JPS6336792A - 酵素によるリン脂質の製造方法 - Google Patents

酵素によるリン脂質の製造方法

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JPS6336792A
JPS6336792A JP18002586A JP18002586A JPS6336792A JP S6336792 A JPS6336792 A JP S6336792A JP 18002586 A JP18002586 A JP 18002586A JP 18002586 A JP18002586 A JP 18002586A JP S6336792 A JPS6336792 A JP S6336792A
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藤田 研一
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Koichi Iwanami
岩並 孝一
Satoru Tokuyama
悟 徳山
Osamu Nakachi
仲地 理
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、酵素によるリン脂質の製造方法に関し、特に
、塩基構造が変換されたリン脂質を製造する方法に関す
る。
(従来の技術) リン脂質は、単に乳化剤に用い得るのみならずリポソー
ムの基材として薬剤運搬体、人工血液、人工細胞等への
応用が近年注目されており、また、それ自体生理活性・
薬理作用を持つものとして、医学・薬学・工学的分野の
様々な用途が考えられている。このような多様な要求に
対応するために、各々の用途に応じた構造を有するリン
脂質を効率的に製造する方法を開発することは、産業上
非常に意義あることである。
酵素によるリン脂質の製造方法として、リン脂質にホス
ホリパーゼDを任意の受容体の存在下に作用させ、ホス
ファチジル基転移反応を利用して目的とする塩基を持つ
リン脂質を製造する技術は公知である(S、F、Yan
g、 et al、、 J、Biol、Chem、。
242、(3) 477〜484 (1967))  
:  (R,M、C,Dawson。
Biochem、 J、、102.205〜210 (
1967) )。
ホスホリパーゼDによるホスファチジル基転移反応を利
用してリン脂質の塩基部分を交換しようとする場合、一
般に水相と有機溶媒相との二相系が用いられる。すなわ
ち、主として水溶性である酵素、受容体、pH緩衝液、
無機塩等を含む水溶液と、主として親油性である原料リ
ン脂質を含む有機溶媒相とを攪拌・混合する反応系であ
る。前出の技術をはじめ、その後の研究(K、Bruz
ik andM、Tsai、 Biochemistr
y 23.  (8) 1656−1661(1984
)など〕においても広く用いられている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、従来用いられていたこのような反応系は、水溶
性成分の溶媒としての多量の水の存在が原因となり、ホ
スホリパーゼDが本質的に加水分解活性を持っているた
めに、副反応として加水分解が起こり、ホスファチジン
酸(以下PAと略す)を生成するという欠点を有してい
る。
加水分解によるPAの生成は、反応後の目的リン脂質の
分離精製を困難にするばかりでなく、加水分解反応によ
っても原料リン脂質が消費されるため、糖や二級アルコ
ール等の反応性の低い受容体に対してホスファチジル基
を転移させようとする場合、その反応速度が加水分解の
反応速度に対して極端に低いために事実上目的生成物を
得ることができなかった。
このような問題点は、ホスホリパーゼD自体が本来加水
分解酵素である以上、水が存在する限り不可避である。
そこで、本発明者らは、反応系中の水分含量を酵素が失
活しない範囲で極限まで減少させることによりこの問題
を解決すべく、種々検討の結果、従来二相系の水相とし
て反応系に添加していた成分ヲ、逆ミセル(Wh型マイ
クロエマルション)中に封入して添加する新規な反応系
を考案し、本発明に至ったものである。
本明細書において、逆ミセルとは、低極性溶媒中で両親
媒性分子が親油性基を外側に、親水性基を内側に向けて
極mlの水相を中心として会合した状態をいう。
(問題点を解決するための手段) 本発明は原料リン脂質を溶解した有機溶媒中に、水酸基
を持つ受容体およびホスホリパーゼDを含む水相を逆ミ
セル中に封入した形態で添加して反応を行うことを特徴
とする。
本発明において用いられる原料リン脂質としては、ホス
ホリパーゼDの基質となり得るものであれば、天然から
抽出したもの、または抽出後精製したもの、あるいは合
成したものを問わず使用できる。また、市販のものある
いは公知の方法で調製したものを使用しても差し支えな
い。
例として脱脂大豆レシチン、卵黄レシチン、ホスファチ
ジルコリン(以下PCと略す)、ホスファチジルエタノ
ールアミン(以下PEと略す)、ホスファチジルセリン
(以下PSと略す)、ホスファチジルグリセロール(以
下PCと略す)等またはそれらの混合物等があげられる
。本発明の効果を最大に発揮するためには、原料リン脂
質として精製したものないしは組成の単純なものを用い
た方が反応生成物の精製の面で都合が良い。また、原料
コストと入手の容易さ、酵素に対する反応性の面から特
にPC,、PEまたはPSが工業的に効果が高く好まし
い。
逆ミセルは界面活性剤により形成することが好ましい。
原料リン脂質の大部分が、炭素鎖長12以上のアシル基
二本を有するPC,PE、PCまたはPSまたはこれら
の混合物である場合、原料リン脂質自身が逆ミセルを形
成するための界面活性剤としての作用をする。しかし、
原料リン脂質が炭素鎖長10以下のアシル基二本を有す
るPC,PE5PS、PCまたはリゾPC,リゾPE、
リゾps、リゾPGの場合のように、原料リン脂質自体
では逆ミセルを形成し難い場合には、下記の条件を満た
す界面活性剤を別に添加することが好ましい。
(a)反応溶媒中に臨界ミセル濃度以上の濃度で溶解し
得る。
(b)逆ミセルを形成し得る。
(c)酵素活性に決定的な損失を与えない。
(d)アルコール残基を持たないことが望ましい。
例として、ラウリル硫酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘ
キシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジn−オクチルス
ルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル等があげられる。これら界面活性剤の添
加量は、原料リン脂質1モルに対して0.5〜5モルで
、好ましくは1〜3モルである。
反応溶媒としては、下記の条件を満たすものであれば使
用できる。
(a)原料リン脂質を臨界ミセル濃度以上の濃度で溶解
し得る。
(b)水をほとんど混和あるいは溶解しない。
(c)酵素活性に決定的な損失を与えない。
すなわち、分子内に二重結合またはエーテル結合を有し
ていても構わない、アルキル基等の官能基を有していて
も構わない、炭素数5〜10の直鎖状または分岐鎖状ま
たは環状の炭化水素化合物もしくは炭素数1〜2のハロ
ゲン化炭化水素化合物あるいはそれらの混合物であり、
例としてn−ヘキサン、イソオクタン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、キシレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タンおよびこれらのうち二種以上の混合系があげられる
。アルコール構造を持つ化合物は、ホスファチジル基転
移反応の受容体となるため、基質として用いる以外に添
加することはあまり好ましくない。
ホスホリパーゼDとしては、ホスファチジル基転移活性
を有するものであれば、市販のものあるいは公知の方法
で調製したものを問わず使用できる。例として、ベーリ
ンガー・マンハイム社(Boehringer Man
nheim Gmbt+)製のキャベツ由来のホスホリ
パーゼD、東洋醸造(1菊製の微生物由来のホスホリパ
ーゼD (PLDP) 、公知の方法〔−例としてケー
ラとサストリイ(M、Kates and P、S。
Sas try)の方法、”Methods in E
nzymology”(J 、 M 。
Lowenstein、  ed、)、  vol、1
4+  pp197−203゜八chademic P
ress、 New York(1969) )により
抽出し精製または部分精製した酵素標品、または抽出し
た粗酵素があげられる。
受容体としては、コリン、メタノール、エタノール、エ
タノールアミン、セリン、グリセロール、グルコース等
の従来ホスファチジル基転移反応の受容体として知られ
ている化合物のみならず、1−アミノ−2−プロパノー
ル、1−オルソメチルグルコシド、トレハロースをはじ
めとする従来ホスファチジル基転移反応の受容体とはな
らないとされていた糖類を含む一級または二級アルコー
ル構造を持つ化合物をも用いることができる。
酵素、受容体等を逆ミセル中に封入するには、原料リン
脂質を臨界ミセル濃度以上に溶かした有n溶媒中に、酵
素、受容体等の溶液を滴下し、ただちに振盪攪拌または
超音波処理するなどの公知の方法を用いることができる
逆ミセルを形成させると同時に、ホスファチジル基転移
反応時のPAの副生を抑えるためには、反応系中の水分
含量を原料リン脂質または界面活性剤1モルに対して6
〜15モルにする必要があり、好ましくは、8〜12モ
ルで最も良好な結果を得ることができる。
反応温度は用いる酵素の至適温度であればよく、通常3
0〜40°Cの範囲である。好ましくは、逆ミセルを形
成させてから酵素反応終了に至るまで一定に保つことに
より逆ミセルの安定性が向上する。
ただし、用いる溶媒が低沸点のものである場合等はこの
限りではない。
反応時間は0.5〜36時間で、好ましくは4〜2.1
時間である。
このようにして製造した任意の塩基を持つ目的リン脂質
は溶剤分画、ケイ酸またはシリカゲルクロマトグラフィ
ー、アルミナクロマトグラフィー、DIEAE−セルロ
ースクロマトグラフィー等の公知の手段を適宜用いるこ
とにより、容易に精製することができる。
また、pAの生成が抑制されているため、未反応基質の
回収も容易に行うことができる。
(発明の効果) 本発明の反応系を用いることにより、従来の反応系で見
られたようなPAの生成は抑制され、反応後の目的リン
脂質の分^1t↑11製が容易になった。
また、従来の反応系では殆どあるいは全く得ることので
きなかった目的リン脂質をも製造することが可能となっ
た。
(実施例) 以下、参考例、実施例、および比較例に基づいて本発明
を具体的に説明する。
なお、リン脂質の組成分析、純度検定は薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)で行った。TLC板(メルク社製N
115721)に脂質試料20〜100μgを直径3〜
5mmにスポットし、クロロホルム−メタノール−水(
120ニア0:5)またはクロロホルム−アセトン−酢
酸−メタノール−水(50:20:15:10:5)で
展開した。検出にはジットマー試薬、50%硫酸、ニン
ヒドリン試薬またはアンスロン試薬を目的に応じて使用
した。定量的な測定にはジットマー試薬で発色したもの
を高速薄層クロマトスキャナー(島原製作所製C5−9
20型)で測定した。
参考例1 大豆PCおよびPEをパルダン(Von H。
Pardun)の方法(Fette 5eifen A
nstrichmitte皿、 (2) 55−62 
(1984))により分離、分画した。
市販脱脂大豆レシチン粉末(PC24%、PE21%、
ホスファチジルイノシトール14%、PA8%)20g
をイソプロパノ−ルーメタノール−水(50:45:5
) 100mjに分散し、40゛Cで加熱撹拌し溶解し
た。攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃に1時間保
った。不溶物を20℃に保ったまま遠心分離またはガラ
スフィルターで減圧濾過した。集めた上清を減圧下で乾
固し、PCおよびP E 濃縮物(PC68%、PE1
7%、PA7%、PSは含まない)9.7gを得た。
参考例2 牛脳からリーズ(M、Lees)の方法〔“Metho
ds inEnzymology”(S、P、Colo
wick and N、0.Kaplan ed、)。
vol、3.  pp328.  八chademic
  Press+  New  York(1957)
〕により粗セファリンを抽出し、DEAE−セルロース
カラムクロマトグラフィーで精製した。
近在の屠殺場で入手した新鮮な牛脳の脳膜および血管を
取り除いたもの300gを1.2 jl!のアセトン中
でホモジナイズし、抽出した。濾過残渣をもう一度1.
21のアセトンで抽出する。濾過残渣を1.21のエタ
ノールで抽出する。濾過残渣を同様にして1.2 j2
の石油エーテルで2回抽出し、抽出液を集めて減圧乾固
し、粗セファリン画分3.9gを得た。
このものをクロロホルムに溶解し、酢酸型に調製したD
IEAE−セルロースカラム(ワットマン社製DE32
、径2.5cm X 20cm)を用いて分画した。ク
ロロホルム−メタノール(1:4)  l lでカラム
を洗浄後、酢酸’150m1で溶出した両分を集めた。
酢酸溶出画分に等容のクロロホルムを加え、2倍容の水
で4回洗浄した。クロロホルム層を減圧乾固し、PS(
PS98%)0.8gを得た。
参考例3 市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを精製した
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(日本油脂株式会
社製、商品名ラピゾールB−90)の50%メタノール
溶液100−を4℃で3時間静置後、4℃で2,0OO
X g 、 15分間遠心分離し沈殿を除去した。
上清に特級活性炭(和光純薬■製)5gを加え、18時
時間中かに攪拌した。活性炭を濾別し、メタノールを情
夫した。
乾固物を五酸化リンの入った減圧デシケータ−中で一昼
夜以上乾燥したものを精製ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウムとして用いた。
参考例4 前出のケーラとサストリイ (M、KaLes and
 P、S。
5astry)の方法に従ってキャベツ可溶画分からホ
スホリパーゼDを部分精製した。
近在の農家から入手した新鮮なキャベツの内側の葉を水
洗後細断し、100gに水200 rnlを加え、水冷
下で5分間ホモジナイズした。5重にしたガーゼで濾過
した濾液を4℃で12,0OOXg、30分間遠心分離
し、上清190mj!を得た。この上清を55°C15
分間熱処理後、直ちに氷冷した。4℃で12,0OOX
g、30分間遠心分離し、上・清175+++fを得た
−15℃に冷却したアセトン350mfを攪拌しながら
少しずつ加え、10分間静置後4℃で12,0OOX 
g、30分間遠心分離して沈殿を集めた。
沈殿を15 mlの50mM酢酸緩衝液pl(5,6に
溶かし、4°Cで同じ緩衝液500m1に対し3回透析
した。
不溶物を4℃で10,0OOX g、15分間遠心分離
したものをキャベツ部分精製ホスホリパーゼDとして用
いた。
なお、この酵素液には検出可能量のリン脂質は含まれて
いないことを確認した。
実施例I L−セリン1.5M、キャベツホスホリパーゼD(ベー
リンガー・マンハイム社り  7mg/ mtt、塩化
カルシウム・三水塩Ion MをQ 、 5 mlの5
mM酢酸緩衝液pH5,6に溶かし、水相とした。参考
例1で得た大豆PCおよびPEの濃縮物1.5gを乾燥
したジイソプロピルエーテル40−に溶かし、有機相と
した。
有機相を35℃に保ち、N5100−20型超音波洗浄
機(出力100W、日本精機製作新製)で超音波処理し
ながら水相0.35In1を滴下し、更に1分間超音波
処理し、はぼ透明な逆ミセル液を得た。
このものを35℃、12時間、15rpmで往復振盪し
、反応させた。
反応混液の一部を取り1.直接TLCで分析したところ
、PC48%、PE14%、PALL%で、標準PSと
Rfが一致し、ジットマー試薬およびニンヒドリン試薬
に陽性を示すことがらPSと同定した生成物24%を含
んでいた。
反応混液をその°まま酢酸型に調製したDEAE−セル
ロースカラム(ワットマン社’JA DE32 、径2
.5X 20cm)を用いて分画した。
カラムをクロロホルム−メタノール(1: 4)500
 mlで溶出し、減圧乾固して未反応基質(PC73%
、PE27%)を回収した。
更にカラムを酢酸400m1で溶出した。酢酸溶出画分
を集め、等容のクロロホルムを加え、2倍容の水で4回
洗浄した。クロロホルム層を減圧乾固し、PS(PS9
8%) 294mgを回収した。
実施例2 市販水素添加卵黄レシチン(PS99%) 40mgを
溶かしたイソオクタン1−を有機相として、38℃で実
施例1と同様にして、塩酸でpH5,7に調整した1−
アミノ−2−プロパノール1.5M、キャベツホスホリ
パーゼD(ベーリンガー・マンハイム社製> 7■/−
1塩化カルシウム・三水塩10 mMからなる水相11
 plを滴下し、逆ミセルを形成させた。
このものを38℃、8時間、15rpmで往復振盪し、
反応させた。
反応混液の一部を取り、直接TLCで分析したところ、
PC62%、PA5%で、標準PEとRfが近接しジッ
トマー試薬およびニンヒドリン試薬に陽性を示すことか
ら1−アミノ−2−プロパツ−ルにホスファチジル基が
導入された目的リン脂質と判定した生成物24%を含ん
でいた。
実施例3 参考例2で得た牛脳PS(PS98%) 40mgを溶
かしたシクロヘキサン1−を有機相として、38°Cで
実施例1と同様にして、グリセリン1.5M、キャベツ
ホスホリパーゼD(ベーリンガー・マンノλイム社製)
7■/−1塩化カルシウム・三水塩10mM、5mM酢
酸緩衝液pH5,6からなる水相9μlを滴下し、逆ミ
セルを形成させた。
このものを38°C112時間、15rpmで往復振盪
し、反応させた。
反応混液の一部を取り、直接TLCで分析したところ、
PS70%、PA3%で、標準PC(!:Rfが一致し
、ジットマー試薬に陽性を示すことからPGと同定した
生成物25%を含んでいた。
実施例4 市販ジパルミトイルP C100mgを溶かしたベンゼ
ン2.5−を有機相として、35°Cで実施例1と同様
にして、1−オルソメチルグルコシド1.5M、ホスホ
リパーゼD(東洋醸造a@製PLDP)1■/−15m
M酢酸緩衝液pH5,6からなる水相20μlを滴下し
、逆ミセルを形成させた。
このものを35℃、12時間、15rpmで往復振盪し
、反応させた。
反応混液の一部を取り、直接TLCで分析したところ、
PC74%、PA4%で、未同定リン脂質19%を含ん
でいた。
反応混液を直接、11m5745分取用TLCプレート
(メルク社製)を用い、クロロホルム−メタノール−水
(120ニア0:5)を展開溶媒として分画、分取し、
未同定リン脂質16mgを得た。
このリン脂質をJMS−D×303型質量分析装置(日
本電子(4i製)を用い、下記条件にて分析したところ
、陽イオン側の親ピークがm/e 847、陰イオン側
の親ピークがm/e 823であった。
測定条件 イオン化法    r FAB法 衝撃ガス     :xe 一部イオン加速電圧:6kV フィラメント電流 :20mA 検出器      :コンバージョン・ダイノード 押し出し電圧   :15kV マトリクス     ニトリエタノールアミン(陽イオ
ンの場合塩化 ナトリウム添加) データ処理    : JMA−DA5000これらの
値は1−オルソメチルグルコシドにホスファチジル基が
導入されたと仮定した分子量(824)の各々ナトリウ
ム塩(分子量82/1 + 23)および陰イオン(分
子ff1824−1)と一致したことから、目的リン脂
質であると同定した。
実施例5 市販ジパルミトイル ロホルム−イソオクタン(35:65)2.5mfを有
機相として、35℃で実施例1と同様にして、トレハロ
ース1.5M 、ホスホリパーゼD(東洋醸造(4tJ
製PLDP)  1mg/ml、5mM酢酸11 衝液
pH5.6からなる水相17μlを滴下し、逆ミセルを
形成させた。
このものを35°C、12時間、15rpmで往復振盪
し、反応させた。
反応混液の一部を取り、直接TLCで分析したところ、
PC76%、PA5%で、ジットマー試薬およびアンス
ロン試薬に同時に陽性を示すことから、トレハロースに
ホスファチジル基が導入された目的リン脂質であると判
定したリン脂i17%を含んでいた。
反応混液を実施例4と同様にして分画分取して得たリン
脂質16mgを実施例4と同様にして質量分析を行った
ところ、陽イオン側視ピークm/e 995、陰イオン
側視ピークm/e 971で、計算分子量(972)の
各々ナトリウム塩(分子,l 972+23) 、陰イ
オン(分子量972−1)と一致したことから、目的リ
ン脂質であると同定した。
実施例6 市販ジオクチルP C 100mg、参考例3で得た精
製ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム90mgを溶か
したn−ヘキサン3 mlを有機相として、37°Cで
実施例1と同様にして、塩酸でpH6.0に調整した1
.5Mエタノールアミンに1mg/mlのホスホリパー
ゼD(東洋醸造(樽製P’LDP)を溶かしたもの36
μlを水相として滴下し、逆ミセルを形成させた。
このものを37℃、10時間、15rpmで往復振盪し
、反応させた。
反応混液の一部を取り、直接TLCで分析したところ、
PC71%、Pへ7%で、標準PEに近いRf値を持ち
、ジットマー試薬およびニンヒドリン試薬に同時に陽性
を示すことから、目的リン脂質であると判定したリン脂
質22%を含んでいた。
実施例7 市販1−ステアロイルリゾP C 200mg、ラウリ
ル硫酸ナトリウム(和光純薬tri製、生化学用)10
0mgを?容かしたジクロロメタン−イソオクタン(3
ニア)  5miを有機相とし、35°Cで実施例1と
同様にして、参考例4で得たキャベツ部分精製酵素液に
1.5Mのグリセリン、塩化カルシウム・二水塩1、0
mMを溶かしたもの65μEを水相として滴下し、逆ミ
セルを形成させた。
このものを35℃、15時間、15rpmで往復振盪し
、反応させた。
反応混液を直接、酢酸型に調製したDEAE−セルロー
スカラム(ワットマン社製DE52 、径1.8×5c
m)を用いて分画した。クロロホルム−メタノール(1
 : 4) 100 ndlでカラムを洗浄後、50m
M酢酸アンモニウムを含むクロロホルム−メタノール(
1:4) 100 mlで溶出した両分を集めた。酢酸
溶出画分に、等容のクロロホルムを加え、2倍容の水で
4回洗浄した。
クロロホルム層を減圧乾固して得られたリン脂質26.
7mgを実施例4と同様にして質量分析を行ったところ
、陽イオン側視ピークm/e 534、陰イオン側視ビ
ークm/e 511で、計算分子量(512)の各々ナ
トリウム塩(分子ffl 512+23) 、陰イオン
(分子l 512−1)と一致したことから、目的とす
る1−ステアロイルリゾPCであると同定した。
比較例1 従来の反応系で、実施例1とできるだけ近い条件で反応
を行った。
L−セリン200mM、塩化カルシウム40mM、ホス
ホリパーゼD(ベーリンガー・マンハイム社製)2.5
mgを含むp H5,6の50mM酢酸緩衝液2.5m
lと、参考例1で得た大豆pcおよびpE>5縮物40
mgを溶かしたジイソプロピルエーテル5rn1を37
℃、500rpmで攪拌した。
同一のもの5検体を平行して各1.2.4.12時間反
応させた。反応後、5rnlのジエチルエーテルで3回
脂質を抽出し、リン脂質組成を分析した。
結果を下表に示す。
表1 組成(%) 反応時間(h)   PCPE  PA  PSl  
    1.5 31 42 12比較例2 従来の反応系で、実施例4とできるだけ近い条件で反応
を行った。
■−オルソメチルグルコシド1.5M、ホスホリパーゼ
D(東洋醸造■製PLDP)20硝を溶かしたp!(5
,6の50mM酢M91衝液2.5 mlと、ジパルミ
トイルPC100mgを?容力)したベンゼン2.5n
dlを35℃、500rpmで攪拌し、反応させた。
比較例1と同様にして経時的に分析したが、実施例4で
認められた目的リン脂質に相当するスポットがTLC上
に認められず、16時間反応した時点で基質が完全に分
解されたため、分析を打ち切った。
比較例3 従来の反応系で、実施例5とできるだけ近い条件で反応
を行った。
トレハロース1.5M、ホスホリパーゼD (ElK洋
醸造(横裂PLDP)20μgを溶かしたpH5,6の
50mM酢酸緩衝液2゜5mlと、ジパルミトイルPC
100mgを)容かしたクロロホルム−イソオクタン(
35:65)2.5a+j!を35℃、500rpmで
攪拌し、反応させた。
比較例1と同様にして経時的に分析したが、実施例5で
認められた目的リン脂質に相当するスポットがTLC上
に認められず、16時間反応した時点で基質が完全に分
解されたため、分析を打ち切った・

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)塩基構造が変換されたリン脂質を製造するにあた
    り、原料リン脂質を溶解した有機溶媒中に、水酸基を持
    つ受容体およびホスホリパーゼDを含む水相を逆ミセル
    中に封入した形態で添加して反応を行うことを特徴とす
    る酵素によるリン脂質の製造方法。
  2. (2)逆ミセルを界面活性剤により形成し、該界面活性
    剤として原料リン脂質自体を利用する特許請求の範囲第
    1項記載の製造方法。
  3. (3)受容体がセリン、エタノールアミン、1−アミノ
    −2−プロパノール、1−オルソメチル−グルコシド、
    グリセロール、トレハロースのいずれかである特許請求
    の範囲第1項記載の製造方法。
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