JPS6357632B2

JPS6357632B2 -

Info

Publication number: JPS6357632B2
Application number: JP7625478A
Authority: JP
Inventors: Akio Nakamura
Original assignee: NAKAMURA SUIKAN KK
Current assignee: NAKAMURA SUIKAN KK
Priority date: 1978-06-22
Filing date: 1978-06-22
Publication date: 1988-11-11
Also published as: JPS555428A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は側気口型の水リングポンプに関し、更
に詳しくはポンプの吐出孔に弾性可撓性の板状弁
体を取付けると共にその弁体の背後に保護体を設
けたものに関する。

円形またはだ円形のケーシング内に作動水を封
入し、内部の羽根車を回転させて羽根車内に吸引
と圧縮とを行なう三日月状の気室をつくり出し、
ポンプとして機能させる、いわゆる水リングポン
プは真空ポンプ用または圧縮機用として工業上広
く利用されているところである。

この水リングポンプはポンプ内部における吸気
口、吐出孔および吐出口の設定位置により側気口
型と内気口型とに分けられるが、本発明はその前
者において効果的な逆止弁構造を提供するもので
ある。

側気口型の水リングポンプにおいては、ガス体
の過圧縮、逆流圧縮を防止するための逆止弁構造
を吐出側に設けた高真空用ポンプが製作されてお
り、逆止弁としては球状弁体が用いられている。

球状弁体を用いた逆止弁構造は、羽根車側面部
の制御板に穿設した複数の各吐出孔に対して吐出
孔出口にボールを接近させて配設した構造のもの
で、簡単な構造で適切に設計すれば性能上大きな
効果が得られる反面、ガス体通過時における圧力
損失が大で、軸動力の増大をもたらし、またボー
ルの転動によりボールや他の部材の摩耗が大きく
なり、さらにはボールの付着性物質がつきやす
く、手間のかかる分解掃除を必要とする等の欠点
がある。

一方、このような欠点をもつ球状弁体に換え
て、最近板状弁体を用いる逆止弁方式があらたに
研究試作等の検討がされはじめた。

これは複数の吐出孔に対して板状の弁体を吐出
孔に当接可能に配設した構造のものであるから、
前者に比べて付着性物質がつきにくく、付着して
も作動不良となりにくく、また製作費が小さい等
の利点が期待された。しかし吐出ガス体に吹かれ
て弁開状態となつたときに、弁体そのものが振動
して劣化し、その強度低下を招き、弁閉時に作動
不良の原因となつたり、これを防止するために弁
体に強度を与えると剛性が強くなり圧力損失が大
となる等の欠点があることがわかつた。

本発明は従来の上記欠点を解消するために板状
弁体の背後に保護体を設けて、弁開時における弁
体の振動をなくすと共に、ガス体及び液体が抵抗
少なく、吐出孔から流出するように図り、弁体の
耐久性を増し且つポンプの高効率化を目的として
なされたものである。

本発明の要旨は、水リングポンプの側部に取付
けた制御板６圧縮側に多数穿設した吐出孔５の流
出側上面に、回転角の小さい低圧縮側を固定した
該吐出孔５を被覆するのに十分な広さを有する略
半三日月状の一枚の弾性可撓性を有する板状弁体
１０を位置せしめるとともに、当該板状弁体１０
の背後に一定の空間を置いて、内周側１３に一定
高さの開口１８を有し、外周側１４に前記高さよ
りも高い高さの開口１９を有し、しかも外周側１
４の内面高さが低圧縮側の吐出孔５から回転角の
大きな高圧縮側の吐出孔５になるにつれて高くな
るような傾斜を形成し、中間の回転角の適所から
一定の高さに設定し、更に内周側１３の内壁面か
ら外周側１４の内壁面にかけて連続的な立ち上が
り傾斜を構成した保護体１１を位置させ、低圧縮
側を前記板状弁体１０の取付けと同位置で且つ同
手段で固定し、他側を前記板状弁体１０の高圧縮
側端よりも更に回転角の大きい外側位置で該板状
弁体１０の端部を自由端となして固定してなるこ
とを特徴とする側気口型水リングポンプにある。

以下、本発明の詳細を図面に記載した実施例に
基づき説明するが、本発明は１回転１作動型であ
れ１回転２作動型であれ、また真空ポンプ用であ
れ圧縮機用であれ、その要旨とするところは同一
であるので、実施例としての説明は水リングポン
プの需要の大半をしめる真空ポンプ用を挙げ、そ
の１回転１作動側気口型のものを説明する。

第１，２図に示したものは、逆止弁構造を取付
ける前の側気口型水リングポンプの要部を示し、
円筒形ケーシング１の内部に回転軸２に取付けた
羽根車３を内設し、該羽根車３の側面部に吸気口
４、吐出口５ｄおよび複数の吐出孔５…を穿設し
た制御板６を取付け、さらに制御板６の外側にカ
バー７を取付けて、制御板６とカバー７との間に
図示しない吸気室と該吸気室とは区画され、一側
にポンプ自体の吐出開口８ａを有する吐出室８を
形成したものである。

吸気口４、吐出孔５および吐出口５ｄの制御板
６における穿設状態は、第２図に示す如く羽根車
３が矢印Ｄの如く右方向回転して、羽根車３内に
形成するいわゆる三日月形の気室９（第２図想像
線で示す）に沿つて、該気室９の吸気側９ａに吸
気口４を、圧縮側９ｂに複数の吐出孔５…、吐出
口５ｄを設けるようにしたものである。

第２図において、一例として示した吐出孔５、
吐出口５ｄは、略半三日月状の前記圧縮側９ｂに
対応する制御板６の位置に穿設し最上部位置すな
わちいわゆる回転角θが最大である位置にある吐
出口５ｄのみを先細長孔とし、それより下部にあ
る吐出孔５すなわち５ａ，５ｂ，５ｃは、羽根車
３の羽根の横断面形状に関係づけ、該羽根に沿つ
た方向に２個ずつ形成し、それを適宜間隔を置い
て回転方向に配置した丸孔形状のものとし、さら
に該丸孔の直径は、気室９が細くなるにつれ適所
な個所で一段縮小したものとして示したが、この
吐出孔５の形状、配列は上記のみに限定されず、
丸孔を角孔として、また２列配置を単列配置等と
して設けるようにしてもよい。またさらには吐出
孔５、吐出口５ｄの制御板６への穿設を垂直に行
なう以外に外周に向けてやや傾斜させて斜めに穿
設し、ガス体が円滑に吐出孔５、吐出口５ｄから
流出するように図ることもできる。

以上のように制御板６に穿設した吸気口４、吐
出孔５、吐出口５ｄにより、ポンプ外からのガス
体はカバー７内の図示しない吸気室から吸気口４
を通つて羽根車３内の気室９に入り、吐出孔５、
吐出口５ｄを通つて吐出室８へ達し、吐出開口８
ａからポンプ外へと流出する導通路が形成され
る。

第３〜６図に示したものは、吐出孔５に適用し
た板状弁体１０と保護体１１の取付状態を示し、
板状弁体１０は四フツ化エチレン樹脂、ゴム、金
属等の弾性可撓性を有する材質のものでつくり、
多数の吐出孔５を被覆するに十分な広さを有する
ようにしている。また保護体１１は、板体を用い
て前記板状弁体１０の背後に適宜間隔を設けて取
付け、弁開時において板状弁体１０をその内面に
当接せしめ、該弁体１０がガス体に吹かれて振動
するのを防止することを第１機能とし、さらには
第２機能として該保護体１１の形状を適当にわん
曲、傾斜させ、吐出ガス体とくに高い圧力損失を
発生させる液分含有吐出ガス体を吐出室８へ円滑
に流出せしめ、さらにはポンプの吐出開口８ａに
円滑に向くべく方向誘導し圧力損失を減少するよ
うにしている。

更に詳しくは、一枚の略半三日月形をした板状
弁体１０を使用し、その一側を最上部の吐出口５
ｄのみを残して、残りの吐出孔５全体を吐出孔５
のガス体流出側から覆うようにして、制御板６に
保護体１１と共にボルト１２，１２で取付けたも
のである。板状弁体１０を上記の如き略半三日月
形のものとしたときのボルト１２，１２の取付位
置の一例は図示した位置、すなわち回転角θが最
小である下部にある吐出孔５ａの下位付近であ
り、保護体１１の上部はボルト１２ａで弁体１０
からはなれて制御板６に取付けている。

該保護体１１の実施例形状は板状としたものを
示し、その大きさは下方にある板状弁体１０を十
分覆う大きさをもち、弁開時に板状弁体１０がガ
ス体に吹かれてわん曲したり、ひねられたりして
ずれてもその全体が保護体１１からはみ出さない
ようにする。また板状弁体１０を十分当接させ、
かつガス体が吐出室８へ円滑に流出するよう、ま
たさらにはポンプの吐出開口８ａに円滑に向かわ
せるべく第４〜６図に示す如く、保護体１１の内
周側１３に一定高さH₁の開口１８を有し、外周
側１４に前記高さH₁よりも高い高さH₂の開口１
９を有し、しかも外周側１４の内面高さH₂が回
転角θの小さい吐出孔５ａから大きい吐出孔５ｃ
になるにつれて高くなり傾斜T₂を形成し、ある
回転角θから一定高さになる（第６図想像線図参
照、これは第３図の位置Ａ−Ａよりも更に回転角
が大きな位置A′−A′における保護体の傾斜を示
す）と共に、内周側開口１８から外周側開口１９
にかけて傾斜T₁を構成するようにしたものであ
る。

保護体１１の形状を上記の如くするのは、弁体
１０が弁開時に十分効果的に当接するようにし、
かつガス体を円滑に流出させるに最適な形状だか
らである。また第４図に示した如き形状の保護体
１１において、傾斜T₂を途中までとせず、下部
の吐出孔５ａから上部の吐出孔５ｃにかけて連続
して傾斜させるようにしたものも有効である。

次に、これまでのものは取付けを簡単にするた
めに板状弁体１０の取付けを保護体１１と共にボ
ルト１２で行なうようにしたものであるが、弁体
１０および保護体１１の取付けを各々、個別にし
て行なつてもよく、またその取付けを制御板６で
なくカバー７にすることもできる。とくに、保護
体１１を制御板６にではなく、カバー７に取付け
ている場合は保護体１１を取付けボルトでカバー
７に取付けるのでなく、保護体１１とカバー７と
を最初から一体ものとして製作してもよく、例え
ば小型機等で片羽根式の場合はカバー７がひとつ
であるため、一体ものとして製作したほうが製作
コスト面で安価になるという利点がある。

第７図は本発明の他の実施例を示し、水リング
ポンプのカバー７に点検窓１６を設けたものであ
り、板状弁体１０と保護体１１とを個別に制御板
６へ取付け弁体１０の下部をケーシング１側近
く、すなわち外周部近くのカバー７位置にまで曲
折、延設すると共に、該弁体１０下部と相対応す
るカバー７位置に点検窓１６を設けたものであ
る。

点検窓１６の取付位置は、回転中心に近いほど
軸封、軸受け部があるので取付困難であり、カバ
ー７の外周部に近いほど取付けやすく、点検窓１
６のフランジ蓋および点検窓１６からの弁体１０
の取りはずし、取付け操作もしやすくなる。さら
にすすんで点検窓１６ａを想像線で示す如くカバ
ー７の最外周部側壁に設けるようにすれば、製
作、加工は点検窓１６の場合よりやや面倒になる
が、取扱い操作はより簡便となる。とりわけ保護
体１１を点検窓１６ａから取出すには保護体１１
をひねるようにして取出す必要がなく、点検窓１
６の場合よりやりやすくなる。このとき弁体１０
は弾性可撓性のものであるから、取出しに際して
は適当にわん曲等させることができ、点検窓１
６，１６ａとして弁体１０だけの取出しを図るも
のであるならば点検窓１６，１６ａの大きさはか
なり小さいものでよい。

また第７図においては、弁体１０のみを点検窓
１６に向つて延設したものを示したが、それ以外
に保護体１１も弁体１０と共に延設し、両者の延
設端部を同一のボルトでもつて制御板６に取付け
るようにしたり、保護体１１、板状弁体１０とも
に点検窓１６に向つて下部を延設するのでなく、
そのままの第３図に示した取付状態とし、点検窓
１６のみカバー７の外周部近く、あるいは外周部
側壁に設けるものでも使用できる。

本発明水リングポンプの構成は以上の通りであ
り、このポンプは前記したように真空ポンプ用ま
たは圧縮機用として利用されるものであるが、真
空ポンプとして利用されるのが大部分であるか
ら、本発明水リングポンプの作動も真空ポンプと
して説明する。なお圧縮機として利用した場合も
ガス体の圧力条件、すなわち吸入、吐出圧力が変
わるだけでポンプ自体の作動状態は何んら変わる
ところはない。

本発明水リングポンプの作動は最初、ケーシン
グ１内に作動水を封入し、駆動装置（図示せず）
でもつて回転軸２と共に羽根車３を回転させれ
ば、羽根車３内中央部付近に吸気側９ａと圧縮側
９ｂとを有する三日月形の気室９が形成せられ、
ガス体はカバー７内の吸気室（図示せず）から吸
気口４を通つて気室９内の吸気側９ａに入り、一
定量圧縮されて圧縮側９ｂに達し、吐出孔５…吐
出口５ｄを通つて吐出室８へ吐出されポンプ外へ
と流出する。

ここにおいて、真空ポンプとして利用する場合
は、最初の吸入圧力は通常、大気圧であり、大気
圧のガス体が吸気口４に流入することにより、気
室９の圧縮側９ｂでは大気圧以上の圧力に昇圧
し、このため吐出孔５…は全開状態となる。した
がつて吐出ガス体は大部分が下部位置の吐出孔５
ａ…等から吐出され過大な圧縮は行なわれない。
このときの弁体１０は、第４図に示す如く吐出ガ
ス体に吹かれ、保護体１１に当接し、振動するこ
とはなく、また吐出ガスは保護体１１の傾斜T₁，
T₂により矢印Ｅ，Ｆの如く、円滑に外周部に向
つて流出してゆく。

次に、吸気圧が大気圧以下となり真空度が上が
り出すと、吐出孔５の流出側である吐出室８の圧
力は大気圧であるに対して吐出孔５の内側である
気室９の圧縮側９ｂでは回転角θの小さい下部に
いくほど圧力は低く、十分な圧縮は行なわれず、
吸気口４における吸入圧が下がるほど、圧縮側９
ｂの下部も低圧で大気圧以下となり、その差圧に
より板状弁体１０が制御板６に押し付けられ、下
部の吐出孔５ａから閉じるようになる。

その後、さらに吸気圧力が下り真空度が上るに
つれ、弁体１０は吐出孔５を下側からすなわち５
ａ，５ｂ，５ｃの順序で閉じてゆき、かなり高真
空で予定される運転真空度に達したときは、弁体
１０は最上部の弁なし吐出口５ｄをのぞいてすべ
ての吐出孔５を閉じるか、または最上部の吐出口
５ｄに近い上部の吐出孔５だけをのぞいて、それ
より下位にある吐出孔５を閉じるようになる。

このように板状弁体１０は必要な吐出孔５のみ
を開き、あとは閉じるように機能するので、過圧
縮はもちろんガス体の逆流圧縮、すなわち吐出室
８の吐出ガスが圧力の小さい下部の吐出孔５から
羽根車３内へ逆流し、羽根車３内のガスを圧縮す
るのを防止することができる。また弁開状態とな
つている弁体１０は保護体１１に当接し、振動す
ることがないので振動からくる弁体１０の劣化を
防止することができるのである。

尚、点検窓１６，１６ａを本発明ポンプに設け
ることによつて、ポンプを分解することなく弁体
１０、保護体１１の点検、掃除、取替えを容易に
行なえるようになり、その取付位置は点検操作の
しやすい位置、すなわちカバー７の外周側近く、
またはカバー７の外周部に設けてあり、しかも保
護体１１、弁体１０とを取出すに必要最小限の大
きさで十分であるからその製作も簡単なものとな
る。とくに弁体１０又は弁体１０と保護体１１の
下部を点検窓１６，１６ａ附近にまで延設してお
くことによつて点検、掃除等の作業が極めて容易
となる。

以上のように、板状弁体１０の背後に保護体１
１を設けたことにより、該板状弁体１０が振動す
るのを防止でき、該板状弁体１０の耐久性を増す
とともに、保護体１１内壁面を吐出開口８ａへ向
けて立ち上がり傾斜を有する形状、即ち制御板６
と保護体１１内壁面で作る空間を吐出開口８ａの
方向に拡開するような形状に形成したので、液体
を含む吐出ガス体を、圧力損失を極力押えて効率
良く吐出開口８ａへ導くことができ、吐出ガス体
による吐出室８の圧力上昇を押えることにより側
気口型水リングポンプ自体の効率を上げ、更に板
状弁体１０の劣化交換に伴う運転停止を少なくす
ることができる。又、本発明は新規製作分のみば
かりでなく、既存の側気口型水リングポンプに対
してもその制御板を改造するだけで実施可能とな
りこの発明の提供は当業者にとつて極めて有用な
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は逆止弁構造を取付ける前の側気口型水
リングポンプの要部を示す部分断面図、第２図は
同ポンプのカバーをはずした状態の側面図、第３
図は板状弁体および保護体の取付状態平面説明
図、第４図は第３図の左側面図、第５図は第３図
の右側面図、第６図は第３図のＡ−Ａ端面図、第
７図はカバーを部分断面して示した点検窓を設け
た他の実施例の説明図である。１……ケーシング、２……回転軸、３……羽根
車、４……吸気口、５……吐出孔、６……制御
板、７……カバー、９……気室、１０……板状弁
体、１１……保護体、１６……点検窓。

Claims

【特許請求の範囲】

１水リングポンプの側部に取付けた制御板６圧
縮側に多数穿設した吐出孔５の流出側上面に、回
転角の小さい低圧縮側を固定した該吐出孔５を被
覆するのに十分な広さを有する略半三日月状の一
枚の弾性可撓性を有する板状弁体１０を位置せし
めるとともに、当該板状弁体１０の背後に一定の
空間を置いて、内周側１３に一定高さの開口１８
を有し、外周側１４に前記高さよりも高い高さの
開口１９を有し、しかも外周側１４の内面高さが
低圧縮側の吐出孔５から回転角の大きな高圧縮側
の吐出孔５になるにつれて高くなるような傾斜を
形成し、中間の回転角の適所から一定の高さに設
定し、更に内周側１３の内壁面から外周側１４の
内壁面にかけて連続的な立ち上がり傾斜を構成し
た保護体１１を位置させ、低圧縮側を前記板状弁
体１０の取付けと同位置で且つ同手段で固定し、
他側を前記板状弁体１０の高圧縮側端よりも更に
回転角の大きい外側位置で該板状弁体１０の端部
を自由端となして固定してなることを特徴とする
側気口型水リングポンプ。