JPS6357693A - グリースの基油拡散防止剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この発明はグリース中の油分が拡散（滲出）しない非拡
散性グリースに関する。

【従来の技術】

近年における精密機器類の急速な高性能化及び小型化に
伴って、その機械的な回転部や摺動部等に使用されてい
るグリースに対しても従来よりも優れた特性（品質）が
要求されるようになってきた。即ち、小型化された各種
機構部、モータ類、各種ベアリング類、スイッチ類、接
点類などに使用するグリースに対しては、多くの場合、
耐熱性、低温性、軽トルク性などが要求される。従って
、上記のような特性を得−るためにグリースの潤滑基油
には一般に低粘度合成油が使用されることが多い。

【発明が解決しようとする問題点】

しかしながら、低粘度合成油を使用すると上記の如き性
能はほぼ満足できるものの、はとんどの場合、グリース
塗布後、時間の経過とともに、グリース成分中の油分或
いは油状添加剤が塗布面から拡散（滲出）してくる。つ
まり、グリースは固体の増ちょう剤を液体の潤滑基油中
に混合分散させた半固体であるため、長い間にはこれら
液体の潤滑基油がグリース中から分離し油分として広が
り出す性質がある。特に、潤滑基油の粘度が低いほど、
或いはグリースのちょう度が軟質なほど、また使用及び
貯蔵時の温度が高いほどこの傾向は更に顕著となる。そ
して、この拡散した油分が機器類を汚したり、接点障害
の原因となったり、或いは他の部分へ流れて、そこの素
材（特にプラスチックなど）に悪影響を及ぼしたりする
場合が多い。そのため、最近各方面から油分拡散の少な
いグリースの開発が強く望まれてきている。

【問題点を解決するための手段】

本発明者達は、このような社会的要請に鑑み、油分拡散
の極めて小さい非拡散性グリースを開発せんと鋭意研究
を行ってきた。そして今回、グリースにある種の界面活
性剤を含有させることで、グリースの油分拡散を極めて
小さく抑えることができる非拡散性グリースを開発する
に至ったものである。 即ち、この発明に係る非拡散性グリースは、フッ素系界
面活性剤を少なくとも０．０１ｗｔ％以上含有せしめる
ものである。 本来、界面活性剤は液体成分の表面張力を下げることに
より、油分の拡散を更に大きくさせてしまうものである
が、この発明でのフッ素系界面活性剤の場合は逆にグリ
ース中の油分の拡散を抑える機能をする。界面活性剤の
中でもこのフッ素系界面活性剤だけにグリースの油分拡
散を抑える機能があり、その他の一般的な界面活性剤を
含有させた場合には、グリースから油分が拡散しやすく
なってしまうものである。 更に、フッ素を含む油（例えば、三フッ化塩化エチレン
、パーフロロポリエーテル）を含有させても、油分拡散
防止機能を期待することができず、フッ素系界面活性剤
でなければならない。 ここで、フッ素系界面活性剤とは、疎水性基としてハイ
ドロカーボンチェーンをもつものでなく、完全にフッ素
化されたフルオロカーボンチェーン（パーフルオロカー
ボンチェーン）をもつ界面活性剤のことを総称したもの
である。具体的には、＊　フルオロアルキル（Ｃ２〜Ｃ
ｌ０）カルボン酸、＊　Ｎ−パーフルオロオクタンスル
ホニルグルタミン酸ジナトリウム、 ＊　３−〔フルオロアルキル（Ｃ，〜ＣＩ＋）オキシフ
−１−アルキル（Ｃ１〜Ｃ４）スルホン酸ナトリウム ＊　３−〔ω−フルオロアルカノイル（０６〜Ｃ、）−
Ｎ−エチルアミノコ−１−プロパンスルホン酸ナトリウ
ム ＊　　Ｎ−（３−（パーフルオロオクタンスルホンアミ
ド）プロピル）−ＮＳＮ−ジメチル−Ｎ−カルボキシメ
チレンアンモニウムベタイン＊　フルオロアルキル（Ｃ
ｒ　ｌ−Ｃｇｏ）カルボン酸＊パーフルオロアルキルカ
ルボン酸（Ｃ？〜ＣＩ、）＊　　パーフルオロオクタン
スルホン酸ジェタノールアミド ＊　パーフルオロアルキル（Ｃ４〜Ｃ１□）スルホン酸
塩（Ｌｉ、に、Ｎａ） ＊　Ｎ−プロピル−Ｎ−（２−ヒドロキシエチル）パー
フルオロオクタンスルホンアミド＊　パーフルオロアル
キル（Ｃ６〜Ｃ３゜）スルホンアミドプロピルトリメチ
ルアンモニウム塩水　パーフルオロアルキル（Ｃ４〜Ｃ
１゜）−Ｎ−エチルスルホニルグリシン塩（Ｋ） ＊　リン酸ビス（Ｎ−パーフルオロオクチルスルホニル
−Ｎ−エチルアミノエチル） ＊　モノパーフルオロアルキル（Ｃ６〜ＣＩ＆）エチル
リン酸エステル などである。 そして、上記の如きフッ素系界面活性剤を少なくともグ
リース中に０．◇１ｗｔ％以上〔好ましくは０、１〜１
０ｗｔ％の範囲〕含有しているものである。 フッ素系界面活性剤の含有率が０．０１ｗｔ％未満だと
、大幅な油分拡散防止効果を期待することができない、
またい（ら多く含有していても良いが、１５ｗｔ％以上
になると効果が平衡に達し、経済的にも不利となる。 そして、このフッ素系界面活性剤を含有させるグリース
の種類としては、増ちょう剤は金属石けん系、複合面け
ん系、ウレア系など、また、潤滑基油は鉱油、各種合成
潤滑基油など、どのようなタイプのグリースであっても
よい。

【実゛施　例］ 本発明に係る非拡散性グリースの油分拡散防止効果に関
する試験を行った。最初に、第１図に基づいて試験方法
を説明する。まずグリース１を注射器により０．０５　
ｃｃづつ採り、スリガラス板（ＩＱｃｍＸ　１０ａｏ）
　　２の粗面側へ円形山型に塗布し、クリアランスをと
るため四隅に厚さ０．３５ｍの平ワツシヤー３を載せる
。次に、同型のスリガラス板４を上に重ね、粗面同士を
向かい合わせた状態にして、グリース１が１５顛の円形
になるように加圧する。そして、恒温槽（８０℃）に入
れて２４時間放置し、油分が拡散して（滲み出て）スリ
ガラス板２．４の粗面が半透明になった拡散部分５の拡
散幅（ｗ　）を測定し、この拡散幅から拡散率（％）を
求めた。尚、拡散率は以下のようにして計算するもので
ある。 拡散率（χ）−（（拡散幅−１５）÷１５）　Ｘ１００
試験結果を以下の表に示す。 上記の表において、 ＊グリースタイプＡとは；潤滑基油〔ポリαオレフィン
（粘度が１００℃で６ｃｓｔ　）　）に増ちょう剤〔リ
チウムヒドロキシステアレート〕を５．０ｗｔ％含有さ
せた、ちょう度が胤１で満点が２０３℃のグリースであ
る。 ＊グリースタイプＢとは；潤滑基油〔ジエチルへキシル
セバケート〕に増ちょう剤〔トリウレア化合物〕を８ｗ
ｔ％含有させた、ちょう度が隘１で滴点が２６０℃のグ
リースである。 ＊フッ素糸界面活性剤タイプＸとは；フッ素化アルキル
エステルである。 ＊フッ素糸界面活性剤タイプＹとは；フルオロアルキル
（Ｃ８゜）カルボン酸である。 そして、上記表中に示した各実施例から判るように、フ
ッ素系界面活性剤を含有させたグリースにおいては、油
分の拡散がきわめて小さく、多少あっても無視できる程
度のものであった。これに対し、フッ素系界面活性剤を
全然含まない各比較例におけるグリースにあっては、油
分の著しい拡散が明確に確認された、 【効　　果】 従って、この発明に係る非拡散性グリースは、精密機器
分野への用途、例えばカメラのへリコイド部、絞り機構
、或いは時計の軸受機構、マイクロモーターの回転軸、
各種ベアリング類、電子機器の機構部、スイッチ類など
への用途に好適である。また、フッ素系界面活性剤自体
の特性（耐薬品性、耐熱性）も、グリースの添加剤とし
ては好都合である。そして更に、このフッ素系界面活性
剤を、特にグリースタイプＢに代表されるポリウレア系
グリースに含有させた場合には、ポリウレア系増ちょう
剤と合成炭化水素（或いは高粘度、高粘度指数鉱物油）
とのなじみが良くなり、グリース自体の品質を高めるこ
とができるという付随的効果も確認された。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例で用いた油分拡散試験方法を
示す説明図である。 １　・−・　グリース ２．４　・−・　スリガラス板 ３　・−・　平ワツシヤー ５　・−・　拡散部分

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. フッ素系界面活性剤を少なくとも０．０１ｗｔ％以上含
   有せしめることを特徴とする非拡散性グリース。