JPS6348532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、果物、野菜、缶詰類その他諸々の商
品を収納して保管、搬送に供する梱包函に関す
る。

（従来の技術） 従来、果物、野菜、缶詰類等の梱包函として
は、段ボール製で、前後壁、左右壁のそれぞれの
上下端に函の頂面あるいは底面となるフラツプを
連設し、そのフラツプを組み合わせるか、一方の
相対するフラツプの外面に他方の相対するフラツ
プを折り重ね、フラツプ相互間をステーブル等に
より止着するかして頂面あるいは底面を形成し、
梱包函に製函していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらかかる従来の梱包函においては、
頂面あるいは底面を形成している各フラツプは一
端縁で前後壁あるいは左右壁を形成している壁板
に連結されているだけで、他の三端縁は函体の頂
面あるいは底面でいわば浮遊状態にあり、僅かな
外力によつても函体内に陥没し、函体に型崩れを
生じさせていた。また、従来のかかる梱包函にお
いては、例えば前後壁に連設されたフラツプの外
面に左右壁に連設されたフラツプを折り重ねると
いう場合、底面の内面側に前後壁に連設されたフ
ラツプの存在する部分と存在しない部分とを生
じ、両者間に段差を生じて物品の収納及び取り出
しがしにくく、また底面が複数枚のフラツプのい
わば継接状態であるため脆弱であるという欠点を
有していた。更に、前後壁、左右壁のいずれも一
枚の板紙のみからなり函体胴部が十分な強度を有
していなかつた。

本考案は従来の梱包函の有するかかる欠点に鑑
みなされたもので、頂面が外力によつて函体内へ
陥没することがなく、函体胴部が十分な強度を有
し、かつ底面も１枚の板紙からなつて十分な強度
を有するとともに物品の出し入れがしやすいとい
う梱包函を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） そのため、本考案は、底板と、その底板の各端
辺より起立せしめられた前後板及び左右側板を有
し、その左右側板の各上端に連設された一対の半
天板により頂面の開口部が略半分ずつ被覆される
梱包函において、前記左右側板のそれぞれの両側
端に貼着片を設け、その貼着片を前記前後板の中
央部を除く外面に折り重ね貼着し、かつ前記半天
板の各両側端に前記中央部外面に止着用の止着片
を設けて梱包函を構成した。

（作用） 本考案に係る梱包函は上述の構成を有し、各半
天板の両側端に前後板の中央部外面に止着用の止
着片を設け、かつ各半天板を前板又は後板の上端
面と貼着片の上端面との２個の上端面で支承する
ようにしたことにより、外力によつて半天板が函
体内に陥没することが完全に防止され、貼着片を
前後板の中央部を除く外面に折り重ね貼着し、か
つ半天板の各両側端に前後板の中央部外面に止着
用の止着片を設けて前後両面を二重壁としたこと
により、十分な強度を有しており、底面を複数枚
のフラツプからなるいわゆる継接状態ではなく、
１枚の板紙で形成したことにより、十分な強度を
有するとともに物品の出し入れがしやすい。

（実施例） 本考案の一実施例を図面を参照して詳細に説明
すると、第２図は本考案に係る梱包函の函体内面
側から見た展開図であつて、１は底板である。こ
の底板１の左側には２条の折線ａ，ｂを介して左
側板２、半天板３が順に連設されており、底板１
の右側には２条の折線ａ，ｂを介して右側板４、
半天板３が順に連設されている。底板１の前後両
端には折線ｃを介して前板５及び後板６がそれぞ
れ連設され、左側板２及び右側板４の前後両端に
は折線ｄを介して貼着片７がそれぞれ連設され、
各半天板３の前後両端には折線ｅを介して止着片
８がそれぞれ連設されている。貼着片７は前後板
５，６の中央部を除く外面に対応する寸法に形成
されており、止着片８は前後板５，６の中央部に
対応する寸法に形成されている。

組立、使用に当つては、折線ａ，ｃに沿つて左
右側板２，４、前後板５，６を底板１の周囲に起
立させた後、折線ｄに沿つて貼着片７を折り曲げ
つつ前後板５，６の外面に貼着して第１図の状態
とする。この状態で函体内に物品を収納し、次い
で、折線ｂに沿つて左右の半天板３を直角に折り
曲げた後、折線ｅに沿つて各止着片８をそれぞれ
前後板５，６に折り重ね止着する。各止着片８の
前後板５，６への止着は各止着片８の下端部近傍
を前後板５，６に貼着又はステーブル止めした
り、第３図に示すように粘着テープ９を貼着した
りすることによる。上述において、貼着片７を前
後板５，６の外面に貼着した際、貼着片７は前後
板５，６の中央部を除く外面の略全面を被覆して
貼着片７の上端面と前後板５，６の上端面とが第
１図に示すように同一平面を形成し、半天板３を
支承するとともに、止着片８が貼着片７の貼着さ
れない前後板５，６の中央部の外面の略全面を被
覆して貼着片７と止着片８とが同一平面を形成し
て見栄えがよくなり、かつ前後板５，６の外面に
貼着片７と止着片８とがそれぞれ重ね合わされて
前後壁面は強固な二重壁となる。

本考案は上述の実施例に限定されるものではな
く、貼着片７が前後板５，６の中央部を除く部分
に重畳し、止着片８が前後板５，６の中央部に重
畳するものであれば、貼着片７及び前後板５，６
の形状は如何なるものであつてもよく、また止着
片８の前後板５，６の外面への止着は如何なる方
法によつてもよい。例えば、第４図に示すよう
に、止着片８の側端の下方寄りにくびれ部８０を
設けるとともに貼着片７に対応する凸出部７０を
設け、くびれ部８０と凸出部７０とを嵌合状態と
することにより、止着片８を前後板５，６の外面
に止着してもよい。また、素材は両面段ボール
紙、板紙等如何なるものであつてもよい。

（考案の効果） 本考案は上述の構成を有し、貼着片を前後板の
中央部を除く外面に折り重ね貼着したことによ
り、半天板が前板又は後板と貼着片との二枚の上
端面で支承されることと、半天板の両側端に前後
板の中央部外面に止着用の止着片を備えて半天板
の両側部が前後板と一体となつて固定支持される
こととにより、半天板が外力によつて函体内に陥
没することは完全に防止される。また、貼着片が
前後板の中央部を除く外面に折り重ね貼着され、
かつ半天板の各両側端に前後板の中央部外面に止
着用の止着片を備えたことにより、前後面が前板
又は後板と貼着片及び止着片とで二重壁構造とな
つて函体胴部の強度が著しく増大されるとともに
貼着片と止着片とが同一平面を形成し、かつ貼着
片と止着片との接合部が幾何学的な線模様となつ
て前後壁面を飾るため外観上の見栄えがよい。更
に、底面を一枚の底板としたことにより、底面の
強度が大であるとともに物品の出し入れがしやす
い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を表し、
第１図は組立途中の状態を示す斜視図、第２図は
展開図、第３図は組立完了後の斜視図、第４図は
本考案の他の実施例の一部切欠斜視図である。 １……底板、２……左側板、３……半天板、４
……右側板、５……前板、６……後板、７……貼
着片、８……止着片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板と、その底板の各端辺より起立せしめられ
   た前後板及び左右側板を有し、その左右側板の各
   上端に連設された一対の半天板により頂面の開口
   部が略半分ずつ被覆される梱包函において、前記
   左右側板はそれぞれの両側端に貼着片を備え、そ
   の貼着片が前記前後板の中央部を除く外面に折り
   重ね貼着され、かつ前記半天板の各両側端に前記
   中央部外面に止着用の止着片を備えたことを特徴
   とする梱包函。