JPS6335958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、商品を輸送後店頭において陳列台
に変形できる陳列台兼用包装箱に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

この種の箱として、実開昭56−49728号公報の
輸送箱兼用組立販売台がある。この輸送箱兼用組
立販売台は、輸送兼用商品置箱（図示省略）と台
部とからなり、台部は第８図に示すように、側面
３１の上部に載せ板折り線３２を斜めにつけて上
方に載せ板３３を設け、前方にずれ止カツト３４
を直角に欠き、前面３５上部にはストツパー突起
３６を除いて支え折り線３７をつけて上方に支え
板３８を設けたもので、内方に折込んだ三角形状
載せ板３３上に商品置箱を商品が見やすいように
傾斜状に載せ、ストツパー突起３６でこれが係止
され、また輸送時には側面３１に設けた折り線３
９で折畳まれ輸送箱兼用商品置箱内に収納される
ようになつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、この輸送箱兼用組立販売台は、店頭
において商品置箱から折畳状態の台部を取出し、
この台部を箱体に組立が必要があり組立に手間を
要するものであつた。さらに、台部は、三角形状
載せ板３３及び支え板３８にぶらぶらしていて商
品置箱を下から支える耐荷重性が乏しい等の欠点
があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記のような問題点を解決するた
め、対の側壁、対の端壁及び底を備えた箱体の側
壁及び端壁のそれぞれ上端縁にフラツプを連設
し、前記両側壁には、一端側に上端コーナを起点
とし側壁上縁に対してα゜の角度で傾斜する斜目折
線をそれぞれ設けると共にこの斜目折線の終端か
ら上方縁に達する切目を設けてこの斜目折線の上
部を側壁に対し屈曲可能とし、さらに、側壁に連
設されたフラツプに前記起点より側壁上端縁に対
して90゜−α゜の角度を有する当接縁を設け、側壁
上端縁及び斜目折線を屈曲すると共に前記当接縁
を端壁に内接せしめて斜目折線より上部の側壁を
受板とすることができるものである。

〔作用〕

この考案は、内部に商品を収納して輸送用外箱
として使用した後、店頭において、商品を取出
し、側壁に設けた斜目折線・切目を介しフラツプ
及び側壁の上部を内向きに屈曲し、フラツプに設
けた当接縁を端壁に内接して陳列台に変形できる
ものであり、この上に商品を載せ陳列に供するこ
とができる。

〔実施例〕

この考案の一実施例を添付図面に基づいて説明
する。この考案の陳列台兼用包装箱は、第１図に
示す展開図のように、段ボール等の厚紙からなる
対の端壁１、対の側壁２及びのり代３が横に連設
され、端壁１の下縁に突合う外底壁４が連設さ
れ、側壁２の下縁に内底壁５が連設され、一方の
端壁１の上端縁に横折線６を介して、組立られた
箱体（第２図参照）の底面と略同一形状の方形状
フラツプ７が連設され、他方の端壁１の上端縁に
も横折線６を介してフラツプ７と略同一形状のフ
ラツプ８が連設され、両側壁２の上端縁に横折線
６を介してフラツプ９が連設されている。

前記フラツプ７には、遊離端縁に舌片１０が設
けられており、横折線６に近いところに付けた中
折線１１から逆Ｖ字状に屈曲（第４図及び第５図
参照）して後述する台板と係合される。

前記フラツプ８は、遊離端縁に近いところに舌
片１０を嵌入する（第４図参照）スリツト１２が
設けられており、陳列台用台板となる。このスリ
ツト１２の内側端縁は対の切目１３と両切目１３
をつなぐ折線１４とによつて揺動するようになり
舌片１０を容易に嵌入させることができる。

前記側壁２の上部には、フラツプ８に近い側と
のコーナを起点Ａとし側壁２上縁に対して、例え
ば20゜位の角度α゜で傾斜する斜目折線１５がそれ
ぞれ設けられると共にこの斜目折線１５の終端か
ら上縁に達する切目１６を設けて受板１７が形成
されている。

なお、この実施例の場合、斜目折線１５の終端
を側壁２の端部の手前までとし切目１６の上端部
を水平方向の切目１８としたが、これに限定され
るものでない。また切目１６はミシン目等の半切
状態としてもよい。

前記フラツプ９には、斜目折線１５の起点Ａよ
り側壁２上縁に対して角度β゜（90゜−α゜）を有する
当接縁１９が設けられ、この外方部が切除されて
いるが、折線を設けてその外方部を屈曲して当接
縁としてもよい。

上記展開状基板には、フラツプ８の切目１３の
先端や、側壁２の切目１６に小さい丸孔２０が設
けられており、この丸孔２０によつて切目の進行
が防止できる利点がある。

上記実施例の陳列台兼用包装箱は、これを輸送
用包装箱として使用する場合、第２図に示すよう
に、展開状基板から端壁１、側壁２及びのり代３
を屈曲し、のり代３を端壁１の内側面に接着して
角筒体とし、内底壁５外底壁４を折込接合して底
面を形成し、商品を入れたトレイ状内箱２１（鎖
線参照）を内部に収納し、上部開口はフラツプ
７，８，９を折重ねて封緘がなされる。

この包装箱が輸送され店頭で開封し陳列台に変
形して使用する場合、第３図乃至第５図に示すよ
うに、内箱２１を取出した後、斜目折線１５から
三角形状受板１７を内向きに折込み、さらに横折
線６からフラツプ９を折込みフラツプ９に設けた
当接縁１９を端壁１に内接せしめ、この上にフラ
ツプ８を受板１７に当接するまで屈曲折込み、他
方のフラツプ７を中折線１１から逆Ｖ字状に屈曲
し舌片１０をフラツプ８のスリツト１２に嵌入係
止すると、角筒体の上端開口部にフラツプ８から
なる台板と、フラツプ７からなる逆Ｖ字状起立板
とを組合した傾斜状載せ台が出来上がる。

この陳列台には、上記載せ台上に商品を入れた
内箱２１を載せて起立板に支えられるようにな
る。この陳列台兼用包装箱は、陳列台に変形した
場合、受板１７の端壁１に対する傾斜角が90゜−
α゜であり、フラツプ９の当接縁１９の傾斜角β゜と
同じであるため、左右両方の受板１７が一つの傾
斜面を形成する。また、逆Ｖ字状起立板と傾斜状
台板とは、ほぼ直角状に交差するように、フラツ
プ７の中折線１１及びフラツプ８のスリツト１２
が形成されている。

第６図及び第７図は、この考案の他の実施例を
示す展開図及び陳列台としての使用状態を示す縦
断内面図である。この実施例の陳列台兼用包装箱
は、両フラツプ９の当接縁１９の端に突片２２が
連設され、端壁１の上部両端に上記突片２２を嵌
入するコ字状切目２３が設けられたものであり、
陳列台に変形した場合、切目２３に突片２２を嵌
着係止して受板１７を安定化せしめる利点があ
る。なお、台板となるフラツプ８は、第７図に示
すように、外方向に揺動状態にしておくこともで
きる。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る陳列台兼用包装
箱によると、商品を輸送後店頭において、商品を
取出すため開封したフラツプを予め設けた所定の
折線及び切目を利用して側壁の上部及びフラツプ
の一部を屈曲折込むだけで陳列台に容易に変形す
ることができ、フラツプに設けた当接縁が端壁に
当接しているので受板の落込みがなく、従来例の
ものより、商品の荷重に対する大きい耐荷重性を
備えている等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す展開図、
第２図は同上の上部を開口した組立斜視図、第３
図は同上の陳列台への変形手順を示す説明図、第
４図は同上の陳列台としての使用状態を示す斜視
図、第５図は第４図−線に沿つた縦断内面
図、第６図及び第７図はこの考案の他の実施例を
示す展開図及び陳列台としての使用状態を示す縦
断内面図、第８図は従来例を示す上部を開口した
斜視図である。 １……端壁、２……側壁、７，８，９……フラ
ツプ、１０……舌片、１１……中折線、１２……
スリツト、１５……斜目折線、１６……切目、１
７……受板、１９……斜目当接縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対の側壁、対の端壁及び底を備えた箱体の側壁
   及び端壁のそれぞれ上端縁にフラツプを連設し、
   前記両側壁には、一端側の上端コーナを起点とし
   側壁上縁に対してα゜の角度で傾斜する斜目折線を
   それぞれ設けると共にこの斜目折線の終端から上
   方縁に達する切目を設けてこの斜目折線の上部を
   側壁に対し屈曲可能とし、さらに、側壁に連設さ
   れたフラツプに前記起点より側壁上端縁に対して
   90゜−α゜の角度を有する当接縁を設け、側壁上端
   縁及び斜目折線を屈曲すると共に前記当接縁を端
   壁に内接せしめて斜目折線より上部の側壁を受板
   とすることができる陳列台兼用包装箱。