JPS6353653B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6353653B2 JPS6353653B2 JP404081A JP404081A JPS6353653B2 JP S6353653 B2 JPS6353653 B2 JP S6353653B2 JP 404081 A JP404081 A JP 404081A JP 404081 A JP404081 A JP 404081A JP S6353653 B2 JPS6353653 B2 JP S6353653B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- methylpentene
- paper
- poly
- film
- composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000000123 paper Substances 0.000 claims description 65
- 239000002131 composite material Substances 0.000 claims description 36
- WSSSPWUEQFSQQG-UHFFFAOYSA-N 4-methyl-1-pentene Chemical compound CC(C)CC=C WSSSPWUEQFSQQG-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 30
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 27
- 239000002655 kraft paper Substances 0.000 claims description 25
- 238000002844 melting Methods 0.000 claims description 14
- 230000008018 melting Effects 0.000 claims description 14
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 13
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 11
- 238000002788 crimping Methods 0.000 claims description 7
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 5
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 13
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 7
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 7
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 7
- 238000001125 extrusion Methods 0.000 description 6
- KWKXNDCHNDYVRT-UHFFFAOYSA-N dodecylbenzene Chemical compound CCCCCCCCCCCCC1=CC=CC=C1 KWKXNDCHNDYVRT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 4
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 4
- 230000015556 catabolic process Effects 0.000 description 3
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 3
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 3
- 238000002425 crystallisation Methods 0.000 description 2
- 230000008025 crystallization Effects 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 239000004744 fabric Substances 0.000 description 2
- 230000008961 swelling Effects 0.000 description 2
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 2
- 230000037303 wrinkles Effects 0.000 description 2
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 1
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000010292 electrical insulation Methods 0.000 description 1
- 230000017525 heat dissipation Effects 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 239000008188 pellet Substances 0.000 description 1
- 229920000642 polymer Polymers 0.000 description 1
- 229920000098 polyolefin Polymers 0.000 description 1
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 1
- 238000010583 slow cooling Methods 0.000 description 1
- 230000002522 swelling effect Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Paper (AREA)
- Insulating Bodies (AREA)
Description
本発明は、絶縁油中におけるポリ4−メチルペ
ンテン−1フイルムとクラフト繊維紙との接着性
および膨潤性の改良された複合電気絶縁紙の製造
方法に関するものである。 ポリ4−メチルペンテン−1を溶融押出しして
得たフイルムの片面若しくは両面にクラフト繊維
紙を貼合わせた複合電気絶縁紙は、誘電損失が小
さく、かつ高い電気破壊強度を有する故に、超高
圧電力ケーブル用に注目されている。 従来、かかる複合電気絶縁紙は、溶融押出しし
たポリ4−メチルペンテン−1フイルムが未だ軟
化状態にあるうちに該フイルムの片面若しくは両
面にクラフト繊維紙を重ね合わせ、圧着ロールに
より冷却固化することにより製造するのが、その
一般的な製造方法であつた。しかし、このような
方法にて製造した複合絶縁紙は絶縁油中における
電気特性に問題があつた。 本発明者らはかかる点に着目し、鋭意研究を行
つた結果、このような問題は溶融押出しされたポ
リ4−メチルペンテン−1フイルムが、クラフト
繊維紙と接触する過程で瞬間的にクラフト繊維紙
に熱を奪われ、温度が低下し、更に圧着ロールに
より瞬間的に冷却されるなどのことにより、クラ
フト繊維紙の繊維間〓に溶融ポリ4−メチルペン
テン−1が充分めり込まないうちに固化してしま
い、この結果接着力が小さくなることに起因し、
接着力が小さい場合には、例えば油浸ケーブルを
曲げた際等に複合紙が剥離し易く、甚しい場合に
は剥離したクラフト繊維紙薄紙が切断し、ケーブ
ルの電気特性を低下せしめるものであることを知
見した。 接着性を改善するために、ポリ4−メチルペン
テン−1フイルムの押出温度を上昇せしめる方
法、および接着すべきクラフト繊維紙を予め加熱
する方法が試みられたが、いずれの方法でも得ら
れる複合紙の電気特性および物理特性が低下する
ものであつた。また、ポリ4−メチルペンテン−
1フイルムを予め形成しておき、このフイルムと
クラフト繊維紙とを加熱加圧により熱融着させる
方法も提案された。この方法では特性面における
改善は達成されるが、フイルム形成工程と熱融着
工程との2工程が必要であり、価格が高くなるほ
か生産性が悪いという問題点があつた。 本発明はかかる問題点を克服するためになされ
たもので、特に絶縁油中でのポリ4−メチルペン
テン−1フイルムとクラフト繊維紙との接着性を
改善し、更には絶縁油中での膨潤性を低減せしめ
た複合電気絶縁紙の製造方法である。 すなわち、本発明方法は、押出機により押出さ
れたポリ4−メチルペンテン−1フイルムの少な
くとも片面にクラフト繊維紙を圧着ロールにより
圧着一体化させて複合電気絶縁紙を製造するに当
り、上記圧着ロールの表面温度を用いたポリ4−
メチルペンテン−1の結晶融点以上の温度にして
上記ポリ4−メチルペンテン−1フイルムと上記
クラフト繊維紙とを圧着一体化させることを特徴
とするものである。 本発明においてポリ4−メチルペンテン−1フ
イルムとは、誘電特性の優れたポリ4−メチルペ
ンテン−1のペレツトを押出機により溶融押出成
形することにより得られるフイルムである。ポリ
4−メチルペンテン−1フイルムの押出温度は該
ポリマーの結晶融点より20〜30℃程度高目であれ
ば充分であり、従つて従来の複合紙の製造方法に
おけるように、接着性の向上を重視するために押
出温度を過度に高温にして、得られる複合紙の電
気特性および物理特性の劣化を招くようなことは
ない。 本発明においてポリ4−メチルペンテン−1フ
イルムに接着すべきクラフト繊維紙は、予めクラ
フト繊維紙の水分を除去するために、クラフト繊
維紙を予熱する等の処理を施すことが好ましい。 圧着ロールとしては、ヒーター埋込型金属ロー
ル、油加熱金属ロール、蒸気加熱金属ロール等が
用いられ、該金属ロールの表面温度をポリ4−メ
チルペンテン−1フイルムの結晶融点以上の温度
とすることにより、接着すべきクラフト繊維紙の
繊維間〓に溶融ポリ4−メチルペンテン−1が充
分めり込むので、接着性が良好になる。 この場合、複合紙は金属ロールに押圧されるの
で該金属ロールの複合紙への熱伝達が良好であ
り、従つて金属ロールの表面温度はポリ4−メチ
ルペンテン−1の結晶融点以上、好ましくは用い
たポリ4−メチルペンテン−1の結晶融点より10
〜20℃高い温度であれば充分である。これより高
い温度にすることは接着性の一層の向上が認めら
れないので不必要である。 その後、生成した複合電気絶縁紙を空気中で放
冷し、ポリ4−メチルペンテン−1フイルム層の
温度が用いたポリ4−メチルペンテン−1の結晶
融点より30℃以上低くなつた時点でポリ4−メチ
ルペンテン−1フイルムを冷却固化させる。この
理由は、ポリ4−メチルペンテン−1フイルムの
結晶化温度範囲が用いたポリ4−メチルペンテン
−1の結晶融点以下でかつ結晶融点より30℃低い
温度迄であると充分な徐冷によりポリ4−メチル
ペンテン−1フイルムの結晶化度を増大させるの
に効果があり、従つて得られる複合電気絶縁紙の
絶縁油中での厚さ増加率、即ち膨潤率を低減せし
めるのに効果があるからである。空気中で放冷す
る方法は、ロール等を接触させて冷却する方法と
比べて、熱放散による冷却が主体であるため熱伝
達が悪く、充分な徐冷が行われるので、結晶化度
の増大効果が大きい。次いで、結晶化温度領域外
の温度で冷却ロールにより冷却することにより生
産性良く複合電気絶縁紙を製造することができ
る。 次に本発明の実施態様を添付図面を参照して説
明する。 本発明においては、押出機1より押出されたポ
リ4−メチルペンテン−1フイルムの片面若しく
は両面に、クラフト繊維紙供給装置3および3′
からクラフト繊維紙4および4′を供給し、圧着
ロール5および5′により圧着一体化させる。こ
の際圧着ロール5および5′の表面温度を用いた
ポリ4−メチルペンテン−1フイルムの結晶融点
以上の温度にする。次いで生成した複合紙を空気
中で放冷し、その温度が用いたポリ4−メチルペ
ンテン−1の結晶融点より30℃以上低くなつた時
点で、ポリ4−メチルペンテン−1フイルムを、
布ベルト6で駆動される冷却ロール7および7′
により更に冷却し、得られた複合電気絶縁紙を巻
取装置9に巻取る。 次に本発明を実施例および比較例について説明
する。 実施例 1 ポリ4−メチルペンテン−1(結晶融点235℃)
を押出機により270℃の押出温度で厚さ90μのフ
イルムに押出成形し、この両面に厚さ30μのクラ
フト繊維紙を重ね合わせて圧着ロール(表面温度
250℃)に導き、ここで加圧接着させ、続いて2
m離れた地点迄は空気中で放冷した。この時点で
複合紙の温度は200℃になつた。次いで冷却ロー
ル(表面温度15℃)に導き、更に冷却して複合電
気絶縁紙を得た。 実施例 2 圧着ロールの表面温度を240℃とし、空気中の
放冷完了時の複合紙温度が180℃となつた点以外
は、実施例1と同様にして複合電気絶縁紙を得
た。 実施例 3 圧着ロールの表面温度を260℃とし、空気中の
放冷完了時の複合紙温度が210℃となつた点以外
は、実施例1と同様にして複合電気絶縁紙を得
た。 比較例 1 ポリ4−メチルペンテン−1(結晶融点235℃)
を押出機により270℃の押出温度で厚さ90μのフ
イルムに押出成形し、この両面に厚さ30μのクラ
フト繊維紙を重ね合わせて圧着ロール(表面温度
200℃)に導き、ここで加圧接着させ、続いて空
気中で放冷冷却して複合電気絶縁紙を得た。 比較例 2 ポリ4−メチルペンテン−1(結晶融点235℃)
を押出機により270℃の押出温度で厚さ90μのフ
イルムに押出成形し、この両面に厚さ30μのクラ
フト繊維紙を重ね合わせて圧着ロール(表面温度
15℃)に導き、ここで加圧接着および冷却を同時
に行つて複合電気絶縁紙を得た。 比較例 3 圧着ロールの表面温度を225℃とし、空気中の
放冷完了時の複合紙温度が160℃となつた点以外
は、実施例1と同様にして複合電気絶縁紙を得
た。 上述の実施例1〜3および比較例1〜3で得た
複合電気絶縁紙をそれぞれ100℃、0.1mmHgの条
件下に24時間乾燥したのち、これにドデシルベン
ゼン(DDB)を含浸させて得た油浸紙の誘電特
性を測定した。この結果、いずれも誘電率εは
2.45〜2.50であり、80℃における誘電正接tanδは
0.045〜0.055(%)で良好であつた。 また、得られた複合電気絶縁紙を同様に真空乾
燥し、次いで100℃のDDBに浸漬し、240時間放
置後の厚さ増加率を測定し、この結果を第1表に
示した。 更に、得られた複合電気絶縁紙を同様に真空乾
燥し、次いで100℃のDDBに浸漬し、24時間放置
後にクラフト繊維紙とポリオレフインフイルム層
との接着強度を測定した。この結果を第1表に示
した。
ンテン−1フイルムとクラフト繊維紙との接着性
および膨潤性の改良された複合電気絶縁紙の製造
方法に関するものである。 ポリ4−メチルペンテン−1を溶融押出しして
得たフイルムの片面若しくは両面にクラフト繊維
紙を貼合わせた複合電気絶縁紙は、誘電損失が小
さく、かつ高い電気破壊強度を有する故に、超高
圧電力ケーブル用に注目されている。 従来、かかる複合電気絶縁紙は、溶融押出しし
たポリ4−メチルペンテン−1フイルムが未だ軟
化状態にあるうちに該フイルムの片面若しくは両
面にクラフト繊維紙を重ね合わせ、圧着ロールに
より冷却固化することにより製造するのが、その
一般的な製造方法であつた。しかし、このような
方法にて製造した複合絶縁紙は絶縁油中における
電気特性に問題があつた。 本発明者らはかかる点に着目し、鋭意研究を行
つた結果、このような問題は溶融押出しされたポ
リ4−メチルペンテン−1フイルムが、クラフト
繊維紙と接触する過程で瞬間的にクラフト繊維紙
に熱を奪われ、温度が低下し、更に圧着ロールに
より瞬間的に冷却されるなどのことにより、クラ
フト繊維紙の繊維間〓に溶融ポリ4−メチルペン
テン−1が充分めり込まないうちに固化してしま
い、この結果接着力が小さくなることに起因し、
接着力が小さい場合には、例えば油浸ケーブルを
曲げた際等に複合紙が剥離し易く、甚しい場合に
は剥離したクラフト繊維紙薄紙が切断し、ケーブ
ルの電気特性を低下せしめるものであることを知
見した。 接着性を改善するために、ポリ4−メチルペン
テン−1フイルムの押出温度を上昇せしめる方
法、および接着すべきクラフト繊維紙を予め加熱
する方法が試みられたが、いずれの方法でも得ら
れる複合紙の電気特性および物理特性が低下する
ものであつた。また、ポリ4−メチルペンテン−
1フイルムを予め形成しておき、このフイルムと
クラフト繊維紙とを加熱加圧により熱融着させる
方法も提案された。この方法では特性面における
改善は達成されるが、フイルム形成工程と熱融着
工程との2工程が必要であり、価格が高くなるほ
か生産性が悪いという問題点があつた。 本発明はかかる問題点を克服するためになされ
たもので、特に絶縁油中でのポリ4−メチルペン
テン−1フイルムとクラフト繊維紙との接着性を
改善し、更には絶縁油中での膨潤性を低減せしめ
た複合電気絶縁紙の製造方法である。 すなわち、本発明方法は、押出機により押出さ
れたポリ4−メチルペンテン−1フイルムの少な
くとも片面にクラフト繊維紙を圧着ロールにより
圧着一体化させて複合電気絶縁紙を製造するに当
り、上記圧着ロールの表面温度を用いたポリ4−
メチルペンテン−1の結晶融点以上の温度にして
上記ポリ4−メチルペンテン−1フイルムと上記
クラフト繊維紙とを圧着一体化させることを特徴
とするものである。 本発明においてポリ4−メチルペンテン−1フ
イルムとは、誘電特性の優れたポリ4−メチルペ
ンテン−1のペレツトを押出機により溶融押出成
形することにより得られるフイルムである。ポリ
4−メチルペンテン−1フイルムの押出温度は該
ポリマーの結晶融点より20〜30℃程度高目であれ
ば充分であり、従つて従来の複合紙の製造方法に
おけるように、接着性の向上を重視するために押
出温度を過度に高温にして、得られる複合紙の電
気特性および物理特性の劣化を招くようなことは
ない。 本発明においてポリ4−メチルペンテン−1フ
イルムに接着すべきクラフト繊維紙は、予めクラ
フト繊維紙の水分を除去するために、クラフト繊
維紙を予熱する等の処理を施すことが好ましい。 圧着ロールとしては、ヒーター埋込型金属ロー
ル、油加熱金属ロール、蒸気加熱金属ロール等が
用いられ、該金属ロールの表面温度をポリ4−メ
チルペンテン−1フイルムの結晶融点以上の温度
とすることにより、接着すべきクラフト繊維紙の
繊維間〓に溶融ポリ4−メチルペンテン−1が充
分めり込むので、接着性が良好になる。 この場合、複合紙は金属ロールに押圧されるの
で該金属ロールの複合紙への熱伝達が良好であ
り、従つて金属ロールの表面温度はポリ4−メチ
ルペンテン−1の結晶融点以上、好ましくは用い
たポリ4−メチルペンテン−1の結晶融点より10
〜20℃高い温度であれば充分である。これより高
い温度にすることは接着性の一層の向上が認めら
れないので不必要である。 その後、生成した複合電気絶縁紙を空気中で放
冷し、ポリ4−メチルペンテン−1フイルム層の
温度が用いたポリ4−メチルペンテン−1の結晶
融点より30℃以上低くなつた時点でポリ4−メチ
ルペンテン−1フイルムを冷却固化させる。この
理由は、ポリ4−メチルペンテン−1フイルムの
結晶化温度範囲が用いたポリ4−メチルペンテン
−1の結晶融点以下でかつ結晶融点より30℃低い
温度迄であると充分な徐冷によりポリ4−メチル
ペンテン−1フイルムの結晶化度を増大させるの
に効果があり、従つて得られる複合電気絶縁紙の
絶縁油中での厚さ増加率、即ち膨潤率を低減せし
めるのに効果があるからである。空気中で放冷す
る方法は、ロール等を接触させて冷却する方法と
比べて、熱放散による冷却が主体であるため熱伝
達が悪く、充分な徐冷が行われるので、結晶化度
の増大効果が大きい。次いで、結晶化温度領域外
の温度で冷却ロールにより冷却することにより生
産性良く複合電気絶縁紙を製造することができ
る。 次に本発明の実施態様を添付図面を参照して説
明する。 本発明においては、押出機1より押出されたポ
リ4−メチルペンテン−1フイルムの片面若しく
は両面に、クラフト繊維紙供給装置3および3′
からクラフト繊維紙4および4′を供給し、圧着
ロール5および5′により圧着一体化させる。こ
の際圧着ロール5および5′の表面温度を用いた
ポリ4−メチルペンテン−1フイルムの結晶融点
以上の温度にする。次いで生成した複合紙を空気
中で放冷し、その温度が用いたポリ4−メチルペ
ンテン−1の結晶融点より30℃以上低くなつた時
点で、ポリ4−メチルペンテン−1フイルムを、
布ベルト6で駆動される冷却ロール7および7′
により更に冷却し、得られた複合電気絶縁紙を巻
取装置9に巻取る。 次に本発明を実施例および比較例について説明
する。 実施例 1 ポリ4−メチルペンテン−1(結晶融点235℃)
を押出機により270℃の押出温度で厚さ90μのフ
イルムに押出成形し、この両面に厚さ30μのクラ
フト繊維紙を重ね合わせて圧着ロール(表面温度
250℃)に導き、ここで加圧接着させ、続いて2
m離れた地点迄は空気中で放冷した。この時点で
複合紙の温度は200℃になつた。次いで冷却ロー
ル(表面温度15℃)に導き、更に冷却して複合電
気絶縁紙を得た。 実施例 2 圧着ロールの表面温度を240℃とし、空気中の
放冷完了時の複合紙温度が180℃となつた点以外
は、実施例1と同様にして複合電気絶縁紙を得
た。 実施例 3 圧着ロールの表面温度を260℃とし、空気中の
放冷完了時の複合紙温度が210℃となつた点以外
は、実施例1と同様にして複合電気絶縁紙を得
た。 比較例 1 ポリ4−メチルペンテン−1(結晶融点235℃)
を押出機により270℃の押出温度で厚さ90μのフ
イルムに押出成形し、この両面に厚さ30μのクラ
フト繊維紙を重ね合わせて圧着ロール(表面温度
200℃)に導き、ここで加圧接着させ、続いて空
気中で放冷冷却して複合電気絶縁紙を得た。 比較例 2 ポリ4−メチルペンテン−1(結晶融点235℃)
を押出機により270℃の押出温度で厚さ90μのフ
イルムに押出成形し、この両面に厚さ30μのクラ
フト繊維紙を重ね合わせて圧着ロール(表面温度
15℃)に導き、ここで加圧接着および冷却を同時
に行つて複合電気絶縁紙を得た。 比較例 3 圧着ロールの表面温度を225℃とし、空気中の
放冷完了時の複合紙温度が160℃となつた点以外
は、実施例1と同様にして複合電気絶縁紙を得
た。 上述の実施例1〜3および比較例1〜3で得た
複合電気絶縁紙をそれぞれ100℃、0.1mmHgの条
件下に24時間乾燥したのち、これにドデシルベン
ゼン(DDB)を含浸させて得た油浸紙の誘電特
性を測定した。この結果、いずれも誘電率εは
2.45〜2.50であり、80℃における誘電正接tanδは
0.045〜0.055(%)で良好であつた。 また、得られた複合電気絶縁紙を同様に真空乾
燥し、次いで100℃のDDBに浸漬し、240時間放
置後の厚さ増加率を測定し、この結果を第1表に
示した。 更に、得られた複合電気絶縁紙を同様に真空乾
燥し、次いで100℃のDDBに浸漬し、24時間放置
後にクラフト繊維紙とポリオレフインフイルム層
との接着強度を測定した。この結果を第1表に示
した。
【表】
【表】
第1表に示したように、本発明方法で製造した
複合電気絶縁紙は、絶縁油に浸漬後の厚さ増加率
即ち膨潤率が小さくかつ接着強度が大きく、優れ
た物理特性を有していた。 次に、2000mm2銅導体上に半導電層を設け、この
上に実施例1および比較例1で得た各々の複合電
気絶縁紙をそれぞれ15mm厚に巻付け、その外周上
に同一の外部半導電層およびアルミ被を施したモ
デルケーブルを作り、これらのケーブルを100℃、
0.1mmHgにおいて120時間真空乾燥した。この後、
DDBを含浸させ、導体通電により導体温度が85
℃になるように6時間加熱し、ついで室温迄冷却
し、20倍ベンドを行つた後に、衝撃破壊電圧を測
定した。得られた結果を第2表に示す。
複合電気絶縁紙は、絶縁油に浸漬後の厚さ増加率
即ち膨潤率が小さくかつ接着強度が大きく、優れ
た物理特性を有していた。 次に、2000mm2銅導体上に半導電層を設け、この
上に実施例1および比較例1で得た各々の複合電
気絶縁紙をそれぞれ15mm厚に巻付け、その外周上
に同一の外部半導電層およびアルミ被を施したモ
デルケーブルを作り、これらのケーブルを100℃、
0.1mmHgにおいて120時間真空乾燥した。この後、
DDBを含浸させ、導体通電により導体温度が85
℃になるように6時間加熱し、ついで室温迄冷却
し、20倍ベンドを行つた後に、衝撃破壊電圧を測
定した。得られた結果を第2表に示す。
【表】
またこのケーブルを解体した結果、実施例1の
複合絶縁紙を用いたケーブルでは、絶縁紙層に紙
しわおよび切断部分が全く認められず、健全な状
態であつた。これに対し、比較例1の複合絶縁紙
を用いたケーブルでは、絶縁紙層に紙しわの発生
および切断部分の存在が認められ、絶縁破壊は切
断部で起つていた。
複合絶縁紙を用いたケーブルでは、絶縁紙層に紙
しわおよび切断部分が全く認められず、健全な状
態であつた。これに対し、比較例1の複合絶縁紙
を用いたケーブルでは、絶縁紙層に紙しわの発生
および切断部分の存在が認められ、絶縁破壊は切
断部で起つていた。
添付図面は本発明方法の1例のフローシートで
ある。 1……押出機、2……押出されたポリ4−メチ
ルペンテン−1フイルフ、3,3′……クラフト
繊維紙供給装置、4,4′……クラフト繊維紙、
5,5′……圧着ロール、6……布ベルト、7,
7′……冷却ロール、8……複合電気絶縁紙、9
……巻取装置。
ある。 1……押出機、2……押出されたポリ4−メチ
ルペンテン−1フイルフ、3,3′……クラフト
繊維紙供給装置、4,4′……クラフト繊維紙、
5,5′……圧着ロール、6……布ベルト、7,
7′……冷却ロール、8……複合電気絶縁紙、9
……巻取装置。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 押出機により押出されたポリ4−メチルペン
テン−1フイルムの少くとも片面にクラフト繊維
紙を圧着ロールにより圧着一体化させて複合電気
絶縁紙を製造するに当り、 上記圧着ロールの表面温度を用いたポリ4−メ
チルペンテン−1の結晶融点以上の温度にして、
上記ポリ4−メチルペンテン−1フイルムと上記
クラフト繊維紙とを圧着一体化させることを特徴
とする複合電気絶縁紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP404081A JPS57118310A (en) | 1981-01-14 | 1981-01-14 | Method of producing composite electrically insulating paper |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP404081A JPS57118310A (en) | 1981-01-14 | 1981-01-14 | Method of producing composite electrically insulating paper |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57118310A JPS57118310A (en) | 1982-07-23 |
JPS6353653B2 true JPS6353653B2 (ja) | 1988-10-25 |
Family
ID=11573829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP404081A Granted JPS57118310A (en) | 1981-01-14 | 1981-01-14 | Method of producing composite electrically insulating paper |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57118310A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2772446B2 (ja) * | 1991-11-08 | 1998-07-02 | オークマ株式会社 | 研削盤 |
-
1981
- 1981-01-14 JP JP404081A patent/JPS57118310A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2772446B2 (ja) * | 1991-11-08 | 1998-07-02 | オークマ株式会社 | 研削盤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57118310A (en) | 1982-07-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0624872A (ja) | 可撓性グラファイトを補強するための方法およびアセンブリーおよび物品 | |
JPS6412050B2 (ja) | ||
US4853490A (en) | Laminated paper-plastic insulating tape and cable including such tape | |
JPS6353653B2 (ja) | ||
JPH10511502A (ja) | 難燃性フラットケーブル製造の装置および方法 | |
US1497449A (en) | Molded condenser | |
JP3514656B2 (ja) | 表面平滑配線板およびその製造方法 | |
JPS6351323B2 (ja) | ||
JPS6353654B2 (ja) | ||
JPS6255483B2 (ja) | ||
JPS6331302Y2 (ja) | ||
CN116572540A (zh) | 一种铝塑热复合膜生产设备及工艺 | |
JPH0312407B2 (ja) | ||
JPH07320570A (ja) | フラットケーブルの製造方法 | |
JPS5880212A (ja) | 高発泡同軸ケ−ブルの製造方法 | |
JPS60170114A (ja) | Ofケ−ブルの製造方法 | |
JPS6353652B2 (ja) | ||
JPH0239050B2 (ja) | Aburairidenryokukeeburunoseizohoho | |
CN116604848A (zh) | 一种pi导热薄膜的生产制造工艺 | |
JPS5949656B2 (ja) | テ−プ状電線の製造方法 | |
CN115910440A (zh) | 一种110kV轻型交联聚乙烯绝缘高压电缆及其制造方法 | |
JPS5929927B2 (ja) | 油浸ラミネ−ト紙の製造方法 | |
JPS6129087B2 (ja) | ||
CN116528408A (zh) | 高温聚酰亚胺薄膜式加热器及其制备方法和应用 | |
JP2000182752A (ja) | 面状発熱体の製造方法 |