JPS63219468A - タンデム型マスタシリンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ１発明の目的 （１）産業上の利用分野 本発明はタンデム型マスタシリンダ、特に、第１及び第
２油溜を備えたシリンダ本体と、このシリンダ本体のシ
リンダ孔に摺合されてその前端壁との間に前部油圧室を
画成する前部プランジャと、この前部プランジャとの間
に後部油圧室を画成するように前記シリンダ孔に摺合さ
れる後部プランジャと、前部プランジャを後退方向へ付
勢する前部戻しばねと、後部プランジャを後退方向へ付
勢する後部戻しばねと、シリンダ本体に装着されて前部
プランジャの外周面にリップを密接させる前部一方向シ
ール部材と、シリンダ本体に装着されて後部プランジャ
の外周にリップを密接させる後部一方向シール部材とか
らなり、前部プランジャには、それが所定の後退限にあ
るとき前部一方向シール部材の直後で第１油溜及び前部
油圧室間を連通ずる前部リリーフポートを穿設し、また
後部プランジャには、それが所定の後退限にあるとき後
部一方向シール部材の直後で第２油溜及び後部油圧室間
を連通ずる後部リリーフポートを穿設したマスタシリン
ダの改良に関する。

（２）従来の技術 この種タンデム型マスタシリンダは、例えば特開昭５８
−１６９５２号公報に開示されているように、既に知ら
れている。

（３）発明が解決しようとする問題点 従来のタンデム型マスタシリンダでは、前部プランジャ
の正規の後退位置から後方への異常後退について考慮が
払われていない。即ち、万一、後部戻しばねにへたりや
破損が生じると、前部プランジャは前部戻しばねの力に
より後部プランジャの前端に当接するまで大きく後退す
ることがあり、この場合、従来のものでは、前部プラン
ジャが前部一方向シール部材から後方へ抜は出てしまう
。

こうなると、次に前部油圧室に油圧を発生すべく前部プ
ランジャを急速に前進させた場合、該プランジャが前部
一方向シール部材を再び貫通するとき、そのリップを先
端縁で傷つけたり、そのシール部材をシリンダ本体から
離脱させたりする慣れがある。

本発明は、そのような不都合を未然に防止し得る前記タ
ンデム型マスタシリンダを提供することを目的とする。

Ｂ１発明の構成 ｆｌｌ　　問題点を解決するための手段上記目的を達成
するために、本発明は、前部及び後部プランジャが共に
所定の後退限にあるとき、前部一方向シール部材からの
前部プランジャの前方突出長さを、両プランジャの間隔
より大きく設定したことを特徴とする。

（２）作　用 上記構成によれば、前部プランジャが正規の後退位置か
ら後部プランジャの前端に当接するまで異常後退した場
合でも、前部プランジャは前部一方向シール部材から抜
は出すことがない。したがって、前部一方向シール部材
は常に前部プランジャとの適正な密接状態を保つことが
できる。

（３）実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する。

第１図ないし第３図において、Ｍは自動車の２系統式油
圧ブレーキ用のタンデム型マスタシリンダで、そのシリ
ンダ本体１は、図示しない車体に支持される負圧ブース
タＢのブースタシェル２前面に後端部を固着される。

シリンダ本体ｌの上側には補助油溜筒３が一体に連設さ
れ、それに主油溜筒４が連結される。主油溜筒４は上端
にキャップ５を有し、また内部にはキャップ５に支持さ
れる公知の油面レベルセンサ６を備えている。

補助油溜筒３の内部は隔壁７により第１及び第２油溜り
、８ｚに区画され、これら油溜８１゜８ｚはそれぞれ主
油溜筒４から作動油を補給される。

第１及び第２油溜８８，８□はそれぞれ通孔９１．９□
を介してシリンダ本体１のシリンダ孔１０と連通される
。シリンダ孔１０は、前端を閉じた第１孔１０ａ１この
第１孔１０ａより大径でその後端に連なる第２孔１０ｂ
、この第２孔１０ｂより大径でその後端に連なる第３孔
１０Ｃ１及びこの第３孔１０ｃより大径でその後端に連
なり且つ後端を開放した第４孔１０ｄとからなっており
、第２孔１０ｂ及び第３孔１０ｃ間の段部に前部隔壁カ
ラー１２．が嵌合され、このカラー１２１の後面に当接
するスリーブ１３が第３孔１０Ｇ及び第４孔１０ｄにか
けて嵌合され、このスリーブ１３の１１ｔ端に当接する
後部隔壁カラー１２□及びこのカラー１２□の後面に当
接する軸受プツシユニ４が第４孔１０ｄに嵌合され、そ
して軸受ブツシュ１４の後面を押える環状の押えねじ１
５が第４孔１０ｄの後端部より螺着される。

スリーブ１３は、その外周面により、前部通孔９１に連
なる前部環状油室１１１を第３孔１０ｃに画成し、また
前記通孔９ｔに連なる後部環状油室１１ｇを第４孔１０
ｄに画成する。

スリーブ１３には前後一対のプランジャ１６゜、１６□
が摺動され、前部プランジャ１６．と第１孔１０ａの前
端壁間に前部油圧室１７．が画成され、両プランジャ１
６＋、１６ｇ間に後部油圧室１７８が画成される。これ
ら油圧室１７．．１７、は、シリンダ本体１の前、後部
出力ボート１８、．１８．を介して２系統の各ブレーキ
油圧回路と連通される。

後部プランジャ１６アの後端は、後部隔壁カラー１２を
及び軸受ブツシュ１４を貫通してシリンダ本体１の後方
へ延び、さらにブースタシェル２の前壁を貫通して負圧
ブースタＢの出力杆１９と連接する。

この後部プランジャ１６．が貫通するブースタシェル２
の透孔２０からその内部の負圧が漏洩するのを防止する
ために、後部プランジャ１６ｇの外周面にリップを密接
させるシール部材２１がシリンダ本体１及びブースタシ
ェル２間に挟持される。

後部油圧室１７ｇ及び後部出力ボート１８□間を連通ず
るために、スリーブ１３には、その内周面を走る軸方向
溝２３、横孔２４、及び外周面を走る環状溝２５が設け
られる。

後部プランジャ１６□の外周溝２６には、１つの切口２
７を持つストッパ環２８が装着される。

このストッパ環２８は、後部プランジャ１６！の外周面
より外方へ突出する１個または複数個の突起２８ａを備
え、この突起２８ａがスリーブ１３の前記軸方向溝２３
に係合される。その軸方向溝２３の後端はスリーブ１３
と一体のストッパ壁２９により閉じられており、このス
トッパ壁２９に上記突起２８ａが当接することにより後
部プランジャ１６□の所定の後退限が決定される。

後部プランジャ１６．の前端面には、該プランジャ１６
□を後退方向に付勢する後部戻しばね３０□を受容する
存底のばね保持孔３１□が設けられる。また、後部プラ
ンジャ１６ｇには、ばね保持孔３１ｇの端壁から一定長
さ軸方向に突出するボルト３２が螺着され、このボルト
３２には後部戻しばね３０□の前端を支承するハツト形
のばね保持筒３３が一定のストローク範囲で摺動自在に
連結される。

後部隔壁カラー１２□には後部環状油室１１ｇに連なる
放射状溝３４ｔが形成され、この溝３４２からスリーブ
１３の軸方向溝２３への油の流れを許容する後部一方向
シール部材３５□が、そのリップを後部プランジャ１６
□の外周面に密接させてスリーブ１３後端部に装着され
る。

またスリーブ１３の後端部には後部一方向シール部材３
５□の前端部を保持するリテーナ３６ｔと、後部一方向
シール部材３５□及び後部隔壁カラーｙ２□間に挿入さ
れるスペーサ３７ｇとが装着される。

後部プランジャ１６．には、それが所定の後退限にある
とき、後部一方向シール部材３５８の直後で放射状溝３
４□及びばね保持孔３１間を連通ずる後部リリーフポー
ト３８．が穿設される。

また軸受ブツシュ１４には後部プランジャ１６２の外周
面にリップを密接させるシール部材３９２が装着される
。

一方、前部プランジャ１６１の前端は、前部隔壁カラー
１２．を貫通して第１孔１０ａまで延びており、その前
端面には、前部プランジャ１６゜を後退方向に付勢する
前部戻しばね３０１を受容する有底のばね保持孔３１１
が設けられる。前部プランジャ１６．の所定の後退限は
、その後端が伸長位置の前記ばね保持筒３３に当接する
ことにより決定される。

この場合、前部戻しばね３０．は、ばね保持筒３３を所
定の伸長位置に留めるように、そのセット荷重を後部戻
しばね３０ｔより弱く設定される。

前部プランジャ１６．のばね保持孔３１、は、該プラン
ジャ１６＋が第１孔１０ａの前端壁に当接するまで前進
するとき、前部戻しばね３０ｔ全体を確実に収容し得る
ように、前方過半部３１゜ａが拡径されている。そのよ
うな拡径は、第１図に示すように段状にしてもよく、ま
た第５図に示すようにテーパ状にしてもよい。

前部隔壁カラー１２＋には、前部環状油室１１、に連な
る放射状溝３４．が設けられており、この溝３４＋から
前部油圧室１７＋への油の流れのみを許容する前部一方
向シール部材３５１が、そのリップを前部プランジャ１
６＋　の外周面に密接させて第２孔１０ｂに装着される
。

第２孔１０ｂには、また、前部一方向シール部材３５．
の前端部を保持するリテーナ３６．と、該シール部材３
５１及び前部隔壁カラー１２．間に挿入されるスペーサ
３７．が装着される。

前部プランジャ１６．には、それが所定の後退限にある
とき、放射状溝３４．及びばね保持孔３１１間を連通ず
る前部リリーフポート３８Ｉが穿設される。

またスリーブ１３の前端部には、前部プランジャ１６．
の外周面にリップを密接させるシール部材３９１が装着
される。

ここで、前、後部プランジャ１６．，１６□がそれぞれ
所定の後退位置を占めるとき、前部プランジャ１６．の
前部一方向シール部材３５．がらの前方突出長さをＩｌ
ｌ、両プランジャ１６．，１６□の間隔を１２とすれば
、 １、＞１゜ と設定される。

次にこの実施例の作用を説明する。

いま、負圧ブースタＢを作動してその出力杆１９を前進
させれば、それに押圧されて両プランジャ１６．，１６
□がそれぞれ対応する戻しばね３０、．３０□を圧縮さ
せながら前進する。そして、前部プランジャ１６１のリ
リーフポート３８１が前部一方向シール部材３５．の前
方に移行すると、前部プランジャ１６１の前進力に応じ
て前部油圧室１７．に油圧が発生し、また後部プランジ
ャ１６□のリリーフポート３８□が後部一方向シール部
材３５□の前方へ移行すると、後部プランジャ１６□の
前進力に応じて後部油圧室１７□に油圧が発生する。

こうして前部及び後部油圧室１７＋、１７ｇに発生させ
た油圧は対応する出力ボート１８１．１８□から出力さ
れ、２系統の油圧ブレーキを同時に作動させ、自動車に
制動をかけることができる。

制動を解除すべく、負圧ブースタＢを不作動状態に戻せ
ば、各プランジャ１６＋、１６ｚは対応する戻しばね３
０１，３０！の反発力によりそれぞれ所定の後退限に戻
されるが、その後退過程で各油圧室１７．，１７□が減
圧すれば、対応する一方向シ・−ル部材３５．，３５□
のリップが前後の圧力差によりそれぞれ油圧室１７１．
１７□側へ撓むため、第１油溜８１の作動油が、通孔９
゜、前部環状油室１１８、放射状溝３４＋及び前部一方
向シール部材３５１のリップの内側を通して前部油圧室
１７．に補給され、また第２油溜８□の作動油が、通孔
９□、後部環状油室１１□、放射状溝３４□、後部一方
向シール部材３５□のリップの内側及び軸方向溝２３を
通して後部油圧室１７□に補給される。

このとき、各油圧室１７１．１７□に作動油の過剰補給
が行われると、その過剰分は、各プランジャ１６１，１
６．が後退限に戻ったとき、各リリーフポート３Ｌ、３
８ｇから油溜８．．８□側へ放出される。

ところで、前、後部プランジャｉｓ＋、ｔ６ｇの後退時
、後部戻しばね３０．がへたりや破損により本来のばね
機能を失った場合を想定すると、前部プランジャ１６＋
　は、第４図に示すように、前部戻しばね３０．の力に
より後部プランジャ１６□の前端に当接するところまで
後退する。

即ち、前部プランジャ１６．は正規の後退限より距離１
２だけ余分に後退することになるが、前部プランジャ１
６１は、正規の後退限では、前部一方向シール部材３５
．より前方へ距離１２より大なるｌ、だけ前端を突出さ
せているので、上記のような異常後退時でも、前部プラ
ンジャ１６゜が前部一方向シール部材３５１から後方へ
抜は出すことはなく、前部一方向シール部材３５１を前
部プランジャ１６．との適正な密接状態に維持し得る。

したがって、前部プランジャ１６＋を再び前進させれば
、前部油圧室１７．に油圧を確実に発生させることがで
きる。

Ｃ０発明の効果 以上のように本発明によれば、前部及び後部プランジャ
が共に所定の後退限にあるとき、前部一方向シール部材
からの前部プランジャの前方突出長さを、両プランジャ
の間隔より大きく設定したので、前部プランジャが万一
、正規の後退位置から後部プランジャの前端に当接する
まで異常後退しても、前部プランジャの前部一方向シー
ル部材からの抜は出しを確実に防止し、前部一方向シー
ル部材を前部プランジャとの適正な密接状態に常に保つ
ことができ、したがって前部プランジャの再前進時には
前部一方向シール部材を傷つ、けたり離脱させたりする
ことなく、前部油圧室に油圧を確実に発生させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図はタンデ
ム型マスタシリンダの縦断側面図、第２図は第１図のｎ
−ｎ線断面図、第３図は要部の分解斜視図、第４図は作
動説明図、第５図は第１図の一部の変形例を示す断面図
である。 Ｍ・・・タンデム型マスタシリンダ ト・・シリンダ本体、８１．８ｔ・・・第１．第２油溜
、１０・・・シリンダ孔、１６１，１６＊・・・前、後
部プランジャ、１７＋、１７ｇ・・・前、後部油圧室、
１８、．１Ｂ□・・・前、後部出力ボート、３０１゜３
０□・・・前、後部戻しばね、３５．．３５□・・・前
。 後部一方向シール部材、３８．．３８□・・・前、後部
リリーフポート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 第１及び第２油溜を備えたシリンダ本体と、このシリン
   ダ本体のシリンダ孔に摺合されてその前端壁との間に前
   部油圧室を画成する前部プランジャと、この前部プラン
   ジャとの間に後部油圧室を画成するように前記シリンダ
   孔に摺合される後部プランジャと、前部プランジャを後
   退方向へ付勢する前部戻しばねと、後部プランジャを後
   退方向へ付勢する後部戻しばねと、シリンダ本体に装着
   されて前部プランジャの外周面にリップを密接させる前
   部一方向シール部材と、シリンダ本体に装着されて後部
   プランジャの外周にリップを密接させる後部一方向シー
   ル部材とからなり、前部プランジャには、それが所定の
   後退限にあるとき前部一方向シール部材の直後で第１油
   溜及び前部油圧室間を連通する前部リリーフポートを穿
   設し、また後部プランジャには、それが所定の後退限に
   あるとき後部一方向シール部材の直後で第２油溜及び後
   部油圧室間を連通する後部リリーフポートを穿設した、
   タンデム型マスタシリンダにおいて、前部及び後部プラ
   ンジャが共に所定の後退限にあるとき、前部一方向シー
   ル部材からの前部プランジャの前方突出長さを、両プラ
   ンジャの間隔より大きく設定したことを特徴とする、タ
   ンデム型マスタシリンダ。