JPS6323962B2

JPS6323962B2 -

Info

Publication number: JPS6323962B2
Application number: JP15513879A
Authority: JP
Inventors: Juji Tsutsumi; Sonoko Pponda
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1979-11-30
Filing date: 1979-11-30
Publication date: 1988-05-18
Also published as: JPS5679613A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、油性化粧料に水、プロピレングリコ
ール、マルチトール、グリセリン等の多価アルコ
ールからなる保湿剤を配合させるにあたり、界面
活性剤を使用せずに、気体を５〜80％好ましく
は、20〜50％オーバーランさせたホイツプド化粧
料とすることで安定化させ且つ、安全性を高めた
化粧料に関する。

一般に固型ワツクス、オイル（油分）及び粉末
等からなる油性化粧料にそれらと良く相溶しな
い、水、プロピレングリコール、マルチトール、
グリセリン等の保湿剤を配合せしめるには界面活
性剤を用いて乳化することは公知の技術である。

しかしながら、化粧料として安全性が高く且
つ、安定な乳化剤を見いだすには、乳化剤の種類
及び配合するワツクス及びオイル等の種類や組合
せが複雑で困難であり、且つ、配合する保湿剤も
極めて限られたものである。

本発明はこのような油性化粧料に乳化剤を用い
ることなく、種々の保湿材を配合させるにあた
り、ホイツプ処理を行うことにより安定で且つ安
全性の高い化粧料を見いだしたものである。

即ち、安全なホイツプド化粧料を得るには構成
ワツクス成分としては、分子中に極性官能基を有
する融点50℃以上のワツクス、すなわちキヤンデ
リラロウ（融点68〜72℃）、カルナバロウ（融点
80〜86℃）、木ロウ（融点50〜53.5℃）、ビースワ
ツクス（融点60〜67℃）等の一種又は２種を５〜
20％配合する。又、構成油分としては、ワツクス
と良く相溶する、I.O.B.値が0.07〜1.5の常温で液
体のものである。なお、I.O.B.（inorganic
organic balance）値とは、「化学の領域」第11
巻、第10号、第719頁〜725頁、1957年に示されて
いる、藤田による計算方法に従い算出した、無機
性及び有機性の値の比、すなわち次式によつて表
される数値である。

I.O.B.値＝Σ無機性／Σ有機性例えば、ヒマシ油（I.O.B.04）、椿油（I.O.
B.0.16）、サフラワー油（I.O.B.0.17）、グリセロ
ール―トリ―２―エチルヘキサノエート（I.O.
B.0.34）、２―ヘプチルウンデカン酸モノグリセ
ライド（I.O.B.0.63）、ポリオキシプロピレンポリ
オキシエチレンペンタエリスリトールエーテル
（I.O.B.1.25）、リシノレイン酸オクチルドデシル
（I.O.B.0.23）、ホホバ油（I.O.B.0.078）等が挙げ
られ、これらの組合せが最も適している。

これらのワツクス及びオイルを配合した組成物
をつくり加熱混合した後、ホイツプ処理するのに
必要な可塑体になるまで冷却（45〜55℃位の半固
型状の可塑体とする）し、水及び／又は多価アル
コールからなる保湿剤を５〜30％加えて次に気体
（N₂，O₂，CO₂等）、好ましくは不活性なN₂ガス
にてホイツプ処理を行うことを特徴とする化粧料
である。

ホイツプ処理に用いられる気体の量は５〜80％
で、好ましくは20〜50％である。気体の量が５％
以下であるとクリーミイな組成物が得られず、製
品化になり難い。又、80％以上であると泡状態に
なり、適性なホイツプ効果が得られないので安定
なホイツプ製品ができない。

従来、ホイツプ処理することにより成立つてい
る製品としてはホイツプドマーガリン等が良く知
られている。例えば、特開昭53−113060，113061
に見られるように油分としては食用固型油脂及び
常温液体油からなる組成物を乳化剤を用いて水相
と共にエマルジヨンをつくり、ホイツプ処理を行
うことが記載されている。しかしながら、こうし
て得られるホイツプドマーガリン等は、常温以下
の条件では比較的安定であるが化粧品として要求
される使用環境においては、保形性が悪かつた
り、又、オイルオフがみられ、系の安定性を充分
保証することは困難である。本発明においては、
化粧品として使用される温度域においてもオイル
オフ、型くずれ等のおきない安定なホイツプド化
粧料を得るにあたり、高融点ワツクスを配合し、
乳化剤を使用せずにホイツプすることが可能なオ
イルの組合せを見いだすことによりホイツプドマ
ーガリン等にみられる欠点を解消し、化粧料とし
て新規にホイツプド化粧料を見いだしたのであ
る。

又、配合する高融点ワツクスの選択にあたつて
は単に融点が高いワツクス、たとえば固型パラフ
インのような極性の小さなワツクスでは、どのよ
うなオイルを組合せてもホイツプは困難であり、
抱水力及び乳化力を有するカルナウバロウ、キヤ
ンデリラロウ、木ロウ、ビースワツクス等が最も
適している。

更に配合するオイルについては、上記ワツクス
類を良く溶解することはもちろんであるが、加え
て適度の乳化力及び抱水力を有するオイルでなけ
ればならない。即ち、選択された上記ワツクス類
に対してホイツプ可能なオイルとしては、前記の
ヒマシ油、椿油、サフラワー油、グリセロール―
トリ―２―エチルヘキサノエート、ポリオキシプ
ロピレンポリオキシエチレンペンタエリスリトー
ルエーテル、２―ヘプチルウンデカン酸モノグリ
セライド等の特定I.O.B.値のオイルがあげられ
る。

これらのワツクス及びオイルからなる系に目的
に応じて保湿剤を配合して得られるホイツプド化
粧料は、通常要求される化粧品使用の環境下にお
いて保形性も良くオイルオフもなく充分安定性を
保証することができるものである。

本発明において得られたホイツプド化粧料は顕
微鏡の観察から油相部に水性成分と気体とが５〜
30μの微粒子に共存しておりＧ，Ｗ／Ｏ型という
べき系から成立つている。即ち、Ｗ／Ｏ型可塑体
にガスが封入された系である。

次に本発明による実施例を示す。

実施例１ホイツプドリツプグロウ重量％キヤンデリラロウ 5.0 ヒマシ油 83.89 色素 1.0 グリセリン 10.0 香料 0.1 酸化防止剤 0.01 （調整法）キヤンデリラロウ、ヒマシ油、色素を70℃で混
合溶解し均一に分散する。次いで50℃まで冷却を
行い、ワツクスが析出して半固型状になつたとこ
ろでグリセリン、香料、酸化防止剤を加えて窒素
ガスを導入しながら撹拌を行いホイツプ処理す
る。この時の窒素ガスのオーバーランは30％であ
つた。

実施例１で得られたホイツプドリツプグロウは
従来のリツプグロウに比して、非常にソフトな感
触で、唇に塗布した時ツヤがあり、且つ、唇への
なじみがよいものであつた。

又、安定性を調べたところ37℃又び50℃で１ケ
月保存したが何らの変化もなくオイルオフもなか
つた。

又、5゜〜45゜へのサイクルテスト（２周期／１
日）で１ケ月放置しても何らの変化もなく、オイ
ルオフもなかつた。

実施例２ホイツプド口紅重量％キヤンデリラロウ 10.0 ヒマシ油 74.89 色素 5.0 マルチトール 10.0 香料 0.1 酸化防止剤 0.01 （調整法）実施例１と同様に調整する。（但し、窒素ガス
のオーバーランは40％であつた。）実施例２で得
られたホイツプド口紅は従来の口紅より、非常に
ソフトな感触で、唇に塗布した時ツヤがあり、且
つ、唇へのなじみがよいものであつた。

又、安定性を調べたところ、37℃及び50℃で１
ケ月保存したが何らの変化もなく、オイルオフも
なかつた。

又、5゜〜45℃へのサイクルテスト（２周期／１
日）で１ケ月放置しても、何らの変化もなく、オ
イルオフもなかつた。

実施例３フアンデーシヨン重量％キヤンデリラロウ 8.0 カルナバロウ 3.0 顔料｛黄色酸化チタン2.0 赤色酸化チタン5.0 白色酸化チタン3.0｝ 10.0 サフラワー油 63.94 タルク 5.0 イオン交換水 10.0 ビタミンＥ 0.01 香料 0.05 （調整法）キヤンデリラロウ、カルナバロウ及びサフラワ
ー油に色素を70℃で混合溶解し、均一に分散す
る。次いで55℃まで冷却を行い、ロウが析出して
半固型状になつたところで、イオン交換水、香
料、ビタミンＥを加えて、窒素ガスを導入しなが
ら撹拌を行いホイツプ処理する。この時の窒素ガ
スのオーバーランは８％であつた。得られたフア
ンデーシヨンは従来のフアンデーシヨンに比して
皮膚に非常にソフトな感触で付着性が良く、塗膜
に耐水性があり、化粧くずれしにくい。

実施例４アイシヤドウ重量％ビースワツクス 15.0 カルナバロウ 3.0 リシノレイン酸オクチルドデシル 56.94 イオン交換水 5.0 グリセリン 5.0 （色素）白色酸化チタン 5.0 黒色酸化鉄 1.0 群青 4.0 パール剤 5.0 ビタミンＥ 0.01 香料 0.05 （調整法）ビースワツクス、カルナバロウ及びリシノレイ
ン酸オクチルドデシルに色素類を混合溶解し、均
一に分散する。これを45℃まで冷却後、イオン交
換水、グリセリン、ビタミンＥ、香料を配合して
均一にする。窒素ガス15％でホイツプ処理を行つ
た。得られたアイジヤドウは従来のアイジヤドウ
に比して、まぶたにソフトに塗布でき、塗膜が油
光りしないものであつた。

実施例５クレンジングクリーム重量％キヤンデリラロウ 7.0 グリセロール―トリ―２―エチルヘキサノエー
ト 30.0 イオン交換水 20.0 ビタミンＥ 0.01 香料 0.1 ヒマシ油 42.99 （調整法）キヤンデリラロウ、グリセロール―トリ―２―
エチルヘキサノエート及びヒマシ油を加熱混合し
て65℃に保ち、これにイオン交換水、香料、ビタ
ミンＥを添加した後、十分撹拌して、45℃まで冷
却する。これに窒素ガス60％をオーバーランさせ
て、ホイツプ処理する。得られたクレンジングク
リームは従来のクレンジングクリームに比して皮
膚に対しソフトで感触が良く、マイルドな洗浄性
のものである。

実施例６マツサージクリーム重量％キヤンデリラロウ 7.0 椿油 77.89 イオン交換水 10.0 グリセリン 5.0 酸化防止剤 0.01 香料 0.1 （調整法）キヤンデリラロウ、椿油を70℃で溶解混合し、
均一分散する。これにイオン交換水、グリセリ
ン、酸化防止剤及び香料を添加して50℃まで冷却
放置する。これに窒素ガス50％をオーバーランし
てホイツプ処理する。得られたマツサージクリー
ムは従来のマツサージクリームに比して皮膚に対
するソフト性と使用性に顕著な効果が見い出され
た。

実施例７ナイトクリーム重量％キヤンデリラロウ 7.0 グリセロール―トリ―２―エチルヘキサノエー
ト 30.0 ホホバ油 10.0 イオン交換水 10.0 ビタミンＥ 0.01 香料 0.1 ヒマシ油 42.89 （調整法）キヤンデリラロウ、グリセロール―トリ―２―
エチルヘキサノエート、ホホバ油及びヒマシ油を
70℃で混合溶解し、均一に分散する。これにイオ
ン交換水、ビタミンＥ及び香料を添加し、47℃ま
で冷却する。これに窒素ガス45％をオーバーラン
してホイツプ処理する。得られたナイトクリーム
は従来のナイトクリームに比してソフト性と皮膚
保温性のすぐれたものである。

本発明はその他の化粧料にも応用できるもので
ある。即ち、界面活性剤が配合された化粧料、例
えばクリーム、乳液類等にも十分利用できるもの
である。

Claims

【特許請求の範囲】

１分子中に極性官能基を有する融点50℃以上の
ワツクス及びI.O.B.値が0.07〜1.5の常温で液体の
油分からなる可塑体と水及び／又は多価アルコー
ルに気体を５〜80％オーバーランさせてホイツプ
処理した安定なホイツプド化粧料。