JPS6331081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は表示パネル用フイルタ板に関し、特に
蛍光表示管を用いた表示パネルの表示パネル用フ
イルタ板に関する。

蛍光表示管を用いた表示パネルに視認性を良く
するためにフイルタ作用をする光透過板をを使用
することは知られている。このフイルタ作用をす
る光透過板（以下フイルタ板と言う）は従来アク
リル板が使用されていた。従来のフイルタ板は赤
色領域以上の長い波長の光を非常に良く透過させ
る性質のものであつた。このため赤色領域の波長
を含む太陽光線が表示パネルのフイルタ板に照射
されると、フイルタ板は赤色領域の波長の光を透
過させてしまうので赤色領域の波長の光が蛍光表
示管の発光用セグメントにあたつて反射され再び
フイルタ板を透過して観察者の眼に入る。赤色領
域の波長の光の反射光の強度はかなり強く蛍光表
示管のセグメントの発光光に勝るため、発光光を
直射日光下では視認が困難となる。すなわち蛍光
表示管のセグメントのうち発光しているものと発
光していないものとの双方が観察者には赤色に見
え両者の区別が困難となる。

以上の欠点を解消するために蛍光表示管のセグ
メントの発光光のみ透過するフイルタ板を使用す
ることがすでに提案されている。しかしながら直
射日光の当らない夜間などでは、セグメントの発
光光のみ観察者の眼に入るために、コントラスト
が強過ぎて、観察者の眼を疲労させる。

また直射日光の当る場合は、自然光中のセグメ
ント発光光と同波長の光も蛍光表示管に当たり反
射する。自然光中の同光線は、セグメント発光光
のエネルギ強度よりもかなり高く、よつて蛍光表
示管からの反射光が、セグメント発光光より勝つ
てしまい、発光中のセグメント以外の部分も発光
色と同色に色がかりし、発光しているセグメント
を見分けることが簡単でない。

本考案は以上の欠点を解消する蛍光表示管を用
いた表示パネルのためのフイルタ板を提供するも
のである。

すなわち本考案によれば赤色領域の波長の光を
カツトすべく構成したフイルタ板を使用した表示
パネルが提案される。

以上の本考案の構成により直射日光下において
もセグメントの発光したものを容易に視認でき、
発光していないものと区別しうる判読性の高い表
示パネルが提供される。

具体的には以上の本考案によるフイルタ板は波
長領域が590nm〜705nmの光をカツトしその他は
透過させるように構成したものである。

このフイルタ板の材料としては赤色領域の波長
の光を透過しにくいアクリル板を使用することが
好ましいが、従来の表示パネルに使用されていた
アクリル製フイルタ板に赤色領域の波長の光をカ
ツトするフイルタ、例えば赤色カツトフイルタを
はりつけるか、又は並置させるようにしても良
い。

以下本考案を実施例の形で以下に添付図ととも
に詳細に説明する。

第１図は例えば自動車のダツシユボードに取付
けられる表示パネルの断面図を概略的に示したも
のであり、参照番号１はアクリル板製のフイルタ
板であり、参照番号２は蛍光表示管であり、図示
されていないが蛍光表示管内には複数の発光用セ
グメントが内蔵されている。発光用セグメントは
所望の表示が可能なごとく適当に組合せて配列さ
れており、選択的に特定のセグメントに電子を衝
突させて発光させて所望の表示をなすものであ
る。

蛍光表示管２はダツシユボードの内方に配置さ
れアクリルフイルタ板１はダツシユボードの表面
に配置され、それぞれ公知の方法で固定される。

このアクリルフイルタ板１を、波長領域が
590nmから705nmの光をカツトし、その他はある
程度減衰させて透過させる特性を有するアクリル
板で構成することが本考案の特徴である。

第２図はフイルタ板の光透過率と光の波長との
関係を示したグラフである。図中Ａは従来のフイ
ルタ板の特性曲線であり、Ｂが本考案のフイルタ
板１の特性曲線である。Ｃは現在普及している蛍
光表示管の発光光の発光スペクトルである。

すなわち、蛍光表示管の発光光の吸収スペクト
ルは、ほぼ450nmから590nmの間となる。

第２図より従来のフイルタ板に比し、本考案の
フイルタ板１では赤色領域、590nm〜705nm、の
波長の光が充分カツトされるので、蛍光表示管２
のセグメントが直射日光で赤色に観察されること
はなく、よつて発光したセグメントのみ視認でき
るので非常に判読性が高い表示パネルが提供され
る。

以上本考案を実施例の形で説明したが、本考案
は本実施例の形に限定されることなく実用新案登
録請求の範囲において限定される範囲内で様々に
変更可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は表示パネルの断面の概略図、第２図は
光の波長と透過率の関係を示すグラフ。 １……フイルタ板、２……蛍光表示管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 蛍光表示管と該蛍光表示管の前面に配置され
   たフイルタ板とを有する表示パネルにおいて、 前記フイルタ板は赤色領域の波長の光を透過
   しにくくし、その他の光を透過可能としたもの
   であることを特徴とする表示パネル。 (2) 実用新案登録請求の範囲の第(1)項に記載の表
   示パネルにおいて、前記フイルタ板は波長領域
   が590nm〜705nmの光を透過しにくくしたもの
   であることを特徴とする表示パネル。 (3) 実用新案登録請求の範囲の第(1)項に記載の表
   示パネルにおいて、前記フイルタ板は赤色領域
   の波長の光のみを透過しにくいアクリル板で構
   成したことを特徴とする表示パネル。 (4) 実用新案登録請求の範囲の第(1)項に記載の表
   示パネルにおいて、前記フイルタ板はアクリル
   板と赤色領域の波長の光のみ透過しにくいフイ
   ルタとを組合せて構成したことを特徴とする表
   示パネル。