JPS6359896A - 固定化リパ−ゼによる油脂加水分解法 - Google Patents

固定化リパ−ゼによる油脂加水分解法

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JPS6359896A
JPS6359896A JP61205588A JP20558886A JPS6359896A JP S6359896 A JPS6359896 A JP S6359896A JP 61205588 A JP61205588 A JP 61205588A JP 20558886 A JP20558886 A JP 20558886A JP S6359896 A JPS6359896 A JP S6359896A
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昭 中林
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、固定化リパーゼを用いて油脂、リン脂質、高
級脂肪酸エステル等を加水分解し、脂肪酸やモノグリセ
ライド、ジグリセライド等の油状分解産物と、グリセリ
ン、グリセロリン酸、アルコール等の水溶性分解産物を
効率よく分別採取する方法に関するものであり、油脂工
業、医蘂品工業、食品工業等広い応用が期待されるもの
である。
〔従来の技術〕
固定化リパーゼの反応装置としては、光架橋性ゲルに包
括固定化したリパーゼをカラムに充填し、予め水と油を
攪拌しておき、エマルジョン状態になった油水混合物を
充填塔に還流させる方法(Y。
Kimura et al、 Eur、J、Appl、
Microl、Biotechnol。
17.107(1983)) 、ポリプロピレンで出来
ている精密濾過膜のホローファイバー表面にリパーゼを
吸着させ、ホローファイバーの内側に油を、ホローファ
イバーの外側にグリセリン及び水を向流的に流して油脂
を連続分解する方法(M、M、Hoq et al。
Agric、Biol、Chem、、49(11)、3
171〜3178(1985)、及び本発明者らが先に
開発した塔型固定化リパーゼカラムを用いて、中上段よ
り水溶液、中下段より油状物質を連続的に供給し、上端
より油状分解産物、下端より水溶性分解産物を連続的に
採取する方法が知られている(小棒等 特開昭61−8
5195号)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
既に報告されている固定化カラムに予め混合させた油水
エマルジョンを通ず方法は、エマルジョン粒子の固定化
担体内に拡tlkする移動速度が著しく遅いため、固定
化カラムに何回も反応液を循環させる必要があり連続化
が困難である。また油状生産物と、水溶性生産物を連続
的に分別採取することもできない。
ホローファイバーを用いる方法は、油が水とグリセリン
層にン昆ざり合わないようにするには、水とグリセリン
層の圧力を油層の圧力より常に筒くするように制御し、
しかも高分解率にまで分解するためには流速を遅くし広
大な面積の精密濾過膜を使わなければならない。この状
態で長時間運転すると精密濾過膜の目づまりが起り性能
を著しく仁王させるため定期的に洗浄してやらねばなら
ない。
基型リパーゼカラムを用いて油状物質と水溶性物質を向
流的に供給する方法は、カラム内の油状物質と水溶性物
質の通路が完全に分かれてしまうチャネリング現象を防
くため最初に油状物質と水溶性物質の微細エマルジョン
をつくり固定化リパーゼカラムに流し、油状物質と水溶
性物質が混じり合いながら流れる通路を確保しなければ
ならず、またその処理速度は充填カラム内の油水分離速
度に依存しているため太くてかつ短いカラムを使う等の
工夫が必要で運転条件の制約も多く固定化リパーゼの活
性度を充分に発揮させることが困難であった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、従来法の諸欠点を改良すべく鋭意研究を
重ねた結果、多段反応槽により固定化リパーゼを用いて
油状物質を加水分解するに際し、50℃以上に保って油
状物質と水溶性物質及び固定化リパーゼを混合及び分離
すれば、温度が高いので混合及び分析が容易にでき、し
かも混合及び分離をくり返すことにより、固定化リパー
ゼの外部拡散抵抗を下げて固定化リパーゼの活性度を充
分発揮できること、分析した油状物質と水溶性物質をお
のおの別の隣接する反応槽の固定化リパーゼと反応させ
ることにより、油状物質と水溶性物質を向流的に接触さ
せ、反応生産物の■害や反応平衡による反応停止の影響
が改善されること、及び油状物質の平均供給速度を水溶
性物質の平均供給速度より速くすることにより、水溶性
生産物中のグリセリンとかアルコール等の可溶性成分の
濃度が高くなるため、後に1留してこれらの可溶性成分
を回収するエネルギーを節減できる等の利点を見い出し
、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、多段反応槽において、固定化リパ
ーゼを用いて油状物質を加水分解するに際し、50 ’
C以上の条件下で混合し反応させ、固定化リパーゼ、油
状物質及び水溶性物質をそれぞれ分離し、油状物質の平
均供給速度を水溶性物質の平均供給速度よりも速くなる
ように向流的に接触させることを特徴とする油脂加水分
解法である。
本発明に用いる多段反応槽とは、油状物質と水溶性物質
及び固定化リパーゼを保温しながら混合できる互に連結
しうる二個以上の反応容器をいう。
各反応槽が、混合反応部と分離部とに分割されていても
よい。保温温度は固定化リパーゼの反応至適温度にすれ
ば良いが、混合及び分離の容易さから50°C以上が選
ばれる。混合方法は固定化リパーゼの機械的強度があま
り高くないことが多いので、振とう法とかリボン撹拌翼
等を用いて連続もしくは間欠攪拌によって、油状物質と
水溶性物質及び固定化リパーゼをほぼ均一に分散させる
のがよい。
本発明における油状物質とは、加水分解反応の基質とな
る油脂、リン脂質、脂肪酸エステル等とその反応生産物
であるジグリセライド、モノグリセライド、脂肪酸等の
水に不溶な物質で、通常その比重は水の比重よりも軽く
、イソオクタン、ヘキサン、ヘプタン等の非極性溶媒に
可溶な物質で油層を形成するものである。油水分望しや
すくするために上記の非極性溶媒を添加した場合は、そ
れも油状物質として扱われる、さらに水溶性物質とは、
グリセリン、グリセコリン酸、アルコール等の水溶性生
産物の水溶液であり、必要に応じて外部から添加した可
溶性添加物も溶解した水層を形成する水溶液である。
本発明に使用されるリパーゼは、油脂等を加水分解する
酵素で固定化リパーゼが50°C以上で安定なものなら
ばいづれのものを用いてもさしつかえない。シュウトモ
ナス・フルオレセンス・バイオタイプlNa1021(
微工研蘭寄5495号)やシュウトモナス・セパシア(
微工研菌寄5494号)によって生産されるリパーゼは
脂肪酸及びグリセリン製造に適したリパーゼとしてあげ
られる。リパーゼの固定化法としては、担体結合法や架
橋法など酵素の固定化法として数多く報告されている方
法のいづれでも採用しうる。しかし混合及び分離操作を
するので、固定化リパーゼの物理的強度がある程度斉い
ものが望ましい。マクロポーラスな陰イオン交換体に結
合させ、ゲルタールアルデヒドで強化するリパーゼ固定
化法は、リパーゼ分子周辺の微細環境が加水分解生産物
である脂肪酸阻害を取り除くようになるとともに、リパ
ーゼが担体に多点結合して安定化するため、高濃度反応
や長時間使用が可能となり望ましい固定化方法である。
本発明の運転方法の1例としては、50℃以上に保って
油状物質と水溶性物質及び固定化リパーゼを一定時間混
合させた後、50°C以上に保って振とうや攪拌を停止
もしくは緩速にして、上層にくる油状物質と、下層にく
る水溶性物質を分離し、その上層及び下層をおのおの別
の隣接する反応槽の固定化リパーゼと反応させることに
より、油状物質と水溶性物質を向流的に接触させる。そ
の際油状物質の平均供給速度が水溶性物質の平均供給速
度よりも速くすると、水溶性物質中の水溶性生産物濃度
が高くなる。油状物質の平均供給速度とは、多段反応槽
中で反応している油状物質のYyf> ’1を多段反応
槽から採取される油状物質が固定化リパーゼと接触して
反応した総反応時間で割った値である。なお定常状態に
おいては、生産される油状物質の総量は油状物質の総供
給量とほぼ等しいものである。水溶性物質の平均供給速
度とは、多段反応槽中で反応している水溶性物質の総量
を多段反応槽から採取される水溶性物質が固定化リパー
ゼと接触して反応している総反応時間で割った値である
。なお定常状態においては、仕度される水溶性物質の総
量も水溶性物質の総供給量とほぼ等しいものである。
油状物質と水溶性物質及び固定化リパーゼの分離方法は
、反応液から濾過等により固定化リパーゼを分離した後
、油状物質と水溶性物質を分離する方法、あるいは三者
の分離を同時に行う方法がとられる。この際温度を50
℃以上に保つと分離が容易になる。本発明は分離した後
混合することを特徴としているので分離槽と混合槽を併
備した多段反応槽を用いることにより連続処理も可能で
ある。
添付図面の第1図と第2回に工業化する際の装置例を示
す。両装置例とも固定化リパーゼの分離はスクリーンを
用いている。油状物質と0.水溶性物質の分離は第1図
では反応槽の他に分離槽を設けて分離する。他方第2図
では反応槽の一部をスクリーンで仕切ることによって、
固定化リパーゼの分離を行なうと同時に油状物質と水溶
性物質の分離を行なうものである。
これを詳述すると、まず第1図例においては、3基の反
応槽IA、IB、ICと共に、それらに付属する分離槽
2A、2B、2Cが配設されている。各反応槽IA、I
B、ICは、その下部にスクリーン3を有し、また攪拌
機4を有している。
油状物質5は、第3反応槽ICに供給され、水溶性物質
6は第3反応槽ICに供給される。また、各反応槽LA
、IB、IC内には固定化リパーゼ7が予め収容される
各反応槽IA、IB、ICにおいては、攪拌下で油状物
質と水溶性物質と固定化リパーゼとが混合され、固定化
リパーゼはスクリーン3によって分離するとともに、油
状物質および水溶性物質を付属の分離槽2A、2B、2
Cにおいて相互に分離する。上層の油状物質は後段の反
応槽に供給し、最終分離槽2Cの上層分は油状生産物(
脂肪酸)8として取り出す。下層の水溶性物質は前段の
反応槽に導き、初段分離槽2への下層分は水溶性生産物
(グリセリン)9として取り出す。Pはポンプである。
なお、ある段の水溶性物質の一部は、当該段の反応槽に
還流させてもよい。
他方、第2図例では、スクリーン3を反応槽IA、IB
、ICの側壁と平行に設け、分離槽を設けることなく、
当該反応槽IA、IB、IC内において油状物質と水溶
性物質と固定化リパーゼの分離を行うものである。
〔作  用〕
本発明は、油状物質と水溶性物質を分離して多段反応槽
に流すので両者の平均供給速度を別々に設定できる。水
溶性物質の平均供給速度は本発明の反応槽の油脂分解性
能にはあまり影響を及ぼさない。水溶性物質は加水分解
に必要な水を供給するとともに、水溶性生産物を溶解す
る溶媒となる。
水溶性生産物のグリセリン濃度は30%程度までは加水
分解作用に悪い影響を与えないので、その程度になるま
で水溶性物質の平均供給速度を落とすことが可能である
。一方油状物質の平均供給速度は本発明の反応槽の油脂
分解性能を決める主要因となる。これが速いと加水分解
率が低下するが処理量は多くなる。これが遅いと加水分
解率は向上するが処理量は減少する。したがって目的に
応じて油状物質の平均供給速度を定め、油状物質の平均
供給速度を水溶性物質の平均供給速度より速くなるよう
に水溶性物質の平均供給速度を設定することにより、水
溶性物質中の水溶性生産物濃度が高くなる。
また本発明は、油状物質と水溶性物質を向流的に接触し
ているので油状物質の取り出し口のグリセリン濃度が3
0%程度の時でも、水溶性物質の取り出し口のグリセリ
ン濃度は50〜60%にすることが可能である。すなわ
ち向流的に接触させ反応生産物の阻害や反応平衡による
反応停止の影嘗を改善し、高濃度の水溶性生産物を分別
採取することが可能となるのである。
本発明は、油状物質と水溶性物質を予め混合させエマル
ジョンにして供給する方法ではないので、エマルジョン
粒子が固定化担体内に拡散する移動速度が遅いという固
定化リパーゼの内部拡散の影υを改善している。また従
来の脱型リアクター(M、M、Hoq et al、 
Agr、 Biol、Chem、、49(11)、31
71〜3178 (1985) ’)やカラム型リアク
ター(小棒等。
特開昭61−85195号)では分解率を向上させるた
めには、固定化リパーゼの表面流速を著しく遅くして反
応させなければならず、そのため固定化リパーゼ表面の
外部拡散抵抗の影響を多く受けるものであった。しかし
本発明は混合と分離をくり返すことにより、固定化リパ
ーゼの外部拡散抵抗の影響も最少限にすることが可能と
なり、効率的に加水分解出来るようになったのである。
〔実施例〕
次に実施例を示す。
シュウトモナス・フルオレセンス・バイオタイ7’1(
iJ工研菌寄5495号)ノリハーゼ200.000単
位を100ml!の1/15Mマンクィルヘイン緩衝液
に溶かし、Dowex MWA−1(ダウケミカル社製
)100gと混合し、室温で2時間振とうする。次に1
/15Mマンクイルベイン暖街液100ml及び25%
グルクール・アルデヒド溶液8trlを添加して室温で
2分間振とうする。最後に20%の亜硫酸水素ナトリウ
ム溶液20mRを加え、室温で5分間振とう後、よく水
洗いして固定化リパーゼを得た。
リパーゼ活性の測定は、オリーブオイルエマルジョンを
用いるNordらの変法(8農化36巻860(196
2))で行ない、60℃で1分間に1マイクロモルの酸
を遊離する酸素量を1単位とした。
上述の如く調製じた固定化リパーゼ25gを、第3図に
示すように、flhl、に2.NQ、3と命名した2 
00mlの三角フラスコに取った。&1のフ゛ラスコに
50mlの蒸留水及び50m7!の本実施例では分解に
供するオリーブ油を加え、恒温槽付回転式振とう機を用
いて毎分185回の振とうをしながら60℃で20時間
反応させた。反応後ガーゼ状の繊維で油状物質及び水溶
性物質を吸引濾過して回収した。50℃以上に加温する
と、上層に油状物質、下層に水溶性物質が明確に分離す
るので、上層を更2のフラスコに移した。Nα2のフラ
スコには新しく 50mlの蒸留水を加え、60℃で同
様に振とうしながら20時間反応基せた。
下層はN11lのフラスコにもどし、新しく 50m7
!の本実施例で分解に供するオリーブ油を加え同条に2
0時間反応させた。
反応後、固定化リパーゼと反応液を分離し嵐1のフラス
コには、前に反応させた(1のフラスコの下層を入れ、
本実施例で分解に供するオリーブ油を新しく 50nj
!加えた。N112のフラスコには、前に反応させた1
II112のフラスコの下層と、前に反応させた煮1の
フラスコの上層を入れた。寛3のフラスコには新しく水
を5 On+j!入れ、前に反応させた隘2のフラスコ
の上層を入れた。それぞれのフラスコに入っている固定
化リパーゼとともに20時間反応後漱1のフラスコの下
層から水溶性物質、患3のフラスコの上層から油状物質
を採取した。これを実施回数第1回の採取物とした。
実施回数第2回以降は次の如く行った。更1のフラスコ
には、第1回で反応させた11h2のフラスコの下層を
入れ、新しく 50++j!の本実施例で分解に供する
オリーブ油を入れた。漱2のフラスコには、第1回で反
応させた1lh3のフラスコの下層を入れ、第1回で反
応させた寛1のフラスコの上層を入れた。述3のフラス
コには第1回で反応させた覧2のフラスコの上層を入れ
、新しく 50mffの水を入れた。それぞれのフラス
コに入っている固定化リパーゼとともに20時間反応後
正1のフラスコの下層から実施回数第2回の水溶性物質
、N113のフラスコの上層から実施回数第2回の油状
物質を採取した。同様に反応させて実施回数第7回まで
の採取物を得た。油状物質の採取物の酸価とケン化価の
比より油状物質の加水分解率を測定した。
第  1  表 第1表から解るように、第7回まで実施をしても固定化
リパーゼの失活や損失による油状物質の分解率低下も観
察されず、油状物質が高分解率まで分解された。
次に新しく供給する量は5・OmJと変えないが、1回
の反応時間を20時間から8時間にして実施回数第8回
より第11回を行った。更に新しく供給する量を油状物
質及び水溶性物質ともに25m1とし、各フラスコの反
応液も半分にして、1回の反応時間は8時間で実施回数
第12〜18回を行った。
第2表を見ると、油状物質の平均供給速度が速くなると
、油状物質の加水分解率が若干減少するようであるが、
6ml/時間程度までなら、90%程度の分解率が達成
できることが解る。
次に、1回の反応時間が8時間、供給量が25mAで実
施回数第12〜18回と同様に各フラスコの上層の油状
物質は交換するが、下層の水溶性物質は、交換せずに、
同じものを(り返して使用して実施回数19〜23回を
行った。第3表にその結果を示す。油状物質の加水分解
率は嵐3のフラスコの上層のものである。水溶性物質中
のグリセリン含量は患1のフラスコの下層の量を過ヨー
ド酸酸化法により比色定量して求めた。なお各フラスコ
中の水溶性物質は、くり返し使用中の損失により減少す
るのを1〜2mj2の水を適宜添加して調整した。
第3表に示す如く水溶性物質を交換せずにくり返し使用
すると、油状物質の平均供給速度は一定であるが、水溶
性物質の平均供給速度は減少する。
油状物質の加水分解率はあまり変化なく、はぼ90%以
上を達成できるが、水溶性物質中のグリセリン濃度が上
昇する。特に油状物質の平均供給速度が水溶性物質の平
均供給速度の2倍以上の実施回数第21〜23回の結果
は、グリセリン濃度が著しく上昇していることが観察さ
れた。
次に水溶性物質中のグリセリン濃度がどの程度まで油脂
分解が可能であるかを明らかにするため、水溶性物質中
に1.6g〜8gづつグリセリンを添加して第3表の反
応と同じように上層の油状物質を交換しながら実施回数
第24〜28回の油脂分解を行った。
第4表中油状物質の加水分解率は、隘3のフラスコの上
層のものである。
第4表から、水溶性物質を回収する患1のフラスコ中の
グリセリン濃度が30%以上になっても、油状物質の分
解率はあまり減少しないことが解る。
このことは高分解率を達成しながら、高濃度のグリセリ
ン水を回収することが出来ることを示している。
なお実施回数第28回までの実験は、同じ固定化リパー
ゼをくり返し使用してやったものである。
一連の実験は連続して行ったものでなく、約9ケ月に渡
って行なわれたものである。しかし固定化酵素の失活等
による分解率の低下は観察されなかった。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明では、エマルジョン状態にして基質
を供給することがないので、エマルジョン粒子が固定化
酵素の内部に拡散するのが遅いために生じる油脂分解性
能の低下を改善できる。その上反応液を混合及び分離を
くり返すことにより、固定化リパーゼの表面流速が遅い
場合厚い境膜ができたようになる外部拡散(山根恒夫、
生物反応工学、(産業図書)P46)の影響による油脂
分解性能の低下も改善でき、二層系反応に固定化リパー
ゼ利用の道をひらいた画期的なものである。
二層系反応に固定化酵素を使うことは難しく、有機溶媒
等を加えて両者をとかしてみたり(G。
Be1l、J、Todd et al、Biotech
、Bioeng、 23+ 1703(1981) )
あるいは高い生産能を持つ可溶性リパーゼを使う方法(
町田、東1国生:日農化、 58,799(1984)
)が取られていた。本発明により、水と油のような二層
系反応に固定化リパーゼが効率的に使われる可能性を見
出すことができた。
酵素を固定化すれば、酵素の繰り返し使用が可能となり
、比較的高)震度のリパーゼを使う反応においても酵素
の経済的な使用ができる。また生産物と酵素の分離が容
易になるため、生産物中に酵素蛋白が混入することもな
く、なり、さらに可溶性酵素になかった性質をもった固
定化リパーゼを使うこともできる。たとえば酵素蛋白の
安定化が図れ、高濃度脂肪酸中でも反応可能なリパーゼ
の固定化法(特開昭59−179091)を用いれば高
濃度反応を長時間行うことが可能となる。
その他、本発明は、多段反応槽に若干の設備を付与する
のみで容易に実施できる。しかも油状物質と水溶性物質
を分離した後、向流的に流すことにより水溶性生産物を
濃縮できる利点を備えている。また50°C以上の高温
で油脂分解を行うため、グリセリン層によく起こる雑菌
の汚染も少なく、加水分解用油脂原料としてよく用いら
れる常温では固体状を示す牛脂等にも効果的に適用でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明法を工業的に実施するた
めの装置例の概要図、第3図は実施例の実験手順説明図
である。 IA、IB、IC・・・・反応槽 2A、   2B、   2C・・・・分離+曹3・・
・・スクリーン  5・・・・油状物質6・・・・水溶
性物質  8・・・・油状生産物9・・・・水溶性生産

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)多段反応槽において、固定化リパーゼを用いて油
    状物質を加水分解するに際し、50℃以上の条件下で混
    合し反応させ、固定化リパーゼ、油状物質及び水溶性物
    質をそれぞれ分離し、油状物質の平均供給速度を水溶性
    物質の平均供給速度よりも速くなるように向流的に接触
    させることを特徴とする油脂加水分解法
JP61205588A 1986-09-01 1986-09-01 固定化リパ−ゼによる油脂加水分解法 Granted JPS6359896A (ja)

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