JPS6347488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プリンタの紙案内装置に関するもの
である。

更に詳しく言えば、電子式金銭登録機（以下、
ECRとする）等に用いられるプリンタで、店名
等を印字するためのスタンプ装置を備え、同一印
字ステーシヨンでロール紙の他にバリデーシヨ
ン、またはスリツプ等の単票用紙にも印字する機
能を有するプリンタの紙案内装置に関するもので
ある。

従来のECR用プリンタの紙案内装置は、第９
図に示す如く、スタンプ１１の受け台を兼用する
紙案内（下）９とスタンプ１１による用紙の汚れ
を防ぎ、所定のすきまに用紙を通すための紙案内
（上）１０と、から成り、紙案内（上）１０には
スタンプ１１が通過するための穴が明けてあると
いうのが通例であつた。またロール紙１２とスリ
ツプまたはバリデーシヨン等の単票用紙１３の通
過経路が同一の場合が多かつた。このような点か
ら、単票用紙１３を挿入する際に紙案内（上）１
０のスタンプ用の穴に用紙が引掛かり易いという
重大な欠点を持つていた。スリツプまたはバリデ
ーシヨンは、客ひとりひとりに対して別の用紙を
セツトしなければならないので、挿入しにくいと
きの煩わしさは相当なものである。また、ロール
紙１２を挿入する時にも、同様に挿入しにくいと
いう問題を有していた。更にスリツプ、又はバリ
デーシヨン等の用紙１３を挿入する際に、用紙の
進行方向に対して直角方向に挿入しようとする
と、既にロール紙１２がセツトされている状態で
あるので、ロール紙１２の側面に当たり、挿入を
妨げられるという欠点を有していた。

本考案は、上述の欠点を除くためになされたも
ので、本考案の目的は、スリツプ又はバリデーシ
ヨン等の単票用紙とロール紙の挿入性が向上した
プリンタの紙案内装置を提供することである。

本考案は、ロール紙と単票用紙を印字機構部に
案内する紙案内装置において、前記印字機構部に
案内された前記ロール紙もしくは前記単票用紙に
スタンプ押印をなすスタンプと、該スタンプが配
置された側に配置された上側紙案内と、該上側紙
案内と一定の間隔を設けて配置された中側紙案内
と、更に該中側紙案内と一定の間隔を設けて配置
されて前記スタンフのスタンプ台を兼ねた下側紙
案内とを有し、前記上側紙案内には前記スタンプ
と対向する位置に四辺の縁を前記スタンプ側に曲
げて前記スタンプが通過可能な開口部を設け、前
記中側紙案内には前記開口部と対向する位置に四
辺の縁のうち前記ロール紙の挿入方向に対して最
も近い縁とそれに続く１つの縁を前記ロール紙側
に曲げて形成し、残る２つの縁を前記スタンプ側
に曲げて前記スタンプが通過可能な開口部を設
け、前記上側紙案内と前記中側紙案内との間に前
記単票用紙を挿入してガイドし、前記中側紙案内
と前記下側紙案内との間に前記ロール紙を挿入し
てガイドすることを特徴とする紙案内装置とした
ことにあり、以下に本考案の一実施例を図面に従
つて説明する。

第１図は、本考案の一実施例を示す紙案内
（中）１の斜視図である。紙案内（中）１は、ロ
ール紙７の左右側面をガイドする如く「コの字」
形状に曲げられており、そのほぼ中央部にはスタ
ンプ４の通る穴１ｈが明いている。穴１ｈの縁の
形状は、従来のような形、つまり打ち抜いただけ
の穴ではなく、ロール紙７の挿入口に最も近い縁
１ｂと、それに続くロール紙７の進行方向に向か
つて左側の縁１ａは下、つまりロール紙７に向つ
て曲げられており、その角度は概ね15゜〜45゜位で
ある。ロール紙７の進行方向に向かつて右側の縁
１ｃとロール紙７の挿入口から最も遠い縁１ｄは
上方向、つまりロール紙から遠ざかる方向に向か
つて曲げられている。

第２図、第３図に示すように、紙案内（中）１
は、紙案内（上）２とスタンプ台兼用の紙案内
（下）３との間に設置されている。紙案内（上）
２には紙案内（中）１と同様にスタンプ４が通過
するための穴が明けられており、その角穴の４つ
の縁はいずれもスタンプ側に曲げられ、その角度
は概ね15゜〜60゜位である。紙案内（中）１は紙案
内（下）３とで箱型を構成し、ロール紙７はその
中を通り、スリツプ又はバリデーシヨン等の単票
用紙８は紙案内（中）１と紙案内（上）２の間を
通過し、スタンプ４の印面は、紙案内（上）２の
スリツプが通る案内面から充分離れた位置に設け
られている。

以上の様な構成の紙案内装置に於いて、ロール
紙７を矢印１４の方向から挿入する時、紙案内
（中）１のスタンプ用穴１ｈの縁１ｂが下に向か
つて曲げられているため、ロール紙７はスタンプ
４の方向へは向きにくく、ほぼ直進していく。こ
れをより効果的にする手段として、紙案内（中）
１のスタンプ用穴の縁１ａと１ｄがある。１ａは
１ｂと同じ方向に曲げられており、一端は１ｂと
接続している。他端は１ｄの直近の場所まで曲げ
てあり、ロール紙７がスタンプ４の方向に進もう
とする分力はほとんど発生しない。

更に、ロール紙７の先端の中央部が上向きにわ
ずかにカールしている場合は、紙案内（中）１の
スタンプ用穴の縁１ｄが上向きに曲げてあるため
引掛ることもなく、スムーズに所定の位置に導か
れる。もし、縁１ｄがフラツトまたは下向きに曲
げてある場合、ロール紙７の先端の中央部が上向
きにカールしていると、引掛りやすくなつてしま
う。

紙案内（中）１、と紙案内（下）３の間を通つ
たロール紙７は、プラテン５と印字手段６の間を
進み、印字手段６によりロール紙上に印字が行な
われる。

次にスリツプ又はバリデーシヨン等の単票用紙
８を挿入する場合について説明する。まずロール
紙７の進行方向に挿入する場合には、単票用紙８
はプラテン５と印字手段６の間を通り、矢印１５
の方向から挿入されることになる。紙案内（上）
２の穴の縁は４辺ともスタンプ４側へ曲げられて
おり、この曲げを充分に大きくとることにより、
単票用紙８は紙案内（上）２の穴のに引掛ること
はない。次に、紙案内（中）１のスタンプ穴につ
いては、縁１ｄおよび１ｃが用紙８の紙案内
（下）３方向への動きを規制し、他の縁１ａ，１
ｂは用紙８がわずかに紙案内（下）３の方向にカ
ールしていても引掛ることなく、用紙８を所定の
方向に案内する。

次に、用紙８をロール紙７の進行方向と直角方
向へ移動させて挿入する場合について説明を行な
う。

第３図に於いて、用紙８が矢印１７の方向から
挿入される場合、紙案内（上）２のスタンプ用穴
については前述のとおりである。紙案内（中）１
のスタンプ用穴については、縁１ｃ，１ｄが紙案
内（下）３方向への動きを規制し、縁１ａ，１ｂ
は用紙８がわずかに紙案内（下）３方向へカール
していても引掛ることなく、用紙端を所定の位置
へ案内するものである。

第４図、第５図、第６図は、第２の実施例を示
すもので、本実施例においては、第６図に示すよ
うに紙案内（上）２２のスタンプ用穴２２ｈの縁
の形状は、単票用紙８が矢印１５方向から挿入さ
れる時、用紙の挿入口に最も近い縁２２ｄとそれ
に続く左側の縁２２ｃは下向き、つまり用紙８の
方向に曲げられており、縁２２ｄ，２２ｃに対向
する縁２２ａ，２２ｂは上向き、つまりスタンプ
側に曲げられている。紙案内（中）１は第１の実
施例と同様の形状をしている。

第４図に於いて、スリツプまたはバリデーシヨ
ン等の単票用紙８が矢印１５の方向から挿入され
る時、紙案内（上）２２の縁２２ｄと第５図に示
す縁２２ｃが下向きに曲げられているため、この
２縁の規制力により単票用紙８はスタンプ４の方
向へ動きを規制され、単票用紙８がわずかにスタ
ンプ４方向にカールしている場合でも、縁２２
ａ，２２ｂが上向き、すなわちスタンプ４側に曲
げられているため、縁に引掛ることなく所定の位
置に導かれる。

更に単票用紙８を矢印１７の方向から挿入する
際も、縁２２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄは同様
の作用をするものである。

本実施例の如く構成することにより、スリツ
プ，バリデーシヨン等の単票用紙８をよりスムー
ズに所定の位置に導くことができる。

第７図、第８図は、第３の実施例を示すもの
で、本実施例では、ロール紙７を挿入する際及び
ロール紙に印字する場合に於いては、第７図の如
く図示しない手段をもつて紙案内（中）１を軸１
９を中心に回転させ、紙案内（上）２に近接させ
る。更にスリツプまたはバリデーシヨン等の単票
用紙８を挿入する際及び単票用紙８に印字する場
合には、図示しない手段をもつて紙案内（中）１
を回転させ、紙案内（下）３に近接させるもので
ある。

本実施例の場合は、ロール紙，単票用紙の挿入
性がより一層向上するという効果を有する。

なお、紙案内（中）１は前記の如く回転させて
もよいし、レバー等を使用して上下に平行移動さ
せ、紙案内（上），または紙案内（下）に近づけ
るようにすることもできる。

以上述べたように本考案によれば、中側紙案内
に設けた開口部の形状を四辺の縁のうちロール紙
の挿入方向に対して最も近い縁とそれに続く１つ
の縁にロール紙側に曲げ、残る２つの縁をスタン
プ側に曲げた構成としているので、ロール紙を中
側紙案内と下側紙案内との間に挿入する際に、ロ
ール紙がカールしていても折り曲げられている開
口部の縁によつてロール紙は矯正され、ロール紙
の挿入が容易でしかも迅速に行なうことが可能と
なりトラブルがなくなる。更に、ロール紙と中側
紙案内との接触は開口部の折り曲げられた縁の部
分に限られるために、ロール紙の走行抵抗が減少
し、スムーズな紙送りが可能となる。このこと
は、湿度の高い場合にはロール紙が紙案内に貼り
付くのを防ぐことができ特に有効となる。更に、
上側紙案内はスタンプと対向する位置に四辺の縁
をスタンプ側に折り曲げてスタンプが通過可能な
開口部を設けた構成としているので、単票用紙を
上側紙案内と中側紙案内との間に挿入する際に
は、単票用紙はスタンプと接触せず汚れが発生し
ない。更に、単票用紙は中側紙案内のスタンプ側
に折り曲げられた縁によつて中側紙案内に密着す
るのが防止できるので、単票用紙の走行抵抗が減
少しスムーズな用紙送りが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す紙案内
（中）１とロール紙，単票用紙の位置関係を示す
斜視図。第２図は、本考案の一実施例を示す紙案
内装置の側面図、第３図はその正面図。第４図
は、本考案の第２の実施例を示す紙案内装置の側
面図、第５図はその正面図、第６図は第４図の実
施例の紙案内（上）２２の斜視図である。第７図
は、本考案の第３の実施例を示す側面図で、ロー
ル紙７のセツト及び印字状態を示す。第８図は、
本考案の第３の実施例の側面図で、単票用紙の挿
入及びその印字状態を示すものである。第９図は
従来の紙案内装置を示す。 １…紙案内（中）、２，２２…紙案内（上）、２
ｅ…紙案内（上）の単票用紙サイドガイド部、２
ｆ…単票用紙８をサイドから挿入する際の紙案内
（上）の挿入ガイド部、３…紙案内（下）、４…ス
タンプ、５…プラテン、６…印字手段、１８…テ
ーブル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ロール紙と単票用紙を印字機構部に案内する紙
   案内装置において、 前記印字機構部に案内された前記ロール紙もし
   くは前記単票用紙にスタンプ押印をなすスタンプ
   と、該スタンプが配置された側に配置された上側
   紙案内と、該上側紙案内と一定の間隔を設けて配
   置された中側紙案内と、更に該中側紙案内と一定
   の間隔を設けて配置されて前記スタンフのスタン
   プ台を兼ねた下側紙案内とを有し、前記上側紙案
   内には前記スタンプと対向する位置に四辺の縁を
   前記スタンプ側に曲げて前記スタンプが通過可能
   な開口部を設け、前記中側紙案内には前記開口部
   と対向する位置に四辺の縁のうち前記ロール紙の
   挿入方向に対して最も近い縁とそれに続く１つの
   縁を前記ロール紙側に曲げて形成し、残る２つの
   縁を前記スタンプ側に曲げて前スタンプが通過可
   能な開口部を設け、前記上側紙案内と前記中側紙
   案内との間に前記単票用紙を挿入してガイドし、
   前記中側紙案内と前記下側紙案内との間に前記ロ
   ール紙を挿入してガイドすることを特徴とする紙
   案内装置。