアリル
フタレート、ジアリルマレエート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレンジメタ
クリレートなどの架橋剤を使用して部分架橋塩化
ビニル樹脂をえて、それを使用した組成物を利用
するという提案（特開昭第54−80354号明細書、
特開昭第56−5843号明細書、特開昭第54−152054
号明細書、特開昭第56−92024号明細書など）が
ある。しかるに、それらの部分架橋塩化ビニル樹脂を
使用するとそれらの成形品の耐候性が著しく悪化
するという欠点があるため、耐候性が要求される
壁装材用シートを製造しようとすれば多量の紫外
線吸収剤、熱安定剤、老化防止剤などを併用する
必要があり、コスト高になるという欠点があつ
た。また、壁装材として使用するさいにはシート
に塗装を施すばあいが多く、従つて塗料の接着性
（印刷適性）の良さが要求されるが、従来品では
やや不充分な面があつた。本発明者らは叙上の実情に鑑み、部分架橋塩化
ビニル樹脂を壁装材用シートの製造に適用すべく
鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニルまたは塩化ビ
ニルを主成分とするモノマー混合物Ａとビスフエ
ノール変性ジアクリレートまたはビスフエノール
変性ジメタクリレートとからなるモノマー混合物
Ｂを共重合してえられる部分架橋塩化ビニル樹脂
単独または塩化ビニル樹脂との混合樹脂であつ
て、全樹脂成分中のゲル分の割合が1.0〜35％で
ある樹脂組成物を成形してなる艶消壁装材用シー
トが大幅に改善された耐候性を有することを見出
し、本発明を完成するにいたつた。以下、本発明においてソツクスレー抽出器を用
いてテトラヒドロフランで22時間抽出し、350メ
ツシユフイルター上に残留する抽出残渣の乾燥重
量を求め算出した値をゲル分率という。本明細書中でいう壁装材用シートとはガラスウ
ール、木材、金属、プラスチツクなどと貼合せて
使用したり、該シートに接着剤を塗装して壁紙と
して使用するなど、ビル、一般家屋の内装用に適
用されるものである。本発明においては、塩化ビニルまたは塩化ビニ
ルを主成分とするモノマー混合物Ａとビスフエノ
ール変性ジアクリレートまたはビスフエノール変
性ジメタクリレートとからなるモノマー混合物Ｂ
を共重合してえられるゲル分率が1.0〜35％の部
分架橋塩化ビニル樹脂を用いるのが好ましい。ま
た、ゲル分率が1.0〜35％になるように塩化ビニ
ル樹脂と混合された混合樹脂を用いてもよい。本明細書中でいうモノマー混合物Ａとは塩化ビ
ニルまたは塩化ビニルを主成物とするモノマーの
混合物を意味し、モノマー混合物Ｂとはかかるモ
ノマー混合物Ａに架橋剤としてビスフエノール変
性ジアクリレートまたはビスフエノール変性ジメ
タクリレートを混合してなるモノマーの混合物を
意味するものである。本発明において、上記架橋剤としてのビスフエ
ノール変性ジアクリレートまたはビスフエノール
変性ジメタクリレートは一般式（）：一般式（）：または一般式（）：（式中、R₁はＨ原子または−CH₃基、R₂はＨ原
子または炭素数１〜４のアルキル基、R₃、R₄は
Ｈ原子、−CH₃基、−CH₂CH₃基、−
CH₂CH₂COOH基からえらばれた原子または基、
ｉ、ｊは１〜５の整数、ｍ、ｎは１〜10の整数、
ｌは０または１〜20の整数、ＸはCl原子、Br原
子または水素原子である）で示される化合物が好
適に用いられる。モノマー混合物Ａと共重合する量は、モノマー
混合物A100重量部に対して上記架橋剤0.35〜８
重量部が好ましい。本発明に用いられる部分架橋
塩化ビニル樹脂の製造に関しては特願昭第56−
82862号明細書などに開示されている。本発明においては部分架橋塩化ビニル樹脂を単
独で使用することもできるが、通常は艶消剤とし
てポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−エチレン共
重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル
とアクリル酸またはその誘導体との共重合樹脂な
どに全樹脂成分中のゲル分率が1.0〜35％になる
ように配合し、それに必要に応じて熱安定剤、滑
剤、抗酸化剤、ゴム類、紫外線吸収剤、加工助
剤、顔料、可塑剤などを配合して成形加工を行な
い、硬質、半硬質または軟質の艶消壁装材用シー
トをうる。本発明においては全樹脂成分中のゲル分率が35
％を超えると耐候性が不充分となり、一方1.0％
未満では艶消効果が顕著とならずいずれも好まし
くない。本発明の艶消壁装材用シートを製造するさいに
添加する前記熱安定剤としては、塩化ビニル樹脂
に使用されている公知の熱安定剤が使用でき、た
とえばオクチルスズマレエートなどのスズ系安定
剤、三塩基性硫酸鉛などの鉛系安定剤、金属石鹸
類、Ca−Zn系安定剤、Ba系安定剤などを単独ま
たは併用して使用しうる。さらに滑剤として、ポ
リエチレンワツクス系滑剤、ステアリン酸系滑
剤、アルコール系滑剤など公知の滑剤を単独また
は併用して使用しうる。さらに併用しうる熱可塑
性樹脂としては、アクリル系ゴム、EVAなどが
ある。さらに軟質化するさいに使用される可塑剤
としては、たとえばフタル酸ジオクチルなどのフ
タル酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、リン酸
エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤など公知の
可塑剤を単独または併用して使用しうる。また、本発明の艶消壁装材用シートの製造に使
用される成形法としてはカレンダー成形法、押出
成形法など通常の方法が利用しうる。また、その
成形条件も通常の塩化ビニル樹脂と同様の成形条
件で成形しうる。本発明の艶消壁装材用シートは他の材料と熱圧
着するさいに艶が出る現象（艶戻り）を妨ぐこと
ができるとともに表面に凹凸が存在するため印刷
性、塗装性にもまたすぐれている。とくに、本発
明に用いられる部分架橋塩化ビニル樹脂以外のも
のを使用するばあいと比較して耐久性、耐熱性に
大きく優れている。以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく
説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。参考例１〜３内容積50のステンレス製重合器に、イオン交
換水200部（重量部、以下同様）、部分鹸化ポリ酢
酸ビニル0.2部、ジイソプロピルパーオキサイド
0.06部、ラウロイルパーオキサイド0.06部および
第１表に示すビスフエノール変性ジアクリレート
をそれぞれ0.5部仕込み、脱気後、塩化ビニルモ
ノマー100部を仕込み、重合温度65℃にて15時間
重合した。えられたスラリーをそれぞれ脱水し、
熱風乾燥機で55℃で24時間乾燥し白色の粉末をえ
た。えられた粉末をそれぞれ部分架橋塩化ビニル
樹脂(1)〜(3)とし、それらのゲル分率を第１表に示
す。参考例４〜８参考例１〜３と同様にしてイオン交換水、部分
鹸化ポリ酢酸ビニル、ジイソプロピルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイドおよび第１表に
示す架橋剤をそれぞれ1.0部仕込み、脱気後塩化
ビニルモノマーを仕込み、重合温度65℃にて15時
間重合し、参考例１〜３と同様の操作にてそれぞ
れ白色の粉末をえた。えられた粉末をそれぞれ部
分架橋塩化ビニル樹脂(4)〜(8)とし、それらのゲル
分率を第１表に示す。参考例９〜10 部分架橋塩化ビニル樹脂(2)の製造に使用した架
橋剤を８部にしたほかは参考例１〜３と全く同様
にして部分架橋塩化ビニル樹脂(9)を、また同じ架
橋剤を0.3部にしたほかは参考例１〜３と全く同
様にして部分架橋塩化ビニル樹脂(10)をそれぞれえ
た。ゲル分率はそれぞれ38％および0.8％であつ
た。実施例１〜８部分架橋塩化ビニル樹脂(1)〜(3)および(9)を使用
し第２表に示す配合処方に基づきスーパーミキサ
ーにて130℃で５分間ブレンドし、えられたコン
パウンドを165℃にコントロールしたミキシング
ロールにて15分間混練し、さらにえられたシート
を逆Ｌ型カレンダーに徐々に投入し0.3mm厚のカ
レンダーシートをえた。えられたカレンダーシー
トの各種特性をそれぞれ以下に示す方法により測
定、評価した。結果を第２表に示すが、本発明の
シートは艶消性にすぐれ、かつ耐候性が著しく改
良されていることがわかる。艶消性：上記実施例で示すようにカレンダー成形
にてえられた0.3mm厚のシートの表面状態を目
視にて観察し、◎極めて良好、〇良好、△やや
艶有りおよび×艶有りの４段階にて評価した。耐候性：前記と同じシートをサンシヤインウエザ
オメータを用いて200Hrs.劣化させたのちの伸
び率を測定した。なお、伸び率の測定はJIS Ｋ
−6724に準拠して行なつた。またサンシヤイン
条件としては、63℃にて雨降りを２時間毎に18
分間行ない、20時間毎にテストサンプルの表裏
を交替させた。印刷適性：前記と同じシートにシヤチハタ工業(株)
製の不滅インク（プラスチツク用）をスタンプ
に印刷を行ない（５cm×５cm）、50℃で１時間
乾燥させたのち、粘着テープを印刷面に貼着
け、ついで該テープをはがしてインクの残存し
ている面積を目視にて観察し、◎残存面積3/4
以上、〇残存面積3/4〜1/2、△残存面積1/2〜
１／４および×残存面積1/4以下の４段階に分類し
た。比較例１〜８部分架橋塩化ビニル樹脂(4)〜(10)を使用し、第２
表に示す配合処方に基づき実施例１〜８と同様に
して、0.3mm厚のカレンダーシートをえた。えら
れたカレンダーシートの各種特性をそれぞれ実施
例１〜８と同様にして測定、評価した。結果を第
２表に示すが、比較例１〜８でえられたシートは
艶消性が良好なとき耐候性が劣り、逆に耐候性が
良好なとき艶消性が劣ることがわかる。また、印
刷適性に関しても一般に本発明のシートの方が良
好であることがわかる。なお、第２表中のカネビニールＳ−1001および
カネエースPA−20はそれぞれ鐘淵化学工業(株)製
の商品名であり、全樹脂成分中のゲル分率は部分
架橋塩化ビニル樹脂のゲル分率をもとに計算して
求めた値である。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１塩化ビニルまたは塩化ビニルを主成分とする
モノマー混合物Ａとビスフエノール変性ジアクリ
レートまたはビスフエノール変性ジメタクリレー
トとからなるモノマー混合物Ｂを共重合してえら
れる部分架橋塩化ビニル樹脂単独または塩化ビニ
ル樹脂との混合樹脂であつて、全樹脂成分中のゲ
ル分の割合が1.0〜35重量％である樹脂組成物を
成形してなる耐候性のすぐれた艶消壁装材用シー
ト。２ビスフエノール変性ジアクリレートまたはビ
スフエノール変性ジメタクリレートが一般式
（）：（式中、R₁はＨ原子または−CH₃基、R₂はＨ原
子または炭素数１〜４のアルキル基、R₃、R₄は
Ｈ原子、−CH₃基、−CH₂CH₃基、−
CH₂CH₂COOH基からえらばれた原子または基、
ｍ、ｎは１〜10の整数、ＸはBr原子、Cl原子ま
たはＨ原子である）で示される化合物である特許請求の範囲第１項記
載の艶消壁装材用シート。３ビスフエノール変性ジアクリレートまたはビ
スフエノール変性ジメタクリレートが一般式
（）：（式中、R₁、R₃、R₄、Ｘは前記と同じ、ｌは０
または１〜20の整数である）で示される化合物である特許請求の範囲第１項記
載の艶消壁装材用シート。４ビスフエノール変性ジアクリレートまたはビ
スフエノール変性ジメタクリレートが一般式
（）：（式中、R₁、R₂、R₃、R₄、ｌ、Ｘは前記と同
じ、ｉ、ｊは１〜５の整数である）で示される化合物である特許請求の範囲第１項記
載の艶消壁装材用シート。