JPS6348338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はハンドル操作によりカツターホイール
を備えた本体をパイプの周りに回動させつつ徐々
にカツターホイールをパイプの外周面に喰込ませ
てパイプを切断する形式のパイプカツターの改良
に関するものである。

（従来の技術） パイプの切断にはパイプを動力により回転させ
つつその外周面にカツターホイールを押付ける方
法を取るのが普通であるが、建築物等に既に固定
されたパイプや長大でパイプ自体を容易に回転す
ることができないパイプの切断には、カツターホ
イールを備えた本体をハンドル操作によつてパイ
プの周りに回転させつつカツターホイールを徐々
にパイプの外周面に喰込ませる形式のパイプカツ
ターが使用される。このようなパイプカツターは
特公昭53−147号公報や特開昭51−134487号公報
等によつて既に知られているが、従来この種のパ
イプカツターはいずれもパイプの外周面を転動す
るローラの回転を利用してカツターホイールの送
りを行わせているので、切断されるパイプの外径
が大きい場合には本体がパイプの周囲を１回転す
る間のカツターホイールの喰込み量が大きくなる
ため切断に大きい力を必要とし、逆にパイプの外
径が小さい場合には本体が１回転する間のカツタ
ーホイールの喰込み量が小さくなつてなかなか切
断できないという欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はこのような従来の問題点を解決して、
パイプの外径の大小にかかわらずハンドル操作に
対応して常に一定量ずつカツターホイールをパイ
プ表面に喰込ませることができるパイプカツター
を目的として完成されたものである。

（問題点を解決しようとする手段） 本考案は切断しようとするパイプの周りに係合
される本体と、該本体に対して一方向にのみ回動
できるよう本体の外周部に取付けられたハンドル
付きの内歯車とを備え、該本体には内歯車が本体
に対して回転したとき内歯車により回動され連設
された偏心カムを回動させるピニオンと、該偏心
カムと係合して揺動される揺動アームと、一方向
クラツチを介して揺動アームの中心軸に取付けら
れ揺動アームの揺動につれて徐々に回動されるう
ず巻きカムと、該うず巻きカムにより基端を押圧
され先端のカツターホイールをパイプの表面に喰
込ませるカツターアームとを取付けたことを特徴
とするものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例について詳細に説明
すれば、１は切断しよとするパイプ５０の周りに
２個のローラ２，３によつて係合できる略Ｕ字状
の本体、４は該本体１の外周に本体１に対して回
動できるように取付けられたハンドル５付きの内
歯車であり、本体１上の２個所には内歯車４の歯
６と噛合つて本体１に対して内歯車４を一方向
（第１図では時計方向）にのみ回動できるように
するラチエツト爪７が設けられている。なお、内
歯車４は本体１の側方にボルト８により取付けら
れた円弧状の押え蓋９によつて本体１の外周部の
側方に取付けられるものである。本体１には内歯
車４が本体１に対して一方向に回転したとき、内
歯車４の歯６と噛合つて回転されるピニオン１０
が設けられている。実施例ではピニオン１０をロ
ーラ３と同軸上に設けたが、ローラ３とピニオン
１０とは独立して回転できるものであり、必ずし
も同軸にする必要はない。ピニオン１０には偏心
カム１１が固定されており、この偏心カム１１の
外側には中心軸１２を中心として揺動できる揺動
アーム１３がその先端のカムローラ１４をもつて
偏心カム１１と係合している。そしてこの中心軸
１２には一方向クラツチ１５を介してうず巻きカ
ム１６が取付けられており、揺動アーム１３の揺
動につれて生ずる中心軸１２の往復回転をうず巻
きカム１６の一方向（第１図では時計方向）への
回転運動に変換する。更に、本体１の最上部に
は、先端部にカツターホイール１７を備えたカツ
ターアーム１８がその略中央部を軸１９によつて
枢着されて取付けられており、その基端２０をう
ず巻きカム１６の外周面に当接させている。カツ
ターアーム１８の先端部は軸１９によつてカツタ
ーアーム１８に枢着された調節アーム部２１とな
つており、該調節アームの上面はカム面２２とな
つており、先端をカツターアーム１８に螺合させ
た調節ねじ２３をねじ込んで行けば、調節アーム
部２１は第４図に示すようにカム面２２を調節ね
じ２３の頭部下面により押圧されて内側に傾動す
るので、大径のパイプから小径のパイプまで各種
のサイズのパイプに合せて切断開始時のカツター
ホイール１７の位置を調節することができる。な
お、２４は揺動アーム１３のカムローラ１４を偏
心カム１１に向つて常時押圧するスプリング付ピ
ン、２５はローラ２の回転軸２６に設けられた一
方向クラツチであつて、ハンドル５の操作により
内歯車４を反時計方向に回転させたとき、本体１
が内歯車４とともにパイプ５０の周りを反時計方
向に回転することを防止するため、ローラ２が時
計方向にのみ回転できるようにするものである。

（作用） このように構成されたものは、先ず切断しよう
とするパイプ５０を固定したうえ第１図又は第４
図に示されるように本体１をパイプ５０の外周に
嵌めてローラ２及びローラ３をパイプ５０の外周
に係合させ、更に調節ねじ２３を回転させてパイ
プ５０の反対側の外周面にカツターホイール１７
を当接させる。次にハンドル５を図中反時計方向
に回動させれば、内歯車４は本体１を残したまま
反時計方向に回転し、このとき本体１に取付けら
れたピニオン１０が内歯車４の歯６と噛合つて回
転する。これとともに偏心カム１１も回転するの
で揺動アーム１３に揺動運動を生じ、揺動アーム
１３の中心軸１２の一方向クラツチ１５が揺動ア
ーム１３の揺動につれて徐々にうず巻きカム１６
を時計方向に回転させる。この結果、カツターア
ーム１８の基端２０がうず巻きカム１６により押
上げられてその先端のカツターホイール１７をパ
イプ５０の表面に喰込ませる。次にハンドル５を
逆方向（時計方向）に一回転させれば、ラチエツ
ト爪７の作用によつて本体１も内歯車４とともに
時計方向にパイプ５０のまわりを回転しこのとき
パイプ５０の表面に喰込んでいるカツターホイー
ル１７がパイプ５０の外周面を切断する。その後
再びハンドル５を反時計方向に回転させれば前記
と同様にしてカツターホイール１７は再に深くパ
イプ５０に喰込み、以下同様のハンドル操作によ
つてパイプ５０を完全に切断することができる。
このように、本考案のパイプカツターはハンドル
５を本体１に対して回動させれば、その回動に応
じてカツターホイール１７がパイプ５０に喰込む
ので、パイプの径の大小にかかわらずカツターホ
イール１７の喰込み量を常に一定に保つことがで
きる。従つて、従来のように大径のパイプの切断
には大きい力を要し、小径のパイプの切断には何
度もハンドルを回動させなければならない等の欠
点を生ずることがない。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、パ
イプの外径の大小にかかわらず常に一定量ずつカ
ツターホイールをパイプ表面に喰込ませることが
でき、しかも従来のようにパイプの表面を転動す
るローラの回転を利用してカツターホイールの送
りを行わせるものとは異なり、内歯車とピニオン
との噛合せを利用したものであるからスリツプの
おそれもなく確実な動作を行わせることができ
る。よつて本考案は従来のパイプカツターの問題
点を解決したものとしてその実用的価値は極めて
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図はその一部切欠右側面図、第３図はそ
の切断中の状態を示す一部切欠正面図、第４図は
小径のパイプ切断開始の状態を示す一部切欠正面
図である。 １……本体、４……内歯車、５……ハンドル、
１０……ピニオン、１１……偏心カム、１２……
中心軸、１３……揺動アーム、１５……一方向ク
ラツチ、１６……うず巻きカム、１７……カツタ
ーホイール、１８……カツターアーム、２０……
基端、５０……パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切断しようとするパイプ５０の周りに係合され
   る本体１と、該本体１に対して一方向にのみ回動
   できるよう本体１の外周部に取付けられたハンド
   ル５付きの内歯車４とを備え、該本体１には内歯
   車４が本体１に対して回転したとき内歯車４によ
   り回動され連設された偏心カム１１を回動させる
   ピニオン１０と、該偏心カム１１と係合して揺動
   される揺動アーム１３と、一方向クラツチ１５を
   介して揺動アーム１３の中心軸１２に取付けられ
   揺動アーム１３の揺動につれて徐々に回動される
   うず巻きカム１６と、該うず巻きカム１６により
   基端２０を押圧されて先端のカツターホイール１
   ７をパイプ５０の表面に喰込ませるカツターアー
   ム１８とを取付けたことを特徴とするパイプカツ
   ター。