JPS6327664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はモツプに関し、より詳細にはダスト吸
着性、ダスト保持性及び耐久性に優れているとと
もに、粗大ゴミの除去等にも優れた掃く機能を有
するモツプに関する。

従来、比較的広い清掃面を有するモツプとして
は、キヤンバスの如き平面状の基布上にパイル糸
を植え付けたものが一般に使用されている。しか
しながら、かかるモツプはいわゆる押掃き、引き
掃きは出来ても箒等が有するハネ掃きは基本的に
不十分であり、したがつて床面との接触面におけ
る微細なチリ、ホコリは吸着できても、床面上に
散在している粗大ゴミ等を掃き寄せる機能におい
て劣るという欠点があつた。即ち本考案の目的
は、上述した欠点を解消したモツプを提供するに
ある。

本考案によれば、ハンドルを備えたモツプ把持
部と、この把持部の下方に取付けられた有端乃至
無端のエラストマー製ベルトから形成されたモツ
プ支持バンドと、該支バンドが収容されている袋
状の基布とから成り、前記基布の少なくとも下方
および外側面には多数のパイルが形成されている
ことを特徴とするモツプが提供される。本考案を
以下添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明
する。

本考案のモツプの一具体例を示す第１図におい
て、このモツプは、回動可能なハンドルパイプ１
を備えた把持部２とその下方に取着されたモツプ
支持バンド１０と、このバンド１０を包被するモ
ツプパイルを形成した袋状基布３とから成つてい
る。

この袋状基布３は、例えば編布又は織布、不織
布等から成つており、その開口部位において、
紐、ゴム等（図示せず）により把持部２に装着固
定されており、またその外表面には後述するモツ
プパイルの列４，５が形成されている。

即ち本考案において重要な特徴は、袋状基布３
の外表面に、周方向に密接乃至は重複してモツプ
パイルの列４と列５が形成されていることにあ
る。パイル列４は基布３の側面に、パイル列５は
基布３の下方に形成されている。

このモツプパイルの列４と５とは、これらの列
が互いに平行となる様に重層されており、しかも
これらの列を横切る方向で延びているステツチ６
で互いに基布３に固着されている。

これにより、袋状基布３に形成されるモツプパ
イルの繊維密度を高くすることができ、かくして
十分なダスト吸着性及びダスト保持性が得られ
る。

したがつて、第１図に示すモツプで床面を滑掃
するときには、押し掃き、引き掃きによつて微細
なチリ、ホコリを吸着するだけでなく、箒等が保
有するハネ掃きの機能も備えているために、床面
上の粗大なゴミをあたかも箒で掃くかのようにハ
ネ掃きすることによつて一箇所に集中させ、チリ
取りにより集めることが可能である。これは第３
図、又は第４図にて詳細に示される支持バンド１
０により袋状基布３が膨大状に張設されており、
しかも支持バンド１０が適当な弾力性、柔軟性を
有しているからに他ならない。

また前記説明においては、モツプパイルの列４
および５を同長に設定したが、パイル列４よりも
パイル列５を長く設定する場合には次の如き効果
を発揮することができる。即ち、袋状基布３の側
面のパイル列４が清掃時には清掃面に最も強く摺
擦され、被清掃面からダストを確実に離脱乃至は
剥離させるように作用し、且つ被清掃面に対して
その外側に位置する長いモツプパイルの列５がダ
ストを周囲に飛散させることなしに、ダストを吸
着し且つ保持するように作用する。かくして本考
案のモツプの有する優れたダスト吸着性及び保持
性が理解されよう。

本考案において、モツプコードの列の各々は、
比較的太番手の熱糸により形成され、かかる撚糸
としては、任意の天然、再生或いは合成の繊維が
使用される。かかる繊維としては、木綿、麻、ラ
ーミマーセル化木綿、レーヨン、アセテート等の
セルロース繊維；羊毛、絹等の蛋白質繊維；ポリ
ビニルアルコール繊維、ナイロン繊維、ポリエス
テル繊維、アクリル繊維、ポリオレフイン繊維、
ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維等
の合成繊維；或いはこれらの組合せが使用され
る。これらの繊維は紡績糸、マルチフイラメント
糸等の形で２本以上の数で撚糸されていてよい。
モツプコード相互のからみを防ぎ且つダスト吸着
量を高めるという目的には、最終撚糸のトータル
番手は0.1乃至10番、特に0.5乃至３番の範囲にあ
るのが望ましい。

これらのモツプには、ダスト吸着性及びダスト
保持性を長期間にわたつて安定に付与し且つ水を
使用せずに乾式で清掃を行うという見地から、ダ
ストコントロール用油剤を塗布乃至は含浸せしめ
ておくことが有利である。このようなダストコン
トロール用油剤は、不揮発性の油剤、例えば鉱物
油と少量のカチオン系界面活性剤との組合せから
成つており、前述した繊維に対して0.5乃至50重
量％、特に10乃至35重量％の量で施すのがよい。

また本考案の支持バンド１０は第３図に詳細に
図示されている。予じめ支持枠２の長手方向に間
隔をおいて、複数本のエラストマー製のモツプ支
持バンド１０を設け、このモツプ支持バンド１０
が袋状基布３内に収容される様にする。

この態様によれば、かかるエラストマー製モツ
プ支持バンド１０の有する弾力性、屈曲性によ
り、所謂ハネ掃き等を好適に行なうことが可能と
なり、前述したように粗大ゴミの除去にも好都合
となる。

この支持バンド１０を、スポンジやフエルト等
の素材で構成した場合には、腰の強さ、弾力性及
び屈曲性において不満足なものとなり、ハネ掃き
等を有効に行なうことが困難となる。

このモツプ支持バンド１０を形成するエラスト
マーとしては、例えばゴム、塩ビ等が使用され、
また第３図においては該モツプ支持バンド１０は
有端となつているが、第４図に示す如く無端状と
なつていてもよい。

なお、上記実施例においてはパイル４，５は袋
状基布３の外表面にステツチにて縫着形成した
が、この袋状基布３を不織布にて作成する場合に
は、不織布表面に毛羽だつた繊維がパイル４，５
と同等の構成となり、前記例と同等の効果を奏す
るものである。又、本考案の技術的思想を逸脱し
ない範囲における設計変更、変形例は全て本考案
の技術的範囲に包含されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のモツプの一具体例を示す斜
視図、第２図は、第１図のモツプの側断面図、第
３図及び第４図は本考案のモツプの詳細を説明す
るための説明図である。 １はハンドルパイプ、２は把持部、３は袋状基
布、４，５はモツプパイルの列、６はステツチ、
１０はモツプ支持バンドを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルを備えたモツプ把持部と、この把持部
   の下方に取付けられた有端乃至無端のエラストマ
   ー製ベルトから形成されたモツプ支持バンドと、
   該支持バンドが収容されている袋状の基布とから
   成り、前記基布の少なくとも下方および外側面に
   は多数のパイルが形成されていることを特徴とす
   るモツプ。