JPS6323137Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は射出成形機におけるインサート物供
給装置に関するものであり、特に、往復動搬送台
とインサート物装填機構とインサート物移送機構
とから成るインサート物供給装置において、イン
サート物装填機構に対する搬送台の位置決めと、
搬送台に対するインサート物移送機構の位置決め
についての改良に係わるものである。

従来、射出成形機におけるインサート物供給装
置としては第１図に示されたようなものが知られ
ている。

図において、１は往復動搬送台であり、２は該
搬送台１上にインサート物を装填するインサート
物装填機構であり、３はインサート物移送機構で
あつて、前記搬送台１上に装填されたインサート
物を回動アーム４によつて金型５の型彫空間６内
に移送するものである。尚、７は射出ユニツト、
そして、８は金型テーブルで、図では、シヤトル
型のものが例示されている。

搬送台１及びインサート物装填機構２の構造は
第２図及び第３図に示されている。搬送台１は基
台１０上に設けられた案内部材１１によつて摺動
自在に抱持されており、図示しない駆動装置によ
つて図の左右方向に往復動される。該搬送台１に
は、インサート物保持部材１２が着脱自在に嵌着
されていて、該保持部材１２の上面には、インサ
ート物保持溝１３が形成されており、又、その中
央には、インデツクスストツパー案内孔１４が穿
設されている。

一方、前記案内部材１１上には、支柱１５が立
設されており、該支柱１５の上端には、水平方向
に支持材１６が突設されていて、該支持材１６に
は、インサート物保持棒１７がネジ１８によつて
着脱自在に垂設されていて、その下端は前記搬送
台１の直上にまで達している。該保持棒１７に
は、環状のインサート物Ｍが多数積層状態で外嵌
されていて、最下端のインサート物Ｍが前記イン
サート物保持溝１３内に装填される。

インサート物Ｍが装填された搬送台１は、第１
図で示すインサート物移送機構３の回動アーム４
の下方に移動され、前述のように、回動アーム４
下部のクランプによつて金型装置５の型彫空間６
内に移送されるものである。

而して、該インサート物供給装置においては、
搬送台のインサート物装填機構に対する位置決め
と、搬送台に対するインサート物移送機構の位置
決めとが必要であるが、上記従来例においては、
該位置決めをそれぞれ別個独立のインデツクス装
置で行つていたので、その構造が複雑となり、作
動の信頼性が低いという欠点があつた。その上、
コスト高になるという不利点もあつた。

更に、搬送台を基台の定位置に止めることによ
つて、インサート物装填機構及びインサート物移
送機構に対する搬送台の位置決めを行う構造であ
つたので、インサート物装填機構においては、イ
ンサート物保持棒の取付誤差や撓みによつて、一
方、インサート物移送機構においては、回動アー
ムの停止位置のずれによつて該機構のそれぞれと
インサート物との整合に誤差が生ずるという欠点
があつた。

この考案の目的は上記従来技術に基づくインサ
ート物供給装置の構造上の制約によるインサート
物との位置決め等の問題点に鑑み、インサート物
装填機構におけるインサート物保持棒の下端面に
インデツクス孔を穿設し、一方、インサート物移
送機構における回動アームに案内桿を垂設する構
成とすることにより、前記欠点を除去し、不利点
を解消して極めて正確な位置決めができる優れた
インサート物供給装置を提供せんとするものであ
る。

上記目的に沿うこの考案の構成は、インサート
装填機構においては、搬送台の停止位置を規制す
ると共にインサート物保持棒の取付誤差や撓みを
修正してインサート物を搬送台上の定位置に整合
させ、インサート物移送機構においては、前記イ
ンサート物装填機構での位置決めに用いたインデ
ツクス案内孔を利用して回動アームの位置を修正
し、インサート物クランプを搬送台上のインサー
ト物に対して整合させることを要旨とするもので
ある。

次に、この考案の実施例を第２図以下の図面に
基づいて説明すれば以下の通りである。

第２図において、２０はインデツクスストツパ
ーで、基台１０を下方から出没自在に貫通し、搬
送台１に装着されたインサート物保持部材１２の
インデツクスストツパー案内孔１４に摺動自在に
挿入されて搬送台１の位置を規制する。そして、
搬送台１の上方から垂設されたインサート物保持
棒１７の下端面には、前記インデツクスストツパ
ー２０の先端２０ａの形状に沿つたインデツクス
孔２１が穿設されていて、上記インサート物支持
部材１２を貫通して上方に突出するインデツクス
ストツパー２０の先端２０ａが挿入係合される。

第４図及び第５図において、インサート物移送
機構３の回動アーム４の下部には、クランプ取付
部材２３が垂設されており、その幅は搬送台１の
インサート物保持溝１３の中心線の間隔に略略等
しい。該取付部材２３の下端には、更に、案内桿
２４が着脱自在に垂設されていて、該案内桿２４
の下端には、テーパー部２４ａが形成されてい
る。２５はインサート物クランプでプラスチツク
等の弾性材から成る内スリーブ２６と外スリーブ
２７とで構成され、内スリーブ２６は前記案内桿
２４に外嵌されて上記取付部材２３の下端面に着
脱自在に取付けられ、一方、外スリーブ２７は上
記取付部材２３に摺動自在に外嵌されている。該
内外スリーブ２６，２７間には適宜の間隔Ｓが形
成されており、かつ、内スリーブ２６の外径は環
状インサート物Ｍの内径に等しいか、あるいは、
僅かに大きめになつている。

第５図で示されるように、クランプ２５の外ス
リーブ２７には、スリーブ昇降部材２８が連結さ
れており、該スリーブ昇降部材２８は回動アーム
４に取付けられたスリーブ駆動用シリンダー２９
の駆動桿３０に連結されている。尚、３１は昇降
シリンダーで、３２は該シリンダー３１に連結さ
れた架台であり、３３は該架台３２に取付けられ
たオイルモーターであつて、該オイルモーター３
３に、前記回動アーム４が取付けられている。

上記構成において、搬送台１がインサート物装
填位置に停止した後、第２図に示すように、イン
デツクスストツパー２０が下方より突出して、搬
送台１に装着されたインサート保持部材１２のイ
ンデツクスストツパー案内孔１４に挿入されてこ
れを貫通し、更に上方に突出してインサート物保
持棒１７の下端面にインデツクス孔２１に係合す
る。かくして、搬送台１が位置決めされると、前
記保持棒１７に外嵌されたインサート物Ｍはイン
サート物保持部材１２のインサート物保持溝１３
に対して確実に整合し落下嵌合する。

こうして、搬送台１上の所定の位置にインサー
ト物Ｍが載置された後、インデツクスストツパー
２０は下方に後退し、インサート物保持部材１２
のインデツクスストツパー案内孔１４から引き抜
かれて両者の係合が解かれる。次いで、第４図に
示すように、搬送台１を図の左方に前進させてイ
ンサート物保持部材１２をインサート物移送機構
３部分に位置させる。そして、回動アーム４を回
動させてこれを搬送台１上のインサート物Ｍの上
方に位置させた後、該インサート物Ｍ方向に降下
させる。該回動アーム４の回動動作及び昇降動作
のそれぞれは第５図で示されるオイルモーター３
３及び昇降シリンダー３１によつて確保される。
回動アーム４が降下すると、クランプ取付部材２
３の下端に取付けられた案内桿２４の下端テーパ
ー部２４ａが前記インサート物保持部材１２のイ
ンデツクスストツパー案内孔１４に係合し、これ
に摺接して回動アーム４の位置を微調修正し、そ
の下方のクランプ２５をインサート物Ｍに整合さ
せる。そして、回動アーム４の降下に伴つてクラ
ンプ２５の内スリーブ２６がインサート物Ｍの内
周に押し込まれて、両者は弾性的に摩擦係合す
る。このとき、外スリーブ２７の下端はインサー
ト物Ｍの上面に当接するか、あるいは、僅かに上
方に位置する。

このようにして、インサート物Ｍがクランプ２
５の内スリーブ２６によつてクランプされた後、
第５図に示す昇降シリンダー３１によつて回動ア
ーム４を上昇させ、次いで、オイルモーター３３
によつてこれを回動させて、第１図で鎖線で示す
ように、金型装置５の上方位置に移動させる。そ
して、第５図に示すように、スリーブ駆動用シリ
ンダー２９を作動させて、駆動桿３０を介してス
リーブ昇降部材２８を降下させると、クランプ２
５の外スリーブ２７はこれによつてクランプ取付
部材２３上を摺動しつつ降下する。この外スリー
ブ２７の降下によつて内スリーブ２６に摩擦保持
されていたインサート物Ｍは該外スリーブ２７の
下端２７ａでもつて押下され、やがて、内スリー
ブ２６から外されて、下方に配置された金型装置
５の型彫空間６内に落下挿入されるものである。

上記のように、この考案によれば、往復動搬送
台と、該搬送台上にインサート物を装填するイン
サート物装填機構と、搬送台上に装填されたイン
サート物を金型装置に移送するインサート物移送
機構とから成るインサート物供給装置において、
インサート物装填機構では、インサート物保持棒
の下端面にインデツクス孔を穿設する構成とした
ことにより、インデツクスストツパーを搬送台の
インデツクスストツパー案内孔と係合させること
によつて該搬送台の停止位置のずれを修正すると
共に、インデツクスストツパーを、前記案内孔か
ら貫通突出させてインサート物保持棒のインデツ
クス孔と係合させることによつて、該保持棒の取
付誤差及び撓みを修正してインサート物をインサ
ート物保持溝に正確に整合させることができ、一
方、インサート物移送機構では、回動アーム下部
のクランプ取付位置に案内桿を設ける構成とした
ことにより、該案内桿先端のテーパー部と前記イ
ンデツクスストツパー案内孔との摺接係合によつ
て回動アームの角度とずれと搬送台の停止位置の
ずれを修正して、インサート物クランプを搬送台
上のインサート物に対して正確に整合させること
ができるものであり、しかも上記両機構での整合
作用にインデツクスストツパー案内孔が共用でき
るという優れた効果がある。

又、インサート物クランプの内スリーブを前記
案内桿に外嵌させて取付ける構成としたことによ
り、案内桿とインサート物が正確に整合したとき
に、自動的に内スリーブとインサート物が正確に
整合することになるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す平面図、第２図以下はこ
の考案の実施例を示すものであり、第２図はイン
サート物装填機構の断面図、第３図は第２図のＡ
−Ａ断面図、第４図はインサート物移送機構の断
面図、第５図はインサート物の金型装置への挿入
状態を示す作動説明図である。 １……搬送台、２……インサート物装填機構、
３……インサート物移送機構、４……回動アー
ム、５……金型装置、６……型彫空間、１１……
案内部材、１２……インサート物保持部材、１３
……インサート物保持溝、１４……インデツクス
ストツパー案内孔、１７……インサート物保持
棒、２０……インデツクスストツパー、２１……
インデツクス孔、２４……案内桿、２５……クラ
ンプ、２６……内スリーブ、２７……外スリー
ブ、２８……スリーブ昇降部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にインサート物保持溝１３を備え、インデ
   ツクスストツパー案内孔１４が穿設された往復動
   搬送台１と、該搬送台の上方から搬送台直上にま
   で達するように垂設されたインサート物保持棒１
   ７と、前記インデツクスストツパー案内孔に下方
   から挿入係合されるインデツクスストツパー２０
   とを備えたインサート物装填機構２と、前記搬送
   台と金型装置５の間を回動する回動アーム４と、
   該回動アームの下部に設けられたクランプ２５と
   を備えたインサート物移送機構３、とから成る射
   出成形機におけるインサート物供給装置におい
   て、前記インサート物保持棒１７の下端面にイン
   デツクスストツパーの先端と係合するインデツク
   ス孔２１を穿設し、前記回動アーム４下部のクラ
   ンプ取付け位置に前記インデツクスストツパー案
   内孔１４と係合する案内桿２４を垂設したことを
   特徴とする射出成形機におけるインサート物供給
   装置。