JPS63212786A - ポンプロ−タ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、歯車ポンプ又は歯車モータの構成要素であ
る内接歯車式のポンプロータ、詳しくは、アウターロー
タの振動に起因した騒音の抑止効果と、高速回転時のキ
ャビテーションの抑止効果を同時に高めたポンプロータ
に関する。

［従来の技術） 内接歯車ポンプに見られる高速回転時の圧力変動及びキ
ャビテーションの発生は、ポンプの騒音の一大要因であ
るアウターロータの振動を招く。

従って、高速回転の考えられる用途では、アウターロー
タの振動を可及的に小さく抑えることが要求される。　
・ このような要求に応えんとした従来技術としては、実開
昭６１−４８９８４号や実開昭６１−１７９３８５号な
どがある。

前者の公報に示されるポンプは、インナー及び７ウタ一
ロータ間に作られるポンピングチャンバが容積最大位置
から回転して吸入液を圧縮し始めたときに起こる吐出ボ
ートからのボンピングチャンバへの圧力の逆流を防止し
てキャビテーションを抑制しようとするものである。一
方、後者の公報に示される技術は、最・大容積のポンピ
ングチャンバが位置する基準閉込み部において、ケーシ
ング内周面にポケットを設け、このポケットに吐出ボー
ト内圧力を常時導入することによりアウターロータの外
周面に偏向力を作用させて、インナー及びアウターロー
タの歯先間シール性を高め、これによって、ポンプの吐
出効率を上げようとするものである。

（発明が解決しようとする問題点） キャビテーションの発生原因の１つに、この種のポンプ
の場合、吸入初期のポンピングチャンバの入口部面積が
小さく、為に、吸入初期にはボンピングチャンバ内の負
圧が大きく、また、そのために流体の流入速度が急激に
早まることが挙げられるが、実開昭６１−４８９８４号
のポンプは、かかる点に関しての対策は何ら講じておら
ず、従って、キャビテーション対策としては充分でなく
、また、アウターロータの振動を強制的に阻止するもの
でもないので、回転中のアウターロータがガタッキ易く
、ポンプの騒音対策としても充分でない。

一方、実開昭６１−１７９３８５号のポンプは、ポケッ
ト内の導入圧によってアウターロータがインナーロータ
に強く押し付けられならば、アウターロータの振動は充
分に抑制される。しかし、実際には、最大容積位置から
吐出ボートに至る間のボンピングチャンバの容積縮小に
より、基準閉込み部におけるポンピングチャンバ内のピ
ーク圧が吐出ボート内圧力よりもかなり高くなるので、
ポケット内導入圧によるアウターロータ押し付は力の大
半が殺されてしまう、従って、アウターロータの強い押
し付けは期待できず、振動防止効果が不充分になる。ま
た、吸入初期のポンピングチャンバの入口部面積の不足
に起因したキャビテーションも抑えることができない。

そこで、この発明は、ポンプの騒音と、騒音の原因とな
るだけでなく、ポンプの性能低下、劣化の原因ともなる
キャビテーションの問題を同時に解決しようとするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、上記の目的を達成するため、第１図に示す
ように、円弧歯２を備え、その円弧歯の数はインナーロ
ータの歯数よりも１枚多いアウターロータ１と、円弧歯
２の歯形をもとにして創成されるトロコイド曲線を基本
にした曲線歯４を備えるインナーロータ３とを組合せて
構成される歯車ポンプ又は歯車モータ用のポンプロータ
において、先ず、インナー、アウター両ロータの歯丈を
一致させる。即ち、アウターロータ１の歯部の長径Ｄ１
と短径り、の寸法差と、インナーロータ３の歯部の長径
ｄ１と短径ｄ２の寸法差とを等しくし、作用の欄で詳述
するように、過大クリアランスによるアウターロータの
振動を抑える。

また、インナーロータ３に対する円弧歯２の有効噛合い
部（第３図のαの領域）と円弧歯間にある歯溝の中心部
（第３図のａ点部分）とを避けた位置でアウターロータ
１に、そのロータ内周面と端面とに開放する凹部５を設
け、インナーロータとの間に振動につながるクリアラン
スを生じさせずにボンピングチャンバの入口部面積を増
加させる。第５図は、長径り、の円弧と円弧歯２の半径
ｒの円弧との交点部に設けた凹部５を拡大して示してい
る。この凹部５は、アウターロータの一端面から他端面
に至るもの、或いは第６図に示すように、ロータの厚み
方向に独立したもののいずれであってもよい、また、歯
溝の中心を境にして回転方向の前方と後方の２個所にあ
る凹部の一方は省略してもよい。

〔作用〕

、　　第１図乃至第４図における矢印Ａはポンプロータ
の回転方向を示している。また、（イ）〜に）の矢印は
、歯車ポンプにおいて吐出側の液圧がアウターロータ１
に作用してアウターロータを半径方向に移動させようと
する力の方向を、”％　ｂｓ　８％　ａ’、ａ＃の各点
は、インナーロータ３とアウターロータ１が回転中に衝
撃力を伴って衝突する可能性のある接触部を示している
。細かい点を打った部分は圧力の加わった液体である。

なお、インナー及びアウターロータの歯間のシールのた
めの噛合いは、第３図のａ′点を始点、同−円弧歯２の
αの角度離反した点を終点にして行なわれる。

インナー及びアウターロータ間に画されるポンピングチ
ャンバのうち、最大容積部のチャンバ６が封じ切られる
直前の第１図、チャンバ６に吸入された液体７が圧縮を
開始された直後の第２図、液体７の圧縮比が高まった第
４図の回転状態では、吐出側の液圧によりアウターロー
タ１がそれぞれ（イ）、（ロ）、に）の方向に押されて
ａ　、ｂ　％　Ｃの各点でインナーロータ３と接触し、
この接点部にインナーロータの回転力を受けて円滑に回
転する。

しかるに、第３図の状態になったときには、Ｙ軸とほぼ
平行なｔ）の押し方に対してアウターロータ１を受は止
めるのはｂ点のみとなる。つまり、この状態では、ａＳ
ｂ、ｃ点でのインナーロータ３による了うターロータ１
の（ハ）の方向への動きの拘束が全く行えないばかりか
、ｂ点にはアウターロータの歯形によりそのロータを図
の下方に移動さようとする分力が生じるのである。

ところが、従来のポンプロータは、アウターロータの歯
溝の底がインナーロータの歯部の山頂から離れる設計と
されているので、ａ点の接触部は無く、しかも、アウタ
ーロータはケーシングに対して半径方向に移動の自由度
をもっており、このために、アウターロータ１が、ａ′
、ａ＃の部分が接点となる迄Ｙ軸方向下方に動く、その
勧きは、ａ′、８１点での接線の勾配がＹ軸と平行に近
いため非常に大きい、そして、ここで大きく移動したア
ウターロータは、第２図の状態に移る間に同図のａ点の
接触により再び原位置にもち上げられる。高速回転時の
騒音は、インナーロータが１回転する間にアウターロー
タ３がインナーロータの歯数と同一回数上下動し、移動
のたびに大きな衝撃力を伴なってインナーロータに衝突
するために起る。

一方、本発明によれば、アウターロータの歯丈がインナ
ーロータのそれと一致しているので、第３図の状態で接
点ａが生じ、アウターロータ１のＹ軸下方への移動がイ
ンナーロータ３によって阻止される。従って、アウター
ロータは殆んど振動せず、円滑な回転が保証される。

なお、厳密に云えば、加工誤差やインナーロータ３の回
転軸８に対する偏心に起因した手動はあるが、これは微
々たるものであるので問題にはならない。

また、従来のポンプロータは、アウターロータのＹ軸下
方への変位によってポンピングチャンバの封じ切り点で
ある第３図の０点でのインナーロータとのクリアランス
が大きくなり、圧縮中の液体の圧力の逃げがあるが、こ
の発明によれば、その問題も解決される。

次に、上述したり、−Ｄ□−ｄ、−ｄｔの設計であると
、特に吸入初期のポンピングチャンバの入口部面積が非
常に小さくなり、かえってキャビテーションを招き易く
なる。

しかしながら、上述した区域に凹部５を設けると、この
凹部５は、吸入ボート（図示せず）に面するアウターロ
ータの端面に開放しているため、上記チャンバの入口部
面積が実質的に大きくなる。

従って、凹部５の大きさをうまく調整すれば、吸入初期
の流体のポンピングチャンバへの流入速度を流体固有の
キャビテーション発生速度以下に抑えることができ、ま
た、それによってチャンバ内の圧力低下を抑えることが
できる。加えて、吐出ボート（これも図示せず）の終点
通過後も凹部５内に残される加圧流体の吸入ボート側で
のポンピングチャンバ開放による膨張も流入速度の遅延
とチャンバ内圧力低下の抑制に有効に作用する。このた
め、キャビテーションが効果的に抑制される。

なお、アウターロータ１の歯溝の中間点は除去されずに
そのまま残されているので、第３図の状態における接点
ａでのアウターロータの動きの拘束効果はそのまま維持
される。

〔効果〕

以上述べたように、この発明は、アウターロータとイン
ナーロータの歯丈を一致させることによってアウターロ
ータの振幅を小さく抑え、また、一方では、アウターロ
ータの歯丈を変化させない位置に、容積最小時のポンピ
ングチャンバの入口部面積を拡げる凹部を設けて上記入
口部面積の不足に起因したキャビテーションを防止した
ものであるから、それ等の相乗効果によりポンプ騒音が
非常に小さくなる。即ち、歯丈の一致によりアウターロ
ータの衝撃を伴う移動がなくなり、また、キャビテーシ
ョンの抑制により、アウターロータを振動させるようと
する力自体が生じ難くなり、その結果、高速回転域での
ポンプ騒音が小さくなる。

また、キャビチーシラン抑制効果によって、高速回転域
でのポンプ効率が高まり、かつ、キャビテーションに起
因した部品の侵食減少が残るためポンプ寿命も延びる。

しかも、ポンプ効率の向上効果は、歯丈の一致によるア
ウター及びインナー間の歯間シール性が良くなることに
よって更に増強される。

なお、この発明のポンプロータは、高速回転用途で特に
顕著な効果を発揮するが、低速回転域でも回転の円滑化
を可能にすると云う特有の効果を有し、従って、その産
業上の貢献度は非常に高いと云える。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、この発明のポンプロータの回転動
作を順に追って示す正面図、第５図は第３図のａ−ａ”
間に存在した凹部上５の拡大図、第６図は凹部５の変形
例を示す断面図である。 １・・・・・・アウターロータ、２・・・・・・円弧歯
、３・・・・・・インナーロータ、４・・・・・・曲線
歯、５・・・・・・凹部、６・・・・・・容積最大部の
ポンピングチャンバ、７・・・・・・圧力の加わった液
体、８・・・・・・回転軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 円弧歯を備えるアウターロータと、上記円弧歯の歯形を
   もとにして創成されるトロコイド曲線を基本にした曲線
   歯を備えるインナーロータとを組合せて構成される歯車
   ポンプ又は歯車モータ用のポンプロータにおいて、アウ
   ターロータの歯部の長径と短径の寸法差と、インナーロ
   ータの歯部の長径と短径の寸法差を等しくし、さらに、
   インナーロータに対する上記円弧歯の有効噛合い部と円
   弧歯間にある歯溝の中心部とを避けた位置で、アウター
   ロータに、そのロータの内周面と端面とに開放する凹部
   を付加したことを特徴とするポンプロータ。