JPS6337053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は濾過槽内にほぼ垂直に並置された一連
の濾葉からなる葉状濾過機の改良に関し、とくに
各濾葉に付着した濾滓を好適に剥離し得るように
したものである。

この種の濾過機では、濾過槽内に送入された原
液は各濾葉両面の濾過面を通つて濾過され、その
濾過液は濾葉の下部に在るノズルを通つてマニホ
ルドに集められ、外部に導出されるが、濾過時間
の経過に伴なつて各濾葉の濾過面には濾滓が付着
する。濾滓の除去は迅速且つ容易になされること
が望ましく、さらに濾滓除去機構の設置によつて
濾過面積を減少する欠点のないことが望まれてい
る。

本考案の目的は濾過面積を減少することなく、
濾滓を適切に除去し得る濾滓除去機構を備えた葉
状濾過機を提供することである。

本考案による葉状濾過機の特徴は各濾葉に振動
を加えると共に濾過液導出ノズルを濾葉の下部中
央に設け濾葉の両側からシヤワー装置により洗浄
する濾滓除去機構を備えることであつて、以下、
図面を参照のもとに本考案の実施例について説明
する。図に示すように、本考案が関連する葉状濾
過機は濾過槽１と、その内部に垂直に並置された
一連の濾葉２を含み、各濾葉２の両側の面は濾過
面になつている。各濾葉２の下部中央には第２図
に示すように、濾過液を受けるノズル３が取付け
られ、各ノズル３はそれらに共通のマニホルド４
に対し回動自在に取付けられている。その取付部
の一例ではスラスト軸受と、ラジアル軸受および
シールの役割を兼ねたＯ−リングを備えている。

そして、この濾過槽１には加振機５が設置さ
れ、且つその内部には連接棒６が挿入されてお
り、その外端は加振機５に接続されている。この
連続棒６は図示の実施例では、一連の濾葉２の側
部に設置され、各濾葉２の側縁に近接し且つ濾葉
２に対し直角に延びている。連接棒６には各濾葉
２に対応した位置に係合部７を有し、各係合部７
は濾葉２の側縁にかん合する。なお、連接棒６は
一連の濾葉２の他の位置に、例えば上部または下
部に設置してもよい。このような係合部７として
は、例えば濾葉２の縁を挾む一対の突片またはく
ぼみでもよい。

連接棒６と加振機５の接続部にはジヤバラなど
の密封性の伸縮継手８が設置され、且つ連接棒６
の反対側の端部は適当な支持部材によつて摺動自
在に支持されるのが好ましい。なお、図中９は原
液の入口管、１０は上部押えである。

この濾過機は各濾葉を振動するための装置に加
えて、第１図に示すように各濾葉の両側に設けら
れたシヤワー装置１１を含み、このシヤワー装置
は水管１２とその水管に設けられた一連のシヤワ
ーノズル１３からなつている。場合によつてはシ
ヤワーノズル１３を複数段にしてもよい。なお、
濾葉の側部には濾葉の斜め上方も含まれる。

作動中、濾過すべき原液は入口管９から濾過槽
１内に送入され、各濾葉２の濾過面で濾過され、
濾過された液は濾葉内を流下してそれぞれのノズ
ル３を通つてマニホルド４に集められ、そこから
外部に排出される。このようにして濾過時間が経
過すると、第１図に示すように濾葉２の両側の濾
過面に濾滓１４が付着するが、付着した濾滓があ
る程度の厚さになると、手動または適宜制御系に
よつて加振機５を作動し、連接棒６を軸線方向に
往復直線運動し、一連の係合部７により各濾葉２
をノズル３の位置を支点に枢動的に振動すると共
に、各シヤワー装置１１を作動し、各ノズル１３
から水を噴出してシヤワー洗浄を行なう。従つ
て、第１図中に想像線で示すように、振動により
各濾葉２は角度方向に交互に揺動するので、各濾
過面の全面にシヤワー水が当り、濾滓の剥離が効
果的に行なわれる。なお、伸縮継手８が用いられ
るため完全密閉構造となり、揮発性液および人体
に有害な液の濾過も行なうことができる。また、
連接棒６の振動は伸縮継手によつて吸収され、濾
過槽１には伝達されないので騒音が少なく、且つ
それだけ加振力が少なくてすみ、加振による濾葉
２の動きが円滑になされる。

なお、場合によつては、濾滓を剥離するため濾
過槽１を満液にして加振機のみを作動させてもよ
く、もし、剥離性が良ければ脱水した後に加振機
のみを作動してもよい。

従つて、本考案によれば、ノズルを濾葉の下部
中央に設けると共に加振機および両側のシヤワー
装置の組合せにより、濾葉に付着した濾滓を迅速
に剥離することができ、シヤワー洗浄のみの場合
に比較すると、洗浄に用いられる水量を大幅に節
減することができる。また、このように加振用の
連接棒およびシヤワー装置を濾過槽内に設置して
も濾過面積を減少することはなく、従つて濾過性
能を低下することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例による葉状濾過機を示す
平面図、第２図は第１図の線Ａ−Ａに沿つて取つ
た断面図である。 図中、１……濾過槽、２……濾葉、３……ノズ
ル、４……マニホルド、５……加振機、６……連
接棒、７……係合部、８……伸縮継手、１１……
シヤワー装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 濾過槽内にほぼ垂直に並置された一連の濾葉を
   含む葉状濾過機において、各前記濾葉に設けられ
   て濾過液を導出するためのノズルは該濾葉の下部
   中央に設置され且つその下に備えられた共通のマ
   ニホルドに可回動に取付けられ、前記ノズルを支
   点に各前記濾葉を枢動的に振動するための加振機
   と、一端が前記加振機に接続され且つ前記濾葉に
   係合する一連の係合部を有する連接棒と、前記濾
   葉の両側に設けられたシヤワー装置を含み、前記
   連接棒と前記加振機の接続部には密封性の伸縮継
   手が設置されていることを特徴とする葉状濾過
   機。