JPS632857Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヒートポンプと温水床暖房器を使用し
た暖房装置に関し、その目的とするところは、暖
房時における暖房の立上がりを早くすることと、
室内の温度分布を均一にすることによつて、快適
な暖房効果が得られる暖房装置を提供するにあ
る。

従来此種暖房装置はヒートポンプを単体で使用
して暖房を行なつたり、床暖房装置のみを使用し
て暖房を行なつていた。

その場合、ヒートポンプで暖房を行なう場合
は、室内の上下の温度差が大きく、暖房の効率が
悪くなると共に不快感を感じるという欠点があつ
た。

また、床暖房のみの場合では、暖房の立上りが
遅いという欠点があつた。

本考案はかゝる事由に鑑み暖房装置における暖
房効果の改善を図かるものである。以下実施例と
して掲げた図を参照して本考案暖房装置を説明す
る。この実施例は暖房のみでなく冷房もできる冷
暖房装置の例である。

第１図において、１はヒートポンプ本体、２は
暖房時凝縮器（冷房時蒸発器）、３は暖房時蒸発
器（冷房時凝縮器）、４は膨張弁、５は四方弁、
６はコンプレツサー、７は冷媒管、８及び８′は
フアン、９は温水式の床暖房器、１０は床暖房器
へ温水を循環させるポンプであり、１１はその配
管である。ア，イは冷媒の流れ方向を示す。

第２図および第３図はヒートポンプ１の蒸発器
３と凝縮器２の断面を示す。

冷媒管７の外周にはフイン１２が設けられてい
る。冷媒管７内にはフロン等の冷媒１４が流れ
る。凝縮器２においては、冷媒管７が温水管１７
を包む二重管となつており、温水管１７内には温
水１９が流れる。

次で本考案の動作を述べる。暖房時ヒートポン
プ１のコンプレツサ６で高温高圧のガスになつた
冷媒１４は、四方弁５からアの方向へ流れて凝縮
器２へはいる。ここでフアン８′から送られてく
る室内空気と、ポンプ１０でもつて配管１１を通
して温水式の床暖房器９の熱源として循環する温
水１９に冷却されて凝縮する。すなわち、この
時、室内空気は冷媒１４によつて暖められ温風と
なつて室内を暖めるのである。また、温水１９も
冷媒１４によつて暖められ、床暖房器９へポンプ
１０によつて送られて室内を輻射熱（床暖房）で
暖めるのである。凝縮器２で凝縮した冷媒１４
は、膨張弁４でもつて絞り膨張により減圧され蒸
発器３へはいる。そこでフアン８から送られてく
る室外空気から熱を吸収して蒸発する。そして気
化した冷媒１４は再びコンプレツサ６へもどる。
冷媒１４がこのサイクルを繰り返して暖房を行な
うのである。

つまり第３図に示すごとく、暖房時の凝縮器２
を冷媒管７が温水管１７を包む２重管にして、外
管となる冷媒管７内にヒートポンプ１の冷媒１４
を、内管となる温水管１７内に床暖房の温水１９
を通すことにより、従来のヒートポンプのごと
く、温風で直接暖房することもできるし、床暖房
でもつて輻射熱を利用して暖房を行なうこともで
きるのである。

従つて、例えばフアン８′とポンプ１０を制御
して立上がり時（暖房開始時）はフアン８′をオ
ンにしポンプ１０をオフにすることにより温風で
もつて早く暖房を行ない、一度室内が暖まつてか
らはフアン８′をオフにしてポンプ１０をオンに
することにより床暖房９でもつて輻射熱を利用し
た快適かつフアン８′などの音もなく静かな暖房
を得ることができるのである。

冷房時はヒートポンプ１の四方弁５でもつて冷
媒１４の流れをイの方向へ変える。つまりコンプ
レツサ６で高温高圧のガスになつた冷媒１４は凝
縮器３へはいりフアン８から送られてくる室外空
気に冷却されて凝縮する。つぎに膨張弁４でもつ
て減圧され蒸発器２へはいる。そこでフアン８′
から送られてくる室内空気の熱を吸収して気化す
る。即ち冷媒１４により室内空気は冷やされ、そ
の冷風でもつて室内を冷房するのである。床暖房
器９による床冷房は結露する欠点があり、また輻
射冷房もさほど効果がないため行なわない。従つ
て、蒸発器２の温水管１７内の水１９は凍結のお
それがあるため冷房シーズン中は配管１１の途中
に設けた水抜管（図示せず）より抜いておく。ま
た、ポンプ１０は停止しておく。蒸発器２で気化
した冷媒１４は再びコンプレツサ６へもどつてこ
のサイクルを繰り返し冷房を行なうのである。

暖房時における凝縮器を２重管にして、外管内
に冷媒管を、内管内に水を通すことにより、温風
と温水を得ることができて、フアンとポンプを利
用することにより、温風暖房と温水床暖房による
輻射暖房を行なうことができる。

従つて、その２つをうまく組合わせて暖房を行
なうことにより、暖房の立上がりを早くすること
ができ、しかも室内の天井、床の温度差も少くな
くして効率のよい暖房（輻射暖房の特長）を行な
うことができる。しかも床暖房の熱源に成積係数
の高いヒートポンプを使用することにより、電気
ヒータを熱源とするものに比べて安く電気代で暖
房を行なうことができる。

なお、本考案は四方弁５のついてない、つまり
暖房のみを行なうエアコンについても適用され
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案暖房装置の実施例を示し、第１図は
配管図、第２図は蒸発器の断面図、第３図は凝縮
器の断面図である。 １……ヒートポンプ本体、２……凝縮器、３…
…蒸発器、４……膨張弁、５……四方弁、６……
コンプレツサ、７……冷媒管、８，８′……フア
ン、９……床暖房器、１０……ポンプ、１２，１
５……フイン、１４……冷媒、１７……温水管、
１９……温水。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷媒管が温水管を包む二重管としてなる凝縮
   器、蒸発器、これら凝縮器と蒸発器との間に冷媒
   を循環させる冷媒管に装置する膨張弁、コンプレ
   ツサ、凝縮器と蒸発器の夫々に設けたフアン及び
   前記温水管にポンプを介して配管接続された温水
   式の床暖房器よりなる暖房装置。