JPS6344570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアウタケーシングにインナケーブルを
摺動自由に挿通したコントロールケーブルの前記
アウタケーシングの端末に、フレーム等の取付部
材に固定される合成樹脂製の筒形固定具を鋳包み
により固着したコントロールケーブルの端末装置
に関し、特に、筒形固定具のアウタケーシングに
対する結合力を強くしたコントロールケーブルの
端末装置に関する。

アウタケーシングにインナケーブルを摺動自由
に挿通したコントロールケーブルは、第１図に示
すように、合成樹脂製のライナｃの周りに複数本
の丸鋼線を螺旋形に密着巻きしてストランドａを
形成し、その外周を合成樹脂で被覆してジヤケツ
トｂを形成したアウタケーシングＡ、若しくは、
第２図に示すように、一本の平鋼線を螺旋形に密
着巻きしたチユーブｄの外周を合成樹脂製のジヤ
ケツトｅで被覆するとともに、チユーブｄの内周
に合成樹脂製のライナｆを嵌入したアウタケーシ
ングＢ内にインナケーブルＣを挿通した構造にな
り、その端末は、各図に示すように、アウタケー
シングＡ若しくはアウタケーシングＢの端末に合
成樹脂製の筒形固定具Ｄを鋳包みにより固着し、
この筒形固定具Ｄの溝ｈをフレームｇに嵌めて固
定するようになつており、アウタケーシングＡ若
しくはアウタケーシングＢに引張荷重が加わつて
その端末が筒形固定具Ｄから抜けるのを防ぐため
に、アウタケーシングＢを用いた場合には、ジヤ
ケツトｅの端末を剥離してチユーブｄを剥き出し
にし、その外周に筒形固定具Ｄを鋳包むことによ
り、相隣る平鋼線の間の隙間に筒形固定具Ｄの内
周面の一部を食い込ませて抜けを防止するように
していたが、食い込みが浅いために、高温雰囲気
に曝されて筒形固定具Ｄの食い込んだ部分が軟化
したときに抜けやすくなる不具合があり、一方、
アウタケーシングＡを用いた場合には、ストラン
ドａを剥き出しにして筒形固定具Ｄを鋳包んだと
しても、前記した平鋼線と違つて丸鋼線が大きな
ピツチで巻回されているために、引つ掛りが少な
くて十分に抜けを防止できないため、ジヤケツト
ｂを被覆したままでその外周に加熱成形により凹
凸を形成し、ジヤケツトｂの外周と鋳包んだ筒形
固定具Ｄの内周との凹凸結合で抜けを防止するよ
うにしていたが、合成樹脂同士の凹凸結合である
から抜けに対する抵抗力が弱いのに加えて、高温
雰囲気に曝されると、筒形固定具Ｄとジヤケツト
ｂの何れの凹凸も軟化するために抜け易すくなる
不具合があり、また、別の方法として、スランド
ａを剥き出しにした後、丸鋼線をばらしてその端
末を外方に向けて屈曲し、この端末を筒形固定具
Ｄ内に食い込ませる方法も提案されたが、かかる
方法では工程が複雑となつて製造コストが高くつ
く不具合があつた。

そこで、本願の考案者は、先に、実願昭58−
76473号において、金属製の係止リングをアウタ
ケーシングの端末部分の外周にかしめ付けにより
固着し、その上から筒形固定具を鋳包みにより固
着した構造のものを提案したが、係止リングのか
しめ付けに余分な工数を要する欠点があつた。さ
らに、特公昭56−14888号公報には、アウタケー
シングの外周にばね環を嵌着して筒形取付具を鋳
包み成形したものが提案されているが、ばね環は
その弾縮力によつてアウタケーシングに固着され
ているだけであつて結合力が弱いため、アウタケ
ーシングに筒形取付具から抜け出す方向の引張力
を作用させると、比較的小さな力でばね環がアウ
タケーシングととに抜け出してしまう欠点があつ
た。

本考案は、このような事情に鑑み成されたもの
であつて、筒形固定具のアウタケーシングの端末
に対する結合力が高く、かつ、製造が容易なコン
トロールケーブルの端末装置を提供することを目
的とするものである。

以下、本考案のいくつかの実施例を添付図面に
基づいて説明する。

第３図及び第４図に示す本考案の第１実施例
は、鋼板を截頭円錐形にプレス成形して割り溝９
ａを形成した皿ばね状の係止リング９を用いたも
のであり、この上から鋳包みにより固着した筒形
固定具Ｄに引張力が作用すると、係止リング９の
内周縁の食込部９ｂが第４図に鎖線で示すように
ジヤケツトｂに食い込んで結合力が増大する利点
がある。

第５図に示す本考案の第２実施例は、内周に多
数の爪状の食込部１０ａを斜めに突成した係止リ
ング１０を使用したものであつて、この食込部が
ジヤケツトｂに食い込むことにより、上記第１実
施例と同様の効果を奏する。

上記各実施例はいずれも前記第１図例のタイプ
のアウタケーシングＡに関するものであるが、本
考案が前記第２図例のタイプのアウタケーシング
Ｂにも適用し得ることは明らかである。

上記各実施例に適用したように、本考案のコン
トロールケーブルの端末装置は、係止リングの内
周に、アウタケーシングの筒形固定から抜け出す
方向の引張力の作用により、そのアウタケーシン
グの外周に食い込む方向に傾斜した食込部を形成
したから、アウタケーシングに引張力が作用する
とその力に応じて係止リングの食込部がアウタケ
ーシングの外周に食い込むため、アウタケーシン
グが筒形固定具に強固に結合されて引張力による
抜け出しが確実に防止される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１、第２図は従来のコントロールケーブルの
端末装置の縦断面図、第３図及び第４図は本考案
の第１実施例を示し、第３図は筒形固定具の固着
前の斜視図、第４図はその横断面図、第５図は第
２実施例の筒形固定具の固着前の斜視図である。 Ａ，Ｂ：アウタケーシング、Ｃ：インナケーブ
ル、Ｄ：筒形固定具、ｂ：ジヤケツト、９，１
０：係止リング、９ｂ，１０ａ：食込部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周を合成樹脂製のジヤケツトで被覆したアウ
   タケーシングにインナケーブルを摺動自由に挿通
   したコントロールケーブルの前記アウタケーシン
   グの端末部分の外周に弾性を有する金属製の係止
   リングを弾縮力により嵌着し、該端末部分に合成
   樹脂製の筒形固定具を鋳包みにより固着したコン
   トロールケーブルの端末装置において、前記係止
   リングの内周に、前記アウタケーシングの前記筒
   形固定から抜け出す方向の引張力の作用により、
   該アウタケーシングの外周に食い込む方向に傾斜
   した食込部を形成したことを特徴とするコントロ
   ールケーブルの端末装置。