JPS6338675Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電線引留に用いる引留クランプの改良
に関するもので、鋼クランプへのアルミスリーブ
の圧着により、伸長するアルミスリーブのジヤン
パボルト孔が、鋼スリーブのボルト孔と容易に重
なり合うようにしたものである。

図面についてその実施例を説明する。鋼クラン
プ１は丸棒部１ａと、平担部１ｂと胴付部１ｃと
引手１ｄとから成り、丸棒部の外周の一部には圧
着用凹凸輪部が設けられ、端部には鋼心線挿入用
孔が穿たれ、平担部にはジヤンパボルト孔１ｅが
穿たれている。アルミスリーブ２は丸筒部２ａと
平担部２ｂとを具え、中心貫通孔へは鋼スリーブ
１を挿入可能で、平担部にはジヤンパボルト孔２
ｃが穿つてある。ジヤンパボルト３はアルミスリ
ーブの平担部２ｂを挟持可能な二股部３ａとボル
ト３ｂとから成り、二股部には鋼スリーブの孔と
重なり合うボルト孔３ｃが穿つてある。以上の構
成は公知のものと類似するが、本考案に於ては鋼
スリーブの胴付部１ｃから所定距離の位置に指標
Ｓを刻んであり、また、アルミスリーブ２にはテ
ーパ端部から各回圧着位置を示す指標Ｙ１，Ｙ２
……Ｙ７が刻んである。Ｙ１〜Ｙ６間夫々の区画
は均等であるが、Ｙ７に関しては必らずしもその
必要はない。

以上のように構成される本考案は次のように作
用する。まず鋼スリーブ１を第１図の如く指標Ｓ
の位置までアルミスリーブ２へ挿入する。このと
きにアルミスリーブの孔３ｃは同図に示す如く鋼
スリーブの孔１ｅより左方にずれた位置にある。
次に油圧工具によりアルミスリーブを指標Ｙ１，
Ｙ２……の順に圧縮する。指標Ｙ６で凹凸輪部に
おける圧着は完了するが、このときアルミスリー
ブ端と胴付部１ｃとの間にはなお若干の間〓を残
す。そこで最後の指標Ｙ７の圧着を行う。圧縮に
よるアルミスリーブの伸びの速度はゆるやかなも
のであるから、これを目視チエツクしながら、両
者当接のとき、すかさず油圧工具を停止させる。
指標Ｙ１〜Ｙ６間の各区画では、圧縮は上下ダイ
スが当接するまで行われるが、Ｙ７区画では必ら
ずしもそうならない。アルミスリーブの伸びによ
つて、孔１ｅは孔２ｃと重なり合う。この状態に
あるアルミスリーブにジヤンパボルト３をはめこ
み、ジヤンパボルトを挿通する。標示Ｓ及び複数
標示Ｙの位置は、以上の作用を可能にするように
なつているが、その位置決めはせいぜい１〜２回
の試作実験によつて容易になし得ることである。

アルミスリーブの圧縮をテーパ端から始め、反
対側へ及ぼしていくと、圧着口元における電線の
「笑い」を防止できる。「笑い」とは電線を構成す
る素線のよりが戻つてふくらむ現象である。しか
し口元からの圧縮によりアルミスリーブは一方向
に伸長し、あらかじめ他端部に設けたジヤンパボ
ルト孔は容易に鋼クランプの孔と重ならない。こ
のため従来は鋼クランプとアルミスリーブの何れ
か一方のジヤンパボルト孔を長孔にして融通性を
もたせた。しかし長孔にするとジヤンパボルト首
下周辺の有効接触面積を大きく減ずることにな
り、締付力と導電性に端的に悪影響を及ぼす。ま
た長孔製作のためにはドリル穿孔以外に多くの工
数を必要とする。

これに対し本考案では２つの部材に簡単な標示
を設けることにより上記欠点を解消したことが特
徴である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平面図、第２図は同正面図
で、何れもアルミスリーブ圧縮前のもの、第３図
は圧縮後の正面図、第４図はジヤンパボルトの正
面図である。 １……鋼クランプ、１ａ……丸棒部、１ｂ……
平担部、１ｃ……胴付部、１ｄ……引手、１ｅ…
…ボルト孔、２……アルミスリーブ、２ａ……丸
筒部、２ｂ……平担部、２ｃ…ボルト孔、３……
ジヤンパボルト、３ａ……二股部、３ｂ……ボル
ト、３ｃ……ボルト孔、Ｓ，Ｙ……指標。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼クランプとアルミスリーブとジヤンパソケツ
   トとから成る引留クランプに於て、鋼クランプに
   はその引手側胴付部より所定距離で指標Ｓを刻
   み、アルミスリーブには圧縮位置を示す複数の指
   標Ｙを刻んで成り、鋼クランプを指標Ｓまでアル
   ミスリーブへ挿入し、アルミスリーブをテーパ端
   から指標Ｙに従い順次圧着し、最終指標部の調節
   圧縮によりアルミスリーブ端を前記胴付部に当接
   させたとき、アルミスリーブのジヤンパボルト孔
   が鋼クランプのそれと重なり合うよう前記両指標
   を定めたことを特徴とする孔合せ式引留クラン
   プ。