JPS6334795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、斜材が鋼管からなるトラス梁やト
ラス柱あるいは鋼管からなるブレース等のように
鋼管を含む２つ以上の長尺部材をある角度をもつ
て接合する鋼管端部の溶接継手に関する。

従来の技術 斜材が鋼管からなるトラス梁やトラス柱を製作
する場合、主材（弦材のこと）と斜材との材軸が
節点で一点に合致するように主材と斜材とを接合
しないと各部材に軸力だけでなく曲げモーメント
も発生し、これを強度的に補足するために主材お
よび斜材のサイズを設計サイズより割増しする必
要があり、製作コストが嵩む欠点が生ずる。とこ
ろが斜材に鋼管を使用すると鋼管端部が節点で嵩
張るため主材と斜材とを構造計算上決められた主
材のサイズ内でこれらの材軸が一節点に合致する
ように接合することは極めて面倒になる。そこで
従来は、たとえば第６図に示す様にＴ形鋼等の主
材１，１に鋼管からなる斜材２，……を接合する
場合、主材１，１の節点部分に補強プレート９を
溶着して節点部分の断面背を増しかつ斜材２端部
には切り込み溝４を形成し、この切り込み溝４に
前記補強プレート９を挿入し、この補強プレート
９に鋼管２，……端部を溶着することにより、主
材材軸と斜材材軸とのずれを生じさせないように
していた。

考案が解決しようとする問題点 しかし、この継手によると補強プレートを必要
としかつ補強プレートの取付作業があるため製作
コストが嵩む。また、この場合斜材端部には斜材
と主材との溶着面積を増して斜材と主材間の溶接
強度を高め、かつ斜材内に雨水やちりがはいりこ
まないようにキヤツプを取付けて斜材端部を塞ぐ
が、キヤツプの製作および取付作業あり、製作が
極めて面倒である。

この考案は前記従来の欠点を解消するために提
案されたもので、鋼管を斜材としてトラス柱やト
ラス梁を組立てる場合等に、鋼管端部をきわめて
簡単に、かつ強固に接合することができる鋼管端
部の溶接継手を提供することを目的とする。

問題を解決するための手段 この考案は鋼管端部に鋼管端部を叩きつぶし、
その中に補強ピースを挿入して略扁平状の接合フ
ランジを形成し、この接合フランジに接合フラン
ジ幅方向に直交する切り込み溝を形成し、前記鋼
管を接合される長尺部材には接合フランジを突設
し、該接合フランジを前記切り込み溝に挿入する
とともに前記接合フランジ相互を溶接することに
より、前記目的を達成するものである。

実施例 以下、この考案を図示する一実施例によつて説
明すると、第１図、第２図はトラス梁を示し、上
下弦材１，１がＴ形鋼で形成され、斜材２，……
が鋼管で形成されている。斜材２，……の上下端
部には斜材２，……の端部を叩きつぶし、かつそ
の中に補強ピース８を挿入して略扁平状の接合フ
ランジ３，３が形成され、該接合フランジ３，３
にはその幅方向に直交する切り込み溝４，４が斜
材２，……部分にある程度食い込んで形成されて
いる（第４図ａ，ｂ参照）。そして、斜材２，…
…は切り込み溝４，４に上下弦材１，１の接合フ
ランジ（以下エウブ１ａ，１ａという。）を挿入
するとともに接合フランジ３，３とウエブ１ａ，
１ａとを溶接することによつて上下弦材１，１に
接合されている。この場合、上下弦材１，１の材
軸と斜材２，２の材軸とは、接合部において一点
に合致している。第３図ａ，ｂ，ｃは上・下弦材
１，１が山形鋼、Ｈ形鋼および十字形鋼よりなる
トラス梁を示したものである。

第５図は鋼管からなるブレース５端部の継手を
示したものである。

なお、鋼管端部に補強ピース８を挿入する場合
補強ピース８が接合フランジ３内に確実に固着さ
れるように、補強ピース８を表面の粗い鉄板で形
成するかあるいは鋼管端部を若干隙間を有する程
度に叩きつぶして接合フランジ３を形成し、この
接合フランジ３内に補強ピース８を機械的に挿入
するとよい。

考案の効果 この考案は以上の構成からなり、次の効果が期
待できる。

斜材が鋼管からなるトラス梁やトラス柱を製
作する場合、斜材を主材に接合するための補強
プレートや斜材端部を塞ぐキヤツプを省略する
ことができるから鋼管端部をきわめて簡単に接
合することができる。また、鋼管端部の接合フ
ランジには補強ピースが挿入されているので、
継手強度もきわめて高い。

接合部における主材材軸と斜材材軸とのずれ
による曲げモーメントの発生をなくして、接合
部における主材と斜材間の応力伝達をスムーズ
にさせることができ、その結果として主材およ
び斜材を補強するために主材および斜材のサイ
ズを設計サイズより割増しする必要がないから
経済設計が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はトラス梁の一部側面図、断面
図、第３図ａ，ｂ，ｃは上下弦材が山形鋼、Ｈ形
鋼および十字形鋼よりなるトラス梁の一部側面
図、第４図ａ，ｂは鋼管端部の接合フランジの詳
細を示す平面図、側面図、第５図は鋼管ブレース
の溶接継手を示す鉄骨骨組の柱脚部の側面図、第
６図は従来トラス梁の一部側面図である。 １……上・下弦材、１ａ……ウエブ、２……斜
材、３……接合フランジ、４……切り込み溝、５
……ブレース、６……鉄骨柱、７……接合フラン
ジ、８……補強ピース、９……補強プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼管を含む２つ以上の長尺部材をある角度をも
   つて接合する鋼管端部の溶接継手であつて、鋼管
   端部に該鋼管端部をつぶし、その中に補強ピース
   を挿入して略扁平状の接合フランジを形成し、該
   接合フランジにその幅方向に直交する切り込み溝
   を形成し、前記鋼管を接合する長尺部材には接合
   フランジを突設し、該接合フランジを前記切り込
   み溝に挿入するとともに前記接合フランジ相互を
   溶接してなることを特徴とする鋼管端部の溶接継
   手。