JPS6321322Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、脱装置と、昇降機と、脱装置
から昇降機を経て搬送された摺落米を選別する選
別装置とよりなる籾摺選別装置に関するものであ
る。

従来、この種の籾摺選別装置においては、選別
された籾、混合米を受けてそれぞれ脱装置、昇
降機に還元するための籾受ホツパ、混合米受ホツ
パと、玄米を受けて粒選別装置等に送るための玄
米受ホツパが設けられていたが、籾摺作業開始直
後の調整中等において籾選別装置の選別状態の不
良の際は、一方では切換弁を作動せしめて、玄米
を粒選別装置に送らずに、混合米受ホツパに送つ
て昇降機に還元していた。また他方では、循環す
る混合米の量が多くなるため、脱装置の籾供給
口の摺出シヤツターを閉じて、新たな籾の供給を
停止するようにしていた。このため籾受ホツパに
受けられた籾も脱装置に還元されず、籾受ホツ
パに溜り次第に一杯となつて遂には外部に溢れ出
すことになる。そこで摺出シヤツターを開いて籾
受ホツパ内の籾の量を減少せしめるが、同時に籾
供給漏斗から供給する籾の量が増加して、循環す
る籾の量が増加し昇降機を詰まらせる等の故障を
発生していた。

この考案は、籾受ホツパが満杯となつて摺出シ
ヤツターを開くというような上述の悪循環をなく
して昇降機を詰まらせる等の故障を防止し、しか
も、正常な選別状態が得られたならば直ちに正常
な籾摺選別作業を行い得る籾摺選別装置を提供し
ようとするものである。

この目的を達成するために、この考案は、脱
装置１から昇降機３を経て搬送される摺落米を選
別するための選別装置５を備えた籾摺選別装置に
おいて、前記脱装置１へ籾を供給すべく開口し
た籾供給口６を開閉自在に設け、前記選別装置５
で選別された籾を受けて流下させながら直接前記
籾供給口６を介して前記脱装置１へ還元するた
めの籾受ホツパ７と、前記選別装置５で選別され
た混合米を受けて前記昇降機３へ還元するための
混合米受ホツパ９とを隣接して設け、籾受ホツパ
７の混合米受ホツパ９側に隣接している側板部及
び混合米受ホツパ９の籾受ホツパ７側に隣接して
いる側板部を、籾受ホツパ７及び混合米受ホツパ
９の他の側板部より低い位置で接合し、籾受ホツ
パ７と混合米受ホツパ９との隣接部分に、前記籾
受ホツパ７から溢れる籾を前記混合米受ホツパ９
へ流入させるための連通路１５を設けたものであ
る。

以下、図面によりこの発明の１実施例について
説明を行う。

機枠１７は下部機枠１９と、その上方に固着す
る上部フレーム２１とよりなり、箱型形状に形成
されている。下部機枠１９の外側には側面カバー
２３，上面には上面カバー２４が装着され、内部
には脱装置１および粒選別装置２５が配設され
ている。また上部フレーム２１の内部には籾選別
装置５が収容されている。

脱装置１はつぎのように構成されている。す
なわち、下部機枠１９には２個の脱ロール２
７，２７が相対して回転自在に設けられ、モータ
ー（図示せず）の駆動により回転して、その間で
籾を脱するものである。脱ロール２７，２７
の上方には籾供給漏斗２９および籾受ホツパ７か
ら投入される籾を受ける脱漏斗３３が設けら
れ、脱漏斗３３の開口部、換言すれば脱装置
１へ籾を供給すべく開口した籾供給口６を摺出シ
ヤツター３７により開閉自在にしている。脱ロ
ール２７，２７の下方には風選室３９が設けら
れ、唐箕（図示せず）により発生する選別風によ
り、脱ロール２７，２７下方の傾斜板４１の端
部から落下する玄米，籾，籾がらを選別し、玄
米，籾の混入する混合米は直下の底部に設けた１
番螺旋４３から昇降機３により、籾選別装置５に
搬送する。籾がらは風選室３９に連通する籾穀ダ
クト４５から排出される。籾がらの混合した籾は
１番螺旋４３よりも風下側底部に設けた２番螺旋
４７に入り外部に排出される。

選別装置５はつぎのように構成されている。す
なわち、昇降機３の排出漏斗４９の下方に、多層
に重ねた選別板５１，５１，……が前後，左右に
傾斜して、揺動自在に設けられている。排出漏斗
４９の直下位置には供給口５３が開口し、各選別
板５１，５１，……に連通し、排出漏斗４９から
排出される混合米を受けて各選別板５１，５１，
……に分配供給する。選別板５１は表面に傾斜す
る突起５５，５５，……が多数設けられ、揺動作
動により混合米を選別し、傾斜縁に沿つて上方か
ら下方に向う順に、玄米，混合米，籾に分類し、
玄米は玄米出口５７から玄米受ホツパ５９を経て
粒選別装置２５に送られ、混合米は混合米出口６
１から混合米受ホツパ９に入り、混合米返換シユ
ート６３を経て昇降機３に還元される。籾は籾出
口６５から籾受ホツパ７を経て脱漏斗３３に還
元される。なお、前記玄米出口５７，混合米出口
６１，籾出口６５は、玄米受ホツパ５９，混合米
受ホツパ９，籾受ホツパ７内にそれぞれ臨ませて
もよいものである。玄米受ホツパ５９と混合米受
ホツパ９との間に交互に切換えられる切換弁６７
が開閉自在に設けられ、作業開始等に玄米出口５
７から玄米受ホツパ５９へ混合米が排出されると
き、この混合米受ホツパ９へ排出できるように切
換弁６７を切り換えるものである。また籾受ホツ
パ７と混合米受ホツパ９との間を仕切る仕切壁１
１の高さは籾受ホツパ７の外壁１３の高さよりも
低く設けられ、上方に連通路１５が形成して設け
られて、脱漏斗３３および籾受ホツパ７に籾が
充満したとき連通路１５から溢れて混合米返換シ
ユート６３から昇降機３に送られるものである。
選別板５１は下部の台部７５の傾斜下端部７７の
両側に、それぞれ懸架ロツド７９の下端がピン８
１により枢着され、傾斜上端部８３の両側には、
それぞれ懸架ロツド８５の下端がピン８７により
枢着されている。上部フレーム２１にはブラケツ
ト８９，８９を介して軸９１が回動自在に支持さ
れ、軸９１に固着するアーム９３，９３の端部に
はピン９５により懸架ロツド７９，７９の上端が
枢着されている。また上部フレーム２１にはブラ
ケツト９７，９７を介して軸９９が回動自在に支
持され、軸９９に固着するアーム１０１，１０１
の端部にはピン１０３により懸架ロツド８５，８
５の上端が枢着されている。軸９１，９９には上
方に向つてアーム１０５，１０７がそれぞれ固着
して設けられ、端部には、それぞれ軸１０９，１
１１を介して連結杆１１３の両端が枢着されてい
る。軸９９にはアーム１１５が固着し、端部に軸
１１７により調節杆１１９が枢着されている。調
節杆１１９は軸１１７に長さ調節自在に螺合し、
他端は自在接手１２１を介してハンドル１２３に
連結されている。ハンドル１２３は軸受１２５を
介して上部フレーム２１に回動自在に軸支され、
ハンドル１２３を回動することにより籾選別板５
１の傾斜角度を調節するものである。籾選別板５
１は揺動装置１２７により揺動作動する。揺動装
置１２７はつぎのように構成されている。すなわ
ち、台部７５の下面に設けたブラケツト１２９に
球面軸受１３１，スライド軸受１３３を介して軸
１３５が係合している。下部機枠１９にはブラケ
ツト１３７，１３７を介して回転軸１３９が軸支
され、プーリー１４１によりベルト１４３を介し
てモーター（図示せず）で回転駆動される。軸１
３５は回転軸１３９の端部に固着するアーム１４
５に回転軸１３９と平行方向に偏心して固着し、
回転軸１３９の回転により籾選別板５１を揺動せ
しめるものである。なおピン８１，８７，９５，
１０３の中心点をそれぞれA¹，A²，B¹，B²と
し、A¹−A²の中心点をＡ，B¹−B²の中心点をＢ
とし、回転軸１３９の中心線がＡ，Ｂを通過する
よう構成されている。

粒選別装置２５はつぎのように構成されてい
る。すなわち、下部機枠１９内に選別筒１４７，
１４７が傾斜して回転自在に並設されている。選
別筒１４７には複数スリツトが形成され、傾斜上
端に供給ホツパー１４９が連通している。供給ホ
ツパ１４９は選別装置５の玄米受ホツパ５９から
排出される玄米を受けて選別筒１４７に供給す
る。玄米は選別筒１４７内を転動、流下するにと
もなつて、玄米に混入するわら屑等はスリツトを
通過して除去され、選別風により籾穀ダクト４５
に送られ外部に排出される。選別された玄米は選
別筒１４７の末端の選別米排出口１５１から排出
されるものである。

上記の実施例において、籾供給漏斗２９に投入
された籾は、脱装置１により脱され、下部の
風選室３９で風選され、籾がらは籾穀ダクト４５
から排出され、籾は２番螺旋４７から排出されて
籾供給漏斗２９に再び投入される。玄米と籾の混
入した混合米は１番螺旋４３から昇降機３を経て
選別装置５に送られて揺動選別される。選別され
た籾は籾出口６５から脱装置１に還元され、混
合米は混合米出口６１から昇降機３を経て、籾選
別板５１に還元される。玄米は玄米出口５７から
粒選別装置２５に送られ、混入するわら屑等を除
去されて選別米排出口１５１から排出されるもの
である。

なお、選別作業開始直後等において、選別状態
が不良の際には、玄米出口５７から混合米が排出
されるので、一方では、切換弁６７を切り換え
て、この混合米を混合米受ホツパ９に送つて昇降
機３に還元させる。他方では、循環する混合米が
多くなるため新たな籾を供給しないように、摺出
シヤツター３７を閉じる。このため籾受ホツパ７
に籾が充満するが、連通路１５から余分な混合米
が昇降機３に還元され、摺出シヤツター３７を開
く必要がないので、循環する混合米が殖えること
がない。

以上、本考案は実用新案登録請求の範囲の項に
記載のとおりであるから、籾受ホツパ７から溢れ
る籾を混合米受ホツパ９へ流入させるために、弁
部材等を設ける必要がなく、簡単な構成のため故
障することがないのみならず、選別装置の選別不
良時等に籾供給口６を閉塞したような場合に比較
的浅く形成された籾受ホツパにおける余分の籾
が、そのまま直ちに混合米ホツパ９へ確実に流入
される。

従つて、籾受ホツパから溢れた籾は昇降機に還
元されて装置内を循環されるから、脱装置の籾
供給口を開かなくともよく、装置内を循環する混
合米は、正常な選別状態を得るまで一定に保つこ
とができ、昇降機に混合米が詰まることを防止で
きる。しかも、籾供給口を開けば、直ちに通常の
籾摺選別作業が可能となり、籾受ホツパから溢れ
た籾を作業者が脱装置に供給してやる等の作業
を全く必要とすることなく、作業の省力化が図り
得るものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。また、請求の範囲に示す符号は本考案の技
術的範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図，第３図はそれぞれ本考案の１
実施例の側断面図，正面図，平面図，第４図は要
部の斜視説明図、第５図は他の要部の斜視説明
図、第６図，第７図はそれぞれ要部の平面図、拡
大側面図、第８図は要部の正断面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１……
脱装置、３……昇降機、５……選別装置、６…
…籾供給口、７……籾受ホツパ、９……混合米受
ホツパ、１５……連通口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱装置１から昇降機３を経て搬送される摺落
   米を選別するための選別装置５を備えた籾摺選別
   装置において、前記脱装置１へ籾を供給すべく
   開口した籾供給口６を開閉自在に設け、前記選別
   装置５で選別された籾を受けて流下させながら直
   接前記籾供給口６を介して前記脱装置１へ還元
   するための籾受ホツパ７と、前記選別装置５で選
   別された混合米を受けて前記昇降機３へ還元する
   ための混合米受ホツパ９とを隣接して設け、籾受
   ホツパ７の混合米受ホツパ９側に隣接している側
   板部及び混合米受ホツパ９の籾受ホツパ７側に隣
   接している側板部を、籾受ホツパ７及び混合米受
   ホツパ９の他の側板部より低い位置で接合し、籾
   受ホツパ７と混合米受ホツパ９との隣接部分に、
   前記籾受ホツパ７から溢れる籾を前記混合米受ホ
   ツパ９へ流入させるための連通路１５を構成した
   ことを特徴とする籾摺選別装置。