JPS6337201Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、手持式帯鋸盤の傾倒式ハンドルに関
するものである。

手持ち式帯鋸盤は本体の長手方向（前後方向）
に設けられているハンドルを両手で持つて材料を
切断する構造となつている。また、本体を起動す
るためのスイツチは主に作業者側のハンドル内に
取り付けられており、このハンドルは本体に固定
されている。そして、この種の帯鋸盤は、作業者
の上側及び下側に位置された材料を切断するもの
であるが、作業者の下側に位置する材料を切断す
る場合、スイツチを取り付けたハンドルの上側を
本体をぶら下げるように持つと疲労が少ない。ま
た、作業者の上側に位置する材料の切断の場合は
本体を支える格好となるため、ハンドルの下側を
持つと疲労が少ない。

従来は、ハンドル内に取り付けられたスイツチ
は１方向からの操作だけが可能であり、切断する
材料の位置によつてハンドルを持つ位置を変える
ことはできないため、切断される材料がどの位置
にあつても操作し易いスイツチ位置を有しハンド
ル角度が調節できるものの出現が望まれていた。

本考案は上記の状況に鑑みなされたものであ
り、切断される材料がどの位置にあつてもスイツ
チ操作が容易で切断操作がし易い帯鋸盤の傾倒式
ハンドルを提供することを目的としたものであ
る。

本考案は、モータ部と、モータ部の左右に配設
された左鋸車カバー及び右鋸車カバーによりハウ
ジングを形成し、両鋸車カバー内に配置された鋸
車に１本のエンドレス状帯鋸刃を掛け渡し、左鋸
車カバー部に設けたグリツプと右鋸車カバー部に
設けたハンドルとを支持しながら両鋸車カバーの
間に露出した帯鋸刃部分で被切削材を切断する帯
鋸盤において、前記ハンドルを上下回動自在に設
ければ、被切削材の切断位置状況に応じて前記ハ
ンドルを操作しやすい位置に設定でき、無理のな
い姿勢で作業を行なえる点に着目し、ハウジング
とハンドルの関係を工夫したものである。

以下、本考案の実施例を説明する。

第１図を用いて帯鋸盤の全体構成を説明する
と、１は帯鋸盤本体となるハウジングであつて、
ハウジング１はモータ部１ｃと、モータ部１ｃの
左右に配設された左鋸車カバー１ａ及び右鋸車カ
バー１ｂにより構成されている。鋸車カバー１
ａ，１ｂ内には各々鋸車（図示せず）が配置され
ており、これら鋸車を介して１本のエンドレス状
帯鋸刃２が掛け渡される。

右鋸車カバー１ｂ部には後に述べるハンドル４
が上下方向に回動自在に支持してあり、被切削材
の切断を行う際は、ハンドル４と、左鋸車カバー
１ａ部に設けたグリツプ３とを支持しながら、鋸
車カバー１ａ，１ｂの間に露出した帯鋸刃部分で
行う。

次に、第２図〜第６図を用いてハンドル４の回
動機構を説明する。

５はハンドル支持部であつて、右鋸車カバー１
ｂ上部にハウジング長手方向へ伸ばして設けてあ
る。ハンドル支持部５は、ハンドル４を回動自在
に支持する支点ピン１０と、この支点ピン１０に
対し平行方向に摺動自在で且つばね７を介して外
方向（第４図矢印方向）へ常時付勢される操作ピ
ン８を備えるとともに、ハンドル支持部５の内面
には操作ピン８の内端に設けた係止部８ａが付勢
されたときに嵌合する凹部５ａが形成してある。

また、ハンドル支持部５に支持させたハンドル
４は、ハンドル４の回動範囲において係止部８ａ
に対応する側面部に、係止部８ａが係合自在な円
弧穴９ａを貫通させて設け、この貫通した穴の一
端に適宜間隔をおいて突出部９ｂを設けることに
より、ハンドル４側面部に、第３図のような、複
数個の位置決め穴９ｃと、各々の位置決め穴９ｃ
の間を連結するとともに位置決め穴９ｃの径より
も幅を狭めた溝９ｄからなるハンドル案内孔９を
形成している。

従つて、上記構成において第４図のように、操
作ピン８の係止部８ａがハンドル支持部材５の凹
部５ａ及びハンドル４に設けた位置決め穴９ｃと
に嵌合している状態においてはハンドル４は確実
にロツクされる。この状態からハンドル４を回動
させる場合は、第５図のようにばね７の付勢方向
に逆らつて操作ピン８を矢印方向へ押し込む。す
ると、係止部８ａと凹部５ａの嵌合が解かれ、係
止部８ａと位置決め穴９ｃの嵌合状態から操作ピ
ンの軸部８ｂと溝９ｄの係合状態に変わり、ハン
ドル４はこの係合状態を案内に回動可能となる。

そして、ハンドル４が回動中の状態において
は、第６図のように係止部８ａの左側にハンドル
案内孔９の突出部９ｂが介在するため、係止部８
ａと凹部５ａとの嵌合が妨げられハンドル４はロ
ツクされない。

以上記述した如く本考案の帯鋸盤の傾倒式ハン
ドルは、切断される材料がどの位置にあつてもス
イツチ操作が容易で切断操作がし易く操作性を著
しく向上できる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の傾倒式ハンドルを備えた帯鋸
盤の側面図、第２図は第１図のＡ部拡大側面図、
第３図は第２図のハンドル回動状態を示す側面
図、第４図はハンドルのロツク状態を示す第３図
−線矢視断面図、第５図はハンドルのロツク
解除状態を示す断面図、第６図はハンドルの回動
動作中の状態を示す断面図である。 図において、１はハウジング、４はハンドル、
５はハンドル支持部、５ａは凹部、７はばね、８
は操作ピン、８ａは係止部、８ｂは軸部、９はハ
ンドル案内孔、９ａは円弧穴、９ｂは突出部、９
ｃは位置決め穴、９ｄは溝、１０は支点ピンを示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 モータ部１ｃと、モータ部の左右に配設された
   左鋸車カバー１ａ及び右鋸車カバー１ｂによりハ
   ウジング１を形成し、両鋸車カバー内に配置され
   た鋸車に１本のエンドレス状帯鋸刃２を掛け渡
   し、左鋸車カバー部に設けたグリツプ３と右鋸車
   カバー部に設けたハンドル４とを支持しながら両
   鋸車カバーの間に露出した帯鋸刃部分で被切削材
   を切断する帯鋸盤において、 左鋸車カバー上部にハウジング長手方向へ伸び
   たハンドル支持部５を設け、ハンドル支持部に
   は、モータの回転を制御するスイツチ６を備えた
   ハンドル４を上下回動自在に支持させ、ハンドル
   支持部の適所にはハンドルの回動支点ピン１０に
   対し平行方向に摺動自在で且つばね７を介して外
   方向へ付勢される操作ピン８を支持させ、操作ピ
   ンの内端には係止部８ａを設けるとともにこの係
   止部が付勢される位置に対応させてハンドル支持
   部内面に凹部５ａを設け、ハンドルの回動範囲に
   おいて係止部８ａに対応するハンドル側面部に、
   係止部８ａが係合自在な円弧穴９ａを貫通させて
   設け、この貫通した穴の一端に適宜間隔をおいて
   突出部９ｂを設けることにより、ハンドル側面部
   に、係止部８ａが嵌合する複数個の位置決め穴９
   ｃと、各々の位置決め穴９ｃの間を連結するとと
   もに操作ピンの軸部８ｂが係合するよう位置決め
   穴９ｃの径よりも幅を狭めた溝９ｄからなるハン
   ドル案内孔９を形成し、操作ピンの係止部８ａが
   ハンドル支持部材の凹部５ａ及びハンドルの位置
   決め穴９ｃとに嵌合している状態においてハンド
   ルをロツクすることを特徴とする帯鋸盤の傾倒式
   ハンドル。