JPS637453Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、相対的に水平に移送される鋼板
（鋼製の帯材や厚板材を総称して鋼板という）の
断面長手方向側端面を切削する装置に関する。

例えば、電縫鋼管あるいはスパイラル鋼管等の
製造に使用される熱間圧延鋼板は、所定の輻にな
るように、その両側端を切除する必要がある。

このため従来から種々の手段が講じられてい
る。例えば、第１図に示すように平行軸に軸支さ
れた２個の回転刃Ｃ１，Ｃ２を、鋼板Ｓの上下に
背合せに配置し、鋼板Ｓの側端をこの２個の回転
刃Ｃ１，Ｃ２によつて切断するようにしたサイド
トリンマーや、あるいは第２図に示すように、鋼
板Ｓの表面と直角な刃をもつミーリングカツター
で鋼板側端をフライス加工するようにした装置等
が知られているが、前者は、鋼板側端に充分な切
り代がある場合は別に問題はないが、充分な切り
代をもたないもの（充分な切り代をもたせると鋼
板の歩留まりが損われる）については、切断不能
となる等の不具合が生ずる。又、後者は、装置自
体を造管ラインの入側設備として設置する場合に
は、造管速度と等速度で鋼板エツジミーリングで
きるようにするため、非常に大きな曲率半径をも
つミーリングカツターを使用して切削能力の向上
を図る必要がある。この装置では、切削能力の増
加は不可能ではないにしても非常に大きな径のミ
ーリングカツターを装備せねばならず、そのた
め、装置が大型化し、設備費の増加に伴ない経済
的な不利を免がれない。

そこで、こうした問題点を解消するため、水平
に移送される鋼板加工面に対して傘歯車状ミーリ
ングカツターの刃が平行となるようカツター軸を
鋼板加工面に対し、傾斜させるとき、刃端が描く
軌跡は、平面視において楕円となり、カツター径
を大きくすることなくその切削曲率が増大される
原理を応用したもの、即ち、傘歯車状のミーリン
グカツターを鋼板両側にハの字状に傾斜配置して
エツジミーリングを行わせるようにした切削装置
が考えられているが（第３図参照）、この装置は、
設備の大型化を抑制し、かつ鋼板側端を高速切削
処理できる優れた特長をもつているが、鋼板切削
点が摺動台からその上方に大きく離れて位置する
ため、稼動の際、ミーリングカツターが支持され
るカツターヘツドの支持架台に作用する切削反力
を支えるには必然的にヘツドの支持構造すなわち
摺動台を頑丈なものにせねばならず、それだけ設
備費が増大することになる。

この考案は、上記に鑑み相対的に水平に移送さ
れる鋼板の側方に傘歯車状ミーリングカツターを
傾斜配置してエツジミーリングする装置におい
て、前記ミーリングカツターを上向きに傾斜配置
して、鋼板切削点を下方に位置させ、稼動の際に
おける切削反力によるモーメント荷重を軽減させ
ることにより、機構の簡易化と、設備費の縮減を
図ることを目的とする。

以下、図面に示した実施例によつて説明する。

１は鋼板Ｓの厚さより大なる刃長の超硬切刃を
備えた傘歯車状のミーリングカツターで、カツタ
ーヘツド５の傾斜した出力軸に上向きに取付けら
れ、所定の間隔を隔てて対設されたもう一つのミ
ーリングカツター１′と互に組合つて逆ハの字状
に配設されている。両カツターヘツド５は互に移
動方向を異にする摺動台２，２′上に個別に載置
固定されている。カツターヘツド５には、ミーリ
ングカツター駆動用モータ６が装着され、該モー
タ６の回転力が減速機構７を介してカツターヘツ
ド５内伝動機構によりミーリングカツター１，
１′に伝達されるようになつている。

前記摺動台２，２′は共通台１０上に摺動自在
に支承され、又、共通台１０上に設置したモータ
１１は、減速機１２を介して２系統のねじ杆１３
と連動連結されている。ねじ杆１３は摺動台２，
２′下面に付設しためねじ１４，１４′に螺合され
ており２系統のねじ杆１３にはそれぞれ、ねじ方
向を異にする２つのねじをもつている。そしてモ
ータ１１の正逆回転駆動により、これに連動する
摺動台２，２′を介して夫々のミーリングカツタ
ー１，１′を互に近接させ、あるいは離間させる
ように構成されている。

共通台１０はベツド１５上に摺動可能に支承さ
れ、共通台１０下面にはめねじ１９が付設されて
いる。

ベツド１５には、その一端に設置したモータ１
６と、これに減速機１７を介して連動するねじ軸
１８を設け、該ねじ軸１８を前記めねじ１９に螺
合している。そして別途設けられた検出器２２か
らの信号により、モータ１６を自動的に駆動して
共通台１０すなわちカツター本体を鋼板Ｓのキヤ
ンバー（長手反り）に倣つて移動させるようにな
つている。

又、前記各摺動台２，２′の内端側には、該摺
動台２，２′に回転自在に支承されたローラ２１
ａと、シリンダ２０のロツド先端に支承され、か
つ前記ローラ２１ａ上に対向配置されるローラ２
１ｂの組合せからなるクランプローラ２１が設け
られている。このクランプローラ２１は鋼板Ｓに
対するミーリングカツター作用終点より鋼板入側
に偏位して設けられている。２３はピンチロール
でカツター本体の入側並びに出側に設置され、切
削される鋼板Ｓの移送を制御するようになつてい
る。

本考案は以上の構成からなつているので、水平
に移送される鋼板Ｓは、その両側端を鋼板表面に
対し、上向きに傾斜配置された傘歯車状ミーリン
グカツター１，１′により高速で切削される。そ
してその切削時における鋼板切削点は、摺動台
２，２′上から近接した点にあるから、カツター
ヘツド５を極めて安定した状態で摺動台２，２′
上に支承することができ、鋼板切削点が上方に大
きく離れて位置する従来装置に比し、カツターヘ
ツド支持機構に作用する切削反力によるモーメン
ト荷重の低減に有利であり、それでけ設備費を軽
減することができ、考案所期の目的を確実に達成
することができる。尚、鋼板の断面長手方向両側
端面を同時に切削する切削装置を実施例として示
したが、本考案は上記実施例に限定されることな
く、鋼板の断面長手方向一側端面のみを切削する
切削装置としてもよく、又、鋼板Ｓを固定してお
き、本切削装置全体を鋼板長手方向に移送させて
鋼板側端面を切削するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は従来装置の概念図、
第４図は本考案の実施例を示す側面図、第５図は
平面図、第６図は第４図の〜線に沿う正面図
である。 １，１′……ミーリングカツター、２，２′……
摺動台、５……カツターヘツド、６，１１，１６
……モータ、７……減速機構、２０……シリン
ダ、１０……共通台、１２，１７……減速機、１
３……ねじ杆、１４，１４′，１９……めねじ、
１５……ヘツド、１８……ねじ軸、２１，２１
ａ，２１ｂ……クランプローラ、２２……検出
器、２３……ピンチローラ、Ｓ……鋼板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対的に水平に移送される鋼板の断面長手方向
   側端を鋼板に対し、傾斜配置した傘歯車状ミーリ
   ングカツターでエツジミーリングする装置におい
   て、鋼板の切削点が下方に位置するよう前記ミー
   リングカツターを上向きに傾斜配置したことを特
   徴とする鋼板の断面長手方向側端面切削装置。