JPS632845Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は湯を沸騰温度まで上昇させた後ヒータへ
の通電を停止できるようにした電気湯沸器に関す
るものである。

従来、電気湯沸器にあつてはヒータに連続通電
して湯を沸騰温度まで上昇させた後手動スイツチ
によりヒータへの通電を停止したり、タイマーを
用いて設定時間の経過によりヒータへの通電を停
止したりしていたが、前者では手動スイツチの切
り忘れという問題があり、又後者では大体の沸騰
時間を過去の経験や取扱説明書等に基いて決定
し、タイマーを設定していた為、動作が不安定
で、特に水温、室温、水量等の変化に伴う時間設
定が非常に難しいものになつていた。

又、容器内の湯温を感熱素子（例えば、サーモ
スタツト）により感知して、沸騰温度に達した時
にヒータへの通電を停止することが考えられる
が、この種のものにあつても下記の如き問題を生
じるものである。即ち、サーモスタツトの動作温
度には公差があり、例えば公称動作温度±３℃で
あるとすると、公称動作温度100℃、OFFのサー
モスタツトを使えば97〜103℃、OFFのサーモス
タツトが存在することになり、その結果沸騰温度
に達してもサーモスタツトがOFFにならなかつ
たり、沸騰温度になる以前にサーモスタツトが
OFFになつたりする等、製品毎にばらつきを生
じることになり、信頼性に欠けるものであつた。

本案はかかる点に鑑みてなされたものであり、
以下図面に示した本案の実施例について詳細に説
明する。

先ず第１図において、１は電気湯沸器或いは電
気保温湯沸器等の内容器で、水を収容する。２は
内容器１内の水を加熱昇温するヒータで、内容器
１の下部外周面に装設する。３は熱絶縁物若しく
は熱容量の大きな材料からなるスペーサで、内容
器１の外底面中央に設けてある。４は内容器１内
の湯温をスペーサ３を介し感知してヒータ２への
通電を制御するサーモスタツトで、例えば沸騰温
度（100℃）より若干低い公称動作温度（96℃、
OFF）をもつたものである。

第２図は時間と温度との関係を示す図であり、
Ａは内容器１内の湯温の変化を示し、Ｂはサーモ
スタツト感熱部の温度の変化を示しており、Ｂの
温度上昇カーブはＡの温度上昇カーブに対してス
ペーサ３の存在によりある程度の時間的遅れをも
つている。T₀はサーモスタツト４の公称動作温
度を示し、又T₁はサーモスタツト４の公差上限
値、T₂は公差下限値を示している。而して、本
実施例にあつては、サーモスタツト感熱部の上限
温度がサーモスタツト４の公差上限値T₁を越え
かつ湯温が沸騰温度に達した時のサーモスタツト
感熱部の温度がサーモスタツト４の公差下限値
T₂より低くなるようにスペーサ３の材質を選択
してある。

上記のような構成にあつては、公称動作温度の
サーモスタツト４に限らず、公差上限値或いは下
限値のサーモスタツト４であつても内容器１内の
湯を沸騰温度まで確実に昇温させることができ、
しかも沸騰後若干の時間的ずれがあるものの自動
的にヒータ２への通電を停止し加熱を終了するこ
とができる。

尚、感熱素子はサーモスタツトに限らず、サー
マルリードスイツチ等を用いることもできる。
又、電気保温湯沸器に実施する場合には、一旦沸
騰後サーモスタツトの動作により保温回路に切換
えるように構成するものであり、以後保温回路に
よつて保温温度に湯温を制御すればよい。

以上の如き構成の本案によれば、感熱素子の動
作温度には公差があるものの、感熱素子を用いて
簡単な構成により湯を沸騰させた後ヒータへの通
電を停止するという動作を確実に行なうことがで
き、実用上非常に優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案湯沸器の要部構成図、第２図は同
上時間と温度の関係を示す図である。 １：内容器、２：ヒータ、３：スペーサ、４：
サーモスタツト（感熱素子）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器内の水を加熱昇温するヒータと、熱絶縁物
   若しくは熱容量の大きい材料からなるスペーサ
   と、該スペーサを介して容器内の湯温を感知し、
   上記ヒータへの通電を制御する沸騰温度より若干
   低い動作温度をもつた感熱素子とを備え、上記感
   熱素子により沸騰後上記ヒータへの通電を停止す
   べく構成したことを特徴とする電気湯沸器。