JPS6322208B2 - - Google Patents

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JPS6322208B2
JPS6322208B2 JP57150270A JP15027082A JPS6322208B2 JP S6322208 B2 JPS6322208 B2 JP S6322208B2 JP 57150270 A JP57150270 A JP 57150270A JP 15027082 A JP15027082 A JP 15027082A JP S6322208 B2 JPS6322208 B2 JP S6322208B2
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JP
Japan
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resin
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water
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JP57150270A
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English (en)
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JPS59126418A (ja
Inventor
Fumio Hosoi
Takashi Sasaki
Myuki Hagiwara
Yasushi Nanishi
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Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
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Publication date
Application filed by Japan Atomic Energy Research Institute filed Critical Japan Atomic Energy Research Institute
Priority to JP15027082A priority Critical patent/JPS59126418A/ja
Publication of JPS59126418A publication Critical patent/JPS59126418A/ja
Publication of JPS6322208B2 publication Critical patent/JPS6322208B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、水分散用樹脂の製造方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は基本的には、主として
アルコール性水酸基またはフエノール性水酸基を
有する有機化合物とカルボキシル基、イソシアネ
ート基、グリシジル基およびアルデヒド基から成
る群から選択された基を有する有機化合物との付
加または縮合重合によつて得られた飽和重合体お
よびエステル残基に4級化可能なアミン性窒素原
子を1個有するα,β−不飽和カルボン酸エステ
ル含有の四級塩の特定配合比率からなる混合物に
電子線を照射することによつて得られる水分散用
樹脂の製造方法に関する。 ポリエステル樹脂(油溶性アルキツド樹脂)、
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂に代表される加熱反
応型合成樹脂は機械的、電気的、熱的性質などの
諸特性が優れているため、近年その需要は増加の
一途をたどつている。これらの樹脂は通常有機溶
剤を媒体として用いられているが、環境保全、省
資源などの社会的見地から、これらは水分散体へ
と転換が迫られている。このため、これらの樹脂
を水溶化もしくは水分散化させる技術の開発が多
方面において行なわれている。 合成樹脂を水溶化もしくは水性化する技術とし
てはこれまでのところ、(1)樹脂中に水酸基やエー
テル基を多く導入し水溶化させる方法、(2)樹脂中
のカルボキシル基やアミノ基を中和剤で中和し水
溶化させる方法、(3)界面活性剤を用いて、樹脂を
水を主成分とする媒体中に強制的に乳化する方法
(強制乳化法)、(4)重合可能な親水性ビニル化合物
をグラフトする方法(親水基グラフト法)が提案
されている。しかしながら(1)および(2)の方法によ
つて得られる水分媒体は、(1)水溶化させるために
樹脂の分子量が低く、薄層フイルムとした場合、
柔軟性に乏しく機械的および物理的性質などが劣
る、(2)樹脂中に多量の親水基を含むため耐水性が
著しく劣る、などの欠点があり、その用途は著し
く限定されている。また、(3)の強制乳化法によつ
て得られる水分散体は(イ)安定性が悪く、樹脂と水
とが分離し易い、(ロ)多量の界面活性剤を使用する
ため薄膜の耐水性および接着性が悪いのみなら
ず、フイルムから界面活性剤が溶出するなどの欠
点がある。一方、(4)の親水基のグラフト法は水に
対する自己乳化能を付与する点ですぐれている
が、有機溶剤中で反応させるため多量の有機溶剤
を必要とすること、反応操作が複雑であることな
どから具体的な実施方法は比較的少ない。比較的
最近提案されたものとして例えば特開昭53−1228
のように、エポキシ樹脂を有機溶剤中で有機過酸
化物開始剤を用いて水溶性ビニル化合物(α,β
−不飽和カルボン酸)をグラフトし、水に分散さ
せる方法がある。しかしながら、この方法は、(イ)
多量の有機溶剤及び残存モノマーの除去が難かし
い(ロ)グラフト効率が低く、安定性が悪いばかりで
なく、グラフト物と非グラフト物が相分離し易
い。このためフイルム物性の低下をきたす、など
の欠点がある。このような欠点を解決する方法と
して、エポキシ樹脂とカルボキシル基を有する不
飽和単量体を含む重合性単量体群との混合物を電
子線照射してグラフト化し、水分散体とする方法
(特開昭56−32551)が最近提案された。しかしな
がら、この方法により得られるエポキシ樹脂ラテ
ツクスは粒径およびその分布が大きく、保存安定
性に欠けると同時に硬化反応も不均一であり、耐
水、耐溶剤性や物理的性質に劣るという欠点があ
つた。 本発明者等は電子線照射法によりグラフト重合
を行う場合 1 無溶剤または高粘度下での反応が行える。 2 このため高分子量体が生成し、強じんな物性
を付与することができる。 3 グラフト効率が高く、分散能力がすぐれてい
る。 4 熱化学的方法では使用できない重合性単量体
を安定に扱える。 ことなどに着目し、耐水性、耐溶剤性、物理的
性質などにすぐれ、且つ化学的に安定に水分散用
樹脂を得るため鋭意研究した結果、水分散体を得
るには、グラフト重合せしめた樹脂をあらかじめ
少量の溶剤に溶解または膨潤させ、しかる後にア
ルカリ水または酸性水を加えて水分散可能にせし
めるが、分散体の粒径は、少量の溶剤に溶解また
は膨潤せしめた段階ですでに決定されているこ
と、および粒径および粒径分布の小さい水分散体
を得るには、樹脂との相溶性が小さい親水性モノ
マーをグラフト重合せしめておくことが必要であ
ることを見いだした。この推論に基づき、水に不
溶の特定の飽和重合体とエステル残基に4級化可
能なアミン性窒素原子を1個含むα,β−不飽和
カルボン酸エステル含有の四級塩から主として成
る混合物に電子線を照射し固化させたのち、混合
物を適当な溶剤に溶解させ次いで撹拌しながら水
を加えたところ、従来法と異なり粒径が小さく、
安定な水分散体が得られることを見い出した。さ
らに、この水分散体から製造した薄層フイルムは
耐水性耐溶剤性、物理的性質にすぐれているこ
と、および本発明の方法は多くの飽和重合体に適
用し得ることを見い出し、従来技術の欠点を解決
する新しい技術の完成に至つた。本発明の基本的
な方法は特定の飽和重合体(以下、“成分A”と
略記する場合がある)とエステル残基に4級化可
能なアミン性窒素原子を1個含むα,β−不飽和
カルボン酸エステル含有の四級塩(以下“成分
B”と略記する場合がある)から主として成る混
合物を適当な形状にして電子線を照射することか
らなる。 本発明の基本的な方法は上述した通りである
が、本発明の製造方法は“成分A”および“成分
B”から成る系に1分子中にエチレン性不飽和結
合を1個有するラジカル重合性単量体(以下“成
分C”と略記する場合がある)を配合し、適当な
形状にして電子線を照射して飽和重合体を水分散
可能な飽和重合体に改質することによつてもなさ
れる。この際使用される“成分C”は“成分B”
の“成分A”への溶解を助けるために用いられる
ものである。“成分C”を併用することによつて、
得られる樹脂組成物の水分散化はより容易にな
る。 本発明において、混合物に電子線を照射する
と、単量体の一部分は飽和重合体にグラフト重合
し、グラフト重合体、非グラフト重合体、および
非グラフト飽和重合体がミクロに均一に分散した
固体が得られる。 ここでいうグラフト重合体とは、飽和重合体に
アクリル酸およびメタクリル酸の窒素化合物エス
テル類の四級塩がグラフト重合したものであり、
乳化剤として作用し、非グラフト飽和重合体を水
系溶剤中に安定に分散させ得る機能を示す。ま
た、ここでいう非グラフト重合体とは単量体が飽
和重合体にグラフト重合することなく付加重合し
たものであり、水に可溶もしくは分散可能であ
る。したがつて、前述の照射によつて生成した樹
脂組成物はすべて水に分散し得る成分から構成さ
れている。 以下、本発明の内容をさらに詳細に説明する。 本発明でいう飽和重合体(“成分A”)とは、 (1) アルキツド樹脂のうち、飽和2価アルコール
と飽和2塩基酸を主成分として得られる飽和ポ
リエステル樹脂。 (2) ウレタン樹脂のうち、飽和2価アルコールと
飽和ポリイソシアネートを主成分として得られ
るイソシアネートをブロツクした飽和ポリウレ
タン樹脂。 (3) レゾール型フエノール樹脂およびこれを1価
アルコールでエーテル化したレゾール・ブチラ
ール樹脂に代表される飽和ポリフエノール樹
脂。 (4) いわゆるポリビニルブチラール樹脂に代表さ
れるポリビニルアルコールとアルキルアルデヒ
ドとの縮合反応によつて得られるポリアセター
ル樹脂。 である。これらの成分の組成物中の割合は50〜98
重量%である。本発明の必須成分であるエステル
残基にアミン性窒素原子を1個含むα,β−不飽
和カルボン酸エステル含有の四級塩(“成分B”)
とは、エステル残基として、2−N,N−ジメチ
ルアミンエチル基、2−N,N−ジエチルアミノ
エチル基、2−N,N−ジブチルアミノエチル
基、3−N,N−ジメチルアミノプロピル基、2
−N,N−ジブチルアミノプロピル基、3−N,
N−ジブチルアミノプロピル基、2−N,N−ジ
−t−ブチルアミノエチル基、2−N−エチル−
N−(ヒドロキシエチル)アミノエチル基、3−
N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピ
ル基などを有するα,β−不飽和カルボン酸エス
テルにメチルクロライド、エチルクロライドのよ
うな低沸点のハロゲン化アルキルを付加させるこ
とによつて得られるラジカル重合可能な第4級ア
ルキルアンモニウム塩であり、例えば、メタアク
リロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムク
ロライド、3−メタアクリロイルオキシ−2−ヒ
ドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イドなどが例示される。これらの重合物はいずれ
も水を加えることによつて解離し、グラフト重合
体鎖および非グラフト重合体鎖の正の電荷を与え
る。これらの成分の組成物中の割合は、2〜15重
量%であり、好ましくは3〜15重量%である。こ
れは2重量%以下では水への再分散が離しく、ま
た15重量%以上では水分散後の安定性が不良にな
ることによる。 また、その他の重合可能なエチレン性不飽和単
量体としては、飽和重合体と相溶性のあるものが
望ましく、“成分B”の飽和重合体への溶解を助
けるために用いられる。“成分C”を具体的に例
示するとエチレン、β−メトキシスチレン、α−
メチルスチレン、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等である。本発明の製造方法において“成
分C”は48重量%以下の効果的量で使用される。
これは48重量%以上では水分散できないからであ
る。本発明において“成分C”を使用する場合は
“成分A”と“成分C”の混合物を作り、これに
“成分B”を添加する。“成分A”と“成分C”の
混合物を作る際、低分子量の飽和重合体なら低粘
性なので60〜70℃に加温し、通常の撹拌機を用い
て撹拌すれば良く、高分子量の飽和重合体では高
粘性であるためニーダーなどを用いる。この時
100℃以下の適当な温度に加温しても良い。“成分
A”と“成分C”の混合物に“成分B”を添加す
る際、“成分A”と“成分B”との反応が予想さ
れる場合には、この反応を防ぐため50℃以下の温
度に抑えることが望ましい。また、以上の操作は
電子線による反応を促進するために大活性ガスの
存在下で混合することもある。さらに、“成分A”
と“成分C”の混合物に“成分B”を加える際、
アンモニウム塩の多くは、水またはアルコールな
どを含めた極性溶媒にのみ可溶であることから、
均一に混合するため少量の極性溶媒を加えること
は極めて有効である。 “成分A”、“B”、“C”の混合物は厚さ2mmの
シート状にしてポリエステルフイルムなどで被覆
して照射する。シート全体の厚さは用いる電子加
速器の電子線の飛程によつて決定される。電子線
照射にあたつては−50〜50℃の温度で線量率1×
104〜3×106rad/秒、好ましくは0.5〜
25Mrad/秒で全線量5〜50Mrad照射する。照
射温度を限定したのは−50℃以下に冷却すること
は冷却コスト上不利であるばかりか反応速度の低
下を招くからであり、また50℃以上の照射では架
橋反応の恐れがあるからである。線量率は実用的
な装置の性能から限定されるばかりでなく、反応
面からも限定される。即ち、線量率があまりにも
低いと分子量が著しく増大したり、架橋反応が起
こりゲル化するため水分散が不能になる。また、
高線量率では照射に伴う発熱が極めて大きくなる
こと、あるいはラジカル濃度が増大するため再結
合反応が多くなり、反応の制御が困難になつた
り、ゲル化を起こしたりする。線量率は実用的な
装置の性能から限定されるものであるが、照射線
量については5Mrad以下の線量では残存モノマ
ー量が大になり、逆に50Mrad以上の大線量は必
要なくむしろ架橋などの弊害を招く。照射によつ
て得られた固化物は適当な方法によつて平均粒径
1mm以下程度に微粉砕され、有機溶剤に溶解ある
いは膨潤させ、これに水を混合撹拌すると水分散
体が得られる。ここで用いられる有機溶剤は、n
−ブタノール、シクロヘキサノン、ブチルセロソ
ルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)、
テトラヒドロフラン等の1種以上で好ましくは、
n−ブタノールを25重量%以上含むもので、その
組成は用いる“B”および“C”成分の組成に応
じて選択され、その添加量は通常樹脂100重量部
に対して30〜100重量部である。 有機溶剤への溶解、水分散化の操作は50℃以下
の温度で行うことが望ましい。これは、本発明に
おける改質樹脂組成物が、自己硬化性を有する場
合があるからである。加える水の分量は通常粉体
100重量部に対し、30〜700重量部であり、好まし
くは100〜500重量部である。この分散過程で特に
重要なのは前述の電子線照射処理を行つて変性し
た飽和重合体は特に乳化能力にすぐれており、電
子線照射処理していない飽和重合体をも水に分散
できる点にある。このためには、電子線照射処理
した飽和重合体粉末と末処理飽和重合体とをよく
混合し、これに有機溶剤を加えて溶解あるいは膨
潤させたのち、水を加えて撹拌すれば良い。分散
し得る末処理飽和重合体の量は、電子線照射処理
を用いたアクリル酸およびメタクリル酸の窒素化
合物エステル類の四級塩の構造および量、ならび
に照射条件に依存するが、通常電子線処理した飽
和重合体100重量部あたり20〜300重量部である。 以下、実施例および参考例を掲げ、本発明の効
果を一層具体的に解説する。実施例等における配
合、評価方法などは以下の通りである。 1 成分“A”“B”および“C”の配合はすべ
て重量配合である。 2 重合物特性のうちグラフト率の測定は分別法
による。使用溶媒はテトラヒドロフラン、メチ
ルアルコール、四塩化炭素で、幹ポリマーに対
する重量%である。 3 エマルジヨン化における特性のうち、粘度の
値はセンチポイズであり、25℃における値を示
してある。粒子径はストツプド・フロー法によ
る急凝集速度から求めた平均粒子径であり、ミ
クロンで示した。 4 エマルジヨン化特性のうち安定性は目視によ
る沈降性である。この時のエマルジヨンのPHは
すべて6〜8の間にあつた。 実施例 1 撹拌棒、窒素ガス導入管、温度計、および冷却
管を取りつけた300mlの4つ口ガラスフラスコに
合成脂肪酸変性アルキツド樹脂を200g入れ水浴
中で50℃に加温したのち、撹拌しながらこれに10
gのエタノールを加え均一な粘性体とした。次に
これを室温まで冷却したのち取り出し、ニーダー
に入れ、さらに10.1gのメタクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライドを加え、
冷却水を流しながら30分間混線し、成分“A”お
よび“B”が均一に混合した高粘性体を得た。こ
の混合物を厚さ0.1mm、巾30cm角のポリエステル
フイルム2枚の間にはさみ厚さ2mmの円いシート
に成形した。 シート状に成形した試料は、氷浴上でダイナミ
トロン型加速器を使用し、電子線エネルギー
2MeV、電流値6mAの条件で12Mradの線量を照
射し固化させた。固化した試料は粉砕器を用いて
1mm以下の大きさに破砕した。この粉体100gを
500mlのフラスコに入れ、シクロヘキサノン、シ
クロヘキサノール、エチルセロソルブを1対1対
1(重量比)の割合で混合した溶媒70g加え、4
枚羽根撹拌機を使用し室温でかきまぜ溶解させ
た。次いで130gの水を加え激しく撹拌し水分散
体を得た。 この分散体は粘度105.7C.P.粒径0.14μm、であ
り、室温一ケ月放置後も沈殿の生成は認められな
かつた。 実施例 2 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業)を
粉砕器にいれ破砕し200メツシユ以下の微分末と
した。この試料200gにメタクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド14.2gを
エタノール14gとともに加え、次いでニーダーを
用い冷却水を流しながら約1時間混練し、均一な
混合物を得た。 この混合物をポリエチレン袋に入れ、氷浴上で
15Mradの電子線(ダイナミトロン型電子加速
器、電子線エネルギー2MeV、電流値6mA)を
照射した。この時のモノマーの転化率は95%であ
り、またポリウレタン樹脂に対するグラフト率
(重量増加率)は14.5%であつた。 この試料100gを500mlのフラスコに入れ、シク
ロヘキサノン、シクロヘキサノール、エチルセロ
ソルブを1対1対1(重量比)の割合で混合した
溶媒70gを加え溶解させた。次いでこれに水230
gを徐々に加えながら激しく撹拌し水分散を得
た。この分散体は粘度34C.P.粒径0.10μmからな
り、室温一ケ月放置後も沈殿の生成は認められな
かつた。 実施例 3〜6 表−1実施例3〜6は合成脂酸変性アルキツド
樹脂(フタルキツド803−70、日立化成製、油溶
性、酸価<5)について、樹脂および単量体の配
合および配合量を加えて電子線同時グラフト反応
を行つた結果である。 撹拌棒、室素ガス導入管、温度計および冷却管
を取りつけた300mlの4つ口ガラスフラスコに所
定量の合成脂肪酸変性アルキツド樹脂を採取し、
これに第1表に掲げたエチレン性不飽和結合を1
個有する重合性単量体をそれぞれ所定量加えたの
ち64℃の温度で約1時間撹拌し、成分“A”と
“C”が均一に混合した粘性体とした。次に、こ
れを室温まで冷却したのち、所定量のメタクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロラ
イドをエタノール5gとともにこれに加え窒素ガ
スふん囲気中でさらに1時間撹拌し、成分“A”、
“B”、“C”が均一に混合した高粘性の流動体を
得た。この混合物を厚さ0.1mm、巾30cm角のポリ
エステルフイルム2枚の間にはさみ厚さ2mmの円
いシート状に成形した。このシート状混合物を氷
浴上にのせ、ダイナミトロン型電子加速器を使用
し、電子線エネルギー2MeV、電流値6mA(2.7×
106rad/sec)の条件で照射し固化させた。 この被照射物は透明で固いシート状であり、容
易にマイラーフイルムからはがし取ることができ
た。得られた改質樹脂についてのモノマーの転化
率およびアルキツド樹脂に対するグラフト率(重
量増加率)はそれぞれ表−1の通りであつた。次
に粉砕器を用いて被照射物を1mm以下の大きさに
細かく破砕した。この粉体100gを500mlのフラス
コに入れ、シクロヘキサノン、シクロヘキサノー
ル、エチルセロソルブを1対1対1(重量比)の
割合で混合した溶媒をそれぞれ第1表に記載した
量加え、4枚羽根撹拌機を使用し室温でかきまぜ
溶解させた。次いで、精製水を所定量加え激しく
かきまぜ水分散体を得た。水分散体の性質はそれ
ぞれ表−1に記載した通りであり、室温(25℃)
で3ケ月放置後も沈殿の生成は認められず、いず
れも安定であつた。 比較例 1 実施例4に対するグラフト反応をシクロヘキサ
ノン、シクロヘキサノール、エチルセロソルブを
1対1対1(重量比)の割合で混合した溶媒100
中、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)2gを
開始剤として90℃で3時間撹拌を続けた。この後
さらにBPOを10g加えさらに撹拌を続けてグラ
フト重合を完結させた。モノマーの転化率、アル
キツド樹脂に対するグラフト率は表−1の通りで
あり、グラフト率は電子線照射法と比較し低率で
あつた。次にこの試料200gに精製水300gを加え
激しくかきまぜ水分散体を得た。水分散体の性質
は表−1に記載した通りであり、室温(25℃)で
1ケ月放置すると相分離を起こし、電子線法のも
のと比較して分散体の特性が劣ることがわかつ
た。
【表】 実施例 7〜10 実施例3〜6のアルキツド樹脂に加えて市販の
飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績製)、ポリウレ
タン樹脂(日本ポリウレタン工業製)、フエノー
ル樹脂(日立化成製)、ポリビニルブチラール樹
脂(電気化学工業製)のそれぞれを使用し、実施
例4と同じ配合および照射条件でグラフト反応を
行つた。改質樹脂は表−2に掲げた溶剤を使用
し、実施例3〜6と同じ手法によつて乳化したと
ころ、いずれも水分散化できた。これらの結果を
表−2に示す。 比較例 2 実施例10に対応するグラフト反応をブタノー
ル、シクロヘキサン、シクロヘキサノールを2対
1対1の割合(重量比)で混合した溶媒100重量
部、ベンゾイルパーオキサイド2部を開始剤とし
て90℃で7時間行なつた。反応後、これに300重
量部の精製水を加え激げしくかきまぜたところ水
分散体を得た。この水分散体を室温(25℃)で一
ケ月間放置したところ粒子の凝集沈殿物が観測さ
れた。 参考例 実施例10および比較例2で得られたポリアセタ
ール樹脂水分散体をそれぞれブリキ板に塗布した
のち、160℃の温度で20分間乾燥させた。この焼
付けフイルムの性能としてゴバン目剥離試験によ
る付着性を調べた。実施例10および参考例2の試
料のゴバン目剥離試験の結果はそれぞれ100/100
および50/100であり、開始剤法により得たもの
は、電子線法のものと比較して劣り、評価に値い
しなかつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルコール性水酸基またはフエノール性水酸
    基を有する有機化合物とカルボキシル基、イソシ
    アネート基、グリシジル基およびアルデヒド基か
    らなる群から選択された基を有する有機化合物と
    の付加または縮合重合反応によつて得られた飽和
    重合体85〜98重量%およびエステル残基に4級化
    可能なアミン性窒素原子を1個有するα,β−不
    飽和カルボン酸エステル含有の四級塩2〜15重量
    %からなる混合物に、照射温度が−50〜50℃で、
    線量率1×104〜30×106rad/secで全線量5〜
    50Mradの電子線を照射することによつて水分散
    用樹脂を製造する方法。 2 アルコール性水酸基またはフエノール性水酸
    基を有する有機化合物とカルボキシル基、イソシ
    アネート基、グリシジル基およびアルデヒド基か
    らなる群から選択された基を有する有機化合物と
    の付加または縮合重合反応によつて得られた飽和
    重合体50〜98重量%、エステル残基に4級化可能
    なアミン性窒素原子を1個有するα,β−不飽和
    カルボン酸エステル含有の四級塩2〜15重量%、
    およびエチレン性不飽和結合を1個有するラジカ
    ル重合性単量体48重量%以下の効果的量からなる
    混合物に、照射温度が−50〜50℃で、線量率1×
    104〜30×106rad/secで全線量5〜50Mradの電
    子線を照射することによつて水分散性樹脂を製造
    する方法。 3 前記飽和重合体が飽和2価アルコールと飽和
    2塩基酸を主成分として得られる加熱反応型飽和
    ポリエステル樹脂(加熱反応型アルキツド樹脂)
    である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の方
    法。 4 前記飽和重合体が飽和2価アルコールと飽和
    ポリイソシアネートを主成分として得られる加熱
    反応型ポリウレタン樹脂である特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の方法。 5 前記飽和重合体が加熱反応型フエノール樹脂
    である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の方
    法。 6 前記飽和重合体がポリビニルアルコールとア
    ルキルアルデヒドとの反応によつて得られる縮合
    物である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5462294A (en) * 1977-10-28 1979-05-19 Dainippon Ink & Chem Inc Preparation of modified copolymer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5462294A (en) * 1977-10-28 1979-05-19 Dainippon Ink & Chem Inc Preparation of modified copolymer

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