JPS6341967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、椅子の背もたれ板構造の改良に係
り、更に詳しくは、合成樹脂製の裏カバーと、金
属製中芯板並びに背もたれ基板を組合せてなる背
もたれ板において、該各構成部材の連結組合せを
簡単に行えるようにするとともに、堅固な連結状
態を維持できるようにした背もたれ板に関するも
のである。

従来の椅子の背もたれ板は、その構成部材が
各々別体となつているだけでなく、各部材間に共
通する連結体が設けられていないため、該構成部
材で背もたれ板を構成させるに際し、各部材間の
連結性が悪く、その調整が煩雑化するなどの問題
があり、欠点となるものであつた。

本考案は、このような従来の背もたれ板の構造
上の欠点の解消のためになされたもので、背もた
れ板を構成する各構成部材の堅固な連結組合せを
可能とさせた背もたれ板構造を提供することを目
的とし、その要旨とするところは、背もたれ板を
構成する合成樹脂製の裏カバーの内面側に該カバ
ーと一体となし、且つ、中央部に係止孔を有する
複数個の連結筒を突設するとともに、該係止孔と
該当位置に通孔を有する金属製の中芯板と、該中
心板に接合し、前記係止孔にその中央孔を合致さ
せるように設けた連結具と、該連結具を介して装
着した背もたれ基板とを組合せ、且つ、前記各孔
部を対面一致させて前記係止孔に挿嵌可能な係止
具を用い、これら各部材を連結させてなるもので
ある。

以下、本考案の実施例を、添付図面に基づき説
明する。

第１図は、本願考案に係る椅子の全体構成を示
すもので、該椅子の背もたせ板Ａは、その要部を
示す第２図のようにウレタン等の合成樹脂を一体
成型して形成した裏カバー１と、鋼板等の金属板
からなる中芯板２と、クツシヨン材で保持された
背もたれ基板３とを基本構造としている。即ち、
前記裏カバー１は、その周縁にわたり曲縁部４を
形成するとともに、後面側においては、中央部を
境に内面側へ緩やかに彎曲させた形状となし、下
縁中央部には背もたれ杆５取付け用の凹部６を設
け、しかも内面所定位置には裏カバー１と一体と
なし、且つ、中央部に係止孔７ａを有し、合成樹
脂特有の曲げ弾性を備えた複数個の連結筒７，７
を裏カバー１の曲面等に関係なく、該裏カバー１
に対して水平方向、即ち前方へ突設させてなる。

又、中芯板２は後面所定位置に背もたれ杆５を
連結するための連結片２ａを溶着固定するととも
に、背もたれ基板３を連結するための連結具８を
接合可能とさせ、前記裏カバー１の各連結筒７，
７に相当する位置に連結具８，８の中央孔８ａ，
８ａと連通した通孔９，９を形成してなる。

又、前記中芯板２に固定した連結具８，８は、
基板中央外方へ戻止め付係合片８ｂ，８ｂを前方
に突設させ、基端側から前記戻止め係合片８ｂ，
８ｂに対向して凸部８ｃを形成し、該凸部８ｃと
戻り止め係合片８ｂ，８ｂ内縁との間に基板３
を、その通孔３ａの中に係合片８ｂを挿入するこ
とで挾持するように間設している。

更に、背もたれ基板３は前記中芯板２に固定し
た連結具８の係合片８ｂに強制はめ込み等の手段
で装着されるとともに、前記凸部８ｃと係合片８
ｂの戻り止め間の端面の狭持力により保持され、
しかも裏カバー１と対向側に位置するクツシヨン
材１０と平行状態で一体的に形成され、該クツシ
ヨン材１０とともにその中央部下面を内面側に突
出する状態で彎曲させてなる。

而して、本願考案においては前記構成部材の連
結状態を示す第２図における要部拡大部Ｂのよう
に、裏カバー１の内面所定位置に突設させた連結
筒７の係止孔７ａへ、頭部１１ａを連結具８内に
掛止可能とした形状の釘状体等からなる係止具１
１を、前記係止孔７ａに対面一致する中芯板２の
通孔９と、該通孔９に対面一致し、中芯板２に接
合させた連結具８の中央孔８ａを通過させて挿嵌
し、更に連結具８に背もたれ基板３を装着するこ
とにより各構成部材を連結して、背もたれ板Ａを
構成させるのである。

又、前記係止具１１を前記係止孔７ａに対面一
致する中芯板２の通孔９と、予じめその係合片８
ｂに背もたれ基板３を装着した連結具８と、その
中央孔８ａとを通過させて挿嵌し、各構成部材を
連結することもできる。

以上のように本考案に係る椅子の背もたれ板の
構造は、合成樹脂製の裏カバーに係止孔を有する
合成樹脂製の連結筒を突設させ、該連結筒に係止
具を介して中芯板と該中芯板に接合させた連結具
を介して、背もたれ基板を連結して構成させるよ
うにしているため、該部材の連結時において、金
属製の中芯板の孔径等と前記裏カバーに一体とし
て設けた連結筒の係止孔とが多少ズレて対面した
場合においても、合成樹脂からなる連結筒の曲げ
弾性等により連結具の中央孔から挿通される係止
具の無理通しやネジ込みができるので、従来品の
ように各部材の孔径をそろえて挿嵌させる調整操
作が省略できる。

又、従来の中芯板は、各部材との連結を可能と
するため特に、中芯板の側端等に設けた通孔等を
長径とさせ、各部材の連結孔と位置調整ができる
ようにしていたが、本考案においては合成樹脂製
の連結筒を設けて前記のように係止具の無理通し
ができるようにしているので、金属製からなる中
芯板の通孔は単に係止具が挿通できる孔径を設け
るだけでよくなり製作も容易となる。

更に、該連結筒は合成樹脂からなる裏カバーと
一体成型で製作できるので、コストダウンが可能
となるばかりでなく、その連結筒の係止孔は裏カ
バー内面側に対し水平方向に突設して他の構成部
材と接し、該係止孔に挿嵌される係止具により連
結されるので、堅固な連結状態を維持できるとと
もに、裏カバーの外面に連結跡等を全く現跡等を
全く現出させることなく、美観を呈するものとな
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る背もたれ板を備えた椅子
を示す斜視図、第２図は本考案に係る背もたれ板
の縦断面図である。 １……裏カバー、２……中芯板、３……背もた
れ基板、４……曲縁部、５……背もたれ杆、６…
…凹部、７……連結筒、７ａ……係止孔、８……
連結具、８ａ……中央孔、９……通孔、１０……
クツシヨン材、１１……係止具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 裏カバーと、中芯板並びに背もたれ基板とを
   組合せてなる背もたれ板において、 前記裏カバーを合成樹脂で形成するととも
   に、その内面側に該カバーと一体となして突設
   し、且つ、その中央部に係止孔を有する複数個
   の連結筒と、 該連結筒の係止孔に挿嵌可能な係止具と、 前記係止孔の開口に該当する位置に通孔を設
   けた金属製の中芯板と、 該中芯板の通孔及び前記係止孔と貫通する位
   置に中央孔を有し中芯板に接合させた連結具
   と、 該連結具を介して前記中芯板に装着させた背
   もたれ基板と、 からなり、前記係止孔に中芯板の通孔と、連結
   具の中央孔とを対面一致させるとともに、前記
   係止具を該各孔部に挿嵌して前記各部材を連結
   してなる椅子の背もたれ板構造。 (2) 前記連結筒を裏カバー内面に対し、水平方向
   に突設した実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の椅子の背もたれ板構造。