JPS6326017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の詳細な説明］ 本考案は、扁平なコイル状に形成された合成樹
脂製あるいは金属製の連続線条でスライドフアス
ナのエレメント列を形成し、これを経糸および緯
糸とともに織成して、スライドフアスナのエレメ
ント列をスライドフアスナのテープ部に一体に織
込んだ織込スライドフアスナに関するものであ
る。

扁平なコイル状の連続線条によつて形成された
エレメント列を、テープ地を織成すべき経糸、緯
糸とともにスライドフアスナのテープ部に織込ん
でなるスライドフアスナ（以下、織込スライドフ
アスナという）は、この出願前周知である。主な
ものを例示すれば、特公昭46−7018号公報、特開
昭56−60504号公報、特公昭57−20802号公報など
がある。

しかし、これら周知の織込スライドフアスナに
は、何れも様々な欠点があつた。

たとえば、特公昭46−7018号公報記載の発明は
エレメント列を緯糸とともに単純に経糸に打込ん
でテープ組織を構成しているため、各エレメント
のピツチ方向の安定性が悪く、各エレメントの上
下脚部をテープ面に対して垂直方向に維持するこ
とが困難であつた。また特開昭56−60504号公報
記載の発明は、エレメントのねじれに対する抵抗
を咬合頭部の上下両脚部間に配置された支持用パ
ツドによつて改良することを試みたものである
が、支持用パツドのために咬合頭部付近の厚みが
テープ部に比較して著しく厚くなるという欠点が
ある。さらに、特公昭57−20802号公報記載の発
明は、エレメントの両脚部が互いに密接するよう
な形状に形成し、経糸で圧縮することにより、咬
合頭部間隔の安定化を実現しようとしたものであ
るが、テープ部と咬合頭部との結合が確実でな
く、両部の結合が緩み易いという欠点があつた。

本考案の考案者は、上述した先行技術の有する
欠点を改良し、エレメントの咬合頭部の両脚部の
垂直性、隣接咬合頭部との間隔の安定性および咬
合の円滑性の優れた織込みスライドフアスナを考
案し、本願と同日付けで出願した（実願昭58−
号）。

本考案は上記出願にかかる考案をさらに改良し
たものであつて、その目的は、咬合頭部相互間の
隙間の充填効果をさらに高めることである。

以下、図示の実施例についてさらに詳細に説明
する。

第１図乃至第４図は、本考案の一実施例を示し
ている。なお、図は経糸、緯糸およびコイルの関
係を見易くするために、糸が実際よりも細目に示
されており、したがつて糸および連続線条相互の
間隔は実際より広目に誇張されている点に留意さ
れたい。

第１図は合成樹脂製モノフイラメントの連続線
状を二重緯糸として供給し、フアスナーテープの
織成と同時にその一側縁に織込んでなる本考案の
織込みフアスナーの要部を示す斜視図であり、１
は、一定間隔で加圧変形された連続線条１′を加
圧変形部で折曲することにより、反転部ａ及び咬
合頭部ｂを形成しながら螺線状に巻回してなる扁
平なコイルであつて、各反転部ａは、コイルの長
手方向軸線を含む平面内または該平面と僅かに傾
斜した面内で湾曲反転し、各咬合頭部は該軸線と
ほぼ直交する平面内で湾曲している。各単位エレ
メントは、その両端、すなわち両反転部におい
て、それぞれ他の単位エレメントに連接し、前記
扁平コイルは全体としてエレメント列Ｂを構成す
る。２，２，２はエレメント列の上側に沿つて伸
びる上固定経糸、３，３′はエレメント列の下側
に沿つて伸びる下固定経糸、４は上下両面固定経
糸２（複数）、３，３′を緊定するとともに扁平コ
イルの反転部を越えてコイル外方に伸び、他の経
糸と交絡してテープ地を形成し、テープ地一側に
おいてループを形成し、後立のループとからみ合
つて耳部を形成する緯糸、５は緯糸４と交絡して
テープ地を織成する経糸、６は緯糸４に対して2/
２、モノフイラメントの連続線条１′の二重緯糸に
対して1/1に織り込まれ、緯糸４および扁平コイ
ル１の連続線条１′と交絡して扁平コイルをテー
プ地の一部として織成するコイル締付用経糸、７
は上下両固定経糸２，３，３′間にあつて、扁平
コイルの連続線条１′と交絡し、咬合頭部相互間
の隙間を閉塞する隙間閉塞用経糸である。なお、
各単位エレメントについて、線条１′の上固定経
糸２と接する側を上脚部、下固定経糸３，３′と
接する側を下脚部と呼ぶ。また、上下固定経糸
２，３および３′は、他の経糸よりも大きく、強
いものを使用しており、糸の張力も他の緯糸より
大である。以上は前記同日付けの出願、実願昭58
− 号の特徴についての説明であるが、本
考案はこれに、さらに次のような特徴を付加した
ものである。

すなわち、緯糸４、経糸５，６と織成されてテ
ープ地を形成しつつ下固定経糸３′の内側を通り、
下固定経糸３の内側上方より外側下方に向つてこ
れに巻付けられた後、上固定経糸２，２，２のう
ちの１本あるいはそれ以上（ただしすべてではな
い。）に跨り、これと交絡して緊張させ、しかる
後再び経糸５，６とともにテープ地を織成しつつ
テープの縁辺に至つて後立のループに絡み、次の
ループを形成することを繰返すことにより、織込
みスライドフアスナを形成する。図示の実施例に
おいては、上下固定経糸２，３，３′が各単位エ
レメントの咬合頭部の上下脚部の垂直性の維持と
間隔の安定を可能にし、経糸６が連続線条１′を
テープの一部を構成するように強く締付けてい
る。さらに、経糸７，７′が隣接する咬合頭部相
互間の隙間で交差し、上述した上固定経糸の落込
みと協同して咬合頭部相互の隙間を閉塞し、ほこ
りなどの侵入を防止するとともに、上下固定経糸
の滑落を阻止している。

本考案は上述した構成を有するので、緯糸と絡
んで隣接するエレメント相互間に落込んだ上固定
経糸２，２，２も経糸７と協同して咬合頭部相互
間を充填する。したがつて、ほこりなどの侵入を
防止する効果が、別出願（実願昭58−
号）の織込みスライドフアスナよりもさらに大で
ある。また、落込まないで真直ぐに延びる上固定
経糸がどの咬合頭部相互間においても必らず存在
するので、エレメントピツチの安定性も増すとい
う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部を示す斜視
図、第２図は、その平面図、第３図は第２図を
−線で切つた横断面図、第４図は第２図を−
線で切つた縦断面図である。 １……扁平コイル、１′……連続線条、ａ……
反転部、ｂ……咬合頭部、２……上固定経糸、
３，３′……下固定経糸、４……緯糸、５，６…
…経糸、７，７′……咬合頭部閉塞用経糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続線条によつて扁平なコイル状に形成され、
   該扁平コイルの各１巻回がそれぞれ１個の咬合頭
   部を有する単位エレメントを構成し、各単位エレ
   メントは隣接する他の単位エレメントとの境界付
   近において実質的に前記扁平コイルの軸線を含む
   平面内で湾曲反転する反転部を形成し、前記咬合
   頭部は扁平コイルの軸線とほぼ直交する平面内で
   湾曲しているエレメント列；該エレメント列の上
   側に沿つて伸びる上固定経糸；該エレメント列の
   下側に沿つて伸びる下固定経糸；テープ主体部と
   エレメント織込部とからなるスライドフアスナー
   テープのテープ主体部に配列され織込まれた、テ
   ープ主体部経糸列；前記エレメント織込部に配列
   され織込まれたエレメント織込部経糸列および；
   前記上下各固定経糸に交絡して折返され、テープ
   主体部縁辺においてループを形成し、順次後立の
   ループと絡み合うことによつてスライドフアスナ
   テープの耳部を形成するように、前記経糸列に織
   込まれた緯糸；からなる織込みスライドフアスナ
   において；前記上固定経糸は２本以上であり、前
   記咬合頭部相互間において、常に少くとも１本を
   残して前記緯糸と交絡することを特徴とする織込
   みスライドフアスナ。