JPS63203701A - 粉末冶金用合金鋼粉及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、各種焼結部品の製造に使用される粉末冶金
用合金鋼粉及びその製造方法に関する。

（従来の技術） 純鉄粉を主原料とした焼結部品がよく知られているが、
この種の焼結部品は強度レベルが低くその用途が限られ
るため、純鉄粉に代えて合金銅粉を使用する技術が開発
されている。

なかでもＮｉを予合金化した合金鋼粉は、Ｎｉの冶金学
的作用と併せて予合金化による焼結組織の均一化をはか
れるため優れた機械的特性が得られる。

一方該合金鋼粉の粉末冶金への適用に当り、焼結部品の
機械的特性を改善するため、合金鋼粉の圧縮性を向上さ
せることが肝要である。

合金鋼粉に関し特公昭４５−９６４９号公報には、鉄粉
表面に合金成分を拡散付着させる方法が開示されている
が、Ｎｉのような比較的拡散速度の遅い合金成分を焼結
時に焼結体中へ均一に固溶させることは困難で、得られ
た焼結組織が不均一になることは避けられず、焼結部品
の機械的特性は不充分である。そこで、合金成分をすべ
て鋼粉中に予合金化する方法も考えられるが、予合金化
は原理的に合金成分量が増加するほど合金成分による固
溶硬化が促進され、銅粉の圧縮性が低下してしまう。

さらにＮｉを予合金化した場合にはＮｉが銅粉の結晶粒
を微細化するため、一層圧縮性が低下する問題点がある
。

一方特公昭４８−３４５０９号公報には、銅粉の再結晶
工程と還元工程とを分けた製造方法により粉体特性を向
上させた鉄粉についての開示がある。しかしＮｉを含有
する銅粉を処理する際の配慮及び鉄粉、合金鋼粉の圧縮
性については何ら示されていない。

（発明が解決しようとする問題点） Ｎｉを予合金化した合金鋼粉はその圧縮性が低いことが
問題であり、又圧縮性に影響を及ぼす要因についても不
明である。

この発明は、圧縮性の高いＮｉ予合金鋼粉及びその製造
方法を提供することが目的である。

（問題点を解決するための手段） 発明者らはＮｋ系予合金鋼粉の圧縮性について研究した
ところ、次の様な事実を知見するに至った。

すなわち、Ｎｉは鋼粉の結晶粒の微細化作用が大きいこ
と、純鉄粉はＮ、含有雰囲気中で１次焼鈍しても９５０
℃以上の温度範囲では１次焼鈍後の純鉄粉中のＮ量は温
度上昇とともに低下するのに対して、Ｎｉ予合金鋼粉の
Ｎ量はいずれの温度でも差がなくしかも純鉄粉より高く
なること、及び１２００’Ｃ１１、雰囲気中で１次焼鈍
された純鉄粉およびＮｉ予合金鋼粉の解砕束はＮｉ予合
金鋼粉の方が大きいこと、がそれぞれ圧縮性を低下する
要因である。

そして発明者らは上記圧縮性を低下させる要因を除くこ
とが、Ｎｉ予合金鋼粉の圧縮性を高めるのに有利である
ことを見い出し、この発明を完成した。

すなわちこの発明は、水アトマイズ法で製造される粉末
冶金用合金鋼粉であつて、Ｎｉ：４ｗｔ％以下を含みか
つＮ　：　０．００１５ｗｔ％以下に抑制した組成にな
り、結晶粒数が６４００個／ｍ”以下であり、固体潤滑
剤１ｗｔχ混合時、成形圧力１ｔ／ｃｖａ”で７．ｌ。

ｇ／ｃｍ″以上の圧粉密度を有することを特徴とする粉
末冶金用合金鋼粉及びＮｉ：４ｈｔ％以下を含有する水
アトマイズ合金鋼粉を脱水、乾燥後、１０００〜１３０
０”Ｃの温度に加熱して１次焼鈍を施してから通常の解
砕を行い、ついで６００〜８００℃と温度に加熱して２
次焼鈍を施してから通常の解砕を行うことを特徴とする
粉末冶金用合金鋼粉の製造方法である。

（作　用） 粉末冶金法において、焼結体の機械的特性及び焼結体製
造時の生産性の向上を達成するためには、銅粉の圧縮性
を高めることがきわめて重要となる。

中でもＮｉを含有させた予合金鋼粉は、Ｎｉの冶金学的
作用と併せて、予合金化のため焼結鋼組織が均一となる
ため、優れた機械的特性が得られるが、Ｎｉの結晶粒微
細化作用のためその鋼粉の圧縮性は、粉末冶金用として
は不充分である。

この合金鋼粉の圧縮性を向上させるには、特に以下の様
な特性を必要とする。

すなわち、水アトマイズ法で製造される合金鋼粉はアト
マイズ時に噴霧水で急冷されるため非常に微細な結晶粒
を有しており、圧縮性の向上には結晶粒の粗大化が要求
される。

本発明の成分範囲において、鋼粉の圧縮性と鋼粉結晶粒
数との関係を検討した結果、固体潤滑剤を１ｗｔχ混合
し、７ｔ／ｃｍ”の圧力で成形した時、高強度用焼結材
料に要求される７、１０ｇ／ｃｍ３以上の圧粉密度を得
るには、鋼粉結晶粒数を６４００個／ｆｆｌ１１！以下
テ、含有Ｎｉｌ　Ｏ，００１５ｗｔＸ以下、かつ１次焼
鈍後の解砕時の鋼粉中の歪を除去する必要があることが
明らかとなった。

銅粉結晶粒数を６４００個／閤２以下にするには、銅粉
の１次焼鈍温度が重要で、１０００℃より低い温度では
結晶粒の粗大化が不充分となるため、１０００℃以上で
１次焼鈍する必要がある。また、１３００℃より高い温
度では、焼鈍時に銅粉の焼結が進行し、１次焼鈍後の解
砕時に銅粉に加わる加工歪が大きくなり、次いで行なわ
れる２次焼鈍特に歪を充分除去できなくなり、鋼粉の圧
縮性を低下させるため適当でない、このため１次焼鈍は
１０００〜１３００℃で行なう必要がある。

一方、１次焼鈍後の解砕束の除去と含有Ｎ量を０．０Ｏ
１５ｓ＊ｔ％以下にするには、２次焼鈍温度が重要であ
り、６００″Ｃより低い温度では鋼粉の脱Ｎと上述の解
砕歪除去が不充分となるため適当でない。

また８００℃より高い温度では再び脱Ｎが困難となり、
鋼粉中Ｎが増加するため適当でない、このため１次焼鈍
後の解砕歪を除去するための２次焼鈍温度は６００〜８
００℃で行なう必要がある。

又合金鋼粉中のＮｉ含有量は要求される焼結体の特性に
応じて決められるが、Ｎｉの予合金量の増加は鋼粉の圧
縮性の低下を招き、とくに４ｗｔχをこえての含有は圧
縮性が急激に低下するため、上限を４ｗｔ＄とした。一
方下限については、０．１ｗｔ％以下では焼結体の熱処
理時に強度向上の効果がなくなるため適当でない。

さらに、Ｎｉに加えてＭｏ　、　Ｈ、Ｃｕの中から選ば
れる１種以上の合金成分を以下の組成範囲で加えること
により、銅粉の圧縮性を損うことなく、焼結体の特性を
より一層高めることが可能となる。

Ｍｏ　：　０．１〜１．０５ｗｔχ Ｍｏは焼結体の焼入れ性改善に有効であるが、過分の含
有は銅粉の圧縮性の低下を招き好ましくない。すなわち
Ｍｏが０．１ｗｔχ未満では、焼結体の熱処理時の硬さ
向上に寄与せず、また１ｗｔχを越えると銅粉の圧縮性
が低下するため適当でない。

Ｗ　：　０．２〜２．Ｏｗｔχ −は、０．２ｗｔχ未満では焼結体の熱処理時の硬さ向
上に寄与せず、一方２．Ｏｗｔχを越えると銅粉の圧縮
性が低下し、さらに焼結体の熱処理において炭化物生成
が促進され基地中のＣが低下して硬さが減少するため好
ましくない。

Ｃｕ　：　０．２〜０．７ｓ＊ｔχ Ｃｕは０．２ｗｔχ未満では焼結体の熱処理時の硬さ向
上に寄与せず、一方０．１ｓｔχを越えるとやはり鋼粉
の圧縮性が低下する。

なお１次焼鈍時の雰囲気は結晶粒の粗大化を妨げない雰
囲気であればよく、通常の還元性、中性、不活性雰囲気
が使用でき、さらに脱炭性の雰囲気でも可能である。加
えて２次焼鈍時の雰囲気は１次焼鈍時に生じる可能性の
ある銅粉中Ｎ量の増加および１次焼鈍後の解砕による加
工歪を除去できる雰囲気であればよく、１次焼鈍時にＮ
の増加を生じない雰囲気を用いた場合には、その他の雰
囲気の使用も可能である。一方合金鋼粉の還元・脱炭は
１次焼鈍、２次焼鈍のいずれかで行なわれれば良く、用
いる工程に応じて適宜選択すれば良い。

（実施例） ２嵐斑上 水アトマイズされたＮｉ予合金鋼（２−ｔχＮｉ−０，
５ｗｔχＬ０．５ｗｔχＭｏ）のアトマイズ生粉を、露
点２５℃のアンモニア分解ガス雰囲気中にて９５０℃〜
１２００℃で２５分間１次焼鈍したのち、通常の解砕を
経て６０メツシユ以下の粒径に篩分けし、さらに露点−
５０℃のアンモニア分解ガス雰囲気中にて６５０℃で２
５分間２次焼鈍し、その後１次焼鈍後の解砕、篩分けと
同一の処理を行なうたところ、表１に示す特性の合金銅
粉を得た。なおＮ含有量は０．００１１〜０．００１３
ｗｔＸ　ニ抑制シタ。

同表から、比較例１では１次焼鈍時の結晶粒粗大化が不
充分なため圧縮性が低く、一方実施例Ａ。

Ｂ及びＣでは成形圧力７　ｔ／ａｍ雪において７．１０
ｇ／ｃｍ３以上の高い圧粉密度が得られたことがわかる
。

また、比較例２では、１次焼鈍温度が１３００℃を越え
るため、２次焼鈍による解砕歪の除去が不充分なため、
再び圧縮性が低下している。

＊ステアリン酸亜鉛１％混合 成形圧力　７ｔ／ｃｍｚ” 実ｍ 水アトマイズされたＮｉ予合金鋼（，１ｗｔχＮｉ−０
．３ｗｔχＣｕ−０．２ｓｓｔχＭｏ）のアトマイズ生
粉を、１次焼鈍温度１１００℃で他の条件は実施例１と
同一の条件で一次焼鈍・解砕・篩分けののち、５００〜
９００℃の温度範囲で他は実施例１と同一の条件で２次
焼鈍・解砕・篩分けを行なったところ、表２に示す特性
の合金銅粉を得た。なお結晶粒数は７７０個／ｗｍ”で
ある。

同表から、比較例３では１次焼鈍後解砕歪の除去が不充
分なため、又比較例４では２次焼鈍時の脱窒が不良なた
め高い圧縮性が得られず、一方実施例Ｄ−Ｆでは歪除去
、脱窒が充分に行なわれ高い圧縮性が得られたことがわ
かる。

本ステアリン酸亜鉛１％混合 成形圧力　７　ｔ／ｃが （発明の効果） この発明ではＮｉを含有する予合金鋼粉特有の圧縮性に
影響をおよぼす種々の問題点を解決することにより、高
い圧縮性を有する粉末冶金用Ｎｉ予合金鋼粉の提供を可
能とした。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、水アトマイズ法で製造される粉末冶金用合金鋼粉で
   あって、Ｎｉ：４ｗｔ％以下を含みかつＮ：０．００１
   ５ｗｔ％以下に抑制した組成になり、結晶粒数が６４０
   ０個／ｍｍ＾２以下であり、固体潤滑剤１ｗｔ％混合時
   、成形圧力７ｔ／ｃｍ＾２で７．１０ｇ／ｃｍ＾３以上
   の圧粉密度を有することを特徴とする粉末冶金用合金鋼
   粉。 ２、Ｎｉ：４ｗｔ％以下を含有する水アトマイズ合金鋼
   粉を脱水、乾燥後、１０００〜１３００℃の温度に加熱
   して１次焼鈍を施してから通常の解砕を行い、ついで６
   ００〜８００℃に加熱して２次焼鈍を施してから通常の
   解砕を行うことを特徴とする粉末冶金用合金鋼粉の製造
   方法。