JPS6352893B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、眼球屈折力測定装置に関するもので
ある。

従来の技術 眼球の屈折力を他覚的に測定するために使われ
る公知の測定器は、ビーム状に収束させた赤外光
を高周期でパルス状に射出して眼球に照射し、網
膜上に得られる光点を２次光源としてできた像を
光検出器にあて、この光検出器上の位置の違いに
よつて屈折力を算出するものである。

しかしながら、このような測定器では、往復す
る赤外光が紅彩で遮られないように、眼球の正面
から赤外光を照射する必要がある。また、上記装
置による測定に際しては、眼球を固定する必要が
あり、そのため細いのぞき窓をのぞくような状態
で測定しなければならないが、このような状態で
の測定では、被験者に与える精神的な圧迫感が強
く、しかものぞき込むような動作によつて一時的
に近視状態になる、いわゆる機械近視になり易
く、自然な状態での正しい測定を行うことができ
ない。

発明が解決しようとする問題点 本発明において解決しようとする技術的課題
は、上述ののぞき込むような不自然な動作を行う
必要をなくし、且つ眼球運動を行つても正しく測
定できるような光学系を持つた眼球屈折力測定装
置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 上記技術的課題を解決するため、本発明に係る
眼球屈折力測定装置は、ビーム状に収束された赤
外光を高周波で変調してパルス状に射出すると共
に、被験者の眼底からの反射光を受光して眼球屈
折力を測定する投受光測定装置と、上記赤外光を
反射する反射面に対し駆動部により２軸方向の僅
かな回転を与え得る平面反射鏡と、上記平面反射
鏡上の回転中心に一方の焦点を位置させ、その反
射鏡からの反射光を反射させて他方の焦点に焦光
させる楕円鏡を備えた２焦点間焦光装置と、上記
２焦点間焦光装置からの赤外光を反射させて被験
者の眼球へ焦光させるが可視光は透過させる赤外
光反射鏡と、眼球の動きを捉えて上記平面反射鏡
の駆動部により常に眼球正面から赤外光を照射さ
せるためにフイードバツクする眼球運動検出装置
と、を備えることによつて構成される。

作 用 上記構成を有する本発明の眼球屈折力の実時間
測定装置においては、投受光測定装置からのビー
ム状の赤外光が、２軸回転可能な平面反射鏡にお
いて反射した後に、２焦点間焦光装置の楕円鏡に
おいて反射するが、平面反射鏡の回転中心に楕円
鏡の一方の焦点を位置させているため、楕円鏡で
反射した光ビームが常に２焦点間焦光装置の他方
の焦点上に集まることになり、この焦点に集まる
光ビームを赤外光反射鏡で反射させて、反射後の
焦点位置に眼球の中心を設定し、且つ眼球の運動
を眼球運動検出装置で追跡して、この信号を平面
反射鏡の２軸揺動機構にフイードバツクし、平面
反射鏡の向きを眼球の動きに対応させて制御する
ことにより、眼球の動きに拘らず光ビームを眼球
の正面から照射することができる。

また、赤外光反射板は赤外光だけを反射させ、
可視光を透過させるため、被験者はこの反射板を
通して作業環境等を見ている自然な状態で測定を
行うことができる。

効 果 このような本発明の眼球屈折力測定装置によれ
ば、被験者が作業環境を見る自然な状態で正しく
測定することが可能であるばかりでなく、測定中
に眼球運動を行つても、その眼球の動きに応じて
光ビームの照射方向を調整し、眼球に対して常に
光ビームを正面から照射することができる。

実施例 以下、図面を参照して本発明の実施例について
詳述する。

第１図において、１は赤外光の投受光測定装置
で、赤外光を高周波で変調し、ビーム状に収束し
て射出すると共に、眼底の光点からの反射光を受
光してその位置を検出し、データ処理部における
演算により眼球の屈折力を測定する機能を有して
いる。上記投受光測定装置１に対向配置した平面
反射鏡２は、可撓支持板３によりその反射鏡２の
中央部２ａを回転中心として僅かな２軸回転を可
能に支持させ、２軸揺動機構４の揺動腕により２
軸方向に回転運動を与えるようにしたもので、こ
の平面反射鏡２での反射光は上記２軸揺動機構４
により高周期で走査し、逐次走査範囲を変化させ
て２焦点間焦光装置５の楕円鏡５ａに投射され
る。

上記２焦点間焦光装置５は、楕円鏡５ａ，５ｂ
を備え、楕円鏡５ａの一方の焦点を上記平面反射
鏡２の中央部回転中心２ａに位置させると共に、
他方の焦点を他方の楕円鏡５ｂとの共通焦点６に
結像させ、楕円鏡５ｂの他方の焦点７を空間にお
ける一点に焦光させるものであるが、この焦点７
を赤外光反射板８によつてその鏡像位置に焦光さ
せ、これによつて焦点７を実質上被験者９の眼球
９ａの中心に位置させるようにしている。上記２
焦点間焦光装置５は、単一の楕円鏡を用いてもよ
いが、この場合には光ビームの照射方向によつて
他の焦点に結ぶ実像の大きさが変化するため、こ
れを打ち消すように、対称位置に同一の光学特性
をもつた楕円鏡５ａ，５ｂを併設し、等倍率の実
像を結ばせるのが有効である。上記赤外光反射板
８は、赤外光を反射させるが可視光は透過させる
ものである。

被験者９の眼球運動を検出する眼球運動検出装
置１０としては、例えば眼球に投射した赤外光の
角膜における反射光の位置により眼球運動を検出
するようにした公知の検出装置を用いることがで
き、この眼球運動検出装置１０の出力は上記平面
反射鏡２の駆動部である２軸揺動機構４に出力さ
れ、平面反射鏡２に眼球運動に対応した回転運動
が与えられる。

また、眼球の中心が楕円鏡５ｂの一焦点上にく
るように設定する必要があるため、図示したよう
に、それをモニターするための手段を上記眼球運
動検出装置１０に付設するのが有効である。

図示した眼球運動検出装置１０は、モニターテ
レビとしても機能するようにしたものであり、こ
れによつてモニターしながら設定を行う際に、測
定ビームの標準方向と光軸をあわせてモニターし
た方が設定が容易であるため、その光軸をあわせ
るためのハーフミラー１１を設けている。また、
上記眼球運動検出装置１０は、モニターテレビと
しての機能と同時に眼球運動検出機能をもたせる
ため、テレビ画像内の高輝度の点の（ｘ，ｙ）座
標を実時間で測定できるように構成し、従つてこ
の出力によつて２軸揺動機構４が駆動され、測定
ビームが常に視方向を向くように制御される。上
記高輝度の点としては、例えば赤外光発光源１２
が眼球角膜表面で反射してできる虚像を用いるこ
とができる。眼球運動検出装置１０は、角膜表面
で反射してできる虚像の位置が眼球運動によつて
変わるため、これを運動検出に用いるものであ
る。なお、赤外光発光源の虚像を測定用赤外光に
よつてできる虚像と区別するためには、時分割点
滅を行い、それと同期した点を検出すればよい。

図中、１３は赤外光反射板８を通して透視され
る被験者の作業環境、例えば情報入出力装置を示
している。

上記構成を有する眼球屈折力測定装置において
は、まず、投受光測定装置１から被験者９の眼球
９ａに投射する高周波で変調されたビーム状の赤
外光を、２軸方向に回転可能な平面反射鏡２にお
いて一旦反射させ、その反射光をさらに２焦点間
焦光装置５の楕円鏡５ａにあてて反射させる。こ
のとき、平面反射鏡２の回転中心２ａに楕円鏡５
ａの１焦点が位置しているため、この回転中心２
ａに光ビームを照射すると、楕円鏡５ａで反射し
た光ビームが常に他方の焦点即ち楕円鏡５ｂとの
共通焦点６上に集まることになる。また、楕円鏡
５ｂにおいては、上記共通焦点６からの光ビーム
が他方の焦点７に焦光される。そこで、光ビーム
がこの焦点７に集まる前に、赤外光のみを反射さ
せる赤外光反射鏡８で再度反射させ、反射後の焦
点位置に眼球９ａの中心を設定することにより、
光ビームは常に眼球に照射される。

即ち、光ビームが反射する２軸回転可能な平面
反射鏡２の角度を変えても、光ビームは２焦点間
焦光装置における他の反射経路をたどつて最終的
には同じ焦点位置に集まることになる。このよう
に２焦点間焦光装置５においては、楕円鏡の一方
の焦点から出た光が必ず他の焦点上に結像する性
質を利用し、様々な方向から同一点に照射する構
造を設定することができ、そしてこの焦点に眼球
の中心を置くことにより、被験者の眼球運動でそ
の眼球の向きが変化しても、上記２軸回転可能な
平面反射鏡２を僅かに回転させるだけで、常に眼
球正面から赤外光ビームを照射することが可能に
なる。

而して、眼球の運動は、その眼球に対して対向
配置された眼球運動検出装置１０で追跡し、この
信号を平面反射鏡２の２軸揺動機構４にフイード
バツクすれば、平面反射鏡の向きが眼球の動きに
対応して光ビームを眼球の正面から照射するよう
に制御され、それによつて眼球の動きに拘らず常
に正しい測定を行うことができる。

また、光ビームが眼球に入る直前に反射させる
赤外光反射板８は、赤外光だけを反射させ、可視
光は透過させるので、被験者はこの反射板８を通
して作業環境１３や適宜被写体を見ることがで
き、作業中でも自然な状態で、且つ実時間で測定
を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る眼球屈折力測定装置の構
成図である。 １……投受光測定装置、２……平面反射鏡、２
ａ……回転中心、５……２焦点間焦光装置、５
ａ，５ｂ……楕円鏡、６，７……焦点、８……赤
外線反射板、９……被験者、９ａ……眼球、１０
……眼球運動検出装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ビーム状に収束された赤外光を高周波で変調
   してパルス状に射出すると共に、被験者の眼底か
   らの反射光を受光して眼球屈折力を測定する投受
   光測定装置と、上記赤外光を反射する反射面に対
   し駆動部により２軸方向の僅かな回転を与え得る
   平面反射鏡と、上記平面反射鏡上の回転中心に一
   方の焦点を位置させ、その反射鏡からの反射光を
   反射させて他方の焦点に焦光させる楕円鏡を備え
   た２焦点間焦光装置と、上記２焦点間焦光装置か
   らの赤外光を反射させて被験者の眼球へ焦光させ
   るが可視光は透過させる赤外光反射鏡と、眼球の
   動きを捉えて上記平面反射鏡の駆動部により常に
   眼球正面から赤外光を照射させるためにフイード
   バツクする眼球運動検出装置と、を備えたことを
   特徴とする眼球屈折力測定装置。