JPS63216944A - 一方向性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板 - Google Patents

一方向性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板

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JPS63216944A
JPS63216944A JP4806887A JP4806887A JPS63216944A JP S63216944 A JPS63216944 A JP S63216944A JP 4806887 A JP4806887 A JP 4806887A JP 4806887 A JP4806887 A JP 4806887A JP S63216944 A JPS63216944 A JP S63216944A
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grain
silicon steel
plate
coarse
single crystal
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JP4806887A
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English (en)
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Akira Sakakura
坂倉 昭
Hisayoshi Kanesashi
金刺 久義
Eiki Takeshima
鋭機 竹島
Toshiharu Kikko
橘高 敏晴
Yuji Tomizuka
富塚 雄二
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた磁化特性と低い鉄損値をもつ一方向性
珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板に関する。
〔従来の技術と問題点〕
方向性珪素鋼板は主としてトランス、その他の電気機器
のコア材料として使用されるので、磁化特性と鉄損特性
が重要である。
珪素鋼板は1通常は2次再結晶過程を経る冷延・再結晶
プロセスの組み合わせにより製造され。
圧延方向に磁化容易軸の< 100 >軸を略々有する
2次結晶粒からなる。これには、圧延方向だけに< 1
00 >軸をもつ(110) (001)型の一方向性
珪素鋼板と、圧延方向およびこれと直交する方向に< 
100 >軸を有する(100) (001)型の二方
向性珪素鋼板が周知である。いずれにしても、方向性珪
素鋼板は普通は2次再結晶によって得られた平均1oI
ls前後或いはそれ以下の結晶粒からなり、その(11
0) (001)方位、 (100) (001)方位
の集積度を高めることにより磁化特性は理論値に向けて
向上する。この場合、2次再結晶粒からなる後者の二方
向性珪素鋼板を工業的に製造することは困難であること
から一方向性珪素鋼板がもっばら製造され使用されてい
る。
一方、単結晶板であれば1例えば磁化容易軸である< 
100 >軸を圧延方向にもつ単一の単結晶からなる単
結晶板であれば、磁化特性は理論値に近いものが得られ
9例えば圧延方向における10エルステッドの磁束密度
B10が19500ガウスを超えるような高磁束密度の
方向性珪素鋼板となる。また単一の単結晶のみならず9
例えば面内直径が30111ff1以上の結晶群からな
る粗大結晶粒板であっても各単結晶の面内直径が大きい
ものであればあるほど各単結晶の方位の集積度を高めれ
ば、やはり高磁束密度の方向性珪素鋼板が得られる。後
記に詳述するが2本発明のように10エルステッドの磁
束密度B10が19500ガウスを超えるような高磁束
密度のものを得るには結晶粒の面内直径が30mm以上
を必要とする。
しかし、このような単結晶板および粗大結晶粒板のよう
に結晶粒が大きなものでは鉄損値が高くなる。すなわち
、磁化特性の向上と鉄損特性の向上に対する冶金学的対
応は一面で矛盾したものである。特に磁化特性の極限を
追求するため特殊な製造法によって(110) (00
1)で代表される(hkl)(001)型方位の単結晶
板を用いる場合には、最高の磁化特性が得られる代わり
に鉄損特性は逆に最悪となる。
今、全鉄損値を基本的な面から解析すると次の様になる
ヒステレシスを員 ■結晶方位CB+o特性) ■純度(特にC,N、S、O) ■内部歪 古典的渦電流損 ■比電気抵抗(S i il ) ■板厚 異常渦電流損 ■磁区中(結晶粒度) ■弾性張力 ■スクラッチ効果 本発明者らの研究(例えばCharacteristi
cs ofMagnetic Properties 
of Grain 0riented Si−Pewi
th  High  Permeability、  
 Jounal  of  AppliedPhysi
cs、 Vol、40. No、3.1969.)によ
れば、ヒステレシス損は結晶方位の集積度すなわち磁化
特性B、が高くなると直線的に低下し、理論値すなわち
(110) (001)型単結晶において最も低くなる
しかし、一方で集積度の向上は結晶粒の粗大化をもたら
し、これが異常渦電流損の増加を招き、理論方位の単結
晶において最高となる。
珪素鋼板の純度がヒステレシス損に及ぼす影響について
は古くから公知の事実であり、ここでは述べないが、特
にC,N、S、O等の不純物を出来る限り低くしないと
いけない。
内部歪がヒステレシス損に及ぼす影響についても古くか
ら知られた公知の事実であり、珪素鋼板に限らず磁性材
料一般においては、加工、即ち切断、スリット、打ち抜
き、鉄心捲き加工等の後で歪取焼鈍を行うのはこのため
である。
以上の要因をもとにヒステレシス頃は次の式で表される
古典的渦流…は珪素鋼板内の磁化が一様に変化するとし
て計算されたもので次の式で表される。
π261 BlIZ fR 実用単位式では。
ρ  D ただし、d;板厚、f;周波数、B、;磁束密度ρ;比
抵抗、D;密度。
したがって、渦電流損を下げるには、材料面での対策と
しては比抵抗ρを高くシ、板厚dを薄くする。Si含有
量を出来る限り高くするのはρを高くするためであるが
、Stが4%を超えると冷延が出来ないので、これ以上
は増やせない0本発明者らの研究(The Devel
opement of Grain 0ri−ente
d  5ilicon  5teel  with  
High  Permeabjlity。
Journal of Magnetism and 
Magnetic Materials2(1976)
、 121.)においても鉄損値に対するSlの効果お
よび板厚の効果は明らかにされている。
次に渦電流損失を、珪素鋼板内の磁化が磁壁の移動によ
って進むと考えて計算すると次の式で示される。
v;磁壁の移動速度、2L;磁区の巾+Ci光速。
これを実用単位式で示すと。
WPI−1,628Wc+(2L/d)   ・・・2
L/d> 1となり、 2L/dが1より大きい場合は
渦電流損W□は古典的に与えられた渦電流損we+の1
.63(2L/d)倍となる。磁区の巾が限りなく小さ
くなると異常渦電流損が零に近づきW、はWcLに一致
する。つまり、異常渦電流損は磁区に帰因するもので、
鉄損の減少のためには磁区の巾を小さくせねばならない
これは、現象的には結晶粒度の微細化が大きな効果をも
つ、この点は2本発明者らの研究(同上Journal
  of  Magnetism  and  Mag
netic  Materials2(1976)、 
121.)でも明らかにされている。
しかし、前述のように、結晶粒の微細化は磁化特性の劣
下につながる傾向が強いため、高集積度の粗大結晶であ
っても尚異常渦流損を少なくする各種の方法が考えられ
てきた0例えば特公昭58−5968号公報では上記の
方向性珪素鋼板の表面に小球を押圧して深さ5μ以下の
凹みを形成することにより歪を付与し磁区の細分化を行
うことを提案し1また特公昭58−26410号公報で
は同上鋼板の表面にレーザー照射による痕跡を少なくと
も一ケ形成せしめて磁区細分化により鉄損を低くするこ
とを提案している。また、古くはU S P2,234
.968号やU S P 3,647,575号のよう
にブラシによる5urface abrasionやカ
ッターによるgroovingで磁歪や鉄損値を下げる
方法が提案されている。これらはいずれも磁区を細分化
することにより磁気特性を向上させるのがねらいである
また、結晶表面に弾性張力を付与することも有効である
。例えば本発明者らの研究(MagneticProp
ert’res of Grain 0riented
 5ilicon Steelwith High I
’armeabillLy 0rlentcore I
f−B、 IEEETrans、on Magneti
cs Vol、MAG−L No、3. Sep、19
72゜677、 ’) によれば、結晶方位が理論値に
近づく場合(単結晶の場合)弾性張力効果が1.5kg
/ms”以上であれば全鉄損値が半分以下に減少する。
また。
白木等の研究(一方向性珪素鋼板の鉄損、応用物理、第
471!、第2号(1978)、 156)によれば(
110)(001)型の高集積度、粗大結晶粒の珪素鋼
板においてスクラッチ方式により5urface Ab
rasionが全鉄損を大巾に向上させ、これが張力効
果と相まって著しく磁区中を小さくしていることが証明
された。また野澤等の研究(Production o
f SjnglaCrystal 3χ5t−Fe 5
heet with 0rientation Nea
r(110) (001) 、 Journal of
 Magnetize and Mag。
Materials 58(1986) 67、)によ
ってもこの磁区の変化と磁気特性との関係が明らかにさ
れた。
以上のような考え方に基づき、現在市販の方向性珪素鋼
板は製造プロセスの最終仕上焼鈍で生成するグラス皮膜
と張力コーテング(例えば特開昭48−39338号公
報)とによって弾性張力効果が与えられ、また一部は特
公昭58−26410号公報に提案されたようなレーザ
ー照射によるスクラッチ効果として機械的磁区制御が行
われているのである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のようにして得られた低鉄損材料も焼鈍すると磁区
の細分化効果が失われ5例えば捲鉄心を製造する場合の
歪取り焼鈍では鉄損改善効果が消失してしまう問題があ
る。
さらに、近年では省エネルギーの観点から珪素鋼板の鉄
損を改善する一般的な方法として板厚を薄くする傾向に
あり、従って積層鉄心を構成する場合に全体積に占める
珪素鋼板自身の体積即ち占有率が低下する問題がある。
JISC−2553ではこの占有率を0.35m−厚で
95%以上、 0.30細−厚で94%以上と定めてい
るが、最近は0.28+nm厚、 0.2311111
厚。
0.18++m厚、 0.15mm厚と薄手化してきて
おり、これら薄手に対しても94%以上の占有率が確保
出来れば鉄心の小型化に極めて有利となる。
また、従来の方向性珪素ll1il仮では鉄心に積層す
る場合の眉間抵抗を確保するため、製造プロセスの最後
に行われる仕上焼鈍で生成するセラミックス系のグラス
皮膜に加え、燐酸系、燐酸−クロム酸系の絶縁コーティ
ングを付加するのが9iI!であるが、これらコーティ
ングの眉間抵抗は歪取り焼鈍後にかなり劣下することか
lIi i=されている。
例えば 燐酸系  燐酸+クロム酸系 グラス被覆まま 数Ω−011117枚  数Ω−cm
”7枚コーティング後50Ω−cm”/枚  10Ω−
cIIlz/枚歪取焼錬(N2)後100Ω−cm″7
枚  10Ω−CIlz/枚同(N2+l1z)後 5
.0Ω−am”/枚  0〜50Ω−cm”7枚占有率
     97%       97%となっており、
特にH!雰囲気中での劣下が目立つ(注;歪取焼鈍は8
00℃x4Hrs) *更に、従来の方向性珪素鋼板で
は仕上焼鈍前に主としてマグネシア粉からなる焼付防止
剤を塗布して珪素鋼板表面にシリカ膜と反応して生ずる
グラス皮膜を生成させ、これによって鋼板表面に張力効
果を付与しているが、この仕上焼鈍時にBIO特性が1
9500ガウス以上で面内直径が30Iw11以上とい
う高集積度の粗大結晶粒を得る場合には(単結晶の場合
も同様)、粗大結晶粒であるが故に悪化する異常渦電流
損を解決する弾性張力を生むためのグラス皮膜の生成を
同時に好ましい方向に起こさせることは非常に困難であ
ることがわかってきた。
このようなことから、将来の方向としては。
仕上焼鈍では(110) (001)型で代表される(
hkl)(001)型の高集積度粗大結晶粒の生成、お
よび仕上焼鈍後に鉄損値、特に異常渦電流損を最低にす
るに必要十分な磁区制御効果の付与、の2つに分離する
ことが考えられる。
この場合、磁区制御効果の付与は出来得れば唯一回の工
程で行えることが望ましく、シかも層間絶縁抵抗、鉄損
共に歪取焼鈍に耐えられる性能を与え得ることか望まし
い。
本発明は以上のような方向性珪素鋼板に関する技術的背
景並びに問題点と要望に立脚してなされたものである。
〔問題点を解決する手段〕
本発明者らは前記を目的として系統的な研究を行ってき
たが、ここに、高集積度の粗大結晶粒の。
極端な場合には単結晶の、異常渦電流損を低下させる対
策、即ち、磁区の巾を減少させる対策は。
■結晶方向性、■弾性張力効果、■機械的磁区制御の3
つの要因の組み合わせであることを見出した。特に結晶
方向性(つまり磁化特性)が良好な場合に弾性張力効果
と機械的磁区制御による異常渦電流損の低下効果が顕著
に現れることを見出した。すなわち、■十〇、■+■+
■の組み合わせによって異常渦電流損の低下効果が顕著
に現れることがわかった。このような知見事実に基づき
本発明は、(1)圧延方向に実質的に<IQQ>軸をも
つ一方向性珪素鋼板であって、該鋼板が一つの単結晶か
らなるかまたは平均30mm以上の面内直径をもつ粗大
結晶粒からなり且つ圧延方向における10エルステッド
の磁束密度B10が19500ガウス以上である一方向
性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板の表面に、 10
kg/mm”以下の弾性張力をもつ厚さがlθμ以下の
金属化合物のドライコーティング層を形成させてなる一
方向性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板、(2)圧延
方向に実質的に< 100 >軸をもつ一方向性珪素鋼
板であって、該鋼板が一つの単結晶からなるかまたは平
均30mm以上の面内直径をもつ粗大結晶粒からなり且
つ圧延方向における10エルステッドの磁束密度B10
が19500ガウス以上である一方向性珪素鋼単結晶板
または粗大結晶粒板の表面に、該鋼板の圧延方向とは直
交する方向に狭間隔の線状疵を付与したうえで、 10
kg7am”以下の弾性張力をもつ厚さが10μ以下の
金属化合物のドライコーティング層を形成させてなる一
方向性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板、および(3
)圧延方向に実質的に< 100 >軸をもつ一方向性
珪素鋼板であって、該鋼板が一つの単結晶からなるかま
たは平均30Imm以上の面内直径をもつ粗大結晶粒か
らなり且つ圧延方向における10エルステッドの磁束密
度B10が19500ガウス以上である一方向性珪素鋼
単結晶板または粗大結晶粒板の表面に、 10kg/m
m”以下の弾性張力をもつ厚さが10μ以下の金属化合
物のドライコーティング層を形成させたうえで、該鋼板
の圧延方向とは直交する方向に狭間隔の線状疵を付与し
てなる一方向性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板、を
提供するものである。
以下に本発明の内容を具体的に説明する。
本発明では、先ず第一に極めて優れた結晶方向性(磁化
特性)の方向性珪素鋼板素材を対象とする。具体的には
圧延方向に実質的に< 100 >軸をもつ一方向性珪
素鋼板であって、該鋼板が一つの単結晶からなるかまた
は平均3011Im以上の面内直径をもつ粗大結晶粒か
らなり且つ圧延方向における10エルステッドの磁束密
度B10が19500ガウス以上である一方向性珪素鋼
単結晶板または粗大結晶粒板素材を対象とする。
このような鋼板素材自体の製造は本発明者らが既に提案
した方法、特公昭46−23820号公報の方法によっ
て製造可能であるが、更に究極の結晶方向性(単結晶板
)を目標とする場合には米国特許第2.700,006
号明細書(連続焼鈍法による単結晶鋼帯の製造法)に示
される技術、或いは前述の野澤らによる方法(箱焼鈍法
による粗大結晶粒鋼帯の製造法)と組み合わせることに
より可能である。
例えば、特公昭46−23820号公報、特公昭38−
1459号公報に示される最後の仕上焼鈍において米国
特許第2,700.006号明細書や野澤等の技術を適
用すればよい。
本発明ではかような結晶方向性の優れた一方向性珪素鋼
単結晶板または粗大結晶粒板素材の表面(素材の金属表
面)に、 10kg/mm2以下の弾性張力をもつ厚さ
が10μ以下の金属化合物の極薄のドライコーティング
層の形成(張力付与)によって磁区制御を行うのであり
、そしてこの張力付与に加えて、ドライコーティングの
前または後に鋼板の圧延方向とは直交する方向に狭間隔
の線状疵を付与(機械的磁区制?II)することを特徴
とする。
ここで、金属化合物の極薄のドライコーティング層とは
、金属の窒化物、炭化物、酸化物を最近の薄膜コーティ
ング技術5例えばイオンブレーティング、イオンプラン
チーシラン、 CVD(Chea+IcalVapor
izjng Deposition)+ マグネトロン
スパッタリング等を適用して素材の金属表面に直接的に
強固に形成させた10μ以下の店を言う。これらのコー
テイング物質は一部を除きそれ自体が高い電気抵抗を有
し、したがって5μ以下の薄いコーティングでは十分高
い眉間絶縁抵抗を示すと同時に積層した場合の占有率を
大きく向上させることができる。このドライコーティン
グ層を形成するためのコーテイング物質の具体例として
は、近年のニューセラミック材料の開発に伴なって薄膜
コーティングが出来るようになった1例えば、V、Nb
Ta、St、Ti+Zr+HLTh+B+Al、Sc、
Y+La等の窒化物HB、Hf、Mo+Nb+Sl+T
a+Tl+、TitIJ、V、W、Zr等の炭化物;ま
たはal、BetCa、Hf、La、Mg+Th、U、
Y、Zr、Ba、Fe、Si。
Sr等の酸化物冨もしくはこれらの複合金属化合物であ
ることができる。その代表的な例としては。
S iC+  S i2 N g、八l N、A I 
go3. B N、 Bed。
TiN、Ti0t、ZrNなどの化合物が挙げられるが
、これに限られるものではない。
本発明者らはこれらの中から特に対照的な2つの化合物
、AINとTiNについて詳細な実験を行った。AiN
は珪素鋼板に与える張力効果は小さいが電気抵抗、耐電
圧に優れていること、TiNは該張力効果は非常に大き
いが電気抵抗が殆どないこと等において対照的である。
なお、こうした窒化物自身が電気抵抗が一般に低いと言
っても例えばマグネトロンスパッタリング法等では基板
を常温とした上でZrやTiのターゲットに窒素分圧を
高くしてスパッタリング蒸着すれば電気抵抗値が6〜7
桁上昇するという報告もなされている。
以下に1本発明の一方向性珪素鋼単結晶板または粗大結
晶粒板の特性を、ドライコーティング層としてAINと
TiNを用いた場合の試験例を代表例として具体的に説
明する。
以下の試験において、ドライコーティング層の形成はア
ーク放電型イオンブレーティング法によって行った。そ
のコーティング条件の一例を挙げるとAINの場合1次
の通りである。
基板温度:400℃、基板バイアス: −2O0V。
イオン化電圧: 55V、  イオン化電圧:2A。
熱電子フィラメント電流i 55A。
Nz分圧:  4 X 10−’Torr。
また、圧延方向とは直交する方向に狭間隔の線状疵の付
与(機械的な磁区制御のためのスクラッチ)は前述の野
澤らの方法を採用し、スクラッチの間隔は5@鋼とした
。測定値B10(ガウス)は10エルステッドの磁束密
度、 Wl7/S。(w/kg)は50サイクル、 1
7000ガウスにおける鉄損値を表す。
試験例I CF 0.045%、Si:3.02%、酸可溶AJ:
0.026%、  S : 0.026%を合釘する小
型鋼塊を溶製したあと、特公昭46−23820号公報
に記載の方法に従って熱間圧延−焼鈍−冷間圧延を経て
0.30mm厚および0.23mm厚の鋼板とし、脱炭
焼鈍を行った。次いでこの鋼板(幅80QIIm 、長
さ400mm)を温度傾斜炉を用いて圧延方向に伸長し
た(110) (001)型の単一の単結晶に成長させ
た。この単結晶板を磁気測定試料に加工し歪を除去した
。そして圧延方向と直角方向に511℃m間隔でスクラ
ッチを入れ2次いでAl1Nを2μの厚みでイオンブレ
ーティング法でドライコーティングした。得られた成品
をN3雰囲気中で800℃X2hrの歪取り焼鈍を施し
た。
単結晶素材の段階、スクラッチ後の段階、^lNドライ
コーティング後の段階、および歪取り焼鈍後の段階にお
いて、B+。および’A’+tzsaを測定した。それ
らの結果を第1表、第2表に示した。
また層間抵抗値の測定結果も併せて示した。
第1表(素材板厚が0.30mmの場合)さらに、同じ
単結晶素材試料に対し、^fiNドライコーティングの
あと歪取り焼鈍を行った場合と、AINドライコーティ
ングのあとスクラッチして歪取り焼鈍を行った場合のB
111およびWl、l/S。
を測定した。結果を第3表〜第6表に示した。
第5表 (素材板厚が0.30mmの場合)第6表(素
材板厚が0.30sn+の場合)試験例2 試験例1と同じ単結晶素材を磁気測定試料に加工し、歪
を除去したあと、圧延方向と直角方向に51間隔でスク
ラッチを入れ9次いでTiNを2μの厚みでイオンブレ
ーティング法によりドライコートしたあと、さらに絶縁
コーティングとして通常の燐酸系コーティングを施して
歪取り焼鈍を行った。各段階の810、W2.ハ。1層
間抵抗値を第7表(板厚0.30mm)および第8表(
0,23mmm)に示した。
第7表(素材板I! 0 、30 m m )第8表(
素材板厚0.23mm) また、同じ単結晶試料にに対し、TiNドライコーティ
ングのあと歪取り焼鈍を行った場合と。
TiNドライコーティングのあとスクラッチして歪取り
焼鈍を行った場合のB111およびW、、、10を測定
した。結果を第9表、第10表に示した。
第9表(素材板厚0.30++u+) 第10表(素材板厚0.30曽曽) 試験例3 面内平均直径が約40su+の粗大結晶板(厚み0.3
01−)を素材とし、AINのドライコーティング層を
4μとした以外は、試験例1を繰り返した。磁気特性の
変化は第11表のとおりであった。
第11表(素材板厚0.30−m) 試験例4(比較例) 市販の平均直径約Ions位の結晶粒或いはそれ以下の
結晶粒からなる方向性珪素鋼板(板厚0.30mm )
のうちから高透磁率のものを選択し、酸洗によりグラス
皮膜並びに表面コーティングを除去したあと、磁気測定
試料に加工して歪を除去したものを供試材料とした以外
は試験例3と同様にスクラッチとAj!Nドライコーテ
ィングを施して歪取り焼鈍を行った。結果を第12表に
示した。
第12表(素材板厚0.30mm) 試験例5(比較例) 面内平均直径が約40mmの粗大結晶板(厚み0.30
mm)ではあるが、方向性が不良のために810の値が
19500ガウス以下である鋼板を素材として使用した
以外は1 試験例3を繰り返した。磁気特性の変化は第
13表のとおりであった。
第13表(素材板厚0.30mm) 以上の試験例における鉄損値の変化を第1図〜第3図に
示した。これらの結果から次のことが明らかである。
第1図は、板厚が0.23a+*の場合の素材に対して
スクラッチ−ドライコーティング−歪取り焼鈍の鉄損値
の変化を示したものであるが+B+。特性が高い単結晶
板および粗大結晶板はスクラッチで鉄損値が低下し、ド
ライコーティングで更に鉄損値が低下し、しかも歪取り
焼鈍でさらに鉄損値が低下する。特に歪取り焼鈍で更に
鉄損値が低下する効果はA/Nドライコーティングの場
合において著しく現れる。
第2図は、板厚が0.30−一の場合の素材に対してス
クラッチ−ドライコーティング−歪取り焼鈍の鉄損値を
変化を示したものであるが、やはり第1図と同様な傾向
で鉄損値が低下する。この場合。
特記すべきこととして+BI。特性が低い(B10<1
95000ガウス)市販の平均直径1(1+v位の結晶
粒或いはそれ以下の結晶粒からなる珪素鋼板(第12表
の試験例4)またはB10特性が低い粗大結晶粒板(第
13表の試験例5)を素材としたもの、つまり結晶方向
性が十分ではない珪素鋼板では、スクラッチおよびドラ
イコーティングによる鉄損値の低下効果は現れるものの
、結晶方向性の優れたものに比べるとその効果は低い、
すなわち、結晶方向性の優れた珪素鋼板に対してスクラ
ッチおよびドライコーティングによる鉄損値向上効果は
顕著に現れることがわかる。
第3図は、素材に対して、ドライコーティング→歪取り
焼鈍を行った場合、ドライコーティング−スクラッチ−
歪取り焼鈍を行った場合の鉄損値の変化を示したもので
ある。第3図から明らかなように、ドライコーティング
だけでも鉄損値低下の効果が現れ且つ歪取り焼鈍でも鉄
損値は悪くならない、同様なことはドライコーティング
のあとスクラッチした場合にも現れる。しかし良好な効
果は、第1図や第2図に見られるようにB10特性が高
い単結晶板または粗大結晶板にスクラッチ−ドライコー
ティングを行った場合に達成される。
特に、Aj!Nのドライコーティング層をスクラッチを
入れた単結晶板または粗大結晶板に形成させたものは、
前記のように鉄損値の改善効果が優れると共に、このA
IN自身が絶縁被覆の役割を果たすので従来のようの燐
酸系もしくは燐酸+Cr酸系の絶縁コーティングを必要
とせず、積層した場合の占有率の面でも著しく良好とな
る。
以上のように1本発明によると、S+O特性の優れた 
(結晶方位の著しく優れた)単結晶板または面内直径が
30mm以上の粗大結晶板を素材として。
これにAlNやTiNなどのドライコーティング層によ
る張力効果による磁区制御と、また好ましくはドライコ
ーティングの前にスクラッチによる機械的磁区制御を行
うことによって、従来の珪素鋼板にはない鉄損値改善効
果を達成したものであり2 B10特性とLtzs。特
性の両面において従来のものにはない新規な一方向性珪
素鋼単結晶板または粗大結晶粒板を提供するものである
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一方向性珪素鋼単結晶板(板厚0.2
3mm)の鉄1員値を示す図、第2図は本発明の一方向
性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板(仮N O、30
tm m )を市販の微細粒珪素鋼板の鉄損値と比較し
て示した図、第3図は本発明の一方向性珪素鋼単結晶板
の他の例の鉄損値を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)圧延方向に実質的に<100>軸をもつ一方向性
    珪素鋼板であって、該鋼板が一つの単結晶からなるかま
    たは平均30mm以上の面内直径をもつ粗大結晶粒から
    なり且つ圧延方向における10エルステッドの磁束密度
    B_1_0が19500ガウス以上である一方向性珪素
    鋼単結晶板または粗大結晶粒板の表面に、10kg/m
    m^2以下の弾性張力をもつ厚さが10μ以下の金属化
    合物のドライコーティング層を形成させてなる一方向性
    珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板。
  2. (2)圧延方向に実質的に<100>軸をもつ一方向性
    珪素鋼板であって、該鋼板が一つの単結晶からなるかま
    たは平均30mm以上の面内直径をもつ粗大結晶粒から
    なり且つ圧延方向における10エルステッドの磁束密度
    B_1_0が19500ガウス以上である一方向性珪素
    鋼単結晶板または粗大結晶粒板の表面に、該鋼板の圧延
    方向とは直交する方向に狭間隔の線状疵を付与したうえ
    で、10kg/mm^2以下の弾性張力をもつ厚さが1
    0μ以下の金属化合物のドライコーティング層を形成さ
    せてなる一方向性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板。
  3. (3)圧延方向に実質的に、<100>軸をもつ一方向
    性珪素鋼板であって、該鋼板が一つの単結晶からなるか
    または平均30mm以上の面内直径をもつ粗大結晶粒か
    らなり且つ圧延方向における10エルステッドの磁束密
    度B_1_0が19500ガウス以上である一方向性珪
    素鋼単結晶板または粗大結晶粒板の表面に、10kg/
    mm^2以下の弾性張力をもつ厚さが10μ以下の金属
    化合物のドライコーティング層を形成させたうえで、該
    鋼板の圧延方向とは直交する方向に狭間隔の線状疵を付
    与してなる一方向性珪素鋼単結晶板または粗大結晶粒板
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